普段、なかなか窓の掃除をしない人は少なくありません。しかし、年末の大掃除の時などに窓ガラスをはじめ、ゴムパッキン、サッシ、木枠などが真っ黒にカビてしまって驚いた経験がある方もいるはずです。
しかし、あまりの汚れに、“見なかったことにしよう…”と放置してしまうと、汚いだけではなく人体にも悪影響を及ぼす可能性があるので要注意。だからこそ面倒ではありますが『窓のカビ掃除は気になった時がやり時』です。
窓にカビが発生する原因
窓にカビが発生する要因はさまざまですが、主に寒い冬場に起こる結露です。冬場、夜と朝の外気と部屋の温度が大きくかわります。
特に、ヒーターなどで屋内を温めている場合はその差が大きくなり、結露となり水滴がたっぷりついてしまいます。その時、雑巾やタオルなどで結露をしっかりと拭くことでカビは予防可能なのですが、面倒だからと放置してしまうと、その水分によってカビが発生してしまいます。
さらに結露の量によっては、窓ガラスだけでなく、木枠やゴムパッキンの部分、サッシなども水滴でベタベタになり、あっという間にカビが増殖してしまう恐れもあるのです。
こうなるとタッチするのも嫌になり、年末の掃除などでも掃除が億劫になってしまいます。まず、窓ガラスのカビの要因は結露である、ということを覚えておきましょう。
窓のカビの掃除方法4つ
ここからは、窓にカビが発生してしまった時の掃除方法を4つ紹介していきます。ぜひ、参考にしてみてください。
■①カビキラーで窓のカビを取る
窓にカビが発生した時、多くの方は、「カビキラー」を使用することを思いつくかもしれません。カビキラーには、さまざまな用途があり、窓枠の黒ずみを落とすことも可能ですのでぜひ使い方を覚えておきましょう。
カビキラーというと、浴室に使うようなプッシュ式のものを想像しますが、あれを使うと窓枠ではない無い場所に飛び散ってしまう可能性があり、使いにくいイメージがあります。
実は、カビキラーにはゴムパッキン用の飛び散らない製品が販売されており、それを使うことで飛び散らずそのカビに直接カビキラーを当てることが可能です。飛び散ることが無いのでボトルをそのまま素手で片手に持てますが、気になる方はゴム手袋を装着することをおすすめします。
まず、カビキラーをカビが生えてしまった部分になぞるように塗っていきます。あまり力を入れて塗ってしまうと、飛び散ってしまう恐れがあるので注意してください。あとは、15分から30分程度時間を置き、しっかりと水拭きしましょう。
■②キッチンハイターで窓のカビを取る
窓のカビを除去するためには、窓ガラス用の掃除用具を使う方がほとんどだと思いますが、キッチンハイターも窓のカビ落としに利用することが可能です。
前述したように、カビは結露をその発端として窓やゴムパッキン、木枠などに増殖していきます。黒いゴムパッキンではなく、白や灰色のゴムパッキンにカビが増殖した場合、見た目も汚くなりますし、不衛生です。
キッチンハイターは殺菌作用を持っている漂白剤であるため、この窓枠のパッキンのカビを落とすことが可能。使い方さえしっかりと覚えれば誰でも使うことができるので、ぜひ窓枠のパッキンのカビが気になっている方はキッチンハイターを利用してみましょう。
【窓のガラス面のカビ落とし】
キッチンハイターで窓のカビを落とすための方法です。まず、キッチンハイターは濃度が高いため、必ず薄めて使う必要があります。濃度が低い泡タイプのものも市販されていますが、泡は飛び散ってしまうため、注意しましょう。
まず、広範囲の窓ガラスのカビを除去する場合は、マスクとゴム手袋を装着し、薄めたキッチンハイターを吹きかけます。その後、10分ほど置き、キレイな雑巾でしっかりと拭き取ります。その後、よく換気を行い終了です。
ガラス面についたカビは、カビキラーなどの漂白剤を使わなくても雑巾だけでほぼ落とせますが、仕上げでエタノールで殺菌することによって綺麗になりますし、その後のカビ発生の予防にもなります。
【窓枠のゴムパッキンのカビ落とし】
ゴムパッキンなど、こびり付いてしまったカビの除去もキッチンハイターで可能です。
原液のハイターを片栗粉で薄めましょう。マスクをつけ、ゴム手袋をした状態でキッチンハイターと片栗粉を1対1の割合で、しっかりと混ぜ合わせペースト状にしていきます。そして、カビが気になるゴムパッキン部分にしっかりと塗り込んでいき、5分ほど置いて雑巾で拭き取りましょう。
この時、あまり長時間放置しているとゴムが痛んでしまうため、長くても10分以内にしておきましょう。
■③重曹とクエン酸のペーストで窓のカビを取る
窓のカビをためには、キッチンハイターでペーストを作ったように、重曹とクエン酸のペーストも使用することが可能です。ただし、これは先に重曹のペーストを作成し、その後でクエン酸を使用する、という流れがポイントです。
【重曹ペーストの作り方】
重曹ペーストの作り方は単純で、重曹大さじ2杯に水大さじ1杯です。要するに、重曹“2”に対して、水が“1”で結構です。これを窓ガラスやゴムパッキンなどのカビが気になる部分に塗布して数分置きましょう。
このまま雑巾でしっかりと拭き、換気をするだけである程度、カビを除去することが可能です。しかし、前述したようにこれにクエン酸をプラスするだけで、よりカビを除去することができます。クエン酸は、ペーストではなくスプレーを作ります。
【クエン酸スプレーの作り方】
まず、100円均一などで売っている空のスプレーボトルを用意しましょう。そこに、水200ml程度とクエン酸を小さじ1杯入れるだけでクエン酸スプレーの完成です。あとは、しっかりとかき混ぜて、重曹ペーストの上から散布するだけでいいでしょう。
ただ、しっかりと窓のカビを除去したい、という方であれば重曹ペーストの上からクエン酸スプレーを散布後、ラップをかけて1時間ほど放置します。その後、使わなくなった歯ブラシで汚れを落とし、きれいな雑巾などで拭き取りましょう。
時間はかかりますが、気になる窓ガラスのカビをしっかりと除去することができるのでおすすめです。
ハイターなどでもカビは落ちますが、木を痛めてしまいます。
■④消毒用エタノールで窓のカビを取る
窓はカビてしまった後、除去する方法のひとつとして消毒用エタノールはかなり万能です。消毒用エタノールは、アルコールですので、殺菌作用を持っています。窓に増殖してしまったカビを除去するには、まず消毒用エタノールを吹きかけて、その後雑巾などでしっかりと拭き取ればOKです。
もっとも手軽な方法ですので、気になった時にすぐ使うことができます。
しつこいカビはキッチンペーパーで湿布
しつこいカビが発生してしまった場合、消毒用エタノールを散布するだけでは、なかなかその汚れを除去することができないこともあるでしょう。
そのような場合は、消毒用エタノールを散布した後にキッチンペーパーで湿布しましょう。消毒用エタノールを使うことにより、カビ汚れが浮き出してくるため、それを乾燥させずキッチンペーパーがキャッチしてくれます。また、キッチンペーパーが無い方であれば、ラップを使用しても問題ありません。
ラップの場合、密閉効果が高いので空気中の酸素に触れず、乾燥しにくくなります。浮き出したカビ汚れを、ラップを外した後にしっかりと除去することができるので便利です。ぜひ、試してみてください。
カビは残っているとすぐに繁殖してしまうので、塩素系で漂白した後にエタノールでの殺菌仕上げ。
これをセットにすることでカビの除去、次回発生を遅らせる効果があります。
窓のカビの予防対策3つ
窓にカビが発生しまう前に、しっかりと予防しておけば、面倒な除去作用をする必要はありません。ここからは、窓のカビの予防対策を3つ紹介していきます。
■①エタノールと中性洗剤で窓のカビを予防
先述しているように、窓にカビが発生してしまう最大の要因は結露です。まず、窓のカビを防止するために必要なのは、この窓の結露を防止することでしょう。
その方法のひとつとして活用できるのが、エタノールと中性洗剤を使ったカビ予防です。
<用意するもの>
・市販のエタノール
・中性洗剤
・キッチンペーパー
・清潔なタオル(不潔なタオルの場合、タオルの汚れがきっかけでカビが増殖する可能性がある)
【手順】
エタノールをキッチンペーパーにしっかりと吹きかけ、汚れているサッシを拭きましょう。その後、結露によって水滴がついている窓をしっかりと拭いていきます。その後、水20に対して中性洗剤1の割合でタオルに染み込ませます。先に、溶液を作っておいてからそれをタオルに染み込ませるとやりやすいでしょう。
その後、タオルで窓、窓枠などを全体拭きましょう。最後、キッチンペーパーで全体を伸ばすように拭き取ればOKです。洗剤には界面活性剤が含まれているのですが、この界面活性剤の効果で乾燥が早くなり結露による水浸しのような状況を防止できるようです。
1週間ほど持つので、1週間に一度この防止方法を試してみはいかがでしょうか。
■②窓に結露吸水シートを貼る
窓のカビの要因となる結露を防ぐ場合、“結露吸水シートを貼る”という手段もある程度は有効です。結露吸水シートをあまり聞き慣れない、という方も少なくないですが、ホームセンターなどで売っているので手に入れやすいアイテムです。
結露吸水シートは、結露による水滴を吸収してカビ防止のために開発された商品ですので、窓のカビ防止の救世主とも言える機能を持っています。使い方は簡単で、窓枠側に沿うように貼っていくだけでOKです。
結露によって水滴が垂れ落ちてきますが、結露吸水シートによってそれらがしっかりと吸水されるので、カビが発生しにくく安心して日々を過ごすことができるでしょう。しかし、ここで注意したいポイントがあります。
結露吸水シートは、吸水できる程度に限界があるため、あまりにも結露が酷い場合や水分を吸収しきった後に水滴が発生すると、その機能のキャパシティを超えてしまいます。
また、安心だと思ってずっと使い続けていると、結露吸水シートにカビが発生してしまう、というデメリットもあるので、常に買い替える必要があるでしょう。
部屋の換気を怠り、結露だけでなくホコリなどカビの餌になるものが多くガラスについていると、交換時期が来る前に吸水シートにカビが生えてしまうケースがあります。
吸水シートにカビが生えてしまったら交換した方が衛生的です。
■③窓に結露防止スプレーをかける
シートなどを使うのが面倒、という方は窓に結露防止スプレーを利用するという手段もあります。結露防止スプレーは、防カビ効果のある成分をはじめ、結露を発生しにくくする成分を含むものなど、さまざまな製品が市販されています。
多くは、断熱効果のある膜を作る効果を持っており、この効果によって結露による水滴を防ぐことができるのです。ただし、あまりにも結露が酷い状況や環境の厳しさによって、結露防止スプレーがあまり効果を発揮しないこともあります。
適当に結露防止スプレーを選ぶのではなく、ご自身の住居環境などを考慮して、結露防止スプレーを選ぶようにしましょう。
窓のカビ取りを業者に依頼した場合の金額相場
ここまで、窓のカビ取り方法や防止方法など、さまざまな角度から紹介してきました。しかし、面倒くさい…という方や、なかなかここまで頑張れる時間が無い、という方も少なくないでしょう。そういった方のために、窓のカビ取りを業者に依頼した場合の価格相場を紹介していきます。ぜひ、チェックしてみてください。
■窓のカビ取りの相場は幅広い
窓のカビ取りは、前述した通り、比較的手軽にできるものもあります。そのため、業者も掃除作業に設定している価格がマチマチであり、費用に大きな差があります。安いところなら、数百円という価格で行っていますし、高額な場所であれば10,000円前後という場所もあります。
全体的な相場となると、5,000円前後と見ていると良いかもしれません。
ただし、安価な価格を設定している業者の場合、主体となる業務を行ったついでに、窓やサッシを掃除した時の追加料金として請求される可能性が高い可能性があります。どの程度の汚れ、窓の数なのか、ということにもよりますが、そちらは事前にしっかりと業者と相談するなり打ち合わせをしておいた方が良いでしょう。
ハウスクリーニングとして、まとめて価格が設定されているか、単発でも引き受けてくれるか、そういった部分を先に把握しておくことがポイントになるでしょう。
まとめ
ここでは、窓のカビ掃除方法と予防対策などを紹介してきました。窓のカビは、基本的に冬場の屋外と屋内の温度差による結露が要因と考えられます。そのため、結露を予防をすることが、窓のカビ対策には重要であることが分かります。
窓部分のカビは、放置すればするほど、除去することが難しくなりますし、よりそれが面倒になってご自宅を不衛生な状況に進ませてしまいます。
ここではさまざまな方法を紹介してきましたが、ぜひ手遅れになる前に、さまざまな対処法、対策をたてておきましょう。