いまお使いのエアコン、いつお掃除したか覚えていますか?買った時には感じなかったニオイが気になってきた……という方も多いのではないでしょうか。汚れやカビの付着したエアコンは、夏特有の「クーラー咳」や気管支炎、喘息等の原因になると言われています。
この記事では、エアコン掃除に便利な洗剤のそれを使った掃除方法をご紹介しています。キレイなエアコンを手に入れて、快適な日々を過ごしましょう!
エアコン掃除に必要な準備
エアコンの掃除をする前に、まず必要な準備とアイテムを揃えましょう。
掃除の前には、必ずコンセントを抜いておきましょう。それと、部位によっては大量の水を使うので、電装部分が水に濡れないよう養生しておくことも大切です。念のため、取扱説明書も用意しておきましょう。
エアコン掃除に必要なものは、以下のようなものです。
・45リットルのビニール袋
・ガムテープや養生テープ
・新聞紙やブルーシート
・ハサミ
・古歯ブラシや洗浄用の長めのブラシ
・霧吹きスプレー(噴霧器等の容量が大きいものがベスト)
・ぞうきんやウェットシート
・マスクとゴム手袋
・それぞれの部位に必要な洗剤
他にも必要なものはありますが、最低限これだけは揃えておいたほうが良いでしょう。
覚えておきたいのは、エアコンの掃除は取り扱いを誤ると事故や故障につながりかねないということです。事前に手順をよく調べて、必要なアイテムを揃える等の準備を整えてから臨みましょう。
エアコンのフィルター掃除に使う洗剤
エアコン掃除をしたことがないという方は、まずフィルターをキレイにすることから始めましょう。ホコリや花粉を吸い込んでいるフィルターは、常にキレイにしておかないと運転効率にも影響します。ここでは、フィルター掃除におすすめの洗剤と掃除の方法をご紹介しています。
フィルターを徹底的にキレイにしたい時は、専用の洗剤を使うのがおすすめです。泡で包み込んで落とすので、フィルターの網目を傷つけずに汚れを落とすことができます。
これらの洗剤には、抗菌効果や防カビ効果、いろいろなフレーバーが追加されているものもあります。好みに合わせてチョイスしても良いでしょう。
煙草のヤニや油汚れを落としたい時は、マジックリンをおすすめです。油汚れに特化しているので、ベタつきやニオイも一気に落とすことができます。
汚れが残ったままだと、運転効率が下がるだけでなく電気代も高くついてしまいます。こまめに汚れを落として清潔に保ちたいですね。
エアコンのフィルターの掃除方法
■外す前に外から掃除機をかける
フィルターの周りは、巻き上げられた細かいホコリがたくさん付着しています。フィルターをそのまま外すとそれらのホコリが飛び散ってしまいますので、必ず先に掃除機をかけておきましょう。
フィルターに大量のホコリがついている場合も、設置した状態で掃除機をかけておくとあとの掃除が格段に楽になります。他にも、エアコン上部やカバーの後ろ等、意外なところにホコリは蓄積しているものです。
この機会に見える部分のホコリはすべて取り除いておきましょう。掃除機の細いノズルを使うと細かい部分のホコリも取りやすいので活用したいですね。また、はじめてフィルターを掃除する時には、どのように付けられているのかをよく覚えておくようにしましょう。写真等に撮っておくのもおすすめです。
フィルター周りはいちばんホコリが付着しやすい部分です。マスクやゴーグルをつけるのも忘れないようにしましょう。
■フィルターの外側にも掃除機を
フィルターを外したら、外側から掃除機をかけます。この時、必ず「外側」からかけることを心がけましょう。
フィルターは汚れやホコリから保護するためのものですから、内側から掃除機をかけると目詰まりの原因になってしまいます。外側から掃除機をかけるだけで、ほとんどのホコリは落とすことができます。
通常のお手入れはここまでで充分です。10日~2週間に1度はフィルターを外して掃除機をかけることで、フィンにホコリが入り込むことも防げます。
■月に一度は水洗いでスッキリと
日頃のお手入れは掃除機だけで充分ですが、月に一度はフィルターを水洗いしましょう。細かくて落ちにくい汚れや煙草のヤニ等も一気に洗い流せます。
水洗いをする時は先に表裏両方に掃除機をかけて、できるだけホコリを取り除いておきます。その後、シャワーの水流を裏面からあてましょう。網目を破らないように古い歯ブラシ等で丁寧にこすると、こびりついた汚れもキレイに落とすことができます。
落ちにくい汚れは強くこすらず、専用洗剤を使ったり、中性洗剤を溶かしたぬるま湯にしばらく漬け置きしてから洗うようにしましょう。
汚れが落ちたら、バスタオル等に取って水気を拭き取ります。しばらくタオルの上等で乾燥させてからエアコンに戻しましょう。この時、水分が残っているとカビの原因になります。必ず水分を完全に乾燥させるように気をつけましょう。
フィルターの網目はとても繊細で破れやすいものです。引っかけたりしないよう、丁寧に扱うことを心がけましょう。
エアコンのフィン掃除に使う洗剤
エアコンフィルターを外すと、奥に薄い金属の板がたくさん並んでいるのが見えるかと思います。これがフィン(熱交換器)です。これは室内の熱気を取り除くために非常に大切な部位で、ここが汚れるとエアコンの冷却機能が落ちてしまいます。
ここでは、フィンの掃除に適した洗剤の選び方と具体的なお掃除の方法をご紹介しています。
■フィンクリーナーで隅々までキレイに
フィンの周りは薄い金属がたくさん並んでいて、手を出すのがちょっと怖いと感じる方も多いのではないでしょうか。
そういう時は、専用のフィンクリーナーを使うのもおすすめです。洗剤を使ったあと、フィンクリーナーをすき間に挿し込んで動かすだけでホコリ等をキレイに落とすことができます。
洗剤と組み合わせて使うことで、より効率良くフィン掃除ができます。フィンに無理な力をかけて破損してしまうことも防げるので、ひとつ買っておいても良いですね。
■エアコンのフィン掃除に代用できる洗剤
フィン洗浄剤の代用として、最も手軽に入手できるのは「無糖の炭酸水」です。
炭酸ガスの泡が汚れに付着するので、普通の水よりも効率的にフィンを洗浄できます。他にも、セスキ炭酸ソーダも効果があると言われています。しかし、フィンの薄い金属でできているので洗浄剤の性質によっては白く変色したりすることもあります。あまり自信がない時は、炭酸水や洗浄スプレーを使用することをおすすめします。
環境への影響が気になる方は、一度試してみてはいかがでしょうか?
エアコンのフィンの掃除方法
エアコン用の洗浄剤というと、こういったスプレータイプのものを思い浮かべる方がほとんどではないでしょうか。フィンに吹きつけることで汚れを落としてくれます。自動お掃除機能付きのエアコンにも使うことができますが、フィンを覆っている部分が多いので全体にスプレーするには多少コツが必要です。
こちらは電解水をベースに作られたフィン洗浄剤です。フィンの洗浄は、汚水がドレンパイプを通じて排出されます。周辺の環境への影響が気になる方は、こちらを使うのもおすすめです。無臭なのも嬉しいですね。
■掃除機をかけてホコリを取り除く
エアコンフィンはフィルターによってガードされているので、本来ならホコリが溜まることはあまりありません。
しかし、長らくフィルターの掃除をしていないエアコンや古いエアコンはフィンの内部までホコリが入りこんでいることがあります。フィルターをはずしたら、掃除機をそっとフィンに近づけて中のホコリを吸い取りましょう。ブラシタイプのノズルに変えるとフィンを傷つけることがないのでおすすめです。
ホコリが詰まったままだと、熱交換の効率が落ちるので冷却能力が下がるだけでなく、電気代が余計にかかってしまいます。フィンを常にキレイに保つことで、エアコン本来の力をより引き出せるのです。
■フィン用の洗剤をまんべんなくスプレーする
用意しておいた洗剤を、全体にまんべんなくスプレーしましょう。
ほとんどの洗剤は、エアコン1台につき1本を使い切る仕様になっています。多いように感じても、全体にまんべんなくスプレーすれば使い切れる量ですので、残さずに使い切りましょう。
スプレーした洗剤は、エアコン内を通ってドレンホースから排水されます。ドレンホースに詰まりがないか、洗剤がかかって困るような植木鉢等を置いていないかを事前に確認しておきましょう。また、下に洗剤が垂れても良いように新聞紙等でカバーしておくことも大切です。特に、掃除したあとにエアコンを使用する時は注意が必要です。
■フィンを掃除する時の注意点
先にもご紹介したように、エアコンのフィンはとても薄い金属からできています。少しでも力がかかると簡単に曲がってしまいますし、金属で手を傷つけてしまうことも。
掃除をする際は、くれぐれも直接触ることのないように気をつけましょう。特に、古いエアコンは金属疲労によりフィンが柔らかくなっていることがあります。買ってから年数が経過しているエアコンの掃除をする時は、より注意が必要です。
先にご紹介したフィンクリーナーを使えば、直接触らずにフィンを掃除することができます。幅を調整できるものもあるので、ひとつ持っておくと家中のエアコン掃除に活用できますよ。
エアコンのシロッコファン掃除に使う洗剤
エアコン掃除のなかで、最も厄介なのがシロッコファンの掃除です。エアコンの構造上カビが生えやすいうえに、狭くて見通しが悪いので掃除がやりにくい部位でもあります。
でも、エアコンからのカビ臭さの原因の大半はファンにあるので、気合いを入れてピカピカにしましょう!ここでは、ファン掃除におすすめの洗剤と掃除の方法やコツについてご紹介しています。
エアコンファン洗浄剤の代表格といえば、この「くうきれい」ではないでしょうか。
大量に出てくるモコモコの泡が、ファン全体を包み込んで汚れを浮き上がらせます。泡で汚れを浮き上がらせるので、軽くこするだけで汚れが取れるのが特徴です。
養生シートもついているので、エアコン周りが水浸しにならずに済みます。ただし、付属のテープだけでは水の重みを受け止めきれませんので、シートをガムテープ等で補強して使うことをおすすめします。
こちらも「くうきれい」と同じく泡で汚れを落とすタイプの洗剤です。
ファン用の洗剤は、洗浄剤とリンスがセットになっているものがほとんどです。しかし、たくさんの泡を付属のリンスだけで落としきるのはほぼ不可能だと思っておいたほうが良いでしょう。霧吹き等を用意して、大量の水で汚れを落としきる準備をしておくことをおすすめします。
■フィン掃除の洗剤との違い
フィン用の洗剤とシロッコファン用洗剤の最も大きな違いは「洗剤液がその場に留まるかどうか」にあります。
先にもご紹介したように、フィンは洗剤をスプレーしたあとエアコン内を速やかに通過してドレンホースから排水される必要があります。そのため、洗剤液はサラサラと流動性が高く乾燥しやすいものがほとんどです。
それに対して、シロッコファンは洗剤の泡を長く維持して汚れを浮き上がらせる必要があります。そのため、フィン用の洗剤に比べて粘度が高くその場に長く留まるようになっています。掃除の仕方に合わせて洗剤のテクスチャーも変わってくるので、必ず専用のものを使うようにしたいですね。
■エアコンのシロッコファン掃除に代用できる洗剤
エアコンファンの掃除には、一般的な中性洗剤を使うことも可能です。住居用中性洗剤をファンにまんべんなくスプレーしてから、ブラシ等でカビ汚れをこすり落としましょう。
ただし、中性洗剤は専用のものに比べて粘度が低く、洗剤がその場に留まらず流れやすくなっています。ガンコなカビ汚れを落とすには、やはり専用のものを使うのがベストだと言えるでしょう。また、泡切れの点でも専用洗剤には若干劣るので、すすぎに時間がかかることも。
逆に、こまめに掃除していてあまり汚れていない場合は、中性洗剤でも充分キレイにすることができます。
エアコンのシロッコファンの掃除方法
■エアコン周りを養生する
ファンの掃除を始める前に最も重要なことは、周りをきちんと養生することです。シロッコファンの掃除にはたくさんの水が必要です。それらをうまくバケツ等に移動できるような養生にしなくてはいけません。
ファンの下あたりにビニール袋を貼り付けて、汚水が流れ込むようにすると良いでしょう。ただし、そのままだと水の重みで袋が落ちてしまいます。定期的に汲みだすか、袋の一部を切ってバケツに流し込むようにするのがおすすめです。
汚水が飛び散ったりこぼれたりすると、床や壁を汚してしまいます。拭いても落ちにくいだけでなく、悪臭が残る原因にもなりますので、最初の養生は念入りに行いましょう。
■ルーバーを動かしてファンが見えるようにする
風向きを調整するルーバーは、手で動かすことができます。ブラシや霧吹きが入るように場所を調整しましょう。ただし、機種によっては薄いプラスチックを使っていたり、リモコンで操作する必要があるものも。
初めて掃除をする時は、必ず取扱説明書を確認してから動かすようにしましょう。汚れが溜まっているエアコンは、ルーバーを少し動かしただけで真っ黒いカビがびっしり生えているのが目視できると思います。
■霧吹きでファン全体を湿らせる
ルーバーを棒等で回しながら、霧吹きで水をかけて全体を湿らせます。ずっと掃除していないエアコンなどは、この時点でもう汚水が流れ出てくるでしょう。養生がきちんとできているか、水が漏れている部分がないか等をここでチェックしておくことをおすすめします。
全体に水分を含ませておくことで、後に使う洗剤が全体に浸透しやすくなりますよ。
■ファン用の洗剤を使って内部の汚れを取り除く
シロッコファン掃除のメインがここにあたります。洗剤をまんべんなく浸透させてしばらく時間を置きましょう。状態によっては、汚れが浮き上がって泡が黒く汚れてくると思います。これがカビだと思うと恐ろしいですよね。
菜箸やこちらでご紹介している親方棒を使って、ファンを少しずつ回転させながら全体に洗剤が行き渡るようにしましょう。特に、ファンの両端はカビが多く生えやすい傾向にあります。電装部分に洗剤がかからないよう注意しながら浸透させていきましょう。
こちらもフィンの掃除と同じように、きちんと規定量を使い切ることが重要です。量が多く感じても、1本で1台分と指定されている場合は全部使うようにしましょう。
ある程度、汚れが浮いてきたら細いブラシや親方棒で黒い汚れをこそげ落とします。水分を含んで柔らかくなっていれば、あまり力を入れずに落とすことができますが、狭いところに棒を挿し込んで汚れを落とすのは意外と疲れるものです。
あまりにも汚れが溜まっている時は、一度で全部落とそうとせず、何回かに分けて掃除するほうが良いでしょう。
■洗剤を完全に洗い流す
汚れがキレイに落ちたら、付属のリンス剤で洗剤を落としていきましょう。とは言え、リンス剤1本では到底洗剤を流し切ることはできません。
霧吹き等でたっぷり水をスプレーして汚れと洗剤を押し流してしまいましょう。専門の業者は、このステップで10ℓもの水を使うそうです。洗剤で汚れを浮き上がらせたら、水スプレーで汚れを押し流すようなイメージを持っておくと良いでしょう。
汚水やカビ汚れの破片が出てこなくなるまで、根気よく洗い流します。水がキレイになっても、破片は大量に残っています。場所や角度を変えて、まんべんなく水流を当てていくようにしましょう。
手動の霧吹きでは手が疲れてしまうという方は、薬剤散布等に使われる手動の噴霧器を用意しておくと良いでしょう。ポンプで加圧することによって、広範囲に水をスプレーすることができます。ホームセンター等で2000円程度で購入することができます。窓の掃除等にも活用できるので、ひとつ持っておくと重宝しますよ。
また、大量の水を使うので養生に使っているビニール袋にもそれなりの負荷がかかります。こまめに水を汲みだすかバケツに水を流し込めるようにして、水が漏れてないかをよく確認しましょう。
■元の状態に戻す
洗剤を流し終えたら、ルーバー等を元に戻します。この時点では養生はまだ外さないようにしましょう。送風口周辺にタオル等を貼り付けてから、送風運転を開始します。中のファンは水浸しなので、飛び出してくる大量の水分をタオルで受け止めながら動かしましょう。
季節にもよりますが、1~2時間乾燥させれば充分でしょう。中に水分が残ったままだと、またカビが生えてしまうだけでなく故障の原因にもなります。完全に乾燥させれば、ファンの掃除は完了です。出てくる風のニオイが解消されているのが、すぐにわかると思います。
まとめ
エアコンの掃除は時間も手間もかかるので、正直かなり面倒な作業です。
しかし、いくら部屋をキレイにしても、汚れた空気が充満していては衛生的にも健康的にも良くありません。家族の健康のためにも、最低でも年に一回はエアコンを掃除する日を決めて、キレイを保つ努力をしましょう。