キッチン・洗面台・風呂場などの蛇口はピカピカですか? "蛇口は掃除をしてもすぐに汚れるから"などの理由で、あまり蛇口掃除をしない派もいるかもしれません。しかし、蛇口掃除をしなければもっと汚れがたまります。
蛇口は水を出す場所で確かに汚れやすいですが、掃除をしていない期間が長ければ長いほど汚れがたまっていく場所です。また、蛇口は吐水口にも汚れが付きやすく、汚れがたまったった吐水口から出た水で調理をしたり、体や顔を洗うのは衛生面的にいいとは言えません。
キレイな蛇口や吐水口にするために掃除をしましょう。そこで今回は、蛇口掃除に必要な道具・蛇口の掃除方法・おすすめの掃除頻度などをご紹介します。
蛇口が汚れる原因
洗面台・キッチン・風呂場などの蛇口を見ると、白くなっている部分や黒くなっている部分はありませんか? 蛇口は掃除をしないと白や黒の汚れが目立つようになります。では、蛇口に白や黒の汚れがつく原因を詳しく見ていきましょう。
【蛇口の白い汚れ】
白い汚れは水道水の成分がかたまったもので、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが原因です。水道水は無色透明で蛇口が汚れるイメージがないかもしれませんが、水分が蒸発して蛇口が乾いてもミネラルだけは残り白くなります。
【蛇口の黒い汚れ】
黒い汚れの正体は黒カビであるケースがほとんどです。黒カビは水回りによく生えるカビで、蛇口に付いた手垢や水垢を栄養源にして成長したり繁殖します。
蛇口掃除に必要な準備と道具
"蛇口掃除をしよう!"と思ったら、まずは蛇口掃除に必要な道具を揃えましょう。
蛇口掃除は水垢と黒カビ使う道具ではが違い、また汚れレベルに合わせて道具を使いわけます。では、蛇口掃除に必要な道具をチェックしましょう。
【基本的な掃除道具】
・クエン酸スプレーやクエン酸水
(水200ml:工業用のクエン酸を小さじ1杯を溶かしたもの。スプレーボトルに入れてよく振ってクエン酸スプレーにするか、バケツなどに入れて溶かしてクエン酸水にする。)
・重曹ペースト
(水5cc:工業用の重曹小さじ2杯を混ぜたもの。粘り具合は好みに合わせて水や重曹の分量を調整しましょう。)
・重曹ペーストを入れる容器
・メラミンスポンジ
・食器用スポンジ
・歯ブラシ
・雑巾やタオル
・ゴム手袋
■頑固な水垢や黒カビ掃除では、基本的な掃除道具に加えて次のものを用意します。
・オキシクリーン
・キッチンペーパー
・サランラップ
・輪ゴム
・歯ブラシ
・爪楊枝
・歯のフロス
・バケツやタライ
蛇口掃除に使う洗剤は?クエン酸?重曹?
蛇口掃除では、酸性洗剤・クエン酸・重曹・オキシクリーンなどを使います。
水垢は『アルカリ性の汚れ』のため『酸性』で掃除をして、黒カビは『アルカリ性』で掃除をしましょう。
本来、黒カビは塩素系漂白剤で掃除するのがいいですが、水道水を料理などに使うこともありおすすめしません。
次は、蛇口掃除に使う洗剤などについてチェックしましょう。
【酸性洗剤】
水回り用の酸性洗剤などは頑固な水垢を落とします。
【クエン酸】
クエン酸は酸性で化学薬品を使っていません。蛇口掃除では工業用のクエン酸を使いましょう。
【重曹】
重曹は弱アルカリ性で、黒カビや蛇口の手垢や油汚れを落とします。重曹も工業用を使いましょう。また、研磨効果もあり粒子が柔いため蛇口に傷が付きにくいのと、わずかな漂白効果があるのも特徴です。
【オキシクリーン】
オキシクリーンも重曹と同じ弱アルカリ性ですが、酸素の泡のおかげで重曹よりも洗浄力は高いと言えるでしょう。
蛇口掃除方法4ステップ
蛇口に付いた水垢や黒カビは軽い汚れ~酷い汚れまであり、汚れのレベルに合った方法で掃除をします。例えば、蛇口にうっすらと白い汚れがあれば軽い水垢と判断していいでしょう。また、手荒れ対策のためにゴム手袋をしてから蛇口掃除をします。
■①軽い水垢ならメラミンスポンジだけでも落ちる
軽い水垢であればメラミンスポンジで蛇口の水垢掃除をしましょう。メラミンスポンジはとても細かいハニカム状のメラミン樹脂スポンジで、研磨効果があります。しかも、基本的には水だけで蛇口の水垢掃除ができるのも特徴です。
〇メラミンスポンジを水で濡らしたら蛇口を擦って水垢掃除をします。蛇口を擦っているうちにメラミンスポンジの水分がなくなってきた場合は、もう1度メラミンスポンジを水に濡らしてから蛇口を擦りましょう。
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〇ある程度メラミンスポンジで蛇口を擦ったら、水で蛇口を洗い流し雑巾やタオルなどで拭いて水分をしっかり取り除きます。蛇口に水滴が残っていると水垢が発生するため、水滴を残さないようにしましょう。
■②軽い水垢はクエン酸スプレー・頑固な水垢はパックする
クエン酸スプレーは軽い水垢~しつこい水垢まで落とすことができますが、軽い水垢としつこい水垢では掃除方法が違います。蛇口にしつこい水垢が付いている時は、キッチンペーパーとサランラップでパックして掃除をしましょう。
【軽い水垢の場合】
クエン酸スプレーを蛇口に吹きかけたらメラミンスポンジや食器用スポンジで擦り、細かい部分は歯ブラシや爪楊枝で優しく擦ったり、歯の隙間掃除に使うフロスを使います。
また、メラミンスポンジを使うと、研磨効果と酸性洗剤の掃除効果のWで汚れを落とすため蛇口掃除がラクです。
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〇蛇口掃除が終わったらクエン酸の成分を水でしっかり洗い流し、雑巾やタオルで水滴を拭き取ります。
【しつこい水垢の場合】
〇クエン酸水をバケツやタライなどに入れてキッチンペーパーを浸しましょう。次に、クエン酸水を浸したキッチンペーパーを蛇口に密着させながら巻き付けて、輪ゴムで固定しましょう。
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〇さらに、蛇口にサランラップを巻き付けて水分の蒸発を防ぎます。蛇口の水垢を浮かして落とすために2、3時間待ちましょう。数時間後、サランラップやキッチンペーパーを外します。
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〇クエン酸水を含ませたメラミンスポンジで蛇口全体を掃除をして、細かい部分は歯ブラシや爪楊枝などで掃除をします。
しつこい水垢は食器用スポンジではなかなか落ちないため、メラミンスポンジがおすすめです。掃除が終わったら蛇口を水で流して、雑巾やタオルで乾拭きをします。
■③クエン酸パックで落ちない水垢や黒カビは重曹ペーストで落とす
クエン酸パックで蛇口を掃除をしても水垢が落ちない場合や、蛇口の黒カビを落としたい時は重曹ペーストを使いましょう。水垢や黒カビを重曹ペーストの粒子で擦って削り落とします。また、重曹ペーストならクレンザーよりも粒子が柔らかく、蛇口に傷も付きにくいため傷が心配な方も安心です。
〇重曹ペーストを歯ブラシで取ったら、蛇口の水垢や黒カビがしっかり隠れるまで塗ります。重曹ペーストが乾燥しないように、蛇口にサランラップを巻き付けて輪ゴムで固定しましょう。
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〇蛇口の水垢や黒カビに重曹ペーストをなじませるために、2時間くらい待ちます。時間が経ったらサランラップを外し、歯ブラシ・爪楊枝・歯のフロスなどで擦って水垢や黒カビを落としましょう。掃除後は蛇口に付いている重曹を水で流して、雑巾やタオルで水滴を拭き取ります。
■④どうしても落ちない水垢は酸性洗剤で落とす
しつこい水垢はクエン酸パックで掃除をしますが、場合によっては落ちないこともあるでしょう。クエン酸パックで蛇口掃除をしても汚れがどうしても落ちない時は、酸性洗剤を使えば落ちるはずです。
酸性洗剤はクエン酸よりも酸性度が強いものがあり、水垢だけでなく蛇口の黒ずみやサビが落とせるタイプもあります。また、蛇口掃除に使える酸性洗剤の種類はいくつかありますが、蛇口掃除には水回り用や水垢掃除に特化した酸性洗剤がおすすめです。
〇酸性洗剤を蛇口に付けたら少し時間を置きます。時間が経ったら、酸性洗剤を含ませたメラミンスポンジ・食器用スポンジ・歯ブラシ・歯のフロスなどで蛇口掃除をしましょう。蛇口の汚れが落ちたら酸性洗剤を水でしっかり流して、雑巾やタオルで水滴を拭き取れば終わりです。
※ただし、酸性洗剤の種類によっては掃除方法が違います。例えば、15分くらい待ってから汚れを擦るタイプや反対に汚れを擦らないで水で流すだけのタイプもあるため、商品パッケージの使い方を確認してから使いましょう。
蛇口の吐水口の掃除方法
意外と汚れているのが吐水口です。
吐水口は水が出てくる場所で、水垢や黒カビが繁殖しやすく掃除が欠かせません。蛇口の吐水口の掃除方法はクエン酸水で水垢を落とし、黒カビはオキシ漬けや重曹ペーストで掃除をします。
【クエン酸水の場合】
〇蛇口のヘッド部分が蛇腹になっていて引き出せる場合は引き出して、外せるパーツは外しましょう。クエン酸水を入れたバケツやタライに、引き出した蛇口のヘッドや外したパーツを浸して、2、3時間待ちます。クエン酸と水の割合は『水4ℓに対してクエン酸大さじ1杯』です。
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〇時間が経ったら、クエン酸水を含ませたメラミンスポンジでザックリ掃除をして、吐水口の穴を歯ブラシや爪楊枝で掃除をします。最後に水で洗い流して乾拭きをしましょう。
【オキシ漬けの場合】
オキシ漬けもクエン酸水で掃除する時と同じ流れです。ただし、『40度~60度のお湯にオキシクリーン1杯』をよく溶かし、蛇口のヘッドやパーツを入れて30分~6時間待ちます。
【重曹ペーストの場合】
クエン酸水で掃除をした後に吐水口に重曹ペーストを付けて、吐水口の穴を歯ブラシや爪楊枝で掃除をしましょう。最後に水で流して水気を拭き取ります。
蛇口汚れが石灰化(カルキ)している場所の掃除方法
蛇口の根本などが真っ白で石灰化している場合もあるでしょう。石灰化した蛇口の水垢は2つの方法で落とします。1つ目は『クエン酸パック後に重曹ペーストで水垢を擦る』掃除方法で、2つ目は『酸性洗剤で水垢を落とす』やり方です。
石灰化した水垢を落とす掃除方法は2つありますが、酸性洗剤で落とすやり方をおすすめします。なぜなら先ほどご紹介した通り、酸性洗剤は基本的にクエン酸よりも酸性度が高いからです。また、商品によっては水垢を擦らないで落とせるタイプもあり、石灰化した水垢もあまり手間をかけずに落とせます。
しかし、酸性洗剤を使わないとなれば、クエン酸パックや重曹ペーストで蛇口掃除をするしかありません(掃除方法は『蛇口掃除方法4ステップ』を参考にして下さい)。クエン酸パックは水垢を浮かし落としやすくしてから重曹ペーストで擦りますが、1回で落ちない場合は何回か繰り返し行うため手間がかかります。
蛇口のおすすめ掃除頻度
どうしても汚れやすい蛇口ですが、"キレイな蛇口を保つためにおすすめの掃除頻度を知りたい"と思っている方もいるでしょう。
おすすめの掃除頻度は『蛇口から水を出したら』掃除をすることです。蛇口を水垢や黒カビから守りキレイな状態を保つためには水に濡れ続けている状態を避けて、水道水の成分を蛇口に残さないようにしましょう。つまり、蛇口から水を出す度に掃除をすれば汚れはたまりにくくなります。
とは言っても、蛇口から水を出す度に掃除をするのは大変で面倒に感じる方もいるはずです。あとは、『寝る前に1回』蛇口掃除をするか最低でも『1ヶ月に1回』は蛇口掃除をしましょう。
クエン酸スプレーや酸性洗剤で蛇口全体を掃除して、吐水口の黒カビも落とします。蛇口の吐水口は重曹ペーストで毎日掃除できなくても、乾いたタオルで拭き取るだけも構いません。吐水口の水分を取り除くだけも黒カビが繁殖しにくくなるため、ぜひ実践しましょう。
まとめ
蛇口は水を出す場所で水垢が付きやすいだけでなく、黒カビも発生しやすいことがわかったはずです。水垢で汚れた蛇口は見た目がよくないのは当然ですが、吐水口が汚れていれば黒カビを体内に入れる原因になったり、黒カビ入りの水やお湯で体や手を洗うことになります。
掃除をしていない蛇口は衛生的にも決していいとは言えないため、掃除をする習慣をつけましょう。キレイな蛇口になれば気持ち良く使うことができます。ぜひ、参考にして下さい。