キッチンシンクに蓄積した油汚れや、くすんでしまったシンクをきれいにするためにオキシクリーンを使用したオキシ漬けを試したいという人も多くいるのではないでしょうか。一度やり方を覚えれば難しいことは無く、何度もこすり洗いをしなくても良いため手間が掛からず大変有効な掃除方法です。
今回はキッチンシンクでのオキシ漬けをする際の注意点と、実際に行う際の方法をステップ毎に詳しく紹介します。こちらの記事を参考にご自宅のキッチンシンクの汚れをきれいに落としましょう。
オキシクリーンの成分・特徴
オキシクリーンとは、アメリカ生まれの酸素入り漂白剤です。主な成分としては過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)と炭酸ナトリウム(洗浄補助剤)で作られています。アメリカで販売されているオキシクリーンと日本で販売されているオキシクリーンは成分に少し違いがあります。日本で販売されているものは界面活性剤が入っていないため環境にやさしいのが特徴です。
オキシクリーンを使用して漬け置き洗いをすることをオキシ漬けと言います。通常の掃除方法ではなかなか落ちにくい汚れにもしっかりと作用するということで巷では大変人気のある掃除方法です。このオキシ漬けの特徴は主に「漂白」、「除菌」、「油汚れの分解」です。これらが必要な汚れには大変有効な掃除方法です。
一般家庭の台所のシンクに付着したしつこい油汚れやカビなどを掃除するのに活用することで、手間を大きく省くことができるでしょう。漬け置くことによって汚れを落とすことができます。
シンク掃除に必要なオキシクリーンの量
オキシ漬けをする際にはお湯の中にオキシクリーンを入れるだけで、漬け置きのためのオキシクリーン溶液が完成します。そのため、重要なのはオキシクリーンを使用する分量になります。多すぎてもダメですし、少ないと力が弱く汚れが思ったように落ちないでしょう。
一般的な家庭で使用しているシンクの場合50L前後の容量であることが通常です。そのため、大体満杯のお湯を溜めた場合、専属スプーンを使用して1~2杯のオキシクリーンを入れて、しっかりと混ぜ合わせましょう。これだけでシンクのオキシ漬けに最適なオキシクリーン溶液が完成します。
オキシクリーンのキッチンシンク掃除5ステップ
オキシクリーンを使用してオキシ漬けをするためにはあまり難しい工程はありません。いくつか確認が必要なプロセスがありますのでステップ毎に分かりやすく紹介します。
■ステップ1:排水口に栓をする
シンクのオキシ漬けで重要なのは、オキシクリーン溶液にシンクを一定時間触れさせておくことです。そのため排水口にしっかりと栓をして、水が流れていかないように工夫をしなくてはいけません。付属の栓をしただけでは微量ながら水が流れてしまい、しっかりとオキシ漬けの効力を発揮することができなくなります。
付属の栓をする際には、サランラップなどで先に塞ぐことでわずかな隙間も塞ぐことができます。また、より強化するためには水を入れて縛ったビニール袋などをサランラップの上から詰めるように置くことでより完璧に密閉することができるでしょう。
■ステップ2:シンク一杯にお湯を溜める
オキシ漬けをしっかりと行うためには必要な時間の間しっかりとオキシクリーン溶液に触れていなくてはいけません。そのためシンクにはしっかりと満杯のお湯を溜めましょう。また、オキシドールとの化学反応が起きやすい温度があります。冷たい水よりも温かいお湯の方が効果が増大するため、溜めるお湯は40度~60度の温度が最適です。
水道の蛇口からお湯が出る場合は問題ないのですが、もしお湯が出ないタイプの蛇口の場合は多少手間が掛かってもやかんなどでお湯を沸かして水と混ぜ合わせるなどをしましょう。こうすることで最適な温度のお湯をシンクいっぱいに溜めることができます。
■ステップ3:必要量のオキシクリーンを溶かし入れる
上述したように、シンクに満杯のお湯を溜めた場合おおよそ50L前後になります。そのためオキシクリーンを付属のスプーンで1杯~2杯程度入れるのが最適です。しかし、シンクのオキシ漬けをする際に油汚れのひどいキッチン用品や、コンロなどを一緒に入れてオキシ漬けする場合には少し多めの量を入れても良いでしょう。
オキシクリーンを入れ、混ぜ合わせる際には手を使ってゆっくりとかき回しましょう。また、こちらは酸素系の漂白剤なので素手で触ってもそれほどの悪影響はないのですが、肌の荒れなどを予防するためにも掃除用ゴム手袋などを使用して手の保護も行いましょう。
■ステップ4:汚れを落としたいキッチン用品を入れる
オキシクリーンがしっかりとお湯に溶けたら、汚れが気になるキッチン用品を一緒に入れましょう。コンロや五徳などのしつこい汚れがなかなか落ちないものもこの水溶液に漬けておくことで簡単に汚れを落とすことができます。
オキシ漬けする時間の目安は2時間から6時間程度です。時間をかけることでゆっくりとオキシクリーンの化学反応が起こり、しつこい油汚れなどを根こそぎ落とすことが可能です。6時間以上は化学反応が起こらなくなってしまうので、最大6時間で行いましょう。
■ステップ5:すすぎ洗いをする
一つ一つ水ですすぎ洗いをすることでオキシクリーンを落とすことができます。基本的に水ですすぐことでオキシクリーンを洗い流すことが可能ですが、哺乳瓶や小さいお子さんが口にするような製品をオキシ漬けした場合は、中性洗剤などを使用して洗い流すことでより確実にオキシクリーンを落とすことができるでしょう。こちらでオキシ漬けは完了です。
シンクのオキシ漬けで失敗しないコツ・注意点3個
様々な汚れを落としてくれるオキシ漬けですが、失敗しないために重要な注意点がいくつかあります。注意点を確認して安全に失敗無くオキシ漬けをしましょう。
■注意点1:アルミ製品には使用できない
オキシクリーンはアルカリ性の性質を持っています。そのため、アルミ製品の鍋に使用することで、アルミ部分を溶かしてしまします。どのようなことが起こるかというと、アルミ鍋などの表面は酸化被膜で覆われています。そのため、この被膜がアルカリ性によって溶けることで、アルミそのものがむき出しになり、水のミネラルと反応して黒ずみが表面に残ってしまいます。
そのため、アルミ製品はアルカリ性の溶液で洗うことはできません。オキシ漬けを行う際にはアルミ製品が含まれていないかどうか確認してから行うようにしましょう。
■注意点2:水垢には効果が無い
シンクの周りにたまるうろこ状の汚れは一般的に水垢がたまったものになります。こちらの水垢はミネラル分が蓄積されたもので、アルカリ性のためにオキシクリーンによる分解作用が効きません。そのため、こちらの水垢の汚れを落とすためだけにオキシ漬けをしないようにしましょう。似たような汚れの石鹸かすの汚れは酸性なのでオキシ漬けで落とすことができます。
アルカリ性の汚れ全般にはクエン酸などを使用して掃除をすると簡単に落とせます。キッチンペーパーなどをシンクの水垢が溜まっている部分へ押し当て、クエン酸を吹きかけるなどをしてキッチンペーパーを貼り付けます。しばらく時間を置けばきれいに汚れが落ちているでしょう。
■注意点3:アルカリ性に弱い素材には使用しない
キッチンでよく使用する木のまな板、木製ヘラなどやステンレス以外の金属製品でオキシ漬けをするのはやめるようにしましょう。特に天然木にオキシクリーン溶液が付着するとしみになってしまい取れなくなります。また皮製品に付着すると油分が溶けてしまってぬめりが落ちなくなってしまいます。それらの製品が周りにある場合は注意が必要です。
■注意点4:オキシクリーン溶液の作り置きはしない
オキシクリーンを必要以上の分量でオキシクリーン溶液を作ってしまった場合など、余ったオキシクリーン溶液容器などに入れ次回使用時に持ち越しをしたいという場合もあるかもしれません。しかし、オキシクリーンとお湯の化学反応は最大で6時間程度です。そのため、溶液を作り置きしたとしても、6時間以上経ってしまっては発砲効果がなくなってしまいます。オキシクリーン溶液を作り置きするのは控えましょう。
ステンレスのシンクは?
ステンレス製のシンクは定期的に磨かなないとすぐに油汚れなどの蓄積で表面がくすんで汚れているように見えてしまいます。そうならないようにも日ごろから柔らかいスポンジなどで定期的にこすり洗いをする必要があります。しかしスポンジでのこすり洗いだけではなかなか細かい部分の汚れなどは落としきることができません。
オキシ漬けは金属の表面を酸化させてしまい、錆びさせてしまうということがあります。そのため、ステンレス製のシンクをオキシ漬けする場合には現状のステンレスシンクの状態をよく確認しましょう。ステンレスシンクのコーティングが剥がれている箇所などは注意が必要です。金たわしなどでこすった跡がある場合はコーティングがはがれていると思われるので確認が必要でしょう。
人工大理石のシンクは?
様々な場所に使用できるオキシクリーンでの洗浄方法ですが、上述したようにいくつかの素材には悪影響を及ぼすため使用を控える必要があります。多くの人が大理石に対してオキシクリーンを使用できるかというのは悩むポイントだと思いますので、どのような点に注意すれば良いか紹介します。
人工大理石で作られたシンクは基本的に問題なくオキシクリーンを使用してオキシ漬けをすることができます。主に効果のある汚れは、油汚れによる黄ばみやシンク内部の除菌、漂白です。問題なく使用できますが、表面のコーティングなどによっては変色してしまったりする可能性もあるため目立たない場所で一度試してから使用しましょう。
その他の大理石は(天然大理石や人造大理石)などは溶解してしまう可能性がありますので、オキシクリーンの使用は控えるようにしましょう。
まとめ
万能で多くの場所に使用できるオキシクリーンではありますが、キッチンシンクで使用する場合にはいくつか確認しなくてはならない重要な注意点があります。上述した注意点を確認しながら、紹介したステップを実際に試してみましょう。