毎日の生活の中では様々なトラブルが起こります。特に台所やお風呂場、洗面台などの『水回りに関わる場所』は毎日のように利用するため劣化や消耗を抑えるためには定期的なメンテナンスを行う必要があります。
そんな日々利用する場所だからこそどうしても起こってしまうのが 『排水溝のつまり』です。水がなかなか流れていかず、小さなゴミなどがたくさん浮いてくる様は見ていて気持ちの良いものではありません。
つまりは一体何が要因なのでしょうか?ここでは、排水溝がつまる原因と解消法を紹介いたします。ぜひ、参考にしてみてください。
排水溝を掃除する時の注意点
この記事では排水溝を掃除する様々な方法を紹介しますが、下記の点に十分注意して取り掛かりましょう。
■電源を抜く
洗濯機などの機器の排水溝を掃除する場合、必ず電源を抜いてきましょう。
■熱湯を使って良い素材か、慎重に判断する
熱湯を使うことで溶けてしまう素材が使用されているなど、排水溝の種類によっては使ってはいけないものも存在します。
■材質を確認する
材質を確認してさまざまな対処をしないと、錆などが発生してしまい不快臭が発生することもあります。もちろん、詰まっていた汚れが逆流してきて家中が汚くなるなど、そういったリスクもあります。
さまざまなリスクを先に考えておき、安全安心な状態で排水溝の掃除に取りかかるようにしましょう。
排水溝がつまる原因7つ
排水溝がつまってしまう様々な要因を下記に並べてみました。
■①髪の毛や石鹸カス、食べ物のカスなどの汚物が詰まっている
排水溝がつまる原因として最も多いのが『髪の毛』『石鹸カス』『食べ物のカス』などがつまっている場合です。髪の毛は熱湯などでは溶けませんし、石鹸カスは化学反応を起こして垢のようにこびりついて層のようになってしまうため、水や湯を流すだけでは基本的には除去する事はできません。
歯磨きで排水溝に流れた食べ物のカスなどで大きな固形物があると、重なりあって詰まってしまうことがあります。これらが少量であれば良いですが、積もり積もって大きな固形物となってしまうとヘドロのようにこびり付き、流すことが困難になってしまいます。
■②油汚れで詰まっている
台所の排水溝が詰まってしまう原因のほとんどは『油汚れ』によるものです。キッチンで料理をする際、余分な油や揚げ物に使用した油を排水溝に流してしまうと、すぐに排水溝にが詰まってしまいますので注意が必要です。特に揚げ物に使用した油は食品のカスが含まれておりますので要注意です。
しかし残念ながら多めの油は流さないよう注意してたとしても、普段の洗い物で食器やフライパンを洗程度の積み重ねで少しづつ油汚れは蓄積していきます。古い油が壁面に付き、そこに新しい油が重なるように固まっていく事で油は層になり、簡単には除去できなくなってしまいます。
油汚れは料理をする以上避けては通れません。面倒ですが年に1度でも掃除を行うことがオススメです。
■③食器や掃除道具など固形物が入ってしまった
排水溝に意外な物が落ちてしまい、つかりを起こす事があります。例えば『小さな小皿』『ティースプーン』『ナイフ』『フォーク』などを排水溝に滑り落ちてしまったり、掃除用具のブラシ部分がはまってしまったり、こんなことでも排水溝が詰まる可能性があります。
こういった場合、取り除けるのであれば取り除けば解決しますが、かなり奥まで入ってしまうと業者に対応してもらうしかなくなるため、注意が必要でしょう。うかつに奥に押し込んでしまわない事も重要です。
■④紙を大量に流してしまった
トイレットペーパー、キッチンペーパー、ティッシュなどの『掃除専用では無い紙類』を使用して水まわりを掃除される方も多いでしょう。
トイレットペーパーなどの水に溶けやすい素材の紙であれば良いのですが、その他の溶けにくいタイプの紙を一度に大量に流すと、上手く流れることができず、詰まりの原因となることがあります。
おそらくそのような状況はないでしょうが、雑誌の紙などの硬い紙をくしゃくしゃにして大量に捨てれば、確実に排水溝が詰まります。小さなことですが、紙の処理にも注意を払っておくべきでしょう。
■⑤外桝(そとます)に木の枝や根が詰まっている
ここまでに紹介した要因は基本的に家の中で起きる、言わば『自分達に責任がある』例です。しかしこういった落ち度が無くても排水溝が詰まってしまう場合があります。
そういったケースでは『外桝(そとます)』と呼ばれる場所が原因となっている可能性があります。外桝とは、家の裏側などにある丸い塩ビのフタ(その他の素材もあります。)です。屋内のさまざまな排水溝がここに合流し、公共下水に流れていく重要な役目を持っています。
外桝は屋外にあるため、フタの構造などによって木の枝、葉っぱなど様々な物が詰まってしまっていることがあります。『台風などの強風が吹いた日』や『強い雨が降った後』など、外桝にものが流れ込んでいる場合があります。
公共下水に流れるためのポイント自体が詰まってしまったら、排水溝に水が溜まっている状態ですので、当然流れることはありません。溢れ出すこともあるので、何か排水の様子がおかしいと感じた際は外桝はチェックしましょう。
■⑥外桝のコンクリートが破損している
前述したように、外桝が詰まっていたら屋内の排水溝も詰まっている状態になります。しかし、コンクリートのしっかりとしたフタであれば、外部から木の枝や根の侵入はあり得ないはずです。
ただしレアなケースではありますが、それでもゴミが詰まっている場合はそのコンクリートのフタが破損している可能性があります。ひび割れた部分からゴミが侵入して溜まっていたり、屋外であれば簡単に色々なものが外桝に侵入していきます。
外桝のフタに問題がないか、たまにチェックしておきましょう。
■⑦外枡の排水トラップが外れた
外桝のフタは壊れていない場合ですと『排水トラップ』が外れている場合があります。
『排水トラップがしっかりと差し込まれていない』『排水トラップが溜まった汚れの重みで脱落してしまっている』などの理由で排水の通り道を塞いでしまうことも考えられます。
しかしながら排水トラップが原因で排水がつまるというケースは稀です。『色々とチェックをしたが問題がない』という場合に、排水トラップの状態をチェックしてみましょう。
排水溝がつまった場合の解消方法7つ
排水溝が詰まってしまう原因をいくつかご紹介してきましたが、詰まってしまったからには放置というわけにはいきません。
次は、排水溝がつまった場合の解消法法を7つ紹介していきます。基本的には自分で試せる物が多いので、ぜひ参考にしてみてください。
■①お湯を注ぐ
※熱湯には耐えられない素材もあります。お湯の温度には注意シましょう。
つまりの原因が『紙』であったり『比較的新しい石鹸カス』『食物のカス』だった場合は、お湯を注ぐという解決方法があります。油もそうですが、あらゆる要因から来るヌメリが原因でつまりが発生することは多くあり、そういった場合はお湯を注いでそれらを溶かして流す、また柔らかくなった所を剥がすという方法が有効です。
比較的、新しい汚れなどによる原因であれば、これでキレイになるでしょう。
■②ラバーカップを使う
トイレの排水溝が詰まった時などに利用することで知られているラバーカップですが、もちろん様々な排水溝に使用可能です。それぞれに対応するものを揃えておくと便利です。固形物などが大量にはまっており、それで水の流れが悪くなっている場合、ラバーカップを排水溝にかぶせて押して戻す(一般的な使い方)を繰り返せば、それらを取り除くことができます。
仮に、これでも排水溝のつまりが解消できないとしたら、油汚れなど別の原因があるかもしれませんので、無理に続けないほうが良いでしょう。
■③専用の洗浄剤を使って溶かす
無理をせず最初から排水溝用の専用洗浄剤を使って溶かすという手段も有効です。
油汚れやカスが頑固に固まったり、何かしらの化学反応などで変化して取り除けなくなっている場合でも、専用の溶液であれば基本的には解決してくれます。商品には『ピーピースルー』など色々な物が薬局で簡単に見つかります。
ケイ酸アルカリ塩や界面活性剤などが原材料となっており、排水溝の汚れを化学反応の力によって溶解してくれます。基本的に、台所や浴室、洗面台の排水溝に使用でき、トイレには適していないので注意してください。
これまで前述したように排水溝が詰まってしまう原因は様々であるため、『そもそも溶かせない物が原因でつまっている』場合もあります。
■④100均で買えるアイテムでパワフルに掃除する
専用の洗浄剤には劣るものの、各安で熱湯以上のパワーでの洗浄を行う事も可能です。『重曹』『酢』『クエン酸』『ぬるま湯』で掃除することで、排水溝がかなりキレイになるのでぜひお試しください。ゴム手袋とブラシも用意するとより良いです。
カバーをはずし、軽くぬるま湯で溶いた重曹をかけます。この時、ブラシで汚れを落とすようにしても良いでしょう。さらに、上から重曹をたっぷりとふりかけ、酢、クエン酸もふりかけてください。汚れ具合に応じて、30分ほど待ち、その後ぬるま湯で流せば完了です。
100円均一でも手軽に買えるアイテムですし、クエン酸以外は常に常備されている方も多いと思います。ぜひお試しください。
■⑤100均のトゲトゲスティックを使う
先程の④でも100円均一の話が出ましたが、その他にも100均には排水溝の掃除にピッタリの便利な専用アイテムが販売されています。それが『排水溝トゲトゲスティック』です。
排水溝は狭く、奥深くまで続いているので、歯ブラシや一般的なブラシで直接掃除するのが困難です。トゲトゲスティックはおよそ50cmほどの長い棒状になっており、数多くの小さなトゲトゲが配置されております。
排水溝にこのトゲトゲスティックを差し込むと、髪の毛や何かしら詰まっているものがトゲ部分に引っかかり、すっきりと除去することが可能になります。
また、似たようなアイテムにトゲトゲスブラシもあり、こちらはトゲ部分が歯ブラシのような形状になっており、こびりついた汚れを除去します。両方100円均一で手に入りますので、複数本買っておいて置くのもおすすめです。
■⑥排水溝用スティックやワイヤーを使う
排水溝は、まっすぐではなく独特の形状をしています。そのため、腸を検査するアイテムのように、ワイヤーを使って掃除した方が効率的と言えるでしょう。
実は、ホームセンターなどでは排水溝用スティックやワイヤーが売られており、それらを使えば、自分で掃除を行うことができます。ただし、ストレートタイプとクランクタイプのふたつが存在しているので、掃除をしたい排水溝の形状によって使い分けてください。
ワイヤーやスティックなどで、排水溝のつまりの原因になっているところを直接削ることができるため、つまりの根本から解消させることができます。
つまりの原因になるところまでいくと、それ以上奥にいけないという合図でもあるので、クルクルとワイヤーやスティックを回します。この作用で汚れが削れて行いき、つまりの解消に繋がるという理屈です。
■⑦高圧洗浄機で掃除する
様々な項目を確認しても原因に突き当たらない場合、高圧洗浄機で掃除する必要があるかもしれません。高圧洗浄機で汚れやつまりの原因となっている固形物を押し出す、または削るという作業になりますが、大掛かりな作業であり素人には少々難しいかもしれません。
さらに業者のような強力な高圧洗浄機をの使用には産業洗浄技能士の資格が必要となってくるため、一般には購入及び使用が難しいです。業者の高圧洗浄機レベルにまで排水溝が問題を起こしているとしたら、実際に業者に依頼するのが無難でしょう。
自分でできる家庭用パイプクリーナーの使い方3タイプ
排水溝のつまりは、自分でできるところまで対処したい。そう思っている方も少なくないでしょう。ここでは自分でできる家庭用パイプクリーナーの使い方を紹介していきます。
覚えれば、誰でも簡単に活用することができるので、ぜひチェックしてみてください。
■①真空式パイプクリーナ-の使い方
真空式パイプクリーナーは、かなり強力な吸引パワーをもっているアイテムです。洋式トイレをはじめ、男性用便器、風呂場や台所など、さまざまな排水溝に活用できます。
一般的な真空式パイプクリーナーの場合、『大きなサイズ』と『小さなサイズ』の2つのカップがついています。これらカップを排水溝につけ、ゆっくりと押していきカップ内を真空状態にしていきます。
ここで、隙間などがあると上手く真空状態にならないので、カップの位置まで水を注ぐなど工夫をして対応してください。カップ内が真空状態になった頃を見計らい、真空式パイプクリーナーを下に押し付けます。
パイプの引き手を上下させ、強力な真空状態を作ったら、一気に真空式パイプクリーナーを引き上げます。ただしこのアイテムは和式トイレと排水口の直径が15センチ以上あるものには対応していませんので注意が必要です。
■②ワイヤー式パイプクリーナーの使い方
先がバネないっているもの、先がブラシになっているものなど、さまざまなタイプがあるワイヤー式パイプクリーナー。
パイプの中を掃除する目的であればブラシタイプがおすすめですが、『つまりが相当酷い』という場合はバネになっているタイプを利用しましょう。
■バネタイプ
バネタイプのワイヤー式パイプクリーナーの使い方ですが、まずバネと反対側のワイヤーをグリップ部分に入れていきましょう。
その後、バネの先に当たる部分を排水管にゆっくりと入れていきます。
ワイヤーが入るところまで入れていき、これ以上進まないと判断したら、グリップにあるストッパーをしめてください。そのままグリップをクルクルと回しながら、ワイヤー式パイプクリーナーを押し込みます。
バネの先が引っかかってしまい、うまく奥側まで進まない場合はバネではない逆の先端部分を使ってもOKです。
■ブラシタイプ
ブラシタイプのワイヤー式パイプクリーナーの使い方ですが、まず注意したいのがブラシの大きさです。排水管の大きさによってサイズを変更できるようになっているので、いくつかブラシを揃えておくと後々便利でしょう。
ブラシの大きさが決まったら早速始めましょう。基本的にブラシタイプのワイヤー式パイプクリーナーの使い方は、排水管に差し込んだら汚れを落とすように、クルクルとグリップを廻すだけなのでとても簡単です。
ちなみに、ワイヤータイプの排水管用の場合、キッチンの排水口や風呂、雨樋などに利用できますが、和式、様式などのトイレにも利用できないので注意しておいてください。
■③下水専用クリーナーの使い方
屋外の排水管に問題がある場合、下水専用クリーナーを利用します。ジョイント式の棒と、先部分につけることができる先端部分で構造されているシンプルなクリーナーです。棒自体は継ぎ足すことができるため、長ければ20メートル以上にすることも可能でしょう。
下水専用クリーナーの使い方ですが、バネ型やブラシ型、細長いロケット型など、用途に応じた先端部分をつけるところからスタートします。汚れを落としたいのであればブラシ、油かすなどはロケット型などがおすすめです。互いの先端が先に進まなくなったら、それぞれ別の先端に取り替えましょう。
排水溝のつまり解消をプロに依頼する場合の相場
排水溝のトラブルは自分では対処できそうに無い場合、また緊急を要する場合もあります。
そんな時はプロの業者に依頼すべきですが、前もって金額の相場がわかっていると安心です。排水溝のつまり具合や規模にもよりますが『4万円から8万円程度が相場』と考えて良さそうです。
プロに排水溝の掃除をお願いする時に必ずチェックしたいのが『産業洗浄技能士の有資格者であるか』です。産業洗浄技能士の資格が無いと使用できない高圧洗浄機があるため、「徹底して排水溝をキレイにしたいと思っていたが未資格者の掃除では不満が残る結果となった」という事態も起こりえます。
もちろん『自分で掃除はできたがニオイが気になってつらい』というような悩みも相談に乗ってくれますので、気になる方は問合せしてみるのもよいでしょう。
賃貸で排水口を詰まらせてしまった場合の賠償金額
賃貸に住んでいる場合、排水口を詰まらせてしまうとどの程度の賠償金が請求されるかは、賃貸のオーナーの判断にもよるところが大きく、被害規模によって変わります。入居して間もない状態の場合、それまで消耗していたと考えられるので大家に請求可能ですが、長年住んでいた場合は自腹での修理になり場合も有ります。
さらに、つまりによって汚水が流れ出し物件に重大なダメージを与えた場合や、別の部屋に何らかの迷惑をかけたとなると、多額の賠償金を請求されるケースもあるようです。賠償については契約内容にもよる所もありますし、敷金に含まれる場合もあります。
賃貸を借りる際は、前もって諸々の条件についてよく確認しておくことをおすすめします。
まとめ
排水溝つまりの原因や対処方法、業者に依頼した際の相場などをお伝えしてきました。
特に水が溢れるトラブルに発展してしまうと、対処方法や原因が事前にわかっていれば落ち着いて対象可能です。あらかじめ知識を身に着け冷静に対処しましょう。