ディスポーザーは生ゴミをシンクに流せるため、三角コーナーを置く必要がなく、シンクを広々と使えたり掃除の手間が省けたりと非常に便利です。
しかし、ディスポーザーは、メンテナンスをしなければ生ゴミのニオイや汚れが気になるケースもあるため、日頃から綺麗な状態を維持する必要があるでしょう。そこで、ディスポーザーの掃除方法と、掃除や使用方法の注意点について紹介します。
ディスポーザーとは?
ディスポーザーとはシンク下部に設置できる生ゴミを粉砕する機械で、価格はおよそ3万円程度、特にアメリカでの普及率が非常に高いです。使い方は非常にシンプルであり、排水溝内にある生ごみを入れて水を流し、蓋をしたうえでスイッチを入れるだけで、生ゴミを粉砕して水と共に下水に流せます。
シンクの三角コーナーに生ゴミを溜めておかずにすむため衛生的であり、ゴミの量そのものも減少するので地球にも優しいシステムだといえるでしょう。
ディスポーザーが汚れる原因
キッチンにつけたディスポーザーは、粉砕した生ゴミが内部に付着し、ニオイやぬめりが発生しやすいことが特徴です。
ニオイが発生しているということは汚れが付着している証拠であり、ぬめり汚れを放置するとカビの発生につながるため注意しなければなりません。そのため、汚れをしっかりと落とすよう普段から掃除をすることが大切です。
また、冬になると気温や湿度が低下することで浄化槽内部に存在するバクテリアが活性化しにくくなり、ニオイが強くなる傾向にあります。
特に古い建物の場合、ニオイの発生を予防するトラップがついていないケースも多く、ニオイが上がることで、下の階の部屋よりも上の階の部屋がニオイの影響を受けやすいことが特徴です。
浄化槽内のバクテリアが活性化されていない時期は、生ゴミを粉砕してもぬめり汚れが付着しやすいだけではなく、ニオイの原因にもなるといえるでしょう。
ディスポーザーの掃除に使う洗剤
ディスポーザーを掃除する際、中性洗剤以外のオキシクリーン、パイプユニッシュ、ハイター、酸素系漂白剤などは使用しないことが重要です。
特に、パイプユニッシュのような原液をそのまま流すタイプの洗剤は、処理層の機能に影響を及ぼす可能性があります。
どうしても酸素系漂白剤や弱酸性・弱アルカリ性の洗剤などでシンクの周辺を掃除したい場合には、しっかりと水で薄めたうえで使用することが重要です。
さらに、食器洗い洗剤やぬめり防止用洗剤などを使用する際も、中性の製品を使いましょう。
ディスポーザーの掃除方法4ステップ
ディスポーザーを掃除する際には、入り口からヒーターパネルまで順を追って掃除をすることで効率的に作業を行いましょう。4つのステップに分けて、それぞれ掃除方法を詳しく解説します。
■ディスポーザー入り口部分の掃除
ディスポーザーの入り口を掃除する際には、ビニール手袋と食器用の中性洗剤、スポンジを用意します。最初に電源プラグを抜き、生ゴミを入れる部分など取り外し可能な部品をすべて外してスポンジと食器用中性洗剤を使用して部品を洗いましょう。
■氷で内部を掃除
次に、氷を使用して掃除を行います。氷を使用した内部の掃除は、日頃のメンテナンスをする際にも有効な方法であり、用意するものは氷と食器用中性洗剤のみです。
まずは、ディスポーザーの中に水を流して内部を綺麗にしましょう。生ゴミを取り除いておくと、掃除をしやすくなります。
次に、ディスポーザー内に数個氷を入れ、ぬめりをしっかり除去するために食器用洗剤を適量入れて普段使用する時と同様にディスポーザーを回転させて氷を流しましょう。
氷が粉砕され、中に付着したぬめりや汚れを除去しながら流れるため、内部を簡単に掃除することが可能です。
最後に、ディスポーザーの蓋を洗うことも忘れないようにします。
粉砕された生ゴミが付着する蓋の部分は、汚れやすい部品です。食器用洗剤とスポンジを使って、汚れを除去しましょう。
ディスポーザーの中は清潔な状態を維持しなければ、汚れが蓄積するだけではなく故障にもつながるため注意が必要です。氷を入れるだけで簡単に掃除できるので、普段のお手入れも習慣化しましょう。
■ニオイはみかんの皮で掃除
ディスポーザーの入り口や内部を掃除した後も、ニオイが残っているケースは少なくありません。ディスポーザーの見た目の汚れは除去できても、生ゴミを粉砕するためニオイが残ってしまうケースがあります。ニオイの除去には、レモンやみかんなど柑橘系のフルーツの皮を直接入れて回す方が有効です。
柑橘系のフルーツの皮には殺菌効果が期待できる酸性の性質があるので、雑菌の繁殖を抑制して消臭効果も期待できます。さらに、重曹も同時に使用することによって、柑橘系のフルーツの成分と混ざり発砲することで、泡の力で汚れを浮かせて除去することが可能です。
■タンクの下とパネルの掃除
ディスポーザーは、生ゴミを粉砕する場所だけではなく、タンクの底とヒーターパネルも掃除をする必要があります。頻繁に掃除をする必要はないものの、一定期間に1度メンテナンスも兼ねて掃除をしましょう。掃除に必要なものはビニール手袋と柔らかい布、歯ブラシ、食器用中性洗剤です。
最初に、ヒーターパネルに生ゴミが付着している場合は、生ゴミを掃除します。
次に、水で濡らしてしっかりと絞った柔らかいクロスを使って、ヒーターパネルとタンクの底を拭き掃除をしましょう。
汚れが目立つのであれば食器用中性洗剤を少量つけたうえで拭き掃除をして、最後に乾いた布で乾拭きをします。
ヒーターパネルとタンクは、アルコールやシンナーなどで拭くのは厳禁です。引火や火災といった災害や事故につながる可能性があるため注意しましょう。
次に、使用しなくなった歯ブラシでフィルタの掃除をします。まずはフィルターを外してある程度の汚れを水で洗い流し、頑固な汚れは歯ブラシで洗ってしっかりと乾燥させて、タンクに戻せばディスポーザーの掃除は完了です。
また、排水口に生ゴミが蓄積しているたとしても、無理に取り除く必要はありません。
生ゴミが溜まっているのは一般的な状態であり、新しいゴミが入れられることによって蓄積した生ごみは押し出されるシステムであるためです。
蓄積している生ゴミを除去すると処理機からタンクに水が逆流する場合もあるので、溜まっている生ゴミが見えてもそのままにしておきましょう。
ディスポーザーの黒カビ汚れの掃除方法
定期的に掃除をすれば黒カビ汚れは付着しませんが、ぬめりを放置し黒カビに発展した場合には、最初に氷を使って目立つ汚れを落とします。
その後、酢もしくはクエン酸と重曹をキッチンペーパーに含ませて黒カビに貼り付け、黒カビに成分を浸透させて除去しましょう。
黒カビの状況に応じて5分~30分程度放置すると、重曹を貼り付けた部分から炭酸ガスが発生し、汚れを浮かせることが可能です。
目視で黒カビが浮いてきたことを確認できたら、お湯を流します。重曹は多めに使用しなければしっかりと除去できないため注意が必要です。また、酢やクエン酸は温めることで、よりしっかり浸透させる効果が期待できます。
ただし、黒カビは自分で除去するのが難しい場合もあるため、業者に依頼をしなければならないケースも珍しくありません。
ぬめり汚れがカビの原因であるため、ぬめりを発生させないよう清潔にしておくことが重要です。
ディスポーザーの茶色汚れの掃除方法
茶色い汚れの性質によって掃除方法は異なります。ぬめりも発生している場合はクエン酸と重曹を使用し、茶渋による茶色い汚れは重曹を使用する方法が有効です。この方法であれば塩と二酸化炭素だけで汚れを除去するため、微生物を死滅させることがないでしょう。
クエン酸と重曹は小さじ2杯ずつ入れ、汚れが目立つ場所には重曹を多めにふりかけ、上からクエン酸を小さじ2杯程度ふりかけると発泡します。
30分程度時間をおいて半分程度氷を入れ、ディスポーザーを回すだけで完了です。茶色い汚れが残っているようであれば、スポンジを使ってこすり洗いをしましょう。
ディスポーザーのこびりつき汚れの掃除方法
ディスポーザーに汚れがこびりついている場合は、酵素が主成分の洗剤や中性の酵素洗剤で掃除をします。洗剤はホームセンターやディスカウントストアでも販売されているため、気軽に入手することが可能です。
掃除方法は、就寝前にブラシを使ってディスポーザーに直接塗りこむだけであり、翌朝は通常通りディスポーザを使用できます。掃除用ブラシのほか、歯ブラシや刷毛などを使用する方法も有効です。
ディスポーザーの排水管は洗浄すべき?
ぬめり汚れやディスポーザの臭いを除去するためには、定期的な掃除が必要不可欠です。しかし、ニオイが発生しており除去したい場合には、排水管の掃除を行わなければならない可能性が高いといえます。
ディスポーザーが付いていない一般的なキッチンであっても排水管から臭いが発生するケースは多く、そこに生ゴミが粉砕され水が混じっているディスポーザーが付いていれば、より強いニオイが発生します。
排水管の掃除方法は一般的に塩素系洗剤を使用しますが、塩素系洗剤はディスポーザーの掃除には使用できません。そのため、一般的なキッチンと同様にパイプクリーナーを流すという掃除を行えないことがデメリットでもあります。
ディスポーザーの排水管掃除は、専門業者に依頼する方法が有効です。ある程度の費用を支払う必要はありますが、自分で掃除をするのは困難であるうえに、無理に掃除をすると故障にもつながります。ニオイが気になった場合や、ニオイ予防のためにも、定期的に掃除を依頼すると良いでしょう。
ディスポーザーに流してはいけないもの
ディスポーザーに流してはいけないものを流すと故障したり、業者を呼んで取り除いてもらわなければならなかったりする可能性があるため注意が必要です。
ディスポーザーに流してはいけないものは、硬い殻や骨、繊維質の食材やプラスチック、金属、ガラスが挙げられます。
豚や牛の骨、カキやサザエといった貝殻、カニの殻などは非常に硬く、ディスポーザーで粉砕できないため噛んでしまったり部品が壊れたりする可能性があるので、流すのは厳禁です。ディスポーザーを使用せず、ゴミ袋に捨てましょう。
さらに、ディスポーザーは生ゴミを粉砕するシステムであり、筍やとうもろこしの皮といった繊維質は残るので、排水溝が詰まる危険性があります。
また、キッチンペーパーや輪ゴム、ガラスや金属片、プラスチック片などはディスポーザーで粉砕できずに詰まる可能性が高いです。
食器を洗う際に、食器が欠けていることに気づかずに流してしまうケースが多いため注意しましょう。
ディスポーザーのおすすめ掃除頻度
調理中にディスポーザーを使用していると、掃除をするタイミングをつかめないというケースも多いでしょう。しかし、掃除をしなければニオイが発生したりぬめり汚れが蓄積しカビが発生したりする場合があるため、定期的に掃除をすることが非常に重要です。
最低でも週に1度程度は、氷を入れる方法で簡単な掃除を行う必要があります。氷を投入して回すだけであるため、手間がかからず習慣化しやすいでしょう。
まとめ
ディスポーザーのぬめり汚れやニオイを除去して、可能な限り長期間快適に使用し続けるためには、定期的に掃除をすることが重要です。
比較的シンプルな掃除方法であるため、汚れが蓄積していなければ大きな負担にはならないといえます。週に1回の簡単な掃除だけでも習慣化して、キッチンを快適に使いましょう。