天井裏や壁際でゴソゴソ音がしているけれども、ネズミとは違う音がしたら、それはハクビシンかもしれません。最近、ダニやノミに家族やペットが刺されるようになったり、天井にシミができるようになったら、それはハクビシンが住み着いてしまったサインです。
そのまま放置していると、家の中がハクビシンの糞尿だらけになって、強烈な悪臭で住むことも難しくなってしまいます。
ネズミかハクビシンか、原因がわからない状態でも、害獣対策の基本は同じですので、とりあえずできることから始めてみましょう。
ハクビシンの生態・特徴
ハクビシンの巣は1カ所ではありません。
あなたの家に何日間か住み着いたら、ある日突然出ていって別のねぐらで数日間過ごします。
そうして何箇所か自分のお気に入りの居場所を持っていて、飽きたら別の場所というような生活をしています。
そのためハクビシンが居たと思ったけれど最近数日間は見ていない、という場合は出ていったのではなく、別のねぐらに行っただけです。
何も対策をしなければ、あなたの家に再び戻ってきます。
まずはハクビシンを家から出すことと、再び戻ってこないように出入り口をふさぐことからはじめましょう。
■ハクビシンの好きな食べ物
ハクビシンは果物が大好きです。
ハクビシンが家に入ってくるということは、あなたの家にハクビシンが好きなものがあるのかもしれません。
ハクビシンは雑食で、何でも食べます。
元は東南アジア出身の動物なので、バナナやマンゴーなどの果物が大好きです。
イチジクやカキ、ナシ、ミカンが庭木にあったら用心してください。
また、ネズミやカエル、小鳥なども襲って食べますし、鳥の卵も大好物です。
家で鶏を飼っていたら、ハクビシンに襲われないように気をつけてください。
小鳥を飼っている家は、小鳥だけでなく卵にも気をつけましょう。
そしてハクビシンは昆虫も食べます。
ハクビシンが出てきて、唯一良いことと言えばゴキブリを食べてくれることです。
しかし、ハクビシンの糞尿でダニやノミが発生してしまうので、必ずしも良いとは言い切れませんね。
ハクビシンの対策方法8選
■1 金網で侵入経路をふさぐ
ハクビシンが自分の家をねぐらにしていると気づいたら、二度と入ってこられないように金網で侵入経路をふさいでください。
ハクビシンが家にいる時にはできないので、他のねぐらに移って静かになった時に行いましょう。
ハクビシンは、体はネコ位の大きさがありますが、たった3センチのスキマがあれば壁をガリガリ破って中に入ってしまいます。
わずかな穴を歯や爪で押し破って、体た通る8センチ程度の穴をあけて出入り口にするのです。
ハクビシンが入りやすい場所としては、
・屋根と壁の間
・屋根裏
・屋根の瓦が弱っている部分
・床下の通風口
・庭木と家が接触している部分
・クーラーなどの通風口
などです。
家のスキマを金網やパンチングメタルを使ってふさぐことが、ハクビシン駆除の第一歩です。
金網を設置しても、グイグイと力強く鼻で押して家の中に入り込んでしまう場合もありますので、金網は二重、三重にしておくことをオススメします。
■2 電気柵で入らせない
金網だけでは不十分という場合は、電気柵を利用しましょう。
家の菜園が害獣に食べられてしまうという場合や、庭木になった果物が食い荒らされてしまうという場合に、効果抜群です。
ハクビシンだけでなく野生動物は、果物や野菜の美味しい時期を本能で知っています。
そのため、収穫時期よりも前に電気柵を設置するようにしましょう。
柵の設置方法ですが、ハクビシンに入られたくない場所を、電気柵で囲むようにします。
一段だと、飛び越えたり、下をくぐったりするので、ハクビシンの場合は3段か4段ワイヤーをはりめぐらします。
地面に挿すポールは、4メートル間隔で十分です。
電気柵によっては、乾電池だけでなく車の12Vバッテリーが使えるものもあります。
■3 光と音で入らせない
庭や畑の無い、都会の一軒家にもハクビシンはやってきます。
家と家の間が離れていない場合は、電気柵はつけられませんので、動物撃退器をオススメします。
動物撃退器は、超音波やフラッシュライト光で害獣を寄せ付けないようにするものです。
人間には聞こえない周波数の音なので、近所迷惑にもなりません。
ナイフやフォークで食器をひっかく音は、人間にとっては不快ですよね。
黒板やガラスを爪でひっかく音も、耳がゾワゾワします。
それと同じように、動物撃退器の超音波はハクビシンにとって、耐えられない不快な音なのです。
米を作っている地域では「音追いピストル」といって、大きな音が出る鉄砲を使ってスズメやムクドリ、ヒヨドリなどを追っ払っています。
鳥は昼間にやってくるので目に見えますが、ハクビシンは夜に家に入り込んで来るため「音追いピストル」は使えません。
また、大きな音がするので近所迷惑にもなってしまいます。
害獣、害鳥が嫌う超音波の周波数は、生き物の大きさによって違ってきます。
動物撃退器によっては、動物の種類によって周波数を変えられるものもありますので、比べてみてください。
■4 ハクビシンが嫌いなニオイで入らせない
ハクビシンが苦手なニオイとして、ニンニクやトウガラシ、石油系のニオイが知られています。
刺激が強いニオイが苦手なハクビシンですが、ガソリンをまくのはさすがに危険ですので、ニンニクやトウガラシで駆除しましょう。
ハクビシンが出入り口にしていると思われる場所や、通路にしている場所に、ニンニクパウダーやトウガラシパウダーを撒いておくのです。
木や地面に撒いただけでは風ですぐに飛んでいってしまうので、不織布などの袋に入れヒモでぶら下げておくと良いでしょう。
自分でニンニクの粉やトウガラシの粉を用意しにくい場合は、「ハクビシンなぜ逃げる?」などの市販品も販売されていますので試してみましょう。
■5 ゴミは開けにくい入れ物に入れる
風に飛んで開けられるようなゴミ箱のフタでは、ハクビシンにエサをやっているようなものです。
ゴミはしっかりとフタができる、開けにくい入れ物に入れましょう。
海外ではクマが街中に降りてきて、レストランなどのゴミ箱をあさるようになったため、重くて開けにくいフタのゴミ箱を使っている所もあります。
日本では、なかなか重いフタの一般家庭用ゴミ箱は無いので、フタの上におもりを置くなど工夫すると言いでしょう。
家のゴミ箱の中が、最近どうもぐちゃぐちゃに荒らされていると思ったら、人間のシワザではなく害獣、ハクビシンが原因かもしれません。
特にビニールが破れていたら、害獣もしくはカラスなどの害鳥が犯人である可能性が十分にあります。
■6 菜園や庭木を手入れする
菜園の作物をそのままにしていたり、庭木の果物を熟しても放置していると、知らず知らずのうちにハクビシンにエサをやっているのと同じ状態になってしまいます。
野生動物は人間以上に美味しいものには敏感ですので、収穫しようと思っていたら食べられてしまったということが無いようにしましょう。
また、出来そこなった野菜や、熟しすぎて食べられない果物も放置しておくのは止めましょう。
畑の肥料にするのであれば、コンポストに入れて堆肥を作るようにしてください。
■7 犬を飼う
冗談のようですが、苦手な動物がいる場所にはハクビシンも入りにくいようです。
ツキノワグマが出る地域では、日本犬を飼っている家だけ荒らされなかったという記録もあります。
動物カメラマンの宮崎学さんの調査によると、犬の種類によっても吠える動物が違うそうです。
ある農家の例では、柴犬や日本犬系の雑種は、イノシシとツキノワグマが来たら吠えて教えてくれるそうです。
ミニチュアダックスやヨークシャーテリアは、タヌキやキツネが来た時にワンワンとほえて教えてくれるそうです。
犬の性格にもよるので一概には言えませんが、ハクビシンが発する音を犬が聞き取って教えてくれている可能性があります。
■8 天敵の尿で入らせない
害獣がいなくなると近年話題なのが、天敵の「尿」で駆除する方法です。
例えばオオカミのオシッコをボトルに詰めた「ウルフ・ピー」は、シカやクマ、イノシシといった害獣が作物を荒らす時の対策として有効です。
犬が電柱にオシッコをかけていくのを目にすることがありますが、犬だけでなくどの動物も自分の糞や尿でマーキングをします。
また、自分よりも強い動物の糞尿があると、その場所は近づかないようにする習性もあります。
使い方は簡単で、ボトルにオオカミのオシッコを入れて、ぶら下げるだけです。
蒸発してきたらまた、器にオオカミのオシッコを注ぎ足してください。
ハクビシンもオオカミのオシッコのニオイがする場所には近づきませんので、気になる方はぜひ試してみてください。
ハクビシンとアライグマ、タヌキ、アナグマの見分け方と対策の違い
わが家に来ている動物が何かわからない場合、それぞれの動物の特徴と見分け方を知っておくと良いですよ。
【ハクビシン】は、顔の中央に白い線があります。
体重は2キロから3キロ程度になりますので、ネコと見間違えることもあります。
また、タヌキやアライグマと違って、尾が細くて長いのもハクビシンの特徴になります。
前足の足跡にも後ろ足の足跡にも爪の跡は無く、5本指の跡がついています。
【アナグマ】は他の動物と比べると全体的に薄茶色で、尾は太く短いのが特徴です。
尾には、アライグマのようなシマシマの模様はありません。
体重は5キロから13キロ程度なので、ハクビシンよりも大型になります。
足跡は前足も後ろ足も5本指で、爪の跡があります。
【タヌキ】は体重が4キロから8キロと、ハクビシンよりも大型です。
尾にはアライグマのような、シマシマ模様はありません。
足跡は4本指になります。
【アライグマ】は、タヌキと似ていますが、尻尾にシマシマがあります。
また、歩く時にカカトをつけないクセがあるので、足跡はカカト部分だけありません。
他の動物よりも、手指が長いのが特徴です。
タヌキやアナグマは、金網をよじ登ったりしませんが、ハクビシンとアライグマは木に登ったり柵を乗りこえたりします。
普通の鉄条網などではこえられてしまうことが多いため、電気柵で侵入させないようにしてください。
ニホンアナグマ
ハクビシンをつかまえたり殺したりすることは禁止
ハクビシンに居着かれて迷惑であっても、自分で箱ワナなどを使って捕獲することは禁止されています。
ハクビシンをはじめ、日本国内に生息している鳥や動物は「鳥獣保護管理法」によって、捕まえたり殺したり、傷つけたりしてはいけないことになっているためです。
もし違反すれば、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金を支払わなくてはいけません。
害獣駆除業者が箱ワナを仕掛ける場合には、自治体の担当部署に「有害鳥獣駆除の申請」を申請しています。
これは被害状況や捕獲予定数、どのようなワナをつかって捕獲をするのか、といったことを提出するもので、許可が降りるまで半月から1ヶ月ほどかかります。
捕獲業者は、ワナで動物を捕獲するために、狩猟免許も持っています。
無免許でワナ捕獲を行っている業者もいるので、駆除を業者に頼む時には注意してください。
個人でも、自治体に申請を出すと捕獲の許可がおりる場合もあります。
農作物への被害が大きい場合などは、相談してみましょう。
ハクビシン駆除を業者に依頼した時の費用相場
天井裏で何か生き物がバタバタしていて、ハクビシンか何だかわからないけど今すぐ何とかして!
という場合は、害獣駆除の業者にお願いしましょう。
害獣駆除の料金や内容は業者によってまちまちなので、頼んだ後から高いものを買わせられないように調べてからお願いしてください。
業者にハクビシンの駆除をたのんだ場合、平均して5万円から15万円程度かかります。
箱ワナを設置した後、業者に定期的に来てもらって中を確認してもらうのか、ハクビシンが中に入った時にこちらが連絡するのかによっても値段が変わってきます。
業者がハクビシン駆除で行うことは、
・ハクビシンの家からの追い出し作業
・金網で出入り口を遮断
・ハクビシンを捕まえるための箱ワナを置く
・ハクビシンの糞尿の片付けと殺菌消毒
になります。
また、ハクビシンが糞尿をすると、ノミやシラミがわいてくる場合があるので、ノミやシラミといった害虫駆除も業者によっては行っています。
住宅地でハクビシンが出た場合は、地域全体で行ったほうが効果的です。
もし自分の家だけでハクビシンの駆除を行った場合、よその家を新しくねぐらにするからです。
「お宅のハクビシンがうちに移り住んだ。」
といったトラブルにならないよう、近隣との接し方についても駆除業者に聞いておくことをオススメします。
■おすすめハクビシン駆除業者|害獣駆除110番
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まとめ
ハクビシンのいる家はネズミが出ないと言われていて、ネズミが出る家はハクビシンはいないとも言われています。どちらにしても害獣には変わりませんので、なるべく早い対処が必要です。
ハクビシンが天井裏などに住み着くと、糞尿を決まった場所にする習慣があります。そのため天井に糞尿のシミができたり、雨漏りのようにポタポタとオシッコが落ちてくる場合もあります。
野生動物の糞尿のニオイはかなり不快でキツイので、家にハクビシンのニオイがしみついてしまわないよう、オカシイと思ったら1日でも早く駆除するようにしてください。