電気ポットの注ぎ口は小さいので掃除することが難しかったり、手間がかかると考えてしまったり、そもそもどのように掃除をすれば良いのか分からず長時間掃除を行っていないという人も多いでしょう。そこで、電気ポットの掃除方法について、使用する洗剤別に詳しく解説します。
電気ポットが汚れる原因は?茶色や青色汚れは何?
電気ポットはお湯や水だけを使用するので、汚れる理由が分からないと思う人も多いのではないでしょうか。しかし、電気ポットの中を観察してみると、白や茶色、青色の汚れが目立っているケースがあります。
白い汚れについては、ミネラルウォーターや水道水に入っているカルシウムといったミネラル成分と不純物に熱が加わることで電気ポットの内側に蓄積したものです。つまり、白い斑点は水垢だといえるでしょう。
青色の汚れは銅に付着するサビである可能性が高いです。丁寧に時間をかけてしっかりと落とす必要があります。傷がついたり腐ったりして付着したサビではないため、健康に悪影響を及ぼすリスクは低いでしょう。
注意すべき点は赤茶色や茶色い汚れであり、これらの汚れは水道水に入っている不純物に熱が加わることで付いた汚れです。多少の汚れであれば健康を害する危険性は低いですが、色が濃い場合は電気ポットの中が傷がついてサビが蓄積している可能性があるため注意しなければなりません。
電気ポットの掃除方法5選[洗剤別]
洗剤別に、5つの電気ポット掃除方法を紹介します。
■クエン酸を使った掃除方法
電気ポットの内部に蓄積した汚れを除去するためには、クエン酸の成分を利用する方法が有効です。電気ポットの内側の汚れを落とす際にクエン酸が効果的な理由は、電気ポットに付着した汚れがアルカリ性の性質を持ち、クエン酸は水に溶かすことによって酸性の性質があるためです。アルカリ性の成分を中和させて分解し、除去しやすくなるでしょう。
柑橘系のフルーツや梅干しといった食物に含まれる成分として有名なクエン酸は、こびりついた汚れを落とす効果が期待できます。ホームセンターやスーパーでも販売されており、近年は100円ショップでも購入できる便利なアイテムです。また、電気ポット用の洗剤として、クエン酸が含まれている洗浄剤も販売されているほど、掃除の際に効果的な洗剤だといえます。
最初に電気ポットに水を入れ、大さじ1~2杯程度のクエン酸を入れましょう。次にスイッチを入れて水を沸騰させ、2時間程度そのまま放置ます。2時間放置したら、こぼれない程度に電気ポットを振ってからお湯を捨てて、再度新しい水を入れて沸騰させます。同じように少し振ってからお湯を捨てて、掃除は終了です。
汚れが蓄積しているのであればスポンジでこすって洗う方法も有効ですが、内部にはコーティング加工が施されているため、傷つけないように力を入れず丁寧にこすって洗いましょう。
クエン酸が自宅にない場合にはお酢を代用品として使用することも可能です。クエン酸と同量のお酢を入れて、同様に水を沸騰させて時間を置いてお湯を捨てるという方法で掃除を行います。また、頑固な汚れが蓄積してクエン酸だけでは除去できない場合は、重曹を大さじ1~2杯追加すると落としやすくなるでしょう。1度で落とせない場合も何度か繰り返し行うことで、汚れが薄くなり落とせる可能性があります。
■重曹と酢を使った掃除方法
酢と重曹を使用すれば、汚れとニオイを除去することが可能です。お酢と重曹を使った掃除方法は、重曹大さじ2杯、酢を大さじ2杯と水を入れて電気ポットを熱して沸騰させ、2時間程度そのまま置きます。2時間放置した後、お湯を捨てて軽く水ですすぎ、汚れを落としきれていないのであれば柔らかいクロスを利用して力を入れずにこすり洗いをしましょう。
こすり洗いをする際には電気ポットが傷つかないように力を入れず、丁寧にこすることがポイントです。傷がつくと、サビが発生する原因になるため注意しましょう。
さらに、電気ポットそのものに自動洗浄機能が搭載されているケースもあるので、その際には放置時間を電気ポットの機能に適した時間に調整する必要があります。
■酢水を沸騰させるだけで簡単お掃除
電気ポットの内側を掃除する際には、酢を使用して落とす方法もあります。酢水を使用した方法は、最初に酢を10倍に希釈して酢水を電気ポットに入れ、沸騰させるだけです。1時間程度保温することで底の方に蓄積している汚れが浮くので、目立った汚れは落とせます。
水を沸騰させるだけの方法であり、家事の合間に簡単に行えることがメリットです。内部の掃除をする前の準備として行うと良いでしょう。
酢水は沸騰させる方法だけではなく、外側に付着した汚れを拭き取る際にも便利です。酢水をキッチンペーパーに含ませ、力を入れずに拭くだけで付着したばかりの汚れは簡単に除去できます。
■レモンを使ったニオイと汚れの除去方法
洗剤を使用すると、ニオイが除去できなかったり酢を使用するとニオイが付いてしまうのではと不安を覚える場合には、レモンを使用してニオイと汚れを除去する方法が有効です。レモンの成分にはクエン酸が含まれており、クエン酸の代用品としても使用できます。
レモンを使う方法は、レモンを半分にカットして断面で電気ポットの内側を磨くという手順です。特に水垢汚れが目立つ部分は、しっかりとこすり洗いをしましょう。次に水を入れて沸騰させ、お湯を流して再度水を入れて沸騰させてお湯を流したら完了です。
■電気ポットの専用洗浄剤を使用する
クエン酸、重曹といった掃除アイテムではなく、電気ポット専用の洗浄剤を使用する方法も有効です。洗浄剤とは電気ポットの内部の汚れを除去するためのアイテムであり、電気ポットの汚れに特化して作られているため重曹やクエン酸と比較しても高い洗浄効果が期待できるでしょう。
何年間も掃除をしていない、頑固な汚れがこびりついたりしているなど、重曹やクエン酸では汚れを落とせない場合には、洗浄剤の使用も検討しましょう。
専用洗浄剤は1箱に数回分が入っており、1回はおよそ200円程度で、ホームセンターやドラッグストア、スーパー、100円ショップなどでも販売されています。非常にコストパフォーマンスが良く、手軽に掃除できることが魅力です。
商品によって若干違いがあるものの、一般的な使用方法は最初にコンセントを抜いてお湯を電気ポットの中に入れ、洗浄剤を1個入れて蓋を開けた状態で放置します。1~2分程度発泡した状態が続くので、そのままの状態で24時間おきましょう。
また、発泡状態が落ち着くと水のように見えるため、家族が誤って使用しないように工夫しておくことも重要です。24時間放置したら、電気ポットの内部を5回程度すすぎ洗いして 、しっかりと洗浄剤を洗い流しましょう。
電気ポットの掃除にハイターはNG?
キッチンハイターは食器にこびりついた汚れを除去したり、漂白や殺菌をするために使用します。ただし、キッチンハイターである塩素系漂白剤は、電気ポットの掃除に使用することは厳禁です。
塩素系漂白剤本体の注意書きには、金属製品には使用禁止と表記されています。電気ポットの内側はステンレス製であり、ハイターを使用すると素材が腐ってしまう場合があるため、塩素系漂白剤であるハイターを使用して電気ポットの内部を洗浄しないように注意が必要です。
また、酸素系漂白剤も使用しないようにしましょう。オキシクリーンといった漂白剤を使用すると、発泡することが特徴です。電気ポットの故障のリスクがあるため、基本的には漂白剤を使用せずに掃除を行う必要があります。
電気ポットの外側の掃除方法
電気ポットの内部は、万が一口にしても危険ではない重曹やクエン酸などの洗剤を使用して掃除することが可能ですが、外側も安全な洗剤を使用して掃除をすることが可能です。重曹を準備できる場合には重曹を水に溶かした重曹水を作り、キッチンペーパーや布巾に含ませて拭き掃除をしたうえで、最後に乾拭きをすると外側も簡単に綺麗にできます。
ほかにも、アルカリ電解水といった安全な成分も同様に活用することが可能です。また、電気ケトルの内側に付着している汚れは基本的に水垢汚れですが、外側に付着している汚れは主に手垢汚れであり、手垢を掃除する際にはセスキ炭酸ソーダを使用する方法も有効だといえます。セスキ炭酸ソーダを溶かして、キッチンペーパーに含ませて拭くだけの簡単な掃除で除去できるでしょう。
電気ポットを綺麗に掃除するコツ6個
電気ポットを綺麗に掃除するためのコツを6つ紹介します。また、綺麗な状態を維持するためのポイントも押さえておきましょう。
■柄の長い掃除用ブラシを準備する
電気ポットの内部を掃除する際には、洗浄剤や酢、クエン酸などで汚れを浮かした後に、スポンジを使用してこすり洗いをする方法が効果的です。一般的な食器用スポンジを使用することも可能ですが、柄が長いボトルを洗うためのブラシを使用すると奥の方まで手が届き、スムーズに掃除を行えます。底の隅までスムーズに掃除をしたい場合には、ブラシを購入すると良いでしょう。
■電気ポットの中に水を入れておかない
水道水に含まれる成分にはミネラルが含まれているので、水垢として蓄積してしまう可能性があります。使用しない時には可能な限り乾燥した状態にしておくことが理想です。
若干でも濡れていると、水分だけが蒸発してミネラルだけが電気ポット内部に残るので、水垢汚れが蓄積します。そのため、使った後はキッチンペーパーや布巾を使って拭いたうえで、乾燥させることがポイントです。
■水を継ぎ足して使用しない
新しく水を沸騰させる場合には、使っていた水やお湯が残っていると捨てるのがもったいないと感じ、継ぎ足して使用する人も多いのではないでしょうか。
しかし、残っているお湯や水は必ず捨てて、新しい水を入れるようにしましょう。古い水やお湯には臭いの原因菌や汚れの原因物質が含まれている可能性があるため、汚れの付着につながり、掃除に手間がかかります。
■ミネラルウォーターを使うならこまめに掃除
安全性や美味しさを重視するために、お湯を使用する際にもミネラルウォーターを沸騰させるケースがあるでしょう。しかし、ミネラルウォーターには鉱物由来の成分が含まれているので、水垢が発生しやすいことがデメリットです。
そのため、ミネラル分が含まれているミネラルウォーターを使用するケースが多いのであれば、通常の水を使う場合と比較して掃除の頻度を増やすことがポイントです。
■電気ポットの外側の汚れはすぐに掃除する
水分や調味料食品などが飛び跳ねるなど、電気ポットの外側に付着した場合には、すぐに拭き掃除をしましょう。汚れがついてすぐに掃除をするということを習慣化すれば、汚れが蓄積せず1回の掃除にかかる時間を短縮できます。
■中性洗剤を使用する
電気ポットの外側の掃除は、中性洗剤を含ませた布巾で簡単に拭き掃除をする方法もあります。中性洗剤は食器用洗剤でも良いため、セスキ炭酸ソーダや重曹などを追加で購入する必要がありません。布巾を使って掃除をする際には、電気ポットが故障する危険性があるのでコードは外して底やプラグに水分が付着しないようを意識しながら洗うことがコツです。
中性洗剤で拭き掃除をしたら水分は乾いた布巾やキッチンペーパーで拭き取ることで、汚れだけではなく油汚れまでしっかり落とせるでしょう。
電気ポットのおすすめ掃除頻度
電気ポットの内部の掃除については、最低でも1ヶ月に1度クエン酸で掃除をした方が良いでしょう。しかし、電気ポットの汚れは日々蓄積するものであり、数ヶ月放置すると1回の掃除ではスムーズに落とせない可能性が高いです。
そのため、汚れが蓄積する前に 1ヶ月に1度、定期的に掃除をすることを習慣化する必要があります。1回の掃除の手間が省け、掃除にかかる時間が短くなり、負担になりにくいでしょう。
まとめ
電気ポットを掃除は、クエン酸や重曹などを使用する方法や酢水を沸騰させる方法など、比較的簡単に掃除できることが特徴です。定期的に掃除をすることによって、電気ポットの内側も外側も綺麗な状態を維持しましょう。