ナチュラルクリーニングで注目を浴びている重曹のことを、知っている方もいるでしょう。重曹は様々な使い方ができますが、"重曹スプレーは掃除や消臭に役立つ!"と聞いたことがありませんか?
重曹スプレーは家のあらゆる場所に使えるため便利ですが、重曹スプレーの効果・作り方・使い方を知らない方もいるでしょう。一方、とても便利な重曹スプレーは使い方を間違えると残念な結果になることもあるため、注意点を知る必要もあります。
そこで今回は、重曹スプレーについて詳しく見ていきましょう。重曹スプレーの効果や使い方などがわかれば掃除が楽になるかもしれません。また、ナチュラクリーニングに関心がある方も必見の内容です。
重曹とは?成分は?
重曹のことを何となく知っている方もいるのではないでしょうか? 重曹は別名、『炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)』とも呼ばれている物質で、水分を含むと『弱アルカリ性』になります。また、自然の物質からできており、食塩水をベースに二酸化炭素などが含まれているのが特徴です。
何より、重曹は薬品を使っていないため人体に影響を及ぼすこともありません。そのため、子供やペットがいる家庭でも安心して使えるだけでなく、自然のものからできているため環境にも優しい素材と言えます。
掃除や洗濯に使える重曹は100円ショップでも手に入るため、コスパも良くナチュラルクリーニングをしたい方にはおすすめです。
重曹の効果!消臭にも使える?
重曹はお湯を含むと重曹の成分である二酸化炭素と反応して発泡したり、お湯に溶かさないで粉末のまま使っても重曹効果を発揮します。重曹の効果は以下の5つです。
『油汚れを落とす』
弱アルカリ性である重曹は酸性汚れの油や皮脂汚れを落とすのが得意です。例えば、キッチンの油汚れや洋服の襟に付いた皮脂汚れを中和して落とします。
『クレンザー代わりになる』
重曹には柔らかい粒子が含まれているため研磨剤としても使えます。重曹の粒子はクレンザーよりも柔らかいため、素材を傷める心配もありません。
『硬水を軟水にする』
重曹は油や皮脂汚れを落とすのが得意ですが、硬水から軟水に変えてさらに汚れを落としやすくします。
『消臭する』
重曹は消臭パワーも優れており、汗・皮脂・生ゴミ・布製品・部屋などの臭いを消すのも得意です。
『湿気を吸う』
重曹の粉末は湿気をよく吸うため、湿気がこもりやすい場所に粉末の状態で置くと湿気を吸い取ってくれます。
重曹スプレーとの作り方4ステップ!濃度は?
汚れを落としたり消臭効果のある重曹スプレーの濃度や、作り方が気になる方もいるでしょう。重曹スプレーは濃度が濃い方が良いわけではないため、適量の重曹で重曹スプレーを作ります。
また、重曹スプレーの作り方はとても簡単で、初めて重曹スプレーを作る方でも難しいことはありません。早速、重曹スプレーの作り方をチェックしましょう。
■①重曹スプレーに必要なものを用意する
重曹は量が多すぎると溶け残りの原因になるため、適量を守り重曹スプレーを作ります。重曹スプレーを作る前に、まずは以下のものを用意しましょう。
・重曹(小さじ2)
・お湯(200ml)
・やかん(必要があれば)
・スプーンや割り箸など
・口が広い耐熱容器
・スプレーボトル
■②沸騰したお湯を使う
ポットのお湯を使ったりやかんに水を入れて沸かします。重曹は高温の方がアルカリ性の力を発揮しやすいため、高温のお湯がおすすめです。また、重曹は水に溶けにくい性質でしっかり溶かすためにもお湯を使います。
■③重曹をお湯で溶かしてスプレーボトルに入れる
口が広い容器にお湯と重曹を入れたら、スプーンや割り箸などで1分くらいかき混ぜて重曹をしっかり溶かしましょう。重曹が入ったお湯がやけどしない程度に冷ましてから、スプレーボトルに移し変えれば完成です。
■④お好みでアロマオイルを数滴入れる
重曹スプレーは基本的に香りを付けませんが、お好みで香りをを付けることもできます。重曹スプレーに香りを付けたい方は、重曹水が入っているスプレーボトルの中にアロマオイルを数滴垂らしましょう。
アロマオイルの香りは好きな香りで構いませんが、清涼感を求めるならミント系・香りが長続きしやすいタイプならフローラル系が向いています。
重曹スプレーの使い方10個[場所別]
重曹スプレーはどのような場所に使えるのでしょうか? 重曹スプレーは様々な効果があるため、家のあらゆる場所に使えます。また、重曹スプレーは手軽に使えるのもメリットです。早速、場所別に重曹スプレーの使い方をご紹介します。
■①カーペット
カーペットは重曹スプレーで掃除しましょう。毎日掃除機をかけて髪の毛やゴミを取り除いてキレイに見えても、足裏などの皮脂汚れで汚れています。週に1回のペースで重曹スプレーを使うのが理想ですが、月に1回~2回でも構いません。
【用意する物】
・重曹スプレー
・タオル
・扇風機(なくてもOK)
【重曹スプレーの使い方】
○掃除機やコロコロでカーペットを掃除したら、タオルに重曹スプレーを吹きかけてカーペットを拭きます。
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○別のタオルでカーペットを水拭きをして重曹の成分を拭き取り、乾拭きしましょう。最後に部屋の窓を開けて風通りを良くしたり、扇風機を使ってカーペットを乾かします。カーペットの水気を早く飛ばしたい場合は扇風機が便利です。
■②フローリング
フローロングも足裏の皮脂汚れやキッチンの油ハネで汚れやすい場所です。フローリングの皮脂や油汚れは重曹スプレーで拭き掃除をすると、不快なベタつきもなくなります。
ただし、フローリングの材質によっては変色する可能性があるため注意しましょう。フローリングの隅っこなどで試してから重曹スプレーで汚れを落としましょう。
【用意する物】
・重曹スプレー
・雑巾やタオル
【重曹スプレーの使い方】
雑巾やタオルに重曹スプレーを吹きかけたらフローリングを拭きます。そして、別のタオルや雑巾で水拭きをして、最後に乾拭きをすれば終わりです。
■③カーテン
カーテンはほとんど洗濯をしない方も多いのではないでしょうか? 重曹スプレーを使うとカーテンの臭いを吸着して消臭します。また、カーテンはカビの胞子が付着していることが多いですが、重曹はカビの成分(タンパク質などの分子)を分解するのも特徴です。
用意する物は重曹スプレーだけで良いため、臭いが気になった時などに重曹スプレーを使いましょう。
【重曹スプレーの使い方】
カーテンにまんべんなく重曹スプレーを直接吹きかけます。カーテンの場合はタオルで拭き取る必要はないため、重曹スプレーを拭きかけたら乾くのを待ちましょう。
■④ゴミ箱や三角コーナー
ゴミ箱や三角コーナーの臭い消しとしても重曹スプレーは使えます。重曹スプレーでゴミ箱や三角コーナーのイヤな臭いを消すことができる理由は、雑菌の繁殖を抑制できるからです。
重曹には細菌の動きを弱めて増殖を抑える効果があるため、ゴミ箱や三角コーナーに重曹スプレーを吹きかけると消臭することができます。また、用意する物は重曹スプレーだけで面倒な作業がないのも嬉しいポイントです。
【重曹スプレーの使い方】
ゴミ箱や三角コーナーに重曹スプレーを吹きかけます。重曹スプレーでゴミ箱や三角コーナーの臭いを消臭する時は臭いが気になる時だけ使うのも良いですが、毎日使った方が効果的です。毎日重曹スプレーを吹きかけると細菌の繁殖を抑制することができるため、不快な臭いがしにくくなります。
■⑤五徳
五徳に付いた汚れも重曹スプレーでキレイにしましょう。ただし、重曹スプレーで五徳の汚れを落とすことができるのは軽い汚れで、酷い油汚れは落とすことができません。
油汚れが酷い場合はキッチン用の洗剤などを使って汚れを落としてから、五徳の掃除に重曹スプレーを使います。コンロを使った後に重曹スプレーを使って五徳にハネた油汚れなどを落とし、キレイな五徳をキープしましょう。
【用意する物】
・重曹スプレー
・雑巾やキッチンペーパー
【重曹スプレーの使い方】
五徳に重曹スプレーを吹きかけたら雑巾やキッチンペーパーで拭きます。そして、別の雑巾やキッチンペーパーに水を含ませて固く絞り、重曹の成分を拭き取れば終わりです。
■⑥冷蔵庫
冷蔵庫の外側と中も重曹スプレーで掃除しましょう。冷蔵庫の外側はキレイに見えても手垢が付いているため実は汚れており、中は食材のカスや液体こぼれなどのせいでカビが繁殖しやすくなります。
そして、野菜ケースは野菜に付着している土で汚れることが多いため、汚れを放置していると野菜ケース内でカビが繁殖して食材にカビが生えることもあるでしょう。
冷蔵庫の内側を重曹スプレーで掃除する時は、できれば食材があまり入っていない時に行うのがおすすめです。冷蔵庫内の食材が少なければ、重曹スプレーで掃除する前に冷蔵庫から食材を出す手間が楽になります。また、重曹スプレーで冷蔵庫の掃除を行うペースは1ヵ月~3ヶ月に1回が理想です。
【用意する物】
・重曹スプレー
・タオルやキッチンペーパー
【重曹スプレーの使い方】
○冷蔵庫の外側を重曹スプレーで掃除する時は、冷蔵庫の取っ手部分などに重曹スプレーを直接吹きかけて、タオルやキッチンペーパーで拭きます。最後に水拭きをすれば終わりです。
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○冷蔵庫内を掃除する時は、できれば冷蔵庫のコンセント抜いて電源を落としてから重曹スプレーで掃除をしましょう。冷蔵庫内の掃除は扉を開けた状態で汚れを落とすため、電源が入っている状態で掃除をすると電気代がかかります。
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○冷蔵庫内の食材を全て取り出して、冷蔵庫内の壁やドアポケット部分などに直接重曹スプレーを吹きかけましょう。汚れが酷い場合は重曹スプレーを吹きかけた後、30分待ってからタオルやキッチンペーパーで拭きます。最後に冷蔵庫内に水分が残らないように、タオルやキッチンペーパーで乾拭きをしたら終わりです。
■⑦電気のスイッチ
電気のスイッチは重曹スプレーを使って手垢を落とします。電気のスイッチは洗面所や風呂場など、電気を使う頻度が多い場所ほど手の皮脂汚れが付きやすいです。しかし、重曹スプレーなら電気スイッチに付いている手垢も簡単に落とすことができます。
【用意する物】
・重曹スプレー
・雑巾、タオル、キッチンペーパーなど
・綿棒(なくてもOK)
【重曹スプレーの使い方】
○雑巾・タオル・キッチンペーパーなどに重曹水をスプレーしてから、電気のスイッチの汚れを掃除しましょう。細かい部分の汚れは綿棒が便利です。綿棒に重曹スプレーをしてから汚れ部分を擦ります。
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○重曹スプレーで汚れを落としたら、別の雑巾・タオル・キッチンペーパーなどに水を含ませて固く絞り水拭きをしましょう。最後に乾拭きをしたら終わりです。
※電気のスイッチを重曹スプレーで掃除する時は、直接電気のスイッチに重曹スプレーを吹きかけてはいけません。直接重曹スプレーを拭きかけると水分が電気のパーツに触れて、故障する恐れがあります。
■⑧トイレ
トイレの臭いが気になる方はトイレ用芳香剤を使ったり、汚れが気になる方はトイレ用洗剤で掃除をしている方もいるでしょう。重曹スプレーなら汚れを落としながら消臭することができます。
重曹スプレーで、トイレの床・壁・便座カバーや蓋・トイレタンクの外側などの汚れを落としましょう。
また、トイレ掃除に重曹スプレーを使う時はアロマ入りの重曹スプレーがおすすめです。トイレ掃除をした後も良い香りがして芳香剤の代わりにもなります。
【用意する物】
・重曹スプレー
・トイレットペーパーやトイレ用のウェットシート
・雑巾
・ゴム手袋
【重曹スプレーの使い方】
○ゴム手袋をしたら、便座カバーや蓋・床・壁・トイレタンクの外側などに重曹スプレーを直接吹きかけます。軽い汚れではなく中程度の汚れがある場合は、重曹スプレーを吹きかけた後に10分くらい放置しましょう。
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○重曹スプレーを吹きかけた場所を、トイレットペーパーやトイレ用のウエットシートで拭き取ります。トイレットペーパーで拭いた後は雑巾で水拭きをするか、トイレ用のウエットシートで重曹の成分を拭き取りましょう。
■⑨服
汗や皮脂の臭いなどを消臭するのが得意な重曹スプレーは、洋服に付いた臭いを消すことができます。コートやジャケットなど、洗濯やクリーニングをマメにしない洋服も重曹スプレーを使って不快な臭いを消しましょう。また、旅先に重曹スプレーを持って行くのもおすすめです。
【用意する物】
・重曹スプレー
・角ハンガーやハンガー
・洗濯ばさみ(必要があれば)
【重曹スプレーの使い方】
○洋服をハンガーにかけるか角ハンガーのピンチでとめます。テロテロの素材など、ハンガーにかけて洋服が滑る場合は洗濯ばさみでとめましょう。特に、汗や皮脂の臭いが気になる時は洋服を裏返しにしてから、ハンガーや角ハンガーを使います。
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○洋服に重曹スプレーをまんべんなく吹きかけましょう。襟や脇の下など、汗や皮脂汚れが付きやすい場所は入念に重曹スプレーを吹きかけるのがポイントです。洋服に重曹スプレーをした後は風通しの良い場所で自然乾燥させましょう。ただし、洋服の素材や厚みによっては重曹スプレーをたくさん吹きかけると、乾くまでに時間がかかる場合があります。
■⑩靴
汗で蒸れやすい靴は雑菌が繁殖して臭いを発生させますが、重曹スプレーでイヤな臭いを消しましょう。靴の中は汗で蒸れており、雑菌が繁殖しやすいため臭いが発生しやすい状況です。しかし、重曹は細菌の繁殖を抑制することができるため、1日履いた靴も重曹スプレーを使えば臭いを消すことができます。
【用意する物】
・重曹スプレー
・靴乾燥機(なくてもOK)
【重曹スプレーの使い方】
靴の中に重曹スプレーをまんべんなく吹きかけて乾かしましょう。靴の中に重曹スプレーを吹きかけると乾くまでに時間がかかるため、靴乾燥機を使うと早く乾かすことができます。
重曹スプレーを使うときの注意点5個
様々な場所を掃除したり消臭もできる重曹スプレーですが、使う際は5つのことに注意しましょう。重曹スプレーは薬品を使っていないため安心して使うことができますが、注意点を守らないと残念な結果になる場合があります。最後に重曹スプレーを使う時の注意点をチェックしましょう。
■①重曹スプレーと相性の悪い素材には使わない
重曹スプレーは汚れを落としたり消臭することもできますが、相性の悪い素材があります。相性の悪い素材に重曹スプレーを使うと、変色やシミ・塗装が剥がれる・傷が付く恐れがあるため、以下の素材に重曹スプレーは使えません。
『アルミ』
『銅』
『畳』
『木材』
『漆器』
『大理石』
『宝石』
■②重曹スプレーでも落とせない汚れがある
重曹スプレーは汚れを落とすことができますが、全ての汚れを落とすことはできません。と言うのも、重曹は弱アルカリ性で洗浄力は高くないからです。例えば、キッチンの油汚れや洋服の皮脂汚れが酷い場合は、重曹スプレーだけで落とすことはできません。
他にも、トイレの便器にこびり付いた頑固な尿石や尿ハネも重曹スプレーで落とすことができないため、サンポールなどの洗剤を使うかクエン酸を使いましょう。そもそも弱アルカリ性の重曹は、同じアルカリ性である尿の汚れを落とすのが苦手です。
多少の尿汚れなら重曹スプレーで落とすことができますが、頑固な尿汚れは落とすことができません。一方、トイレ用洗剤のサンポールやクエン酸は酸性のため、アルカリ性の汚れを落とすことができます。
■③汚れが蓄積すると重曹スプレーでは消臭できない
重曹スプレーは消臭効果がありますが掃除は定期的にしましょう。確かに重曹スプレーを吹きかければ臭いは消えますが、掃除を怠れば汚れがたまり臭いが発生する場合があります。また、掃除をサボり汚れが酷くなると、重曹スプレーだけで汚れを落とすことはできません。
重曹スプレーでマメに掃除をして臭いと汚れを取り除くのが理想ですが、掃除をマメにするのが面倒な方もいるはずです。どうしてもマメに掃除ができない方は、重曹スプレーを吹きかけて消臭効果がイマイチと感じたら掃除をしましょう。
■④重曹はよく溶かしてからスプレー状にして拭き取る
重曹スプレーを作る時は必ずお湯を使って、重曹をしっかり溶かすことです。重曹の溶け残りがあるとスプレーをして乾いた後に白くなります。また、重曹スプレーで掃除をして水拭きをする時は、重曹の成分を残さないようにしっかり拭き取りましょう。
水拭きも同じで重曹の成分が残っていると乾いた後に白くなります。
■⑤使用期限が切れた重曹スプレーは使わない
重曹は保存料や添加物を使っていないため、重曹スプレーを作ったら1週間~10日くらいで使い切りましょう。1週間~10日くらい過ぎた重曹スプレーは成分が変質しているため、汚れを落とす効果や消臭効果が落ちます。
使用期限が切れた重曹スプレーは捨てましょう。重曹スプレーをムダにしない使い方をするなら、掃除する場所に合わせて適量の重曹スプレーを作ったり、掃除をする度に必要な分だけ重曹スプレーを使うことをおすすめします。
まとめ
"重曹スプレーは色々な場所に使える!"と、実感した方もいるのではないでしょうか?
重曹は自然の素材からできており薬品を使っていないため、洗剤で掃除をしたくないキッチンの掃除にも向いています。そして、子供やペットがいる家庭でも安心して使えるのが重曹スプレーの魅力です。早速、重曹スプレーを作ってナチュラルクリーニングをしましょう。