フローリングは素足で歩いたり、直接座ってくつろいだりする場所であり、清潔に保つ必要があります。日々の汚れの蓄積で付着した頑固な黒ずみ汚れを落として、綺麗なフローリングを維持しましょう。フローリングの黒ずみ汚れの原因と落とし方、必要な道具をご紹介します。
フローリングの黒ずみ汚れの原因5個
フローリングの黒ずみの汚れの原因は、主に5つ挙げられます。汚れの性質も違うため、原因をしっかりと確認し、汚れに適した方法で掃除をすることが大切です。
■1.足の裏から付着した汚れ
フローリングの黒ずみのなかで最も多い汚れは、足の裏の皮脂汚れです。夏の時期は素足で歩くことも多く汚れが付きやすいうえに、子供が多かったりペットを飼っていたりする自宅は、より黒ずみ汚れが目立ちやすいでしょう。
■2.カビによる汚れ
フローリングの上にソファーを置いた状態であったり布団を敷いたままであったりする場合、布が汗を吸い込み、湿気によってフローリングにカビが生えて黒ずみ汚れになります。また、カーペットを敷いた状態で掃除を怠った場合も、湿気が原因でカビが発生する可能性が高いです。
さらに、室内の室内と外の温度差がある窓の近くには結露が発生するため、窓周辺のフローリングが黒ずんでいる場合は、結露の水分によってカビが発生している可能性があります。
■3.古くなったワックスの剥がれ・変色
ワックスは経年劣化するため、剥がれた部分に汚れが付着し、黒ずみ汚れとして目立つことがあります。ワックスが剥がれた部分に雑菌が侵食し、素材そのものが劣化することも少なくありません。
また、ワックスは傷から汚れが入り込んだり、ワックスを塗り直しする際に汚れを除去しきれていなかった場合汚れと混ざり黒く変色してしまったり、経年によりワックス自体が変色してしまいます。
■4.液体によるフローリングの劣化
雨水やジュースなどをこぼした状態で放置すると、フローリングが劣化します。黒ずみ汚れであると勘違いすることも多いですが、フローリングの素材である木材が腐食している場合もあるため注意が必要です。木材が腐っている場合は、掃除では除去できません。
■5.キッチンは油汚れが付着する
キッチンのフローリングには油が飛び散り、黒く変色するケースが多いです。料理をする際には飛び散らないように注意をしても、必ず油汚れが付着します。さらに、飛び散った油を踏み、足の裏に汚れがついた状態でリビングや自室を歩くことで他の部屋にも油汚れが付着し、黒ずみ汚れが広がることも少なくありません。
フローリング掃除に必要な道具
フローリングを掃除する際には、以下の道具を用意します。
・ドライシート
・台所用中性洗剤
・スチームクリーナー
・雑巾
・ワックス
黒ずみの原因が足の裏の皮脂汚れの場合は、力を入れずに擦るだけでも簡単に除去できるでしょう。定着した汚れでなければ、スムーズに掃除できます。また、汚れを均等に除去するために、立った状態で洗剤を拭き取れるモップも準備しておくと便利です。
フローリングの黒ずみ汚れの落とし方・掃除方法6個
フローリングの黒ずみは、6つのステップで掃除をしましょう。
■ステップ①ゴミをドライシートで取り除く
最初に、フローリング用のドライシートで目立つ汚れやホコリを除去します。掃除機をかける前に大まかな汚れを取り除いておくことで、掃除機をかけた際に目には見えない塵やホコリが舞いにくくなるためです。
できれば一定期間に1度、フローリングに敷いているラグやカーペットなどを洗浄し、カーペットを敷いていた部分もしっかりと掃除すると良いでしょう。湿気がたまらない状態にすることで、カビによる黒ずみ汚れを予防できます。
ホコリは空気中のものが床に全て落ち切るまで約10時間かかります。掃除機をかけると排気により再度ホコリを舞いあげてしまうので、起きてすぐ寝ている間に落ちたホコリをドライシートで舞いあげずに取るのが望ましいです。
■ステップ②溝のゴミを取り除く
フローリング用のペーパータオルや雑巾で大まかな汚れを除去した後は、溝に入り込んだゴミやホコリを可能な限り取り除くために、丁寧に掃除機をかけます。溝や隅の汚れは掃除きのノズルや、使い古しの歯ブラシ・つまようじなど使用して細かい汚れを取り除きましょう。
■ステップ③中性洗剤を浸した雑巾で拭く
頑固な黒ずみの原因である皮脂汚れや油汚れを落とすには、中性洗剤が効果的です。普段使用している台所用の中性洗剤を水に溶かし、そこに雑巾を浸してからしぼります。水2ℓに対して、中性洗剤を小さじ1杯程度が目安です。
中性洗剤を浸した雑巾をゆるめに絞って床を拭いていくと、皮脂汚れが落ちやすくなります。それでも落ちにくい場合は、同じ工程を何度か繰り返しましょう。
■ステップ④水拭きをする
中性洗剤で汚れを落とした後は、違う雑巾で水拭きをして中性洗剤をしっかりと拭き取ることが重要です。特に、小さな子供がフローリングの上に直接座って遊ぶ場合やペットを飼っている家庭では、念入りに洗剤を拭き取りましょう。
水拭き後は床を完全に乾燥させます。濡れた状態でのワックス掛けは密着不良を起こします。
■ステップ⑤スチームクリーナーを使用する
中性洗剤は使用したくないという場合や、手が荒れるため雑巾がけはしたくないという場合は、スチームクリーナーを使用する方法も有効です。
スチームクリーナーはおよそ100度の蒸気を使って汚れを除去するアイテムであり、換気扇やガスレンジ、バスルームなどの汚れも除去できるうえに除菌効果も期待できます。洗剤を使用せずに汚れを落とせるため、エコな掃除アイテムとして人気です。
スチームクリーナーは、フローリング用のドライシートで拭いた後に使用します。1週間に1回程度行うことで、黒ずみを除去できるだけでなく予防にもつながることが特徴です。ただし、フローリングの素材を確認したうえで利用しましょう。
フローリングの種類ごとに異なりますが、スチームクリーナーを使用できない種類もあり、素材によっては毎日使用することにで湿気によるダメージが蓄積する可能性もあります。
■ステップ⑥ワックスを塗る
掃除機、雑巾がけやスチームクリーナーを使用してフローリングの汚れを取り除いた後は、ワックスを塗り直します。ワックスは時間が経つと成分が劣化するため、最低でも半年に1度は上から塗り、5年に1度を目安に全て剥がして塗り直すと良いでしょう。
ワックスには様々な種類があり、主成分が油のもの、ロウや樹脂製のものもあります。ただし、ロウが主成分のワックスは滑る可能性が高いため、小さな子供や年配の人がいる家庭では使用しない方が良いでしょう。一般的に樹脂製のものが多く使用されており様々な種類が販売されているため、フローリングの素材に適したものを選ぶ必要があります。
ワックスがけする前にはフローリング用のワイパーを使用して目立った髪の毛やホコリなどのゴミを除去してしっかりと掃除機をかけ、濡らして絞った雑巾で水拭きをしたうえで完全に乾燥させることが重要です。
液状のワックスを使用する場合、タオルやフローリング用ワイパーに染み込ませ、ワックスは1平方メートルあたり10mlを目安に塗ります。フローリングの奥から玄関の方向へ、木目の流れ通りに塗った後、1度乾かして再度ワックスを塗って仕上げましょう。
現在様々なワックスが販売されていますが、液状のものではなくフローリング用のワイパーに付けて使用する専用のワックスシート、スプレータイプなどが販売されています。いずれのタイプも扱い方が簡単であるとはいえないため、しっかりと説明書や注意書きを読んで使用しましょう。
保護やツヤのために厚く塗りたくなる方もいますが、ワックスが波打ってしまい逆に艶が弱くなってしまいます。
保護の能力を増したいのであれば薄くを2回塗りした方が仕上がりがキレイです。
フローリング掃除に使用できない洗剤・道具4個
■重曹
重曹は非常に研磨力が高いことが特徴であり、電化製品やガス台に定着した汚れを除去するために便利ですが、フローリングといった繊細な素材には適していません。重曹の研磨力が高いことによりワックスが剥げる可能性が高いです。さらに、定着した汚れに重曹を使用すると、素材が傷がつく可能性もあるため注意しましょう。
■セスキ炭酸ソーダ
セスキ炭酸ソーダも同様に洗浄力が強い製品であり、重曹と比較してアルカリ性の性質が強いのでワックスを剥がす可能性があります。重曹やセスキ炭酸ソーダは掃除の際に利用するケースが多いですが、フローリング掃除の際には使用しないほうが賢明です。
■カビキラーなどの塩素系カビ取り剤
カビキラーに代表される塩素系カビ取り剤は、フローリング掃除には決して使用しないようにしてください。色素を分解する作用によりフローリングを変色させてしまうだけでなく、フローリングの素材そのものを痛めてしまいます。
最悪の場合、塩素系のカビ取り剤を使用した箇所のフローリングの張り替えが必要になるケースもあります。
メラミンスポンジ(激落ちくんなど)
定着した汚れを除去しやすいメラミンスポンジも一般的な掃除アイテムであり使い勝手も良いですが、フローリングの黒ずみ掃除をする際には使用しない方が良いでしょう。研磨力が非常に高いため素材そのものを傷める可能性が高く、色味の濃い素材であれば色落ちし、見た目が悪くなることもあります。
黒ずみ汚れを除去できても、フローリングの色が抜けてしまうのでは仕上がりが綺麗にならないため使用しないように注意しましょう。
フローリングの黒ずみ汚れ掃除の注意点5個
フローリングの黒ずみ汚れを掃除する際には、フローリングを傷めないためにも注意点を押さえておくことが大切です。特にチェックしたい6つの注意点を解説します。
■カビの黒ずみ汚れは自分で対処しない
フローリングの頑固な黒ずみ汚れやカビに、カビ取り専用の洗剤を使用するとフローリングが傷んでしまい修復できない状態になる可能性があるため注意しましょう。
洗剤の種類によってはフローリングのワックスを溶かす成分もあり、カビ取り剤などを安易に使用しないよう注意が必要です。
湿気やカビが原因の黒ずみ汚れは自分で処理することが難しいので、専門業者に相談しましょう。
■しっかり換気をする
フローリングの黒ずみ汚れを掃除する際には、全ての窓をしっかりと開けて空気が循環するようにします。花粉症の人やアレルギーを持つ人は掃除の際にはマスクや手袋をして、掃除の後には手洗い・うがいも忘れないようにしましょう。
■1か所を強く擦らないようにする
フローリングは、1か所を集中的に擦り洗いすると、ワックスが剥がれたりフローリングの素材の色が抜けたりすることがあります。汚れが定着しているとしても、その周辺の広い範囲を掃除しながら少しづつ黒ずみ汚れを落とすように掃除しましょう。フローリングを複数のブロックに分けて1ブロックずつ丁寧に拭くようにすると、効率的に作業できます。
■アルカリ性洗剤は使用しない
フローリングの黒ずみの原因が油汚れの場合は、洗剤を使用した方が効率良く掃除できます。しかし、洗剤であればどのようなタイプのものでも使用できるわけではない点に注意が必要です。特にアルカリ性の洗剤は、ワックスを溶かしてしまうため注意しましょう。
アルカリ性の洗剤はワックスを溶かす他、フローリングを繋いでいる接着剤にも影響し、床の軋みの原因にもなります。
住宅用洗剤や、フローリング専用の洗剤を使用することが大切です。
■簡単な掃除は毎日行う
ドライシートやモップ、掃除機がけなどの掃除は、基本的に毎日行うことでフローリングの汚れの予防につながります。フローリングの主な汚れは髪の毛や油汚れ、ホコリなどですが、毎日必ず発生するホコリといった汚れは定着する前に除去することがポイントです。
掃除機がけをすることによって効率的に掃除を済ませる方法もありますが、排気でホコリが舞い上がる可能性があるため、基本的にドライシートを使用する方法が有効です。また、掃除機がけをする際にはドライシートで掃除しきれないフローリングの溝や隅にたまっているホコリを取ることを意識しましょう。3日に1回程度の頻度で行うと、より綺麗な状態を維持できます。
さらに、フローリングの油汚れや皮脂などのベトついた汚れは、黒ずみになる前に定期的に掃除をすることが大切です。ただし、毎日行うとワックスといったコーティングのが剥がれ、素材そのものが劣化する可能性があるため、2週間から1ヶ月に1度水拭きで掃除をすると良いでしょう。
まとめ
ホコリを掃除機で1度に吸い込むだけでフローリングの掃除は十分であると考えてしまいがちですが、フローリングは食べこぼしや髪の毛など目に見える汚れだけではなく、皮脂や油の油汚れなどが付着しています。これらの汚れが染み込んでしまうと、黒ずみ汚れにつながるため注意が必要です。
そのため、ドライシートや洗剤を使用して、水拭き掃除もする必要があります。黒ずみ汚れが定着したフローリングが綺麗になると、部屋も明るい印象に変化し、清潔な環境で安心して生活できるようになるでしょう。