大切なコートに食べ物をこぼしてしまったり、ペットのオシッコやよだれがついてしまった場合、急いで洗濯したくなってしまいますが、ちょっと待ってください。そのコートは、自宅で洗えるコートでしょうか?
汚れは早く取ったほうが良いのですが、特殊生地で作られたコートは、水につけると輪ジミになって乾燥してもシミが残ってしまいます。
ドライクリーニングに出さないといけないコートを、無理やり家庭の洗濯機で洗ってしまうと、型崩れしたり生地がほぐれてきてしまう場合があります。また、洗濯表示で洗って良いと書かれているコートなので洗ったら、「ビンテージ」もののコートだったので洗ったら価値が下がってしまったということも。
ここでは、さまざまなデザインのコートの洗濯方法と、生地別の洗濯上の注意点について調査しました。
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コート別洗濯方法23種
■1 レインコート
レインコートは、最近はポンチョ形になったものもありますね。レインコートは、ポリエステルやポリエステルよりも軽いEVA素材(EVA樹脂)、ナイロンなどでできたものが多く見られます。
雨に濡れても大丈夫な作りになっているので、洗濯機での水洗いができますが、通気性のために部分的に特殊生地がついていたり、特殊な撥水加工をされているものもあります。また、水は大丈夫でもお湯だと接着している糊が溶けてしまって壊れてしまうレインコートもあります。
洗濯表示を良くみてから、自宅で洗濯してください。
また、安いビニール素材のレインコートは、耐久性があまり無いものもあります。洗い終わった後に畳んでしまっておくと、次に出した時にビニール同士がくっついて破れてしまうことがあります。くっつかないようにベビーパウダーをつけておくと張り付かなくなりますが、次に使う時にベビーパウダーが服につかないよう気をつけてください。
■2 ダウンコート
コートについている洗濯表示をチェックして、家庭で洗濯しても大丈夫なダウンコートであれば、おしゃれ着洗い用中性洗剤で洗いましょう。いつも使用している「弱アルカリ性」の洗濯洗剤や「アルカリ性」の洗剤を使ってしまうと、中の羽毛についている羽の油まで取れてしまいます。
羽毛の品質を洗った後も同じようにふんわりさせるために、使う洗剤は「中性」のものを選びましょう。
また、ダウンコートは洗うとなかなか乾きません。乾燥している日でも一日では乾きにくいので、扇風機や除湿機で風を当てて早く乾かすようにしてください。ずっとダウンコートの中に水分が残っていると、カビたり雑菌が繁殖したりしてしまいます。
また、裏技としてシャンプーとリンスで洗う方法もあります。羽毛も人間の毛と同じように天然の成分でできていますので、シャンプーで洗うことで潤いを残しながら汚れは除去し、ふんわり感を保つことができるのです。
■3 キルティングコート・キルティングジャケット
キルト地の服やコート、敷物などを洗う時に注意しなくてはいけないのが【本当に塗ってある縫い目かどうか見分けること】です。
本当に塗ってある縫い目であれば、洗っても中の詰め物は片寄りません。しかし、糊で接着してあるだけの見せかけだけの縫い目であれば、洗うと縫い目に見せている糊が剥がれてしまって中の詰め物が片寄ってしまいます。
キルト地の中身が1カ所に寄ってしまうと、元通りにするには一度開けるしかありません。縫い目が糊付けしているだけのキルトコートであれば、クリーニングでの洗濯をおすすめします。
■4 ダッフルコート
ダッフルコートは、表地にはポリエステルや羊毛、アクリルなどを使い、裏地にはポリエステルやレーヨンを使っているものが多く見られます。ポリエステルや羊毛だけであれば自宅で洗うことも可能です。
しかし、ダッフルコートはボタンやボタンを留める部分に革を使っているものが多いので、自宅で洗うと壊れてしまう可能性がありますのでクリーニング店に出したほうが良いでしょう。
ダッフルコートに限らず、部分的に革を使っているコートや、羊毛やポリエステルではなくカシミヤやキャメルといった高級素材で作られているコートは、クリーニング店に出しましょう。
■5 ピーコート
ピーコート(Pコート)とは、「パイロットコート」ともよばれている厚手ウールのコートのことです。船乗りや海軍の軍人が着ていた防寒用のコートで、ボタンがダブルになっていたり、ボタンにイカリのマークがついているのが特徴です。
ピーコートはポリエステルや羊毛、アクリルでできているものが多く見られます。洗濯表示を見て自宅での洗濯が大丈夫なものであれば、「おしゃれ着洗い用中性洗剤」で洗濯してください。洗濯機に入れる時には洗濯ネットに入れるのを忘れないようにしましょう。
洗濯表示が擦り切れるなどしてわからない場合、ピーコートを洗う時に気をつけなくてはいけないのが「繊維を固めて作られた」ピーコートです。ギュッと繊維を圧縮して作ったコートは、水に濡れると繊維がほぐれてしまう場合があります。
洗って大丈夫なピーコートか迷ったら、クリーニング店か買ったお店に相談してみましょう。
■6 ステンカラーコート(バルカラーコート)
ステンカラーコートは、男性用のコートの種類の1つです。立てることができる位高い襟があるコートのことで、基本はゆったりとしたラグラン袖です。隠しボタンになっていて、ボタンをとめると前から見た時にボタンが見えない形になっているものも多く見られます。
「ステン」はフランス語の支えるという意味で、「バルカラーコート」、「バルマカーンコート」、「スタンドフォールカラー」などとも呼ばれています。
ステンカラーコートの素材はポリエステルやナイロン、羊毛、綿が多く見られますが、カシミヤやキャメルといた高級素材で作られたものもあります。ベルトが付いてるものもありますし、無いデザインのものもあります。
洗濯する時の注意としては、洗濯表示と素材をしっかり確認することです。手触りだけでは、洗って良いものかどうか判断がつきませんので、洗えるものかわからない場合は、クリーニング店か購入したお店に聞いてください。
高級素材であれば、失敗した場合に高くつきますので、クリーニング店に出すほうが良いでしょう。
■7 ライダース
ライダース(ジャケット)は、オートバイに乗るためのジャケットのことです。また、実際にはオートバイに乗らなくても、バイクに乗るための工夫がされているもののこともライダースと言います。バイクに乗った時に風が体に当たらないよう、前合わせが二重だったり、転倒した時に手首を擦らないように袖が長く作られていたりします。
多くは革製(本皮もしくは合成皮)で、皮も牛、馬、羊、豚と分かれており、革のなめし方もタンニンを使ったものかクロムを使ったものかなど方法によって分かれます。
どの製法で作られたにせよ、革は自宅では洗濯できませんのでクリーニング店に出しましょう。クリーニング店によっては、革のクリーニングができる技術者が「白洋舎」のようにいる店と、普通のシャツなどのクリーニングはやっているけれども革はやっていない店とがあります。
革をクリーニングできるクリニング店は必ずありますので、1軒だけであきらめずに探してみましょう。
■8 モッズコート(M51)
「モッズ」とは、1950年代から1960年代にかけてロンドンで流行ったファッションです。モッズコートとは、当時流行したミリタリー風コートのことで、ドラマ「踊る大捜査線」で主人公の青島が着ていたコートを思い浮かべる人もいることでしょう。
モッズコートは、正しくは1951年に採用されたアメリカ軍のコート「M51」のことを指し、シンプルな濃い緑色をしています。極寒の地で作業するための衣料で、寒さから頭を守るためのフードがついています。
アメリカ軍での正式名称は「PARKA SHELL M-1951」です。
オリジナルは、綿やポリエステル、アセテート、レーヨンなどが使われていて、ジッパーとホックで前を止めます。オリジナルを模して作られた現代のモッズコートも、ヘビーデューティーにできており、自宅での洗濯が可能なものがほとんどです。
ただし、ビンテージものは洗濯することで価値が下がることもありますので、よく調べてから洗濯するよにしましょう。
■9 MA-1
MA-1も、M51のようなミリタリーファッションです。表が濃い緑色で、内側が目がさめるようなオレンジ色をしているタイプがよく知られています。
第二次世界大戦後の、アメリカ軍のフライトジャケットの一種のことを「MA-1」と言います。もともとオリジナルは革製でしたが、飛行機の飛ぶ高度が高くなると生地の中の水分が凍ってしまうためナイロンになりました。
現在ファッションアイテムとして売られているものも、ナイロン製がほとんどです。
ナイロンで作られているので、家での洗濯も洗濯ネットに入れて洗えば良いので簡単です。取り外しできる飾りやワッペンなどは洗濯すると痛むため、あらかじめ外してから洗ったほうが良いでしょう。
製造元はアルファ・インダストリーズが市場の大半を占めていますが、他にはスカイラインクロージングで製造されたものも見られます。こちらも、ビンテージものであれば洗濯することで価値が下がってしまう可能性がありますので、よく調べてから洗濯するようにしてください。
■10 N-2B
N-2Bジャケットとは、アメリカ空軍のパイロット用ジャケットです。フライトジャケットとは、軍のパイロットやクルーが着るジャケットのことで、それを真似して作ったミリタリーファッションとしてのジャケットがN-2BやN-3Bです。
N-2Bはパイロット用なので、スソが短くなっているのが特徴です。
N-2Bも、素材は丈夫な素材であるナイロンやポリエステルでできています。防寒用にフードや襟にボアがついていますが本物の毛皮ではなくナイロンなどの化学繊維のものが多く見られます。元々軍用に手荒く扱っても壊れないようにできている服ですので、洗濯もおしゃれ着洗い用中性洗剤で洗った後、柔軟剤で仕上げれば十分です。
しかし、ビンテージものの場合は洗わないほうが良い場合もあるので、よく調べてから洗濯してください。
■11 N-3B
N-3Bジャケットとは、アメリカ空軍の陸上作業用のフライトジャケットです。こちらもミリタリーファッションとして、よく見られる形です。
他のミリタリージャケット、コートと同じように洗濯表示で洗って大丈夫なものであれば、洗濯ネットに入れて洗濯機で洗うか、手洗いできます。ボアの部分をフワフワにしたい場合は、柔軟剤につけるようにしましょう。
こちらも、ビンテージの場合は洗濯すると価値が落ちてしまう可能性があるので、調べてから洗濯するようにしてください。クリーニング店では、洗濯ができるかどうかの区別はつきますが、ビンテージ品としての価値はわかりません。
米軍の実物のものは数万円から20万円近くするものもありますので、洗う場合にはよくよく注意してください。
■12 コクーンコート
コクーンとは繭のことで、コクーンコートは繭のように丸みのあるシルエットが特徴のコートです。女性らしいエレガンスさを出すために、身体を包み込むような形をしていて、バルーン(風船)シルエットや、オーバル(楕円、卵型)ライン、エッグ(卵)シェイプとも呼ばれています。
自宅で洗濯できるコクーンコートの場合、型崩れしないように注意が必要です。針金ハンガーにかけてしまうと、肩にいかつい形がついてしまいますので、太めのハンガーに干すようにしましょう。また、太めのハンガーに干してもコートは重いのでどうしても肩の部分に負担がかかってしまいます。
干して2、3時間おきに表裏をひっくり返して干すなど工夫してください。
■13 シャギーコート
シャギーは英語で「毛羽立っている」や「毛むくじゃら」という意味です。その言葉どおり、コートの表面が毛羽立っていて、ソフトな肌触りのコートをシャギーコートと言います。
レディース用コートに多いタイプで、フワフワしている表地はポリエステルやアクリルが使われることが多く、裏はレーヨンやポリエステルの裏地がよく使用されています。中には表地にアンゴラを使っている高級品もあります。
洗濯表示で洗える表示がある場合は、おしゃれ着洗い用中性洗剤で洗った後、柔軟剤を入れて柔らかさを保つようにしましょう。
■14 ファーコート
ファー(毛皮)コートは、本物の毛皮であれば自宅での洗濯はできません。クリーニング店でドライクリーニングをしてもらいましょう。
ポリエステルなどの化学繊維でできた(フェイクファー)であれば、自宅で洗濯できるものもあります。フェイクファーは毛足が長いので、ゴシゴシ洗うと毛がからまってしまう場合があります。柔軟剤を入れるなどして、フワフワのファーの状態を保つようにしましょう。
■15 ムートンコート
ムートンとは、羊の毛皮のことです。表になっているのが毛皮の裏側で、内側になっているのが羊毛です。フェイクのムートンの場合は、表や裏がポリエステルや綿などでできています。
本物のムートンの場合は、約2万円程度から数十万と、金額的にかなり高いコートになります。自宅の洗濯で失敗すると怖いので、クリーニング店に出したほうが良いでしょう。
自宅で洗っても大丈夫なムートンの場合は、おしゃれ着洗い用洗剤を使って手洗い、もしくは洗濯ネットに入れて洗います。ムートンは洗濯するとどうしても洗い上がりがゴワゴワするので、柔軟剤を入れると良いでしょう。
通常使っている洗濯用の弱アルカリ性の洗剤で洗ってしまうと、羊毛の質が落ちてしまいます。必ず中性洗剤で洗ってください。
食べ物をこぼすなどしたため、急いでムートンを洗いたい時には、シャンプーとリンスで洗うことも可能です。
フェイクのムートンの場合は、洗濯表示に従って洗ってください。物によっては、弱アルカリ性洗剤と柔軟剤を使って自宅で洗えます。
■16 ランチコート(カウボーイジャケット)
ランチコート(カウボーイジャケット)は、裏がボアや毛皮になっていて、表が綿や本革なめしで作られています。
中がポリエステルでできたボアで、表が綿素材であれば大抵のランチコートは洗濯できます。かし、中が毛皮で、表が革だと自宅では洗濯は不可能ですし、洗ってもらえるクリーニング店も限られます。白洋舎のような老舗クリーニング店に、ドライクリーニングしてもらえるか聞いてみましょう。
■17 チェスターコート
チェスターコートとは、スーツを長くしたような形をしています。スーツのようなしっかりとした襟と、チーフを入れるような胸のポケット、そして左右にあるポケットが特徴です。19世紀頃にイギリスで流行した形で、かつてはフォーマルなものでしたが、最近ではカジュアルな服装の時にも着られるようになりました。
生地は羊毛(ウール)やカシミヤ、アンゴラといった素材が多く見られます。スーツと同じように型崩れすると着られなくなってしまうタイプのコートなので、家庭での洗濯よりもクリーニング店に出したほうが失敗せずに済みます。
裏地がついているものもあり、裏地の素材も調べてからクリーニングに出すようにしましょう。
■18 トレンチコート
トレンチコートはポリエステルや綿でできているものが多く見られます。中には、雨をはじく特殊な撥水加工処理をしているトレンチコートもあるので、水で洗濯するとシミができてしまう場合があります。
裏地がついているタイプのトレンチコートは、裏地の生地も洗濯できるかどうか調べる必要がありますので洗濯する前に調べておきましょう。
家庭で洗濯できるトレンチコートは、襟と袖が汚れがちなので、部分洗い用の洗剤を先につけてから洗うと綺麗に汚れが落とせます。
■19 ボアコート
ボアとは毛足の長い織物のことで、ボアコートには襟やフードの先にボアがついて暖かくなっています。暖かさを保つことがボアの目的なので、毛皮に似ていないものもボアの一種です。ボアの材質はアクリルやポリエステル、羊毛など様々な素材が使われています。
全体的に洗える素材であれば、洗濯ネットに入れて洗濯するか、手洗いで洗います。その際に、ボアの部分が硬くゴワゴワにかたまってしまうのを防ぐために、柔軟剤を入れると良いでしょう。
マラソンなど運動で使う時のボアコートは、毎日洗濯するのは大変です。そのような場合は、消臭スプレーを利用すると良いでしょう。
■20 ノーカラーコート
ノーカラーコートとは、襟の無いコートのことで、女性用のコートに多く見られます。使用されている生地も、ポリエステルや羊毛、綿とさまざまです。
ノーカラーコートは裏地がついているものが多く、裏地がレーヨンなどの洗濯すると縮む生地でできている場合にはクリーニング店に出しましょう。水洗いした時に、表の生地が濡れると伸びる生地で、裏地が濡れると縮む生地の場合、型くずれしてしまうからです。
表の生地と裏の生地が、同じ材質でできているかどうか、洗濯する時に調べるようにしてください。
■21 オーバーコート
オーバーコートは、元はスーツの上に着るコートのことを指していました。雨の日や雪の日を意識して作られたポリエステルやナイロンの水を弾くコートや、防寒にこだわったウールのコートがよく見られます。
ポリエステルやナイロンといった化学繊維の場合は、洗濯ネットに入れて洗濯機で洗うことができますが、羊毛の場合は手洗いになります。どちらの場合も、洗濯記号をよく見て、洗えるコートか調べてから洗濯してください。
■22 ショップコート・ワークコート
作業着っぽさを出しているコートを、ワークコートやショップコートと呼んでいます。海外の軍隊で使われていたコートを、リメイクしえ作られているものも見られます。
元々のデザインが仕事着なため、綿やポリエステルといった、洗いやすい生地で作られているコートが多く見られます。デザインが繊細なものであれば【おしゃれ着洗い用の中性洗剤】を、色があせてもかまわないタイプのコートであれば、普段の洗濯と同じように弱アルカリ性の洗剤で洗濯できます。
■23 ガウンコート
ゆったりとリラックスした雰囲気で着られるのがガウンコートです。防寒というよりも、オシャレの意味合いが強いコートですが、作られている素材はポリエステルや綿で作られているものを多く見かけます。
ガウンコートは家の洗濯機で洗えるものが多く、ポリエステルや綿の割合が多い生地であれば縮んだり伸びたりする心配も少ないコートです。
コートの生地7種類と洗濯時の注意
■1 獣毛:ウール・ラムウール・メルトン(毛織物)・アンゴラ・カシミヤ・ツイードなど
獣毛とは、羊の毛(ウール)や、ラクダの毛(キャメル)、アンゴラウサギやアンゴラヤギの毛(アンゴラ、モヘヤ)、カシミアヤギの毛(カシミア、カシミヤ)、アルパカの毛(アルパカ)などのことを言います。
ラムウールは、羊毛の中でも生まれてから半年程度の羊から刈り取った柔らかい毛のことで、メルトンやツイードは、羊毛からできた毛織物のことです。
どれも洗濯の時に共通しているのは、アルカリ性の洗剤や、弱アルカリ性の洗剤は使用してはいけないということです。おしゃれ着洗い用の【中性】の洗剤を使ってください。また、洗うとゴワゴワになりがちなので、柔軟剤を使用すると言いでしょう。
すぐに洗いたいけれども中性洗剤が無い場合は、人間の髪の毛も獣毛も仕組みが似ているので、人間用のシャンプーやリンスで洗うという裏技もあります。
■2 羽毛
一般に、ダウンコートと言う場合は、ガチョウ(グースダウン)やアヒル(ダックダウン)の羽毛が使われています。羽の中に空気が入るので非常に暖かく、コートや布団に使われます。羽毛が使われているダウンコートの他に、最近では化学繊維の綿が入ったダウンコートも作られています。
鳥の体温は平均的に40度前後です。そのため、羽毛も40度前後で一番良い状態を保てるようになっています。しかし、衣類乾燥機のような50度から70度以上の高温にさらしてしまうと、羽毛が壊れて質が落ちてしまいます。
また、羽毛はアルカリ性の洗剤をつけてしまうと、分解されて壊れてしまいます。羽毛を洗濯する場合には、おしゃれ着洗い用洗剤と言われている【中性】の洗剤を使うようにしてください。
■3 革、合成皮革
革(レザー)のコートは、濡れたり汚れたりした場合の後処理は大変難しいので、汚さないように注意しましょう。一度汚れたら、基本的には元には戻らないと思ったほうが良いでしょう。れたら、すぐにクリーニング店に出すことをおすすめします汚。
クリーニング店によっては、皮や毛皮は扱っていないので、白洋舎など多岐に品物を扱っているお店が良いですよ。
普段は水洗いはせずに、柔らかい馬の毛でできたブラシでブラッシングします。泥で汚れてしまったら、固く絞ったタオルで拭いた後、乾いた布で乾拭きします。広範囲に汚れてしまったら、クリーニングに出したほうが良いでしょう。
雨など水に濡れた時には、すぐに乾いた布で拭いてください。
本皮の場合は、時々皮用の油補給剤「ラナパー」などで油を補給します。春になってコートをしまう前に一度塗っておくと良いでしょう。
■4 綿
綿は木綿(もめん)やコットンとも呼ばれているもので、アオイ科ワタ属の植物の種の周囲についている白くフワフワしたものです。19世紀末以降に、レーヨンやナイロン、アクリルあポリエステルといった化学繊維が登場するまでは、服の生地の主流でした。
吸水性も良く、強く、ゴワゴワしない繊維のため、現在でも世界中で使用されている生地です。
最初に洗濯する時は縮みますが、それ以降は縮むことはありません。化学繊維よりも、洗濯した時に乾きが遅いのが難点です。
■5 ポリエステル
ポリエステルは、1950年代に開発された化学繊維です。合成繊維の中では世界で最も強い繊維なので、布だけでなく樹脂を加工してペットボトルやボタンなどにも使われています。
他の化学繊維よりも光沢があり、洗ってもシワがつきにくいので、洗濯は非常に楽な素材です。洗濯した後にアイロンをかける場合は、そのままかけるとテカテカしてしまうので当て布をしましょう。
■6 ナイロン
ナイロンは人工的に作られた合成繊維で、非常に細い糸を作ることができます。ストッキングや水着、アウトドア用の服などによく使われる繊維です。
ナイロンは吸水性がほとんど無いので、濡れても重さが変わりません。そのためレインコートやスキーウエアなどに使われています。
シワになりにくく、汚れもつきにくいので、ナイロンのコートは洗濯簡単です。その半面、長い時間太陽に当っていると変色する傾向がありますので、干す時には気をつけてください。
■7 アクリル
アクリルは、人工的に作られた化学繊維です。特に羊毛やカシミア(カシミヤ)に似せて作られていて、肌触りも大変似ています。化学繊維なので、本物の羊毛、獣毛よりは扱いやすくなっていますが、洗濯すると伸びやすくなってしまいますので注意してください。
アクリルだけを使ったコートは珍しく、多くの場合はポリエステルや綿などと一緒に使用されています。アクリル100パーセントのものは洗濯すると伸びますが、他の繊維と一緒に使われている場合は通常の洗濯やクリーニングであれば気にしなくても大丈夫です。
コートの洗濯をクリーニングに頼んだ場合の相場
■クリーニングモンスターの料金は?
宅配クリーニングのクリーニングモンスターの料金相場は以下のとおりです。
衣類5点パック…8,900円+1点無料
衣類10点パック…12,000円+2点無料
衣類15点パック…16,500円+3点無料
衣類20点パック…20,000円+5点無料
一部の地域をのぞき往復送料無料!(北海道・一部離島は2,000円、沖縄4,000円別途送料)
数が多くなるほど1点あたりの料金が安くなり衣類20点パックだと1点あたり800円。アイテムによって料金が変わることもないのでコートを何着出しても上記の価格となります。
圧倒的な技術と価格コスパNo1宅配クリーニング【クリーニングモンスター】
クリーニングモンスターなら他店だと有料になりがちな「シミ抜き」や「ドライクリーニングでの汗取り」「高級素材の特別仕上げ」など計10個のサービスが無料!
クリーニングでよくある「1点あたりの料金はそんなに高くないけどオプションで最終的に高くなった」という失敗も防げますね。
自分の衣類だけでなく家族の衣類なども合わせて20点以上にしてお得に利用しましょう。
■リナビスの料金は?
リナビスは、5点で5,900円、10点で10,800円、20点で18,800円という料金体系の宅配クリーニング店です。ロングコートも綿のシャツも、洗濯が難しいカシミアであっても、同じように1点としてカウントします。
注意事項としては、フードや襟についている毛皮やレザーは可能ですが、コート全体が革や毛皮でできているものは洗濯できませんので、気をつけましょう。
■せんたく便の料金は?
せんたく便は、どんな服でも5点で4,980円、10点で6,980円でドライクリーニングしてくれる宅配クリーニング店です。有料オプションで、汗抜きや汚れ防止加工の他、花粉防止加工や、防虫防カビ加工などもできます。
コートであっても、シャツであっても1点としてカウントされますので、家で洗濯ができないものや、手洗いだと難しいものを注文するとお得な料金体系です。
ただし、革や毛皮がついているコートは取り扱っていませんので注意してください。
■リネットの料金は?
リネットは宅配サービスのクリーニング店で、コートのクリーニングはタイプごとに料金が異なります。ニットのコートは通常仕上げだと1,840円で、より丁寧なデラックス仕上げだと3,340円になります。
ベンチコートは通常仕上げで2,630円、デラックス仕上げで4,130円です。キルティングコートは通常仕上げだと2,850円で、デラックス仕上げだと4,350円。ダウンコートは通常仕上げで3,150円、デラックス仕上げで4,650円になります。
リネットでは、他のクリーニング店では扱わない「革」や「毛皮」のクリーニングも可能です。革のコートは1万円、毛皮のコートは1万5,000円になります。
■白洋舎の料金は?
クリーニングの老舗である白洋舎は、多くの技術者がいるので、他のクリーニング店では引き受けてもらえないコートでもクリーニングしてもらえます。あきらめていたコートの汚れやシミも、白洋舎の技術でキレイになる可能性が大きいですよ。
コートは、白洋舎のお店に持ち込む場合は1,800円で、家まで来てくれる集配サービスだと1,900円になります。丁寧仕上げの場合は、白洋舎のお店に持ち込む場合は3,400円で、集配サービスだと3,600円になります。
一般のクリーニング店では断られてしまう革や毛皮のクリーニングも行っており、革のコートはお店への持ち込みで8,000円、集配サービスで8,800円になります。毛皮のコートはお店への持ち込みで8,500円、集配サービスで9,300円になります。
まとめ
さまざまなコートの洗濯方法について調べましたが、自分のコートはどのタイプだったでしょうか?
どのコートも、洗えるかどうかは【洗濯表示】を見ることが大切ですどのコートも、洗えるかどうかは【洗濯表示】を見ることが大切です。また、洗える洗濯表示であっても、ビンテージアイテムとしての付加価値のあるコートは洗濯すると価値が下がってしまう場合がありますので注意してください。
革や毛皮、カシミヤやラクダといった高級素材でできたコートは、クリーニング店でドライクリーニングをお願いしましょう。数千円のクリーニング代を節約したばっかりに、数万円の損をしてしまわないよう慎重に扱ってください。
洗えるコートも、洗剤は【おしゃれ着洗い用中性洗剤】を使ってください。柔軟剤を使えば中性洗剤を使っても、いつもの弱アルカリ性洗剤を使ってもフワフワになりますが、弱アルカリ性洗剤は羽毛や羊毛にとっては強すぎます。
羽や獣毛についている自然な油まで汚れと一緒に取ってしまうので、必ず「中性」の洗剤を使用してください。旅先などで急に洗わなくてはいけなくなった場合は、おしゃれ着洗い用中性洗剤の代わりに、シャンプーとリンスが役に立ちますよ。