お掃除の定番アイテムとも言える重曹ですが、正しい使い方を知らないという方は意外と多いのではないでしょうか?
この記事では、重曹のチカラをより引き出すために知っておきたいことや、掃除に便利な重曹ペーストと重曹スプレーの作り方をご紹介しています。
ぜひ、日々のお掃除の参考にしてくださいね!
重曹ペーストと重曹スプレーの作り方
重曹を使って掃除するには、重曹ペーストと重曹スプレーの作り方をマスターしておくのがおすすめです。粉のままでは使いづらい場所にも、簡単に重曹の成分を浸透させることができるので、掃除の効率がよりアップします。
■重曹ペーストの作り方
重曹ペーストを作るには、まず以下のものを用意しましょう。
・フタのできるタッパーや容器
・スプーン
・重曹
・水
重曹ペーストの基本は「重曹4に対して水1」の割合です。最初は水分が足りなく感じますが、練っているうちにちょうど良い粘度に変化します。
水を入れすぎたからといって重曹を追加していくと、どんどんペーストの量が増えてしまいます。数滴ずつ加えて調整していくようにしましょう。
また、フタつきの容器にしておくことで家中あちこちに持ち運んで掃除しやすくなります。不要になったタッパー等を使うのがおすすめですよ。
■重曹スプレーの作り方
重曹スプレーを作るときに必要なものは、以下のものを用意しましょう。
・スプレー容器
・重曹
・水
・じょうご
こちらも100円ショップ等で安価に手に入るものばかりですね。
重曹スプレーを作る割合の目安は「重曹小さじ1に対してぬるま湯100cc」です。スプレー容器の容量に合わせて、重曹の量を調節すると良いでしょう。
あとは、じょうご等を使って直接スプレー容器に重曹の粉をいれたら、ぬるま湯を注ぎ込んでよく振るだけ。重曹は水に溶けにくく、粒子が残ったままだとスプレー容器が詰まってしまいます。
よく振って、完全に溶けていることを確認してから使うようにしましょう。
重曹の掃除方法
重曹は、基本的に家のどの場所でも使うことができます。食品グレードのものを使えば、キッチンや冷蔵庫といった安全性を重視したい場所にもぴったりです。
重曹の洗浄力をより引き出すには、キレイにしたい場所に重曹をつけたあとしばらく待つということが大切です。重曹が汚れに浸透して浮き上がるまでの時間を置くことで、力を入れずに汚れを落とすことができます。どの場所にも使えるテクニックなので、ぜひ覚えておいてくださいね。
また、お酢やクエン酸といった酸性の物質と組み合わせることで発泡して、より洗浄力がアップします。寿司酢や調味酢でなければ、キッチンにあるものでOK!ぜひ一緒に使ってみましょう。
重曹の掃除効果
重曹を使った掃除が効果的な理由。それは、重曹が弱アルカリ性の物質だからです。
家の中の汚れは、ほとんどが酸性です。酸性の汚れに弱アルカリ性の重曹を使うことで、汚れが中和してキレイになるのです。中和するときにニオイも吸収してくれるので、キッチンやトイレ等の掃除にもピッタリというわけですね。
逆に、重曹は水垢や石灰といったアルカリ汚れを落とすのは苦手です。キレイに汚れを落とすには、性質を見極めたうえで洗浄剤をチョイスするのがおすすめです。
また、重曹は水に溶けにくい性質も持っています。このことから、クレンザーとしての効果も発揮します。素材を傷つけずに素材の汚れを削り取ってくれるので、掃除だけでなく、果実の洗浄等にも使われています。
重曹で綺麗に掃除できる9ヶ所
ここでは、重曹掃除に向いている場所をご紹介しています。安全性の高さや汚れ落ち等を重視して選んでみました。
毎日掃除している場所に、より安全で洗浄力の高い重曹を取り入れてみませんか?
■粉の重曹で掃除すべき3ヶ所
まな板
洗い終わったまな板に重曹を振りかけて、不要になった歯ブラシ等でまんべんなくすり込んでいきます。まな板に残った水分があるので、重曹ペーストを作る必要はありません。クリーム状になった重曹をよくすり込んだら、ラップで覆って1時間ほど待ちましょう。
最後にお酢を振りかけるとシュワシュワと発泡します。ある程度発泡がおさまったら、お湯でキレイに重曹を洗い流すとキレイになりますよ。
カーペット
食べこぼしや皮脂による汚れやニオイが気になるカーペットにも、粉の重曹が活躍します。
掃除したい部分に直接重曹をまいて、ゴム手袋をした手でまんべんなく粉をもみ込みましょう。そのまま一晩放置したら、掃除機で粉を吸い取るだけ。水や洗剤を使わずにカーペットがキレイになりますよ。
カーペットの嫌なニオイも重曹が吸収してくれるので、洗いあがりのようなスッキリ感を手に入れられます。
カーペットに粉を直接まくので、ペットやお子さんが踏んでしまわないように気をつけましょう。
トイレ
日々のトイレ掃除を簡単にするには、タンクに直接重曹を入れるのがおすすめです。
手洗い部分に重曹を振りかけておいて、トイレを使用したあとに一緒に流せば、手洗い部分もピカピカになります。
また、タンクのフタが外れるタイプのトイレなら、直接タンク内に重曹を振り入れても良いでしょう。重曹水が便器を流れるので、汚れが落としやすくなるだけでなく、嫌なニオイも軽減してくれます。軽くこするだけでキレイになるので、毎日のトイレ掃除がとても簡単になりますよ。
重曹は水に溶けにくいので、気温の低い時期はぬるま湯で溶かしてからタンクに入れたほうが良いでしょう。
■重曹ペーストで掃除すべき3ヶ所
浴室のタイルのカビ取り
浴室タイルにいつの間にかポツポツと生えているカビを重曹で落とすには、お酢と組み合わせて使うのが効果的です。
タイルの目地に沿って重曹ペーストをたっぷり塗り込んだら、上からお酢を染みこませたキッチンペーパーでパックします。この上からさらにラップをかぶせておくと、より効果がアップします。2時間~半日ほど置いてから洗い流せばOK!
重曹の弱アルカリ性とお酢の殺菌力でカビを死滅させます。洗剤を使わずにキレイに掃除できるのも嬉しいですね。
ただし、ビニール部分や年数の経った根の深い黒カビには、重曹掃除はあまり効果を発揮できません。強力な漂白剤で落としてしまうほうが良いでしょう。
換気扇
頑固な油汚れでベタベタになってしまった換気扇には、重曹ペーストをたっぷり塗りつけるとキレイになります。
まず、外せるパーツは全て外してからひとつひとつに丁寧に重曹ペーストを塗り込みます。そのあと、ビニール袋やラップでパックしてから1時間程度置きましょう。ペーストに汚れが溶けだしているので、不要になった歯ブラシ等でこすり洗いします。あまり力を入れずにお掃除できるので、大掃除といわずいつもの掃除に取り入れたいですね。
換気扇の汚れの大半は、油汚れにホコリ等がくっついてできたものです。重曹を使う前に水洗いをしてしまうと、汚れ落ちが悪くなります。油汚れは、できるだけ水分の少ない状態で洗浄剤を使うようにしましょう。
ガスコンロ
ガスコンロや五徳の汚れにも重曹ペーストが有効です。
ペーストをたっぷり塗りつけてしばらく置いておくと、焦げや汚れが浮き上がってきます。あとは不要な歯ブラシやメラミンスポンジで軽くこすってやればキレイになりますよ。
ガラストップのコンロも、同じように重曹ペーストを使ってキレイにできますが、大理石や鏡面加工の部分には注意が必要です。重曹の粒子が細かい傷をつけてしまい、素材本来の輝きが失われてしまうことがあります。初めて重曹を使う時には目立たない場所でテストする等の対策を取りましょう。
■重曹スプレーで掃除すべき3ヶ所
キッチンのシンク
毎日の食事を作るキッチンは生活の基本。いつでもキレイを維持したいものですよね。
特に汚れのたまりやすいシンクも、重曹スプレーを活用することでお掃除が楽になります。食器の片づけが終わったら、重曹スプレーをまんべんなくスプレーしてからシンクを拭き上げましょう。嫌なニオイを消し去って、シンクを清潔に維持してくれます。
重曹は弱アルカリ性なのでシンクの水垢にはあまり効果を発揮できませんが、スプレーしたあと、きちんと水分を拭き取ることで水垢の付着をかなり減らすことが可能です。特に排水コーナーのあたりはニオイの発生源になりやすいので、毎日きちんとお手入れするようにしたいですね。
電子レンジ
いつの間にか汚れが溜まっている電子レンジも、たまにはキレイにお掃除しましょう。
キッチンペーパーにたっぷり重曹スプレーを染みこませたら、小皿に乗せて電子レンジにかけます。この時、ラップ等は必要ありません。水蒸気で庫内が温まり、汚れを落としやすくするのが目的です。
適度に温まったら、キッチンペーパーでガラスドアや天井部分等を拭き掃除しましょう。火傷しない程度に温かい状態で手早く拭くのがコツです。
最初は汚れがこびりついて落ちにくいかもしれませんが、根気よく拭いていきましょう。一度キレイにしてしまえば、使ったあとに重曹スプレーを染みこませたキッチンペーパーでさっと拭くだけでキレイになりますよ。
冷蔵庫の庫内
食材が入っている冷蔵庫は、できるだけ安全な方法で掃除したいものですよね。重曹を使えば安全性・効果ともに冷蔵庫掃除にぴったりですよ。
冷蔵庫の食材を取り出したら、重曹スプレーを染みこませたクロスで庫内を拭き上げましょう。一見キレイに見える冷蔵庫も、食材を取り出したら意外なところが汚れていることに驚いてしまうかも。
冷たい庫内で固まってしまった汚れは、軽く拭いただけでは落ちません。汚れがこびりついた部分は、スプレーをかけてラップで密閉してから拭くと良いでしょう。
■掃除用の重曹の選び方
ドラッグストア等にはさまざまな種類の重曹が売られていますが、実は用途別に分けられているのをご存知でしょうか?
重曹は「薬品用・食品用・工業用」の3種類に分けられています。最も粒子が細かいものが薬品用で、食品用、工業用と粒子が粗くなっていきます。
成分はほぼ同じものですが、精製方法や製造環境が異なっており、工業用のものには多少の不純物が含入していることもあります。
そのため、工業用を食品用として使うことはできません。
掃除に使う重曹は、基本的には工業用のもので構いません。工業用の重曹は安価で量も多いので、掃除用としては最適です。
しかし、キッチン周りやお子さんの手や口に触れるようなものを掃除する時には、食品用を使ったほうが安心です。ディスカウントストアやネットショップには、食品グレードの重曹も大容量で販売されています。
料理や入浴にも使えるので、異なったグレードの重曹を使い分けるよりも食品グレードの重曹で統一したほうが、結果的には経済的かもしれませんね。
重曹掃除で使用する時の注意
家中をピカピカに掃除できる重曹ですが、安全に使うためにいくつか知っておきたいことがあります。使用する前に、必ず確認しておいてくださいね。
■使えない素材もある
重曹は研磨成分が入っているので、基本的にツヤのある素材には使えません。大理石や鏡面加工したもの、フローリング材には使わないようにしましょう。表面のコーティングが剥げてしまったり、細かい傷がついてしまいます。同じ理由で、テフロン加工のものを重曹でゴシゴシこするのもNGです。
また、アルミや畳に使うと黒く変色してしまうことがあるので注意しましょう。
重曹の特質をよく把握したうえで、安全に使うようにしたいですね。
■塩素系との組み合わせに注意!
重曹は、お酢やクエン酸と一緒に使うことで泡が発生して洗浄力がよりアップします。このお酢やクエン酸といった酸性の物質が塩素系漂白剤と触れると、有害なガスが発生するので、絶対に一緒に使ってはいけません。
重曹で落としきれなかった年季の入った汚れやカビは、塩素系漂白剤で一気にキレイにしたくなってしまいますよね。でも、その前に重曹やお酢をきちんと洗い流してから使うようにしましょう。
命に関わる事故の原因にもなりかねませんので、くれぐれも気をつけてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?
何気なく使っていた重曹の意外な性質を知って驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。重曹は安全性が高いだけでなく、洗浄剤としてもとても優秀です。上手に使って、家中をピカピカにしたいですね!