水回りに生えるイメージの強いカビ。ある日、フローリングに生えているのを発見して、戸惑ってしまう方も多いのではないでしょうか。カビは、温度25度以上、湿度70%以上、さらにさまざまな栄養分が揃うことで繁殖していきます。
つまり、カビとは一見関係がなさそうなフローリングであっても、条件さえ揃えば十分に繁殖してしまう可能性があるのです。
この記事では、フローリングに生えてしまったカビを取るための5つのステップや、お住まいが賃貸住宅の場合、トラブルを回避するためにわたしたちが理解しておくべきことなどについてまとめていきます。
フローリングにカビが生える原因5つ
まずはじめに、フローリングにカビが生えてしまう原因を知っておきましょう。フローリングにカビが生える原因は、主に5つあげることができます。
フローリングにカビが生える原因|その1 ■①布団が敷きっぱなし
フローリングにカビが生えてしまう原因のひとつとして、フローリングに布団を敷きっぱなしにしていることがあげられます。
人は寝ている間に汗をかきます。その量は、成人であればコップ1杯ほどと言われています。つまり、布団はわたしたちが寝ている間に湿った状態になっているわけですね。
さらに、わたしたちの体温により、布団が温められます。そして、カビの栄養分となるのが、ホコリや髪の毛。これでカビの発生に必要な「湿度」「温度」「栄養分」が揃い、カビが繁殖しやすい環境を作り上げてしまうのです。
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モットンの除湿シートは布団やマットから染み出す湿気はもちろん、床から発生する結露による湿気もしっかり吸収!肌や髪にジメジメを感じる嫌な季節でも、カビとは無縁のサラリとした感触を味わうことができるでしょう。
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フローリングのカビを掃除しても、新たな対策をしなければまたカビが生える可能性が高いです。
敷くだけ簡単な除湿シートでドキドキしながらそっと布団やマットをめくって、黒い点々がついていないか確認する日々を終わりにしましょう。
フローリングにカビが生える原因|その2 ■②マットやカーペットを敷いている
フローリングに布団を敷いていなくても、マットやカーペットを敷いているというご家庭は多いのではないでしょうか。多様なデザイン性だけでなく、保温効果、防音効果などさまざまな効果が期待できるマットやカーペットですが、実はフローリングにカビを生やしてしまう危険を孕んでいるのです。
マットやカーペットとフローリングの間は空気の通りがあまり良くなく、特に梅雨などのジメッとした季節では湿度が溜まりやすくなってしまいます。そこに人の体温や室温、汗やホコリなどの栄養分が加わって、カビが繁殖しやすい環境を作り上げてしまうのです。
フローリングにカビが生える原因|その3 ■③植木鉢をフローリングに直接置いている
フローリングにカビが生える原因として、意外と盲点なのが、観葉植物などの植木鉢がフローリングに置いてあるケースです。耐陰性があり、室内のインテリアとして人気の高い観葉植物ですが、それらは植物ですので水やりが必要です。
いくら植木鉢の下に受け皿を置いていたとしても、その付近は湿気が多い状態になってしまい、カビが繁殖しやすい環境になってしまうのです。
フローリングにカビが生える原因|その4 ■④部屋が結露しやすい
冬場に注意したいのが、結露によるカビの発生です。結露とは、室内の湿気を含んだ温かい空気が外の冷たい空気に触れることで水滴に変化した状態のことです。結露が一番気になる箇所と言えば、一般的には窓ガラスでしょう。しかし、壁やフローリング、天井なども実は結露していることを忘れてはいけません。
結露しやすいお部屋の特徴としては、マンションの北側のお部屋や、1階の角部屋のお部屋など、屋外に面した壁面が多かったり、室内外の温度差が生じやすかったりするお部屋があげられます。結露しやすいお部屋ではそれだけ湿度が高まりますので、カビが繁殖しやすい環境を作り上げてしまうことになります。
フローリングにカビが生える原因|その5 ■⑤灯油ファンヒーターを使っている
冬に灯油ファンヒーターを使っているご家庭は、カビの発生に要注意です。なぜなら、灯油は燃えることで二酸化炭素と水を排出する性質があるため。
つまり、灯油ファンヒーターを使用することで、湿度を高めてしまうわけですね。そのため、灯油ファンヒーターを使用しているお部屋では結露がひどくなり、結果としてカビの繁殖しやすい環境を作りあげてしまうのです。
フローリングのカビの取り方5ステップ
つぎに、フローリングに発生してしまったカビを取るための方法を5ステップで説明していきます。フローリングのカビはしっかりと消毒をしながら除去していくことが大切です。
フローリングのカビの取り方|ステップ1 ■①濡れた布でカビをふき取る
まずはじめに、フローリングに発生したカビを濡れた布を使って拭き取っていきます。ここで満足して作業を完了させてしまっては、カビに栄養を与えてしまうだけですので逆効果に。次のステップへ必ず進みましょう。
ちなみに、これらのカビを直接触りたくないという気持ちから「掃除機で一気に吸い込んでしまおう」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、胞子を部屋中に撒き散らしてしまう結果となってしまいますのでやめておきましょう。
フローリングのカビの取り方|ステップ2 ■②アルコールや消毒用エタノールで消毒
つぎに、アルコールや消毒用エタノールを80パーセントに希釈したスプレーをフローリングのカビに吹きかけ、雑巾でしっかりと拭き取っていきましょう。
アルコールやエタノールには、タンパク質を固めてカビの繁殖を抑える効果があり、さらに消毒・殺菌効果も期待できますので、フローリングのカビを除去するのに最適です。
フローリングのカビの取り方|ステップ3 ■③継ぎ目のカビは歯ブラシで
フローリングの板の継ぎ目などの細かな箇所に生えたカビは、拭き取りだけでは十分に除去することができません。そんなときは、爪楊枝や歯ブラシを使ってカビをこすり取りましょう。
アルコールやエタノールの使用は、基本的にはフローリングへの影響を心配する必要がありませんが、まれに色落ちしてしまうことがあります。目立たない箇所へスプレーを吹きかけて2、3日様子をみてから行うと安心ですよ。
フローリングのカビの取り方|ステップ4 ■④塩化ベンザルコニウム(逆性石けん)を使用
フローリングが色落ちしてしまってアルコールやエタノールが使用できない場合は、塩化ベンザルコニウム液 (逆性石けん液)を使用すると良いでしょう。こちらも水で薄めたものをスプレーし、拭き取っていきます。頑固なカビの場合は、数分間つけ置きしてから拭き取ってみてくださいね。
フローリングのカビの取り方|ステップ5 ■⑤防カビワックスで仕上げ
フローリングのカビの除去が完了したら、カビの再発を防ぐために防カビワックスをフローリングに塗っておくと安心でしょう。ただし、お住まいが賃貸物件の場合は注意が必要。後々トラブルにならないよう、大家さんに許可をもらってから行ってくださいね。
NGなフローリングのカビの取り方4つ
つづいて、フローリングのカビを取るためにわたしたちがついついやってしまいがちな、実はやってはいけないカビ取り方法を紹介していきます。フローリングを傷めてしまったり、余計にカビが繁殖してしまう原因となりますので注意しましょう。
やってはいけないフローリングのカビの取り方|その1 ■①カビキラーを使う
カビ用洗剤と言えば、「カビキラー」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。「カビに効果てきめんなカビキラーを使えば、フローリングのカビも根こそぎ退治できるはず!」と期待を抱く方も多いことでしょう。
しかし、カビキラーはフローリングで使用するには効果が強過ぎます。フローリングが脱色してしまい、その箇所が白くなってしまう危険があるのです。フローリングにカビキラーを使用することは控えましょう。
カビ用洗剤と言えば、カビキラーを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。「カビキラーを使えば根こそぎ退治できるはず!」と期待を抱く方も多いことでしょう。
しかし、カビキラーはフローリングで使用するには効果が強過ぎます。フローリングが脱色してしまい、その箇所が白くなってしまう危険があるのです。
やってはいけないフローリングのカビの取り方|その2 ■②キッチンハイターを使う
上に述べたカビキラーと同様、キッチンハイターもフローリングに使用するのはやめましょう。こちらもカビ自体にはもちろん効果はありますが、フローリングが脱色してしまう恐れがあります。
やってはいけないフローリングのカビの取り方|その3 ■③重曹を使う
家庭のお掃除に大活躍の重曹ですが、フローリングのカビに使用するのはおすすめできません。なぜなら、重曹はクレンザーの働きがあるためです。重曹の研磨作用によりワックスが剥がれ、フローリングを傷めてしまう恐れがあります。
やってはいけないフローリングのカビの取り方|その4 ■④お酢を使う
カビに有効とされる酸性の性質をもつお酢ですが、ご家庭にあるような食用のお酢だと、かえってカビの栄養分になってしまうことがあります。使用箇所もベタついてしまいますし、フローリングの使用には向いていません。
賃貸のフローリングにカビが生えた場合
お住まいが賃貸住宅の場合、フローリングにカビが生えてしまったら修繕費用は大家側と入居者側、どちらが負担することになるのか気になりますよね。賃貸住宅でフローリングにカビを生やしてしまった場合、トラブルを避けるためにわたしたちが理解しておきたいことについてまとめていきます。
賃貸のフローリングにカビが生えた場合|知識1 ■①フローリングの現状回復とは
フローリングの原状回復は、クリーニング対応、もしくは張替え対応で行われます。張替え対応のほうが費用は当然高額になります。拭いても取れないカビについては、張替え対応となることが多いようです。
賃貸のフローリングにカビが生えた場合|知識2 ■②入居者負担になるケース
入居者側が然るべき管理を怠ったために発生したフローリングのカビ(布団を敷きっぱなしにしていたなど)については、入居者側の負担になります。契約書・重要事項説明書を改めて確認しましょう。
入居者側の負担と言っても、ある程度の期間住んでいる家であれば、入居年数によって法廷対応年数で差し引かれますので全額負担にはなりません。また、物件の築年数が古い場合は自然消耗とみなされ、大家側の負担になることもあります。
賃貸のフローリングにカビが生えた場合|知識3 ■③ごまかすのはダメ!早めの連絡・対応を
フローリングのカビは、放置しておくことで余計に悪化してしまう恐れがあります。フローリングのカビを発見したら、悪化してしまわないように大家さんに連絡し、早めに対応しておくようにすると安心でしょう。
フローリングにカビを生やさない予防方法4つ
最後に、フローリングにカビを生やさないための予防方法をまとめていきます。カビが発生してしまった場合の対処ももちろん大切ですが、そもそもカビを発生させないように予防しておくこともとても大切です。
フローリングにカビを生やさない予防法|その1 ■①風通しを良くする
カビを発生させないためには、フローリングの湿度を下げてあげることが大切です。換気や除湿を徹底し、できる限り風通しの良い環境を整えましょう。フローリングに敷布団を敷いている場合は、すのこや除湿マットなどを布団とフローリングの間に敷き、湿気がこもりにくい状態にしておくのがおすすめです。
フローリングにカビを生やさない予防法|その2 ■②敷布団は毎日上げる
敷布団とフローリングの間にすのこや除湿マットなどを利用したところで、湿気対策としてはまだ十分ではありません。カビ予防の効果をもっと上げるためには、敷布団を毎日干してあげると良いでしょう。
そうは言っても、毎日お布団を干すのは楽な作業ではありませんよね。毎日が晴天なわけでもありませんし、ついついサボりがちになってしまう方も多いと思います。
そんなときは、すのこと除湿マットが一体化した「すのこ型の除湿マット」や、すのこごと布団を干すことができる「すのこベッド」など、便利グッズを活用してみるのがおすすめです。買い替えをご検討されている方は、そもそも除湿機能を備えている布団を選ぶという手段もあります。
フローリングにカビを生やさない予防法|その3 ■③マットやカーペットは定期的に干す
カーペットやマットをフローリングに敷いているご家庭では、敷布団と同様、カーペットやマットとフローリングの間にできるだけ湿気をこもらせないようにすることが大切です。カーペットやマットを定期的に干して乾燥させてあげることでカビを予防することができます。
しかし、カーペットやマットの場合は敷布団の場合とは異なり、上に動かしづらい家具や家電を配置しているというご家庭もあるでしょう。
カーペットやマットを気軽に干すことができないご家庭では、とにかくお部屋自体の湿度を下げることを心がけましょう。換気、除湿を徹底し、必要であれば除湿機やサーキュレーターなどを活用しても良いでしょう。
フローリングにカビを生やさない予防法|その4 ■④除湿器を使う
湿度を下げるために頼りになるのが、除湿機です。主に梅雨時期に活躍することの多い除湿機ですが、湿度が気になる日はどんどん活用していきましょう。
お部屋全体の湿度を下げることができますので、結果的にフローリングのカビ予防にもつながります。サーキュレーターと併用することでさらに除湿効果をあげることができますよ。
ただし、冬場は乾燥や風邪のウイルスが気になりますので、注意が必要。カビ対策としては邪魔者な湿度ですが、わたしたちの健康には適度な湿度が必要なのです。お部屋の湿度は40〜60パーセントに保てるように上手に調整してくださいね。
フローリングのカビ|まとめ
フローリングのカビは発生してしまってから対処することよりも、そもそも発生させないように普段から注意することが重要と言えるでしょう。フローリングにカビを発生させないためには、フローリングに湿度をこもらせないようにすることがポイントです。
お部屋全体の湿度を上手に調整することで、フローリングだけでなく、そのほかの箇所についてもカビの発生を防ぐことができます。普段から湿度が上がり過ぎないように注意し、カビゼロの快適な空間を目指してみてくださいね。