トイレ掃除はサボりがちですが、放置しておくと汚れがたまってしまいます。トイレのにおいが廊下やリビングにまでしてきたら、かなり危ない状況です。
ここでは、一番汚れている便器の内側や、汚物が飛び散りやすい便座の裏側、換気扇や黒カビが発生しがちなトイレタンクの中など、9ステップでトイレ掃除を解説します。また、トイレ掃除を簡単にするコツもご紹介します。
1 便器の内側の掃除
便器の水たまりの部分や、便器の水が出て来るフチの部分は、掃除しにくくて汚れがちです。
強力な洗剤を使うことが多いので、トイレの扉や窓だけでなく、家全体の窓を開けるなど換気は十分にするようにしてください。
■毎日の掃除は酸性洗剤で
トイレのヨゴレと言えば、まず思いつくのがオシッコによる黄ばみ汚れです。
これをスッキリ綺麗に落としてくれるのが、酸性の洗剤です。
酸性のトイレ用洗剤と言えば、サンポールが代表的です。
トイレのヨゴレはゴシゴシこすっても、ちょっとやそっとでは落ちないヨゴレなので、力いっぱいこするよりも洗剤をふりかけて溶かして落としていくのが早道です。
サンポールだとニオイがキツすぎるという場合は、クエン酸を使用します。
長年の頑固なヨゴレはクエン酸では落ちませんが、毎日の掃除であれば十分キレイにしてくれます。
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■週に1度は、トイレ用研磨剤入りクリームクレンザーで掃除
トイレの黒ずみの原因は黒カビです。
黒カビが水垢や他の雑菌などと一緒になって、便器にこびりついてしまっていると落とすのが大変です。
そんな時の強い味方が、トイレ用の研磨剤入りクリームクレンザーです。
研磨剤が入っているので、しつこいヨゴレもよく落ちますが、気をつけなくてはいけないのが、研磨剤が入っているとヨゴレと一緒に便器も削っているという点です。
便器メーカーでは、研磨剤の使用は陶器の便器にキズがつくので推奨していません。
頻繁にクレンザーを使用すると、便器のキズにヨゴレが入ってしまってかえって汚くなりやすいので気を付けてください。
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■年に一度の大掃除には耐水性サンドペーパーや陶器用研磨パッド
尿石も黒カビヨゴレも、しつこくて洗剤では落としきれないという場合は、最終手段で削って落としましょう。
この方法も、クレンザーを使用する場合と同じように、便器メーカーは推奨していません。
ペーパーでこするたびに、便器に微細なキズがついてしまって、ひどい場合には割れることも考えられるからです。
耐水性サンドペーパーを使用する時は、なるべく大きな番号のものを使用してください。
1500番以上の細かい目のものがオススメです。
陶器用サンドペーパーは、耐水性サンドペーパーよりも細かい目でできています。
陶器用といってもキズがつくことには変わりはないので、便器を削りすぎないために、ヨゴレが落ちたらすぐ使うのはやめるようにしましょう。
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2 便座の裏側の掃除
意外とヨゴレがつきやすいのが、便座の裏側です。
家庭用洗剤を雑巾などにスプレーし、拭いていきましょう。
トイレの掃除をする時は、使い捨てのグッズをそろえておくと便利です。
便器を拭く時も、いらなくなったタオルや服、下着などを15センチ角程度にカットしておいて、掃除する時に使うとそのまま捨てられて便利です。
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3 洗浄機能付き便座(ウォシュレット)の掃除
洗浄機能付き便座には「ノズル掃除」と書かれたボタンがあります。
それを押すと、ノズルが出てくるので、家庭用洗剤などをつけて掃除します。
また、掃除しにくいノズルが入っている部分のゴミをかき出せるグッズも販売されています。
ノズルそうじには、使い古しの歯ブラシも便利に使えます。
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4 便器の外側の掃除
形が丸くてデコボコなので、掃除しにくいのが便器の外側です。
家庭用洗剤で全体を拭いていきましょう。
まだオシッコのトレーニングができていない子どもがいる家庭や、便座の前の部分が汚れがちです。
たびたび汚れてしまうようであれば、「おしっこ吸うパッド」などを使って、汚してしまう本人にもどの位汚れているか目に見えるようにして注意喚起するのも一つの方法です。
5 トイレの床や壁の掃除
床や壁は、便器の中以上に汚れています。
便器の中は水で流しますが、トイレの床や壁はオシッコが飛び散ったら、そのままになっているからです。
掃除方法は壁紙や床の材質にもよるので、建てた時の内装工事店に材質を聞いてみましょう。
もし材質がわからないようであれば、目立たない端の部分を、洗剤をつけて試してみましょう。
一般的には家庭用洗剤を雑巾などにつけて、拭いていきます。
洗剤の原液では強すぎるのであれば、洗剤を水で薄めても良いでしょう。
子どもがたびたび床にオシッコをもらしてしまう時には、塩素系漂白剤を水で薄めたもので拭いていくと除菌になります。
トイレの床や壁は、頻繁に掃除するのがキレイを保つ秘訣です。
トイレに流せるトイレ用お掃除シートを置いたり、クリーナーを置いたりして、使った人がそれぞれ掃除するよう習慣づけましょう。
6 トイレのタンクの中のお掃除
タンクの中を開けたことが無い人も多いかもしれません。
タンクのフタは開けても故障しないので、勇気を出して開けてみましょう。
中は水がたまっていて、レバーを回した時に水が流れるように浮き球などが入っています。
タンクの中は狭いので、中のものを洗剤で一つ一つ洗うのは困難です。
そのため、タンクの中に洗剤を入れてお掃除をします。
市販の、タンクの中に入れるだけの洗剤も手軽に洗浄できます。
また、寝る前にタンクの中にコップ一杯ほどの重曹を入れるのも効果的です。
なるべく長時間重曹がタンクの中でヨゴレを分解したほうが良いので、あまり家族がトイレを使用しない時間帯が良いでしょう。
黒カビがひどいようであれば、寝る前にコップ半分ほどの量の塩素系漂白剤を入れる方法もあります。
塩素系漂白剤は、あまり入れすぎるとタンクの中の部品が傷んでしまうので、頻繁には入れないようにしましょう。
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7 トイレのタンクのふたの掃除
トイレのタンクのふたについた水垢は、酸性の洗剤で落とします。
酸性といっても、お酢ではニオイがキツすぎるので、クエン酸スプレーを使用すると良いでしょう。
クエン酸の粉は、100円ショップでも販売されています。
水2リットルにつき、大さじ5、6杯程度のクエン酸を入れると、クエン酸水ができあがります。
これをスプレーに入れると環境にも身体にも優しい万能クリーナーになります。
タンクのフタにクエン酸をスプレーして、しばらく置いておきます。
数分後、スポンジなどでこすってみましょう。
あまり落ちていないようであれば、キッチンペーパーにクエン酸をスプレーしてパックをします。
サランラップでパックをしても良いでしょう。
そのまま30分ほど放置して、一番ヨゴレのひどい部分をめくってみましょう。
まだ落ちないようであれば、再度クエン酸を追加スプレーして30分ほど置いておきます。
これの繰り返しで、だいぶ水垢は落ちるようになります。
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8 トイレタンクの外側の掃除
タンクの外側は便器の外側と同様、家庭用洗剤で拭くようにします。
便座とタンクの間にホコリがつまっているようであれば、便座を外してホコリを取りましょう。
便座のはずし方については、それぞれのメーカーのホームページや説明書を参考にしてください。
意外と簡単に外れるものなので、一度方法を覚えてしまえば次回から掃除するのが簡単になりますよ。
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9 トイレの換気扇の掃除
■天井または壁の換気扇カバーを外す
換気扇のカバーは、自分のほうに引っ張ると簡単に取れます。天井や壁に埋め込まれているように見えますが、手前に引くと取れるタイプがほとんどです。スイッチを切って、換気扇カバーを取ってください。
カバーが取れたら、濡れ雑巾やウエットティッシュなどで拭いてほこりを取りましょう。高い場所で取りにくいようであったら、椅子や脚立の上に乗ってカバーを取ってください。便器の上は滑りやすいので、作業する時は乗らないようにしてください。
■掃除機でほこりを吸い取る
トイレの換気扇のカバーを外すと、中にほこりがたまっていますので、掃除機で吸い取ってください。掃除機の長さが足りなくて吸い取りにくいようであれば、乾いた雑巾で拭いてほこりを落としてください。
トイレの換気扇は、キッチンの換気扇と違って油汚れではないので、比較的簡単に汚れを落とすことができます。
■換気扇カバーを元に戻す
水拭きした場所が完全に乾いたら、カバーを元通りにもどしてください。濡れたままだと漏電する可能性もあるので、かならず完全に乾燥させてからカバーをつけましょう。
トイレ掃除を簡単にする3つのコツ
■1 男性は座ってオシッコを
男性が立って排尿した場合、どれだけのオシッコが飛び散っていると思いますか?
自分は便器の真ん中を狙っているから大丈夫と思っていても、便器や水たまりの水にオシッコがはね返って飛び散っているのです。
洗剤のライオン株式会社の研究によると、男性が1日(平均7回)立ってオシッコをすると、トイレに約2300滴のオシッコが便器の外に飛び散っているそうです。
一日に、約コップ一杯ほどのオシッコがトイレの便器の外に、あちこちに飛び散ってしまっていると計算すると、かなりの量になります。
毎日、コップ一杯のオシッコを壁や床にばらまいているとしたら、臭くなるのも当たり前ですよね。
オシッコが飛び散っているということは、ニオイの原因である黄色ブドウ球菌がバラまかれているということになります。
座って排尿すれば、飛び散りはなくなります。
自分で掃除をしても、壁や天井に染み付いてしまったオシッコは、なかなか取れません。
トイレは家族全員が使うものなので、せめて汚さないよう強力してほしいものです。
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■2 流せるトイレ掃除用ブラシを使う
家族全員でトイレ掃除に参加できるように、トイレ掃除用具を楽しくしてくれているのが、ジョンソンのスクラビングバブル、トイレ掃除用シリーズです。
特に流せるトイレ掃除用ブラシは、ブラシの部分が紙でできていて、掃除した後に流せるようになっています。
男性でもトイレ掃除に参加しやすくなったと評判のグッズなので、ドラッグストアやホームセンターなどで目にすることも多い評判の掃除用グッズです。
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■3 スタンプクリーナーを使う
便器のフチや水たまりの部分の汚れが気になる時には、スタンプクリーナーを使うのも選択肢の一つです。
特に、便器のフチからの黄ばみ汚れや黒ずみヨゴレが気になるという時には、スタンプを一箇所だけでなく数カ所ぐるっと押してみましょう。
スタンプクリーナーは香りが独特なので、好みが分かれる商品です。
そのため、初めて使う場合は一度にたくさん購入せず、お試しで1個だけ購入してみると良いでしょう。
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トイレのヨゴレの原因
■トイレの汚れは2タイプ
トイレのヨゴレは2タイプに分けられます。黄色いヨゴレと、黒いヨゴレです。
黄色いヨゴレの原因は尿石、つまり尿です。黒いヨゴレの原因は、カビ菌です。
どちらも尿石そのもの、カビ菌そのものというよりは、水垢やホコリ、排泄物や汚物、雑菌、洗剤カスなどと一緒になって合体したものになっています。
■尿石は酸性の洗剤で掃除
尿石はアルカリ性なので、使用する洗剤は酸性ものでないと落ちません。
アルカリ性のヨゴレに、アルカリ性の洗剤を使っても効果はあまり無いので、一生懸命掃除をしても無駄骨になってしまいます。
カビ菌はカビキラーのようなカビ用洗剤や、塩素系漂白剤を使用します。
カビに尿石用と同じ酸性の洗剤を使用しても、あまり効果は見込めません。
このように、ヨゴレによって洗剤を使い分ける必要があるのです。
■洗剤を使用する上での注意点
注意しなくてはいけない点は、洗剤を混ぜて使用しないことです。
酸性の洗剤と、塩素系漂白剤やカビ用洗剤など、強力な洗剤を同時に使用すれば、もっとよく落ちると思いがちですが大変危険です。
尿石もカビ菌も、一緒に落としてしまおうと、酸性の洗剤と、塩素系漂白剤やカビキラーのようなカビ用洗剤を同時に使用してしまうと有毒なガスが出てしまいます。
酸性の洗剤を使用した時には、よく水で洗い流してから塩素系漂白剤やカビ用洗剤を使用するようにしてください。
塩素系漂白剤やカビ用洗剤を使った時も、水で洗剤が残らないように洗い流してから酸性の洗剤を使ってください。
洗剤の説明書きの部分に「まぜるな危険」と書かれていますので、それを参考にしてください。
安全のために洗剤はミックスして使用せず、単体で使うようにしましょう。
まとめ
友達の家に遊びに行った時に、トイレが綺麗だときちんとした人のような印象を受けます。
人の家のトイレのニオイやヨゴレはとても気になりますが、自分の家のトイレも、他の人がいきなり来ても大丈夫なように、いつも掃除を心がけていたいものです。
時間が無くてトイレ掃除までやっていられないという場合は、プロに掃除を頼むのも一つの方法です。
ハウスクリーニングに掃除を頼むと、使用する洗剤も道具もプロ用のものなので、黄ばみ汚れから黒ずみまで、新品のように綺麗にしてくれます。
普段忙しいお母さんや奥さんの誕生日プレゼントに、ハウスクリーニングをプレゼントしてはどうでしょうか。
ハウスクリーニングを頼む時は、必ず何をしてほしいかハッキリ業者に伝えるようにしましょう。