食洗機は食器洗いがラクになる便利な家電ですが、掃除をちゃんとしていますか?食洗機の掃除頻度は人それぞれで定期的にお手入れをしていても、掃除が行き届いていない場合もあるでしょう。
食洗機は凹凸や細かい部分があるため、掃除がしにくい場所や見落としやすい場所もあります。掃除ができていないところは汚れやすく、食べ物や油分が付いた食器を洗うことから汚れがたまりやすいです。
食洗機から嫌な臭いがしたり、ヌメリ汚れや黒カビがある場合はかなり汚れています。早速、食洗機の汚れを落とす掃除方法をチェックしてピカピカにしましょう。食洗機の掃除に向いている洗剤、注意点、おすすめの掃除頻度などをご紹介します。
食洗機の構造はどうなっている?
食洗機は食器に付いた様々な汚れを落としますが構造をご存知ですか?食洗機の構造はメーカーによって違う部分はあるものの主なパーツは、『ヒーター』『ポンプ』『ノズル』『フィルター』の4つです。食洗機の掃除方法をチェックする前に、食洗機のパーツの特徴や役割を見ていきましょう。
■ヒーターで水を温める
食洗機は汚れを落としやすくするために60度や80度のお湯で洗うのが特徴です。ヒーターで食洗機用の洗剤を含んだ水や水のみを温めます。
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■ポンプで食器があるところにお湯を送る
ポンプはヒーターで食洗機用の洗剤を溶かしたお湯や、お湯のみを食器があるところに送り込むのが役目です。
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■ノズルから噴射されるお湯で食器に当てる
ノズルは強力な水圧で食器に噴射して汚れを落としたりすすぎます。
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■食べかすはフィルターでキャッチする
食器に付着している食べ物のカスは、食洗機の部品内で詰まらないようにフィルターに留まる仕組みです。
食洗機の掃除に使える洗剤は?
食洗機の掃除に使うことができる洗剤は6種類あり、汚れを落としたり除菌することができます。洗剤の特徴などを見ていきましょう。
【クエン酸】
・性質:酸性
・掃除の効果:水垢、ヌメリ、臭い
・特徴:クエン酸は自然派洗剤で、食用、掃除用、工業用があり食洗器の掃除で使うのは掃除用や工業用です。掃除用と工業用のクエン酸は純度が低いため価格が安いですが、掃除効果が落ちるわけではありません。
【重曹】
・性質:アルカリ性
・掃除の効果:手垢、食用油、酸性臭、黒カビ、漂白(重曹は黒カビを落とす力や漂白効果は弱いため、しつこい黒カビ掃除には向いていません。)
・特徴:重曹も自然派洗剤で、食用、掃除用、工業用の重曹がありますが掃除用や工業用を選びましょう。重曹は水に溶けにくく、基本的には40度~60度のお湯で溶かして使います。
【セスキ炭酸ソーダ】
・性質:アルカリ性
・掃除の効果:手垢、食用油、酸性臭、黒カビ、漂白
・特徴:セスキ炭酸ソーダは重曹と似ていますが、セスキ炭酸ソーダの方がアルカリ度は少し高めで水でも溶けます。
【オキシクリーン】
・性質:アルカリ性
・掃除の効果:水垢以外の汚れ(ヌメリ、臭い、黒カビ、漂白など)
・特徴:オキシクリーンは酸素系の漂白剤で、黒カビ落としのパワーや漂白力は重曹やセスキ炭酸ソーダよりはるかに強いです。40度~60度のお湯に溶かすと洗浄力がアップします。
【ハイター】
・性質:アルカリ性
・掃除の効果:水垢以外の汚れ(ヌメリ、臭い、黒カビ、漂白など)
特徴:ハイターは塩素系の漂白剤で、食洗機の掃除はスプレータイプが便利です。汚れが気になる部分に吹きかけて掃除をしましょう。
【食洗機用の洗浄剤】
・性質:酸性など
・掃除の効果:ヌメリ、水垢、臭い
・特徴:分量を量る手間がなく簡単に使うことができます。
食洗機の掃除5ステップ
食洗機は5つのステップで掃除をして汚れを落としましょう。食洗機をキレイに掃除するコツは、『汚れの性質と反対の性質を持つ洗剤で掃除をする』ことです。汚れと反対の性質を持つ洗剤で掃除をすると、化学反応を起こし汚れを中和して落とします。
■①食洗機を空にしてフィルターの食べ物のカスを取り除く
食洗機内に食器がある場合は全てどかして、フィルターに食べ物のカスが残っている場合は捨てましょう。食べ物のカスは菌の栄養源となり、カビやヌメリが発生して臭いを放つ原因です。食洗機のフィルターが目詰まりしている場合は、使い古した歯ブラシなどで擦って汚れを落とします。
■②洗剤投入口にクエン酸か食洗機用の洗剤を入れる
食洗機内の洗剤投入口にクエン酸か食洗機用の洗浄剤を入れます。クエン酸の場合は大さじ3杯ほどで、食洗機用の洗浄剤の場合は個別包装されている袋を1袋入れましょう。
食洗機内の主な汚れは『アルカリ性の性質を持つ水垢』で、『酸性であるクエン酸か食洗機用の洗浄剤』で掃除をするのが基本です。
※食洗機はクエン酸や、メーカーが推奨していない食洗機用の洗浄剤を使うことができないタイプもあります。理由はクエン酸の場合、汚れ落ちや動作への影響確認をしていないことが関係しているからです。
また、メーカーが推奨していない食洗機用の洗浄剤は、でんぷん質やたんぱく質の汚れ落ちが悪くなる場合があります。クエン酸や食洗機用の洗浄剤は取り扱い説明書を確認してから使用しましょう。
■③標準コースかお手入れコースで掃除をする
食洗機のコースを選んで大まかな部分を掃除をします。食洗機の標準コースかお手入れコースを選んで掃除をスタートさせましょう(食洗機にお手入れコースがない場合は標準コースを選びます)。
■④カゴを外してパーツ別に掃除をする
食洗機の運転が終了したらカゴを外して細かい部分を掃除します。パーツ別の掃除方法をまとめました。
【食洗機のドアを開け閉めする部分のパーツ】
クエン酸水を含ませた綿棒で汚れを擦り、汚れが落ちない時はお湯で溶かしたオキシクリーンを含ませた綿棒で擦ります。汚れを落としたら水を含ませた綿棒で洗剤を拭き取りましょう。
【パッキン】
パッキンは、お湯で溶かしたオキシクリーンやハイターを浸した布でパッキンを拭きます。約5分~30分待ってから水拭きをしましょう。
【ドアのフチ】
食洗機本体のパッキンを掃除する方法と同じです。
【カゴ】
クエン酸スプレー(水200gの場合はクエン酸小さじ1杯)を吹きかけて、スポンジや歯ブラシなどで擦ります。
擦っても落ちない時は容器にカゴとクエン酸水を入れて、カゴを約30分浸してからスポンジなどで擦りましょう。汚れを落としたら水でよく洗い流して水気を拭き取ります。
■⑤食洗機の内側と外側を拭く
食洗機のパーツを洗剤(クエン酸、オキシクリーン、ハイター)で掃除した後、洗剤の成分が気になる方はスピードコースで洗ってください。スピードコースで洗うと洗剤の成分が食洗機内に残ることがなく、確実に洗剤を洗い流すことができます。
食洗機の内側は布巾などで乾拭きをして水気を取り除き、食洗機の外側は重曹スプレーやセスキ炭酸ソーダスプレーで拭き掃除をしましょう。
・重曹スプレー(水200mlの場合は重曹小さじ2杯)
・セスキ炭酸ソーダスプレー(水500mlの場合はセスキ炭酸ソーダ小さじ1杯~2杯)
食洗機の外側を重曹スプレーやセスキ炭酸ソーダスプレーで拭き掃除をすると、手垢やホコリを落とすことができます。
食洗機の黒カビを取る掃除方法
食洗機の掃除をしないで使い続けている方は黒カビが生えていませんか?また、食洗機の掃除を普段からしていても、掃除が行き届いていない場所は黒カビが生えているでしょう。
【黒カビにはハイターがおすすめ】
食洗機に黒カビが生えた時、確実に落とすならハイターがおすすめです。ハイターは洗浄力と漂白力が強くしつこい黒カビも落とすことができます。
お湯で溶かしたオキシクリーン、重曹、セスキ炭酸ソーダも黒カビ落としたり漂白することはできますが、ハイターにはかないません。
【掃除方法】
黒カビが生えている部分にハイターをかけて、約5分~30分待ってから水拭きをしましょう。あとは、布巾などで水拭きをしてハイターの成分を残さないようにします。
※広範囲にハイターを使った場合やハイターの成分が気になる方は、水拭きの後にスピードコースで洗いましょう。
食洗機を掃除するおすすめ頻度
食洗機はできるだけ清潔な状態をキープしたい方も多いのではないでしょうか?食洗機は、お皿、カラトリー、調理器具などを洗うため衛生状態を良くしておきたいのは当然でしょう。では、清潔な食洗器を保つためのおすすめの掃除頻度をご紹介します。
【フィルター掃除】
フィルターの掃除頻度は食洗機を使用する度です。食洗機の使用後はフィルターに残っている食品のカスを取り除き、水洗いしてから水気を拭き取って元に戻します。
また、1週間に1度は歯ブラシなどでフィルターを擦り、ヌメリ、臭い、菌の増殖を防ぎましょう。フィルターに食品のカスが詰まっている時は、掃除の頻度に関係なく歯ブラシなどで擦って取り除きます。
【全体的な掃除】
全体的な食洗機の掃除頻度は1ヵ月に2回~3回で、こまめに掃除をして汚れを付きにくくしましょう。カゴと細かい部分の汚れは洗剤を使い分けて掃除をします。
食洗機を掃除する際の注意点
食洗機は正しい方法で掃除をしないと故障の原因になるため、4つの注意点を守ってキレイにしましょう。
【取り扱い説明書を見る】
食洗機の掃除をする前に使用してはいけない洗剤を確認してください。使用してはいけない洗剤で掃除をすると、洗浄力の低下や溶け残りなどが原因で故障することがあります。
【クエン酸を残さない】
食洗機にクエン酸の成分が残っていると、酸性の成分でサビることがあるためよくすすぎましょう。特に食洗器の金属部分に傷がある場合は注意が必要で、酸が傷に入り腐食します。
【酸素系と塩素系を混ぜない】
酸素系の洗剤と塩素系の洗剤を混ぜると有毒ガスが発生するため、混ぜて使ってはいけません。
【クエン酸と重曹やセスキ炭酸ソーダは混ぜない】
酸性のクエン酸とアルカリ性の重曹やセスキ炭酸ソーダを混ぜて使うと、上手く中和することができず洗浄力を落とすことになります。クエン酸で食洗機の掃除をする時は単体で使いましょう。
まとめ
食洗機の汚れを付きにくくするためには、食器を予洗いしたり適正量の洗剤を入れて食器を洗うのもポイントです。食洗機で食器を洗う時、過度な量の洗剤は溶け残りやすすぎ残りが原因で食洗機が汚れます。正しい方法で食洗機を掃除をして、水垢、ヌメリ、臭い、黒カビを防ぎましょう。