床の掃除は毎日行なっている人でも、壁の掃除はしていないというケースが多いのではないでしょうか。フローリングや畳と比較すると壁は汚れにくいものの、掃除をしなければ油汚れや手垢、黄ばみや黒ずみ汚れなどが蓄積します。
汚れが蓄積すると、カビの発生につながるため注意が必要です。そこで、壁を掃除する方法を汚れの種類別に紹介します。
壁・壁紙が汚れる原因
壁・壁紙には様々な物が付着しており、基本的に汚れが付いている高さによって汚れの種類が異なります。比較的高い場所にある汚れは床から舞い上がったホコリであり、目線から肩の高さにある汚れは壁を触った際に付着する手垢汚れです。低い場所に付着した汚れは細かい傷や食べこぼし、ホコリなどの汚れだといえるでしょう。
特に、電気のスイッチがある場所やゴミ箱周辺の壁は手が触れてしまうケースが多いため、汚れが目立つ傾向にあります。壁・壁紙に付着している多くの汚れは油汚れもしくはホコリであり簡単に除去することが可能ですが、放置すると頑固な汚れになり壁紙が劣化するケースもあるので注意が必要です。
壁・壁紙掃除に必要な道具
壁・壁紙を掃除する際に必ず用意するものは、ドライシートとマイクロファイバークロス、重曹、汚れの種類によっては中性洗剤なども使用します。
壁・壁紙は頑固な汚れが少ないため、フローリングを掃除する際に活用するドライシートを利用して拭き取るだけでも、汚れを取り除きる可能性が高いです。
汚れが目立つ場合や長期間掃除をしておらずこびりついている場合には、食器用中性洗剤やマイクロファイバークロス、除菌スプレーなどを使った拭き掃除をしましょう。食器用中性洗剤は手垢といった油汚れを落としやすいことが特徴です。
壁・壁紙の掃除方法5個[汚れ別]
壁・壁紙の掃除方法は、汚れ別に使用するアイテムや掃除方法を使い分けることがポイントです。汚れの種類別に5パターンの掃除方法を紹介します。
■1. 壁のほこりの掃除方法
壁・壁紙にホコリが目立つ場合には、食器用中性洗剤とマイクロファイバークロスを準備して拭き掃除をしましょう。クロスに水を含ませてしっかりと絞り、クロスに数滴洗剤を垂らして、壁の上から下の方向へ拭きます。
汚れが落ちたら、洗剤をつけていないクロスで水拭きをして、最後に乾拭きをして完了です。ただし、力を入れてこすると壁紙が劣化する可能性があるので、丁寧に優しく拭き掃除をしましょう。
■2. 壁の黄ばみの掃除方法
壁紙が黄ばんでいる場合、汚れの原因や、どの程度汚れ蓄積しているのかによって掃除方法が異なります。
重曹水やセスキ炭酸ソーダを使用した掃除方法
壁・壁紙が黄ばむ原因の1つに、手垢汚れが挙げられます。手垢汚れは、重曹と水を混ぜた重曹水を直接吹きかけてマイクロファイバークロスや柔らかい毛のブラシで擦り、汚れを拭き取ることで綺麗に除去することが可能です。
最初に、水100mlに対し重曹小さじ1杯を溶かして重曹水を作り、スプレーボトルに入れます。黄ばみが目立つ場所に重曹水をスプレーしますが、汚れがこびりついている場合にはスプレーをしてから2時間程度放置することによって汚れを除去しやすくなるでしょう。
壁紙を水で濡らした後は、乾拭きをすることを忘れないよう注意が必要です。重曹水が壁紙に残っている状態だと、白い跡が残る可能性があります。
手垢といった人間の皮脂汚れには、重曹ではなくセスキ炭酸ソーダを使用する方法も効果的です。セスキ炭酸ソーダを使用する場合には水500mlに対しセスキ炭酸ソーダ小さじ半分の割合で溶かして使用しましょう。
重曹ペーストを使用した掃除方法
台所の壁・壁紙に黄ばみ汚れがついている場合、油汚れの可能性が高いです。頑固な油汚れは重曹ペーストを使用した重曹パックを行います。重曹に対して少量の水を混ぜて、壁に付けても垂れない程度の硬さのペーストを作ることが重要です。汚れに直接ペーストを付けたら、10分程度放置してしっかりと拭き取ります。
洗剤を使用した掃除方法
重曹水やペーストでも落とせない黄ばみ汚れは、アルカリ性の洗剤を希釈したものを雑巾に含ませて絞り、黄ばみが目立つ部分を拭き掃除しましょう。こびりついた汚れに対しては、アルカリ性の洗剤をスプレーに入れ替えて直接吹き付け、しばらく時間をおいてから拭き掃除をする方法が効果的です。
その他のアイテムを使った掃除方法
どのような方法でも取れない黄ばみ汚れは、キッチンハイターといった漂白剤を使用することで落とせる可能性が高いでしょう。ビニールクロスの壁紙に付着した汚れを落としたい場合には、文房具の消しゴムを使用して擦ると落とせる可能性があります。消しゴムを使用する際も、壁の素材に注意して行いましょう。
ただし、黄ばみ汚れはタバコのヤニである可能性もあるため、汚れの種類を見極めて掃除方法を検討することも大切です。
■3. 壁のヤニの掃除方法
自宅内でタバコを吸う場合、壁紙がヤニで黄色く汚れたり、放置することによって黒ずんで見えたりするケースもあります。中性洗剤を使用しても落とせないようなヤニの汚れは、重曹水を使用する方法が有効です。水100mlに重曹小さじ1杯を入れて重曹水を準備しましょう。
最初に、ドライシートで表面の汚れを拭き取って、水を含ませた雑巾で綺麗に拭き掃除をした後に、重曹水を汚れている部分に直接スプレーします。水拭きで重曹を拭き取り、最後に乾拭きをして壁紙に付着した水分を取り除いて完了です。
拭き掃除は、壁の表面に付着している汚れを除去する方法として有効です。特に、壁・壁紙に付着したヤニの汚れを除去する際には高い効果が期待できます。洗剤や水を同時に使用することによって、より効率良くヤニ汚れを落とせるでしょう。
ただし、ビニールクロスの壁紙にのみ有効な方法です。耐水性のある壁紙ではなく紙でできている壁に水を使用すると、ヤニの汚れは取れてもカビの発生につながるため十分に注意しましょう。また、壁紙そのものが劣化し、変色する場合もあるので、素材をチェックして掃除を行うことが重要です。
■4. 壁のカビの掃除方法
拭き掃除でも落とせない黒い汚れは、カビが発生している可能性が高いです。カビ菌の浸食具合によって掃除方法が異なります。
お酢と重曹を使用した掃除方法
安全な成分の掃除アイテムにこだわる場合には、お酢と重曹を使って掃除をする方法も有効です。重曹水と雑巾、お酢を準備したら、最初に雑巾にお酢を含ませしっかりと絞ってカビを拭き取りましょう。次に重曹水をスプレーで吹きかけて水拭きをし、最後に乾拭きをして完了です。
カビ取り専用洗剤や漂白剤を使用した掃除方法
カビは壁と壁紙だけではなく壁の奥まで繁殖するので、壁紙の表だけを掃除してもすぐにカビが発生する可能性が高いです。壁・壁紙の表面に付着したカビは、重曹や中性洗剤では落とせない可能性が高いため、カビを除去するための専用洗剤や漂白剤を使用しましょう。
強力な成分が配合されているカビ取り専用の漂白剤であれば、カビの根からしっかりと除去できるので、再度カビが発生する可能性が低く、綺麗な壁紙を維持する効果が期待できます。
ただし、色のついた壁紙に漂白剤を使用すると色が落ちる場合があるため、壁の種類によっては薬剤を使用する前に目立たない場所へ漂白剤を付け、色落ちしないかを確認してから掃除を行うことが重要です。耐水性のある壁紙であれば、最初に水拭きを行い、表面についているホコリとカビを落とします。
次に、カビを除去する専用洗剤や漂白剤を掃除用ブラシで塗り込み、洗剤や漂白剤ごとに指定されている放置時間を確認して一定時間置いてから水拭きで洗剤を落とし、最後に乾拭きをしましょう。
耐水性のない壁に掃除をする際には、水拭きが必要ない専用洗剤を使用して掃除をします。インターネット通販やドラッグストア、ホームセンターなどでも販売されているため、壁の素材に適したアイテムを活用することが大切です。
なかには、カビが目立つ場所に専用の洗剤を塗り込んで、乾燥するまで放置すればカビを除去できるといった商品もあります。自然の成分のみで作られている洗剤もあるため、小さな子供やペットがいる家庭や、広い範囲に使用したい場合には成分もチェックしましょう。
何回掃除をしてもカビが生える場合には、壁紙ではなく壁の奥にまでカビ菌が侵食している可能性があるので、壁紙の張替えを検討する必要があります。業者に壁紙の奥のカビも確認してもらい、プロ仕様の洗剤や技術で対処する方法が有効です。
■5. 壁の落書きの掃除方法
クレヨンやボールペンなどで落書きをした場合の汚れは油汚れであるため、基本的にはクレンジングオイルや除光液を使用して油を分解する方法が有効です。
クレヨンやボールペンなどで書かれた場所に、クレンジングオイルや除光液を塗って拭き取り、水拭きと乾拭きで仕上げるだけで綺麗に落とせるでしょう。ただし、壁紙の種類によっては注意が必要であり、同様に柄や色が付いている壁紙は色落ちする場合があります。
小さな落書き汚れは消しゴムを使って簡単に落とす方法も有効です。消しゴムで汚れをこすって汚れを落とし、カスは掃除機を使って掃除します。力を入れると壁紙そのものが劣化する原因になるので注意しましょう。
壁・壁紙のほこりの掃除方法6個[素材別]
壁紙の素材によっては、使用する道具を誤ると壁紙が劣化したり傷ついたりするため注意しましょう。そのため、壁・壁紙のホコリを掃除する方法を素材別に紹介します。
■1. ビニールクロスの壁の掃除方法
壁紙の汚れを放置すると、黒ずみ汚れやカビの発生につながります。そのため、最も掃除をしやすいビニールクロスの壁であれば、こまめに掃除をすることが重要です。ビニールクロスに付着した汚れを落とす場合には、ハンディモップと雑巾を使用しましょう。
■2.オレフィン素材の壁の掃除方法
オレフィンとはプラスチックの一種であり、合成樹脂で作られています。ビニールクロスのように汚れが付着しにくく傷つきにくいことが特徴であり、水拭きや洗剤などを使用して汚れを拭き取ることが可能です。
■3.紙クロスの壁の掃除方法
紙クロスはパルプという植物の素材で作られたタイプであり、和紙や洋紙など加工方法のバリエーションも豊富で、質感とデザインが特徴的です。
ただし、紙クロスには水を使用できないため、汚れが蓄積しないようこまめに乾拭き掃除をするか、汚れがついた場合には消しゴムやドライシートなどを使って掃除をする必要があります。
■4.珪藻土の壁の掃除方法
珪藻土は藻類が石灰化したものであり、湿度が高い場所の壁紙として使用されるケースが多いです。吸水性が高いことが特徴であり、洗剤や漂白剤などを吸収するため、成分が奥に蓄積しやすいことが特徴でもあります。
紙クロス同様に、汚れが蓄積しないようこまめに掃除をしましょう。汚れが付着した場合には、水拭きで汚れを落とし、漂白剤や洗剤などは可能な限り使用しないことが重要です。
■5.織物の壁の掃除方法
織物は麻や木綿などの布を使った壁紙であり、高級感や重厚感が生まれることが魅力です。耐久性が高く、紙クロス同様に通気性が良いので吸湿性を期待できます。漂白剤や洗剤などは使用せずに、乾拭きで掃除をしましょう。
■6.木材の壁の掃除方法
壁に使用する木材は、薄く切った木材の裏にアルミや紙などを貼り付けて、耐久性を上げたものです。木材の風合いが魅力であり、ナチュラルかつ暖かい雰囲気を演出できます。
木材の変色や変質を避けるために、重曹水を使用したり水拭きをしたりせず、基本的にはドライシートや消しゴムを使った掃除方法で汚れを落としましょう。
壁・壁紙のおすすめ掃除頻度
壁は面積が非常に広く、1回で全ての壁紙の掃除を行うのは難しい場合も多いです。日頃から少しずつ掃除を進めておけば、年末の大掃除の負担も減るでしょう。
また、綺麗な壁を保つためには月に1度程度の頻度で掃除をすると良いする方法が有効です。例えば、「今月はキッチンの壁、来月はリビングの壁、次は自室の壁」など、掃除をする壁の場所も決めておくことで効率的に掃除を行えるだけではなく、精神的な負担も軽減できます。
まとめ
壁紙にはホコリや手垢といった様々な汚れが付いているので、月に1回は簡単な拭き掃除をすることが重要です。ただし、ビニールクロスやオレフィン素材の壁でない場合は、掃除をする際に注意が必要であったり、特殊な洗剤を使用しなければならなかったりするケースもあるので、業者に依頼することも検討しなければなりません。
壁紙は、他の場所とは異なり掃除をしないケースも多いですが、こまめに掃除をすることによってホコリや黄ばみ、黒ずみが付着せず、鮮やかな色や白く清潔な色など壁紙本来の色を維持できます。くすみのない色の壁を維持できれば、部屋の印象も明るくなるでしょう。