最近、家のまわりにハチがよく飛んでいるなと思ったら、もしかしたら自分の家にアシナガバチが巣を作っているかもしれません。スズメバチほど大きくないけれど、ミツバチより足が長いなら、それはアシナガバチの可能性があります。
アシナガバチは人間に対して攻撃してくることはほとんどありませんが、ハチを触ろうとして子どもやペットが刺される危険性は十分にあります。気づいた時に巣ごと駆除しないと仲間が増えて手がつけられなくなるので、早めの対策が必要です。
蜂の巣駆除は方法さえ知っていれば、誰でも安全に巣を取り除くことができます。アシナガバチの習性と必要な道具と駆除方法さえわかれば、女性でも一人で退治ができますよ。
業者を呼ぶと2万円から3万円はするので、自分で駆除できれば費用も安くおさえられます。
ここでは、アシナガバチを自力で駆除する方法をご紹介していきましょう。
アシナガバチを自力で駆除する方法10ステップ
アシナガバチは殺虫剤と身体を守るグッズがあれば、自分でも十分駆除できます。自分や家族が刺されないよう、駆除する時間帯や手順を確認しておきましょう。
■1 アシナガバチ駆除用の殺虫剤を用意する
蜂の巣退治が初めてだと、殺虫剤は一缶で十分だと考えがちですが、最初は怖くて蜂の巣に1メートルも近づけません。1缶をスプレーしつづけていると数秒で無くなってしまうので、何本か用意しておきましょう。
殺虫剤は、1つの巣につき最低でも30秒は振りかける必要があります。巣を撤去した後も、一週間は戻りバチ用がやってくるので殺虫剤が必要です。
生まれて初めてハチを駆除するのであれば、余裕を持ってスプレーを購入しておきましょう。万が一蜂の巣駆除用のスプレーが無くなってしまったら、他の殺虫剤でも対応できますので駆除する時はそばに置いておくと良いですね。
■2 作業する人以外は家の中に
普段は大人しいアシナガバチでも、一番凶暴になるのが巣を攻撃された時です。巣に攻撃を加える的には、容赦なく向かってきます。
必死になっているアシナガバチには、スプレーをしている人間もその周辺にいる人間も全て敵とみなして刺してきます。蜂の巣を駆除するのは珍しいので見物したい気持ちもわかりますが、防護服を着て作業する以外の人は、全員家の中に入りましょう。ペットも安全な家の中に入れてあげてください。特に子どもと老人は部屋の中にいるようにしてください。
緊急時のために、ガラス越しに作業する人を見守る
作業する人が何かのアクシデントにあった時に、すぐに助けてあげられるようガラス越しに見守っていてあげましょう。脚立やはしごから落ちてしまったり、刺されないとも限りません。
窓や玄関は閉めておかないとアシナガバチが入ってきてしまいますが、作業する人が何かあった時にすぐ家の中に逃げられるように鍵は開けておきましょう。
魚を飼っていたら殺虫剤に注意
アシナガバチ用の殺虫剤は一瞬にして昆虫の神経を狂わせ、運動できなくさせるピレスロイド系の薬品です。昆虫だけでなく魚やカエル、ヤモリ、ヘビといった魚類、両生類、爬虫類にも効果がありますので、もしも熱帯魚や鯉、カエルなどを飼っていたら殺虫剤が降りかからないようにしておきましょう。
■3 戻りバチ用の黒い粘着シートを設置
蜂の巣にアシナガバチが全員戻った時間を狙って殺虫剤をまきますが、それでもその日に帰ってこなかったアシナガバチや、殺虫剤をスプレーした時に逃げたアシナガバチも何匹かいます。
アシナガバチは巣が撤去されても、その場所に戻ってきます。このような蜂を「戻りバチ」と呼んでいます。
戻りバチを駆除できるよう太陽が出ている明るいうちに、木や軒下に黒い粘着シートを吊るしておきましょう。蜂は黒いものが好きなので、粘着力のある黒いシートに向かって来る習性があるのです。
ネズミ用の粘着シートがあまっていれば、それを軒下にぶら下げてもかまいません。
■4 早朝もしくは夜に作業する
アシナガバチは太陽が出ると行動を開始して、日が沈むと巣に戻って休みます。全てのハチが巣に戻ってきてから駆除するのが効果的なので、夜か早朝に作業を行いましょう。
プロの蜂の巣駆除業者の場合は昼間に作業を行いますが、昼間の元気なアシナガバチが向かってくるのは慣れないと怖いものです。夜中や早朝であればアシナガバチも眠っていたり寝ぼけているので、昼間ほど活動的でなくなります。
巣の場所を照らすライトや、アシナガバチを駆除するためのスプレーの予備、巣を叩き落とした時に捨てるための大きなビニール袋など、必要なものがどこにあるか、太陽が出ているうちに準備して置いておきましょう。
■5 風上から30秒噴射
アシナガバチの巣に殺虫剤をかける時は、巣から1メートルほど離れた場所からスプレーしましょう。最低でも1つの巣につき30秒はスプレーしてください。
30秒スプレーしたら、周辺に飛んでいるアシナガバチをスプレーで駆除しながら後ずさりして家に入ります。家が遠いようであれば、車の中でもかまいません。
殺虫剤を使う時には自分が風上に立って、蜂の巣が風下になる位置からスプレーします。自分が風下に来てしまうと殺虫剤が蜂の巣に届かず、薬液が自分に降りかかるだけになってしまうので注意してください。
スプレーを噴霧すると、びっくりしたアシナガバチが飛び出てきます。しかしアシナガバチは薬に弱いので、攻撃する前に死滅してしまいます。怖がらずにスプレーしつづけましょう。何本か殺虫剤を自分のまわりに置いておくと、お守り代わりになりますよ。
2人でスプレーすれば安心
蜂の巣の駆除は、誰でも怖いものです。アシナガバチがまとまって襲ってきたらひとたまりもありませんよね。そんな時のために2人でスプレーすると、不安もだいぶ解消されます。
アシナガバチは巣に殺虫剤をまかれると、スプレーしている人に向かってくる場合があります。殺虫剤が強く、防護服も着ているので刺されることはまずありませんが、それでも慣れないと蜂が向かってくるのは恐怖です。
一人は巣を直接スプレーして、もう一人は巣から出てきて周辺を飛ぶハチをスプレーすると作業がだいぶ楽になります。巣をスプレーしている人の殺虫剤が無くなってしまった時には、もう一人が素早く巣に殺虫剤をかけることもできますね。
■6 ハシゴよりも高所スプレー噴霧用器具
2階の軒下や木の上にできたアシナガバチの巣は、はしごに上ってスプレーするよりも「高所スプレー噴霧用器具」を使いましょう。棒の先に殺虫剤をセットできるようになっていて、手元のレバーで噴霧できる仕組みになっています。
アシナガバチの攻撃を甘く見てはしごで作業すると、殺気立って襲ってくるアシナガバチに驚いて落ちてしまう可能性があります。普段ふわふわと飛んでいるアシナガバチと、殺虫剤で殺されそうになっているアシナガバチとでは、全く性質が変わっていますので注意してください。
■7 戻りバチは殺気立っているので注意
殺虫剤から逃げることができたアシナガバチは、巣を壊された怒りで攻撃的になっています。しつこくスプレーした人や周辺にいた人を追いかけて、針で刺そうとします。
もう前の場所に巣がないことをアシナガバチが理解できるまで、一週間はかかると言われています。それまでアシナガバチは気が立っていますので、戻りバチには十分に注意してください。蜂の巣があった場所の近くに、蜂の駆除用スプレーを念のためにいつでも使えるように置いておきましょう。
■8 数分間、様子を見る
アシナガバチの巣に30秒スプレーしたら、すぐに巣を壊さずに数分間様子を見てください。蜂の巣駆除用の殺虫剤は即効性がありますが、巣の中のほうにいる蜂まで届くのに少し時間がかかるのです。
数分間待っている間は、まだ防護服は脱がずにいてください。巣を壊して片付けるまでは、いつでも向かってくるアシナガバチをスプレーできるよう、暑くても防護服は着ていましょう。
■9 羽音がしなくなったのを確認
風向きの関係で、アシナガバチの巣にうまくスプレーがかかっていない場合があります。そのような時はびっくりしたアシナガバチが巣の周辺で飛び回っていますので、再びスプレーする必要があります。
アシナガバチの巣の周辺にライトを照らして、羽音がしなくなったのを確認したら巣を壊します。巣の周辺にまだアシナガバチが飛んでいるけれども、手元の殺虫剤が切れてしまった場合には、無理に巣を壊すのは止めましょう。後日、殺虫剤を購入した時に同じ作業を繰り返してください。
■10 スプレーしながら巣を壊す
巣の周辺に飛んでいるアシナガバチがいなくなったら、スプレーしながら蜂の巣を壊します。棒で壊してほうきとチリトリで回収する方法や、虫取り網で巣を引っ掛けて取る方法もあります。
壊した蜂の巣は、自治体のルールに従って捨てましょう。多くの市町村では蜂の巣は「燃えるゴミ」として捨てられます。ゴミを出す時には、子どもがビニール袋の中に入った巣で遊ばないように注意が必要です。
アシナガ蜂が巣を作りやすい場所13ヶ所
アシナガバチは雨に濡れにくい場所や、風が当たりにくい場所に巣を作る傾向にあります。特に軒下や木の枝の中はよく作る場所です。
アシナガバチの巣はシャワーヘッドや、お椀のように広がった形をしているので、外から見ただけで大体何匹くらい生息しているかがわかります。
アシナガバチを駆除する時のおすすめの服装5点
■1 防護服
蜂から身を守るには、長袖シャツと防止では顔や首といった急所が隠れないので不十分です。蜂は黒いものを見ると寄ってきてしまうので、アシナガバチ用の防護服は迷彩柄でなく白でなくてはいけません。
目や髪の毛、まゆ毛など黒い部分に向かってくる恐れもありますので、顔や襟足をガードできる防護服を選びましょう。
殺虫剤を吸い込んでしまわないように、作業時にはマスクやゴーグルをします。頭の部分の保護が心配であれば、ヘルメットをしても良いでしょう。
■2 革製 長手袋
手袋は軍手で良いと考えがちですが、皮の手袋でないと目が粗いので刺されてしまいます。皮の手袋も手首部分が短いものだと、手首を刺される可能性があります。短い皮の手袋しかなかったら、腕や手首が露出しないように工夫してください。
■3 白長靴
足元のケアは忘れがちですが、上半身を白にしても靴や靴下が黒いとアシナガバチが足に寄ってきてしまいます。蜂は黒いものを見ると寄ってくる習性があるので、白い長靴を用意しましょう。
防護服のスソをヒラヒラさせていると、アシナガバチが服の中に入ってきてパニックになります。長靴とズボン、そしてズボンと防護服の間にアシナガバチが入ってこないように、タオルで隙間を埋めると良いでしょう。
■4 ゴーグル
殺虫剤が目に入らないよう、ゴーグルをつけておきましょう。水泳の時のゴーグルでも良いのですが、なるべく視野が広くとれるタイプのものを選んでください。
蜂は黒いものに向かってやってくるので、殺気立ったアシナガバチに目玉を攻撃される危険性もあります。殺虫剤からもアシナガバチからも目を守るようにしましょう。
■5 マスク
防護服を着ているだけでは殺虫剤が喉に入り込んでしまうので、マスクをして薬剤を吸い込んでしまわないようにしましょう。アシナガバチの巣にスプレーをする人だけでなく、手助けするために巣の周辺にスタンバイしている人もマスクをしておきましょう。アシナガバチに顔をを刺されずに済むので安全です。
アシナガバチの特徴は?ススメバチとの違いは?
大きめのハチが出てくると、何でもスズメバチに見えてしまいますが、アシナガバチはスズメバチほど危なくありません。ケムシやイモムシを食べてくれる益虫でもあるので、巣が作られて困る場所でなければ、共存できると植木や畑の被害も減ります。
アシナガバチの巣
アシナガバチとスズメバチを外見で判断するのは難しくても、巣を見れば一発で区別ができます。
アシナガバチの巣は、お椀を半分にしたようなシャワーヘッド型、スズメバチの巣は春頃はトックリ型で夏以降は球形や楕円形といった丸型です。
アシナガバチの巣は外から中の様子が丸見えの状態で、繭になると白いフタがされます。
一方、スズメバチの巣は穴になっていて、中が見えません。
巣の大きさは、アシナガバチの巣が10センチから15センチ程度なのに対して、スズメバチの巣は50センチ前後にもなります。
巣の色は、アシナガバチが白からグレーで、スズメバチが茶色とグレーのマーブル模様となっています。
■アシナガバチとスズメバチとの外見の違い
アシナガバチとスズメバチは、外見でも区別ができます。
ハチの体は大きく分けると頭、胸、腹でできています。お尻のように見える部分は正しくは腹と言われていて、スズメバチは胸と腹の間が急激に細くなっていますが、アシナガバチはくびれから腹の角度がなだらかなカーブを描いています。
腹の部分がアシナガバチのほうがスズメバチよりも細いので、体長は同じくらいのサイズでもアシナガバチのほうが小さめに見えるのです。
蜂の巣の駆除をプロに頼んだ場合の相場金額比較表
自分では駆除しきれないという場合は、プロに巣の駆除をお願いしてしまいましょう。1万円から2万5,000円程度で駆除してもらえます。
業者によっては、すぐにその日に来てくれることもあります。ただし巣が50センチ以上ある時は、かなり大型の部類になってくるので割増料金がかかる場合もあります。3メートル以上の高い場所にある巣の駆除も、高所作業代金がプラスされます。
業者に電話する時に、蜂の巣の大きさを伝えられるようにしておきましょう。
石川文洋 | ココガーデン | Gレスキュー | 湘南彩苑 | |
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対応エリア |
東京 神奈川 山梨 静岡 |
東京都大田区 神奈川 |
茨木(一部) 群馬(一部) 埼玉 千葉 東京 神奈川 |
埼玉 千葉 東京 神奈川 |
基本料金 (1ヶ所、税込) |
8,000円 | 10,000円 | 10,800円 | 15,000円 |
高所追加料金 (1ヶ所、税込) |
3m以上から発生 4,000円 |
3m以上から発生 20,000円 |
3m以上から発生 5,000円 |
3m以上から発生 3,000円 |
高さ7m以上の巣 | 対応できない場合あり | 対応できない場合あり | 対応できない場合あり | 対応できない場合あり |
場所による追加料金 | 屋根裏・床下・エアコン室外機内・戸袋にある巣は追加料金が発生 | 屋根裏・床下・エアコン室外機内・戸袋にある巣は追加料金が発生 | 屋根裏・床下・エアコン室外機内・戸袋にある巣は追加料金が発生 | 屋根裏・床下・エアコン室外機内・戸袋にある巣は追加料金が発生 |
巣の大きさによる追加料金 |
直径50cm以上から発生 金額は大きさによる |
直径50cm以上から発生 金額は大きさによる |
直径50cm以上から発生 金額は大きさによる |
直径50cm以上から発生 金額は大きさによる |
再発生防止 忌避剤散布 |
なし | なし | 5,000円(1ヶ所、税込) | なし |
駐車場代 | お客様負担 | お客様負担 | 業者負担 | お客様負担 |
支払い | 現金のみ | 現金のみ | 現金のみ | 現金のみ |
追加料金 | 事前打ち合わせをしっかり行うので、当日の急な追加料金は発生しない。 | 事前打ち合わせをしっかり行うので、当日の急な追加料金は発生しない。 | 事前打ち合わせをしっかり行うので、当日の急な追加料金は発生しない。 | 事前打ち合わせをしっかり行うので、当日の急な追加料金は発生しない。 |
予約 | 3日前までに予約を | 3日前までに予約を | 即日対応可能 | 3日前までに予約を |
キャンセル料 | 5日前からかかる | 5日前からかかる | 5日前からかかる | 予約成立直後からキャンセル料発生。 |
当日の対応 | 不可 | 不可 |
当日可能 深夜早朝も可能 (要相談) |
当日不可 深夜早朝は可能 (要相談) |
女性スタッフ | 不可 | 不可 | 不可 | 対応可能 |
まとめ
アシナガバチの巣の駆除は夜中や早朝といった、巣に戻った蜂が寝ている時間帯に行いましょう。スプレーも1本だけでなく、戻りバチ用に数本用意しておく必要があります。
また、最近スプレーと一緒に火や花火をたいて火事になる事故が増えています。スプレーを使用するならスプレーだけにしておきましょう。スプレー缶の中にはLPGという液化石油ガスが入っているので、火があると引火して大火事になってしまうからです。
巣を攻撃された時のアシナガバチは、殺気立っています。アシナガバチに刺されないよう、防護服など準備をしてから駆除を行ってください。
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