鏡は、毎日髪型をセットしたりメイクをしたりと、日々の生活に不可欠なものだといえます。しかし、鏡を見た瞬間に汚れていたり曇っていたりすれば、多少不快な気持ちになるものです。
また、来客時に汚れた鏡を見られる機会があれば、清潔感がない人だというイメージをもたれる可能性もあるでしょう。そこで、綺麗な鏡を維持するための掃除方法や汚れ・曇りを予防する方法を紹介します。
鏡が汚れる原因・理由
鏡が汚れる原因や理由は、水道水の水垢、石鹸カスの2種類に分かれます。水道水には、マグネシウムやカルシウムといったミネラルが含まれることが特徴です。
鏡に水滴が付き、水分が乾燥することでミネラルだけが残るため結晶化して水垢になります。一般的に、ウロコ状の汚れも水垢が原因です。また、洗剤やシャンプー、ボディーソープなどのカスが飛び散って乾燥すると、それらの成分が水道水と合わさり石鹸カスとして定着します。
鏡掃除に必要な道具とおすすめ洗剤
鏡掃除専用の洗剤ではなく、住宅用の洗剤も使用できます。花王から発売されている「かんたんマイペット」は、床や窓といった部分だけではなく家電製品の拭き掃除にも使用できるため、鏡の掃除にも活用することが可能です。
鏡にスプレーしたうえで柔らかい布で拭くだけであり、非常に手軽に使用できます。除菌効果も期待でき、特に清潔に保ちたいお風呂場の鏡掃除にも最適でしょう。
また、株式会社トーホーの「ウタマロクリーナー」もおすすめです。汚れを除去しやすいだけでなく、環境や人の肌にも優しい処方であり、油汚れまで落とせる洗剤のため石鹸カスや水垢はスムーズに除去できます。汚れが気になる鏡にスプレーしたら5分ほど放置し、乾いた布で拭くだけです。
友和の「超撥水コーティング剤」は、鏡に直接スプレーを吹き付けて洗い流すと、水や汚れを弾くため綺麗な状態を維持できます。
鏡の掃除方法4ステップ!ウロコ状汚れを綺麗に
鏡の汚れは、4つのステップで簡単に落とすことが可能です。準備する道具と具体的な掃除方法を解説します。
■鏡の掃除に必要な道具
鏡の掃除に必要な道具は、ホームセンターやドラッグストアで購入できます。
・柔らかい布(雑巾、布巾、マイクロファイバークロスなど)
・重曹やクエン酸
・ガラス掃除用のクリーナー
・スプレーボトル
・新聞紙
ただし、用意する道具は汚れ度合いによって異なります。例えば、布で拭き掃除で鏡を掃除しても汚れが除去できなかった場合は、市販のクリーナーを使用するなどです。まずは汚れの状態と掃除方法を合わせてチェックしたうえで、必要な道具を揃えましょう。
■ステップ①目立つ汚れを拭く
最初に、ホコリを取り除くために水拭きをします。雑巾や布巾など柔らかい布で鏡を拭きましょう。汚れがどの程度定着しているのかによって異なりますが、付いたばかりの汚れであれば布で拭くだけで綺麗にすることも可能です。
■ステップ②身近な物を使ってウロコ汚れを落とす
こびりついているウロコ汚れが目立つ場合には、重曹やクエン酸など身近なアイテムを使用して汚れが除去できるかを試してみましょう。重曹水は掃除用のアイテムとして販売されていますが、料理に使用する重曹をぬるま湯に溶かして自分で重曹水を作ることも可能です。アルカリ性の性質を持つ重曹水であれば、酸性の汚れをスムーズに落とせます。
重曹水は手垢や皮脂といった汚れに対しても効果が期待できるため、たっぷり吹き付けることがポイントです。鏡全体が汚れている場合は重曹水をスプレーボトルに入れて全体に吹き付けて、数十分放置した後しっかりと拭き取ります。汚れを除去できたら、最後に乾拭きをすることを忘れないようにしましょう。乾拭きをせずに終わらせると重曹水の水垢が残る可能性が高いです。
お風呂場や洗面台の鏡の水垢汚れは重曹水でも落とせる可能性が高いですが、クエン酸でも同様に水垢を除去できることが特徴です。重曹がない場合は、クエン酸を使用して汚れを除去しましょう。クエン酸をぬるま湯に溶かし、スプレーボトルに入れて吹き付けるか布に染み込ませて拭き取るだけで掃除は完了します。
クエン酸が付着したままの状態になると鏡が劣化するため、しっかりと乾拭きすることが重要です。
ただし、付いたばかりの水垢汚れであればクエン酸が有効ですが、定着した水垢汚れは除去するのが難しいでしょう。
クエン酸や重曹でも落とせない頑固なウロコ汚れは、鏡用の研磨剤とダイヤモンドパッドを使用しましょう。
■ステップ③油汚れを落とす
コスメや皮脂などの油汚れについては、捨てる前の新聞紙を使用します。新聞紙は繊維が細いため、汚れを吸着しやすく非常に効率的に掃除を行えるアイテムです。新聞紙を軽く丸めて汚れを拭きますが、新聞紙のみで汚れが落ちなかった場合は新聞紙を少しだけ水で濡らしてこすりましょう。
こすっても落とせないような定着した油汚れは、窓ガラスを掃除するためのクリーナーを使用します。新聞紙にクリーナーを吹き付けて、汚れを押さえつけるように染み込ませることがポイントです。
■ステップ④乾拭きをして完了
水拭きをした後や、重曹・クエン酸・洗剤などを使用した後は、乾いた布でしっかりと拭き取ります。乾拭きをして、水拭きの際に付着した細かな繊維を拭き取ることが重要です。鏡はガラスであるため、お皿やカップなどの食器を綺麗にする時と同様に乾拭きすることで十分に綺麗な状態になります。
鏡に細かな傷をつけないように、柔らかい布を使用して力を加えずに拭くことがポイントです。掃除専用のマイクロファイバークロスといった、繊維が細かく柔らかい布を活用する方法も有効でしょう。
↓動画でわかる!プロが教える「鏡のウロコ取り」も是非参考にしてください↓
鏡の掃除方法[お風呂編]
お風呂場にある鏡の汚れは主に石鹸カスや水垢であり、水垢はミネラルが結晶化し、蓄積して定着したものです。水分は蒸発することで乾きますが、水に含まれるミネラルが蒸発せず鏡に残ります。水垢は時間の経過とともに定着して、除去しにくくなることが特徴です。水分からミネラルを除去することは困難なため、こまめに水垢を拭き取る掃除を行いましょう。
アルカリ性の性質をもつ水垢は、酸性の洗剤を使用するとスムーズに落とせます。お風呂場の水垢はクエン酸で落とす方法が有効ですが、酸性のトイレ用洗剤やお酢なども活用することが可能です。水垢が目立っていたり落としきれなかったりした場合は洗剤を吹き付け、ラップもしくはキッチンペーパーで覆うようにして半日ほど放置します。
半日経過したらラップもしくはキッチンペーパーを外し、鏡が傷つかないようにマイクロファイバークロスや柔らかい布で優しく水拭きをしましょう。最後は水分を残さないように、しっかりと乾拭きをして鏡を綺麗に磨くことが大切です。
鏡の掃除方法[洗面所編]
洗面所は毎日水を使用する場所であり、鏡についている汚れのほとんどは水垢です。酸性の洗剤を使用して水垢を除去することは可能ですが、洗面台はお風呂場の水垢ほど定着していないケースが多いため、洗剤を用意しなくても汚れを落とせる可能性があります。そのため、簡単な掃除方法として古新聞を使用する方法が有効です。
新聞紙を優しく丸めて水分を含ませたら、スポンジを使用する要領で鏡を拭きます。最後に鏡を磨くように乾拭きをして、水分をしっかりと除去したら洗面台の鏡の掃除は完了です。新聞紙で除去できなかった汚れは定着しているため、クエン酸やガラス専用の洗剤を使用しましょう。
鏡に対して洗剤もしくはクエン酸と水を混ぜたもの、もしくは洗剤を吹き付けたうえで、お風呂場の鏡のようにラップやキッチンペーパーを貼り付けて放置し、しっかりと洗って乾拭きをしましょう。
鏡の汚れ予防方法5個
汚れを取り除いた鏡は、可能な限り長い期間綺麗な状態をキープしましょう。毎日こまめに手入れをすることによって、綺麗な状態の鏡を維持することは可能です。鏡の汚れを予防する5つの方法を紹介します。
■「ついで掃除」を習慣にする
洗面所の鏡は床やトイレを掃除する際に、お風呂場の鏡は毎日お風呂に入った際に、「ついで掃除」を習慣化しましょう。付着してすぐの汚れであれば、洗剤を使用せずに乾拭きで取り除くことが可能です。また、鏡の近くには重曹水やクエン酸、専用クリーナーなどを置いておくと、汚れが気になった際にスムーズに掃除を行えます。
お風呂場の鏡は、入浴の後に水分を落としておくだけでも、汚れの予防になります。また、研磨剤が含まれる洗剤を使用する際には、柔らかいスポンジで円を描くように優しくこすることがポイントです。鏡が傷つくため、力を入れないようにしましょう。
■歯磨き粉で磨く
鏡についたウロコ汚れは、蓄積することで除去しにくい汚れに変化します。そのため、少しでも水垢がついていると感じた場合は放置したり掃除を後回しにしたりせず、すぐに除去することが重要です。歯磨き粉には研磨剤が入っていますが鏡を傷つけるほどの研磨力はありません。そのため、繊細な鏡を磨く際にも有効です。
歯磨き粉を使った汚れの予防方法は、最初に使わなくなったタオルや雑巾に少量の歯磨き粉をつけ、汚れた部分をこすります。次に、水で濡らしたタオルや雑巾で拭き取るだけで完了です。
付着した水垢汚れも、都度歯磨き粉を使用して擦り洗いをすれば汚れの予防につながります。歯磨き粉に似た効果を得られる物としてクレンザーもありますが、クレンザーは鏡が傷つく可能性が高いため注意しましょう。
■水切りワイパーで水分を徹底除去する
お風呂場の鏡は入浴の後に熱いお湯をかけ、水切りワイパーを使用して水分をしっかりと落としましょう。水切りワイパーを使用するとウロコ汚れの原因になる水分を除去できるため、水垢の汚れが付着しにくくなります。
熱いお湯をかけることで鏡に着いたボディソープやシャンプーなどの汚れも簡単に取り除けるため、汚れの予防になるのです。お風呂場に湿気がこもるのを予防するためにドアを開けたままにするなど換気をして、鏡を乾燥させます。
■意外なアイテムでコーティングをする
市販されている鏡のコーティング剤を使用する方法もありますが、液状のりを使用して簡単にコーティングをする方法もあります。
用意するものは液状のりとスプレーボトルのみです。
鏡に適量の液状のりをつけてスプレーボトルで水を吹きかけ、のりと水を混ぜるようにして鏡全体に伸ばします。キッチンペーパーやティッシュなどを使って鏡の表面を優しく擦って水分を拭き取るだけで完了です。
水垢や石鹸カスなどの汚れが液状のりの上から付着することで、掃除をする際には液状のりごと簡単に汚れを流せます。液状のりはおよそ1週間ほどコーティングの効果が持続しますが、入浴をした際に手で液状のりを全体に伸ばすようにすると、より長持ちさせることが可能です。
■柔軟剤でホコリの付着を予防する
鏡はホコリがつきやすいため、柔軟剤を使用してホコリの付着を防ぐ方法が有効です。柔軟剤を使用した汚れの予防方法は、バケツに水を溜め、柔軟剤を少量垂らして混ぜて布巾やタオルに水を含ませ、しっかりと絞って鏡を拭きます。
柔軟剤には静電気を予防する効果が期待できるため、鏡に細かな汚れやホコリなどが付着することを予防できるのです。
鏡の曇り予防方法
洗面所やお風呂場といった水回りに設置されている鏡は、簡単な掃除を毎日行うことが重要です。特にお風呂場の鏡は、入浴をした後に飛び散ったシャンプーやボディソープ、石鹸カスを洗い流したうえで、しっかりと水分を拭き取りましょう。
水分を拭き取ることで、曇りの予防だけではなくカビの予防にも効果的です。より清潔な状態を目指すのであれば、鏡と鏡周辺の壁の水分も取り除いておくと汚れがつきにくく清潔な状態を維持することにつながります。
さらに、市販されている鏡の曇り止めアイテムを使用する方法も有効です。シートタイプのものが主流であり、鏡にシートを貼って曇りを予防します。
鏡のサイズが小さい場合にはクリームタイプの曇り止めアイテムを使用しましょう。自宅にあるもので手軽に曇りを予防したいのであれば、シェービングクリームを塗ると一定期間曇りを予防できます。シェービングクリームを塗ることで、鏡の表面に膜を張れるため水垢や汚れの付着も予防できることがメリットです。
まとめ
鏡を掃除せずに汚れた状態で使用すると、黒いカビのような斑点が現れることがあります。黒い斑点はカビではなく、鏡が腐ることでサビが発生している状態です。鏡にサビが発生すると綺麗に掃除することは難しく、買い替えるほかありません。
そのため、鏡にサビが発生しないよう、石鹸カスや水垢をしっかり除去して乾拭きを行い、鏡をメンテナンスすることが重要です。また、鏡を掃除した際の洗剤や水も拭き取ったうえで乾燥させなければ、水垢や頑固な汚れにつながります。
毎日自分の姿を映す鏡が綺麗であれば気分も良くなるだけではなく鏡が設置されている空間も明るくなるものです。汚れが付いている場合には簡単な掃除を行ったうえで、汚れや曇りの予防方法も実践しましょう。