「お気に入りの革靴にカビが生えていた! 」「革靴を履こうと思ったらカビで真っ白になっていた! 」等という方もいるでしょう…… 革靴にカビが生えてしまったら、あなたは革靴を捨てますか? 実はカビが生えた革靴は自分でカビを除去したり、業者にお願いすればカビが生えた革靴もキレイになります。
革靴にカビが生える原因は湿気や温度等です。特に革靴は水分を吸収しやすいため、濡れたまま下駄箱にしまうとカビが生えやすくなります。
今回は革靴のカビについて、詳しくまとめました。「革靴にカビが発生する原因」「革靴のカビを自分で取る方法」「革靴のカビ対策」「やってはいけない革靴のカビ取り方法」等をご紹介します!
革靴にカビが発生する原因
革靴にカビが生える原因は3つです。カビは温度、湿度、栄養の3つの条件が揃うと繁殖をし革靴をカビだらけにします。カビが好む3つの条件を簡単に説明しましょう。
・人間が快適に感じる温度や、高温で熱いと感じる温度をカビは好みます。20度~30度はカビが最も繁殖する温度です。
・カビは湿気が多いところが好きなため、湿度80%以上になるとカビは活発になります。
・カビは栄養を摂り繁殖し続けるのも特徴です。革靴はカビにとって栄養になります。
革靴を下駄箱に入れて保管している方も多いのではないでしょうか? 下駄箱は湿気がこもりやすく高温になりやすいため、カビが好む条件になりやすいです。またカビは革靴の革や汚れを栄養にして繁殖していきます。
革靴のカビの落とし方5ステップ
革靴にカビが生えたらすぐに除去しましょう。放置している時間が長ければ長いほど、革や革靴の汚れを栄養にして増殖し続けていくのがカビです。またカビの胞子は浮遊しているため、他の革靴にもカビを発生させる可能性が高くなります。
革靴のカビを除去するためには、殺菌するのが良いです。革靴用除菌スプレーを使って革靴に生えているカビを除去します。では早速、「革靴のカビを取る方法5ステップ」をチェックしましょう!
革靴のカビの落とし方|ステップ1 ■1.乾いた布や歯ブラシでカビを除去
革靴のカビを除去する時は最初に下準備をします。除去作業する時は必ず換気しながら行うか、外で作業をしましょう。また革靴のカビを除去する際、カビの胞子は浮遊しています。体内に取り込まないために、マスクや手袋をし、カビ取りで使った布等を捨てるためのゴミ袋を用意しましょう。
【革靴を水拭きしてはいけない】
革靴のカビを除去する下準備が整ったら、乾いた布や歯ブラシ等を使って、革靴に生えているカビを取り除きます。革靴に生えているカビを乾いた布で拭き取ったり、歯ブラシでゴシゴシ擦りましょう。カビが取れない時は強めに擦っても良いですが、革の性質が落ちるため決して水拭きはしないで下さい。
カビの除去で使った布はカビがたくさん付着しています。カビの胞子をできるだけ浮遊させないために、すぐにゴミ袋に入れましょう。
革靴のカビの落とし方|ステップ2 ■2.革靴用除菌スプレーを吹きかける
次に革靴用除菌スプレーを革靴に吹きかけます。革靴用除菌スプレーは革靴によっては、色落ちすることがあるため注意が必要です。革靴で目立ちにくいところに、革靴用除菌スプレーを吹きかけてから布で拭いて、色落ちしないか確認しましょう。
【大量のカビが生えている時は革靴全体に吹きかける】
革靴の色落ち確認をしたら、革靴用除菌スプレーを吹きかけます。特に革靴に大量のカビが生えている時は、革靴全体が湿るくらい吹きかけることです。革靴の中や靴底までしっかり吹きかけます。革靴に生えているカビの範囲が少ない時は、革靴用除菌スプレーを全体に吹きかける必要はありません。
カビの除去で使った布は、すぐにゴミ袋に入れましょう。
革靴のカビの落とし方|ステップ3 ■3.革靴を乾かす
革靴の除菌作業終了後は革靴をしっかり乾かします。風通しが良い場所で陰干しをして、革靴を乾かしましょう。日当たりが良い場所で革靴を乾かすと、変色する可能性があります。また革靴に湿気が残っていると再びカビが生える原因になるため、しっかり乾かすのがポイントです。半日~1日程度、乾かします。
革靴のカビの落とし方|ステップ4 ■4.革靴用クリームで保湿する
革靴をしっかり乾かしたら、革靴用クリームで保湿しましょう。革靴用除菌スプレーを拭きかけ、日陰干しで乾かした革靴は水分が不足しています。
革靴用除菌スプレーを拭きかけ、乾かした後の革靴は肌と同じです。洗顔後の肌は砂漠状態で、汚れと共に肌に必要な水分も一緒に洗い流しています。肌表面の水分だけでなく肌の奥の水分量も減っているため、水分を与えて保湿しなければ、肌はどんどん乾燥し状態が悪くなります。また化粧水で水分を与えた後は、肌に水分を留まらせるために、乳液やクリームでフタをするのが基本です。
革靴を乾かした後にクリームを塗る理由がわかったでしょう…… 革靴を保湿し、潤いを閉じ込めるためにクリームを使います。
【保湿だけでなく栄養も与えることができる】
革靴を乾かした後は乾いた布に革靴用クリームを付けて、革靴に塗っていきましょう。革靴用クリームの塗り方は普段、革靴を手入れする要領で行います。また革靴にクリームを塗ると潤いを与えるだけでなく、革に必要な栄養も与えることができるため、塗り残しがないようにしましょう。
革靴のカビの落とし方|ステップ5 ■5.革靴用防水スプレーを吹きかける
革靴に革靴用クリームで保湿と栄養を与えたら最後に、革靴用防水スプレーを全体に吹きかけます。革靴用防水スプレーを吹きかける理由は、革靴を防水するだけでなく、再び革靴にカビが生えてこないようにするためです。また除菌や消臭にも効果があります。
革靴のカビ防止対策4つ
革靴のカビを除去した後は、再び革靴にカビが発生しないように対策をしましょう。革靴だけでなく下駄箱も除湿する等して、カビ対策をする必要があります。では「革靴のカビ対策4つ」を、見ていきましょう!
革靴のカビ防止対策|その1 ■①除湿剤で防止
革靴にカビを発生させないために、下駄箱に除湿剤を入れましょう。下駄箱用の除湿剤は設置するだけで、湿気や気になるニオイも吸収するため革靴のカビ対策には最適です。素材は備長炭や活性炭を使っているものが多く、無香料や香料付きもあります。
下駄箱用の除湿剤は様々なタイプがありますが、下駄箱の大きさに合う除湿剤を選びましょう。狭い下駄箱はスペースがほとんどないため、スリムなコンパクト型が良いです。棒状のもの、L字型になるもの等があります。反対に下駄箱が大きくスペースがある場合は、タンク型が良いです。タンク型は湿気を多く吸収してくれます。
また薄いシート状の除湿剤もあるため、下駄箱に除湿剤を置きたくない方はシートタイプを選ぶといいでしょう。
革靴のカビ防止対策|その2 ■②重曹で防止
下駄箱に重曹を入れる方法は湿気を吸収するだけでなく、下駄箱や革靴のニオイを吸収する効果もあります。重曹の効果は1ヶ月~2ヶ月です(重曹200g程度)。
特に湿気が多い時期は、重曹が湿気をたくさん吸収するため表面が固まります。適度に重曹を確認して表面が固まってる部分があれば取り除いて、取り除いた分の重曹を補充しましょう。
重曹は天然素材のため、ペットや小さいお子さんがいる家庭でも使えるのがメリットです。また使用済みの重曹は掃除等にも再利用できるため、1度で2度使えます。
【食用の重曹を使う】
使用する重曹は食用です。空き瓶(フタなし)等に重曹200g程度入れて下駄箱に置くだけで、革靴のカビ対策に役立ちます。重曹を入れた瓶にフタをした時は麻、ガーゼ、綿等の通気性が良い素材を被せて、輪ゴムや紐で止めましょう。
革靴のニオイをしっかり取りたい時は、重曹を革靴の中に入れます。半紙やティーパック等に重曹を入れて包みましょう。
革靴のカビ防止対策|その3 ■③新聞紙で防止
革靴の中に新聞紙を入れるとカビ対策ができます。新聞紙は湿気を吸収する効果が高いため、革靴のカビ対策に有効です。新聞紙を丸めて革靴の中に入れましょう。
ただし新聞紙は湿気の吸収力が高いため、湿気をたくさん含んだ新聞紙はカビの元になることがあります。新聞紙は定期的に交換しましょう。
また雨で革靴が濡れた時は、できるだけ早く水分を取り除く必要があります。水分を含んだ革靴はカビが発生しやすいです。革靴にカビを発生させないために丸めた新聞紙を革靴の中に入れたら、風通しが良い場所で陰干しをして、しっかり乾かします。
革靴のカビ防止対策|その4 ■④靴は乾燥させてから収納する
革靴にカビを発生させないために、履いた靴はすぐに下駄箱にしまわないことです。履いた革靴を脱いだらそのまましばらく置き、翌日、下駄箱へしまいましょう。湿気を含んだ革靴をすぐ下駄箱に入れると、下駄箱内の湿気も増え、革靴にカビが生える原因になります。
革靴は足から出た汗を含んでいるため湿気が多い状態です。靴を履くと季節関係なく足は汗をかきやすく、さらに靴で足が覆われているため、靴の中が蒸れやすくなります。特に汗をかきやすい夏は、足の汗の量も増えるのが特徴です。
履いた後の革靴はしばらく放置して、革靴の湿気を蒸発させてから下駄箱へしまいましょう。
やってはいけない!革靴のカビの取り方3つ
革靴に生えたカビを除去するにはカビを殺菌するのが一番です。革靴のカビを除去は革靴用除菌スプレーを使うのが一般的ですが、間違った方法で行うと革靴を傷めたり、カビを増やしてしまうこともあります。「やってはいけない革靴のカビ取り方法3つ」を、チェックしましょう!
やってはいけない!革靴のカビの取り方|その1 ■①カビキラーやキッチンハイターはNG
革靴にはカビキラーやキッチンハイターを使ってはいけません。またカビキラーやキッチンハイターを使うと、革靴の寿命を縮めることになります。
カビキラーやキッチンハイターは塩素系で、除菌や漂白ができるのが特徴です。カビキラーやキッチンハイターは強力なパワーでカビを除去しながら漂白をし、カビの根元までしっかり除去します。
カビキラーやキッチンハイターは確かにカビに効果がありますが、革靴には向いていません。カビキラーやキッチンハイターで革靴に生えたカビを除去すると、革靴を傷めるだけなく、色落ちの原因になります。
やってはいけない!革靴のカビの取り方|その2 ■②革靴を水で濡らす
革靴のカビを除去するなら水洗いが手っ取り早いように感じますが、革靴を水で濡らしてカビを除去するのはやめましょう。革靴の水濡らすとカビを除去するどころか、さらにカビが増える原因になります。また革靴を水洗いをしても、カビの根を根絶することはできません。
革靴を水洗いをすると表面のカビが落ちるため、カビが取れてキレイに見えるでしょう。でも革靴には目には見えないカビの根を張っているため、時間が経てば再び革靴にカビが生えてきます。
革靴の表面に生えたカビや、カビの根を除去するには殺菌するしかありません。革靴用除菌スプレーを使って、革靴のカビを除去しましょう。
やってはいけない!革靴のカビの取り方|その3 ■③家用の除菌スプレーを吹きかける
革靴に生えたカビには家庭用の除菌スプレーは向いていません。革靴のカビを除去するには殺菌するのが一番が良いため、「家庭用の除菌スプレーも革靴のカビにも使えるのでは? 」と思う方もいるでしょう。
でもキッチン用の除菌スプレーや手に吹きかける除菌スプレー等を使っても、完全に革靴のカビを除去することはできません。
家庭用の除菌スプレーを革靴のカビに吹きかけると、表面のカビは除去することができるでしょう。キレイにカビが除去できたように見えていても、カビの根が残っています。一時期的に革靴の表面にあるカビを除去できても、カビの根を根絶することができないため、再びカビが生えてきます。
革靴のカビ|クリーニングの金額相場
業者に革靴のカビを取ってもらう場合の金額相場は、大体2,000~8,000円です。革靴のカビの状態によってはプラス1,000円程度かかることもあります。
革靴のカビの除去は業者によっても作業工程等に差があるため、依頼する前に革靴のカビを除去する作業内容等を確認しましょう。例えば革靴を手洗いや超音波で革靴で洗い、カビを除去した後に革靴に色を塗り補色することもあります。
まとめ
日本は高温多湿のためカビにとっては快適なため、革靴にカビが発生しやすいです。革靴のカビが生えたら、革靴用の除菌スプレーでカビを殺菌しましょう。また革靴のカビを除去した後は、カビが生えてこないように対策をすることも大事です。
ご紹介した革靴のカビの除去方法や、カビ対策を参考にして下さい。