孤独死の片付けは誰がする？アパートなど賃貸物件の場合の対応方法とは

孤独死の知らせは急にやってきます。そんなときに適切な対応ができるか不安という人も多くいるのではないでしょうか。

この記事では孤独死現場を片付けする手順を詳しく解説します。この記事を参考に孤独死の片付け方法について正しい方法を確認しましょう。

孤独死とは一人暮らしをしている人が、誰にも気づかれずに死亡している状態のことをいいます。一般的に高齢者や社会的に孤立している人々に多く発生していますね。

孤独死を発見するのは連絡がつかなくなったことを心配した親族や、郵便物が積み上がった玄関を見かけた近隣住民などです。長期間放置された遺体は悪臭を放つため、臭いを不審がった人から警察に通報があり発見されることもあるでしょう。

自治体によっては定期的に高齢者の家を訪問して安否確認をしてくれることもあります。しかし日本中全ての自治体でおこなわれているわけではないので注意が必要です。

孤独死の片付けについて、基本的には遺族が責任を負うことになります。遺族は亡くなった人の法的な手続きや財産の処理など、数多くの手続きをおこなう必要がありますね。

しかし孤独死が起きた場所がアパートなどの賃貸物件で、亡くなった人が入居者の場合は大家や不動産オーナーが関与することもあるでしょう。法的な責任や契約条件に基づいて、遺体の発見後の片付けをすることが求められる場合があります。

孤独死が長期間にわたって気づかれなかった場合遺体は腐敗していきます。その結果部屋には強烈で不快な臭いが広がっていることも。

この臭いは部屋全体に染み付き、換気をしてもなかなか取り除くことができません。特に夏場や高温多湿の環境では悪臭がより強くなることもあります。

遺体の腐敗が進んでしまうと専門的な清掃作業が必要となり、普通の清掃では臭いまで除去できない可能性もあるでしょう。

孤独死が発生した部屋は衛生状態が悪くなってしまうことがあります。長期間の放置により生ゴミや汚れが染み付いていることもあるでしょう。

遺体だけでなく食べ物の腐敗やゴミの発生により、害虫や害獣が引き寄せられる可能性もあります。このような状態では一般的な清掃では対処しきれないことがあるので、専門業者が必要でしょう。

孤独死現場では亡くなった人の遺品が数多く散らばっていることがあります。亡くなった人の生活状況や個人の性格によっても変わりますが、部屋には散らかったゴミや不用品などが放置されていることもあるでしょう。

これらの散らかったゴミや不用品は遺族や関係者によって処分される必要があります。遺族は不用品の片付けする上で遺品整理をすることも考えておこないましょう。

孤独死を発見した人は、多くの場合混乱して対応を間違えてしまう可能性があります。実際に現場で孤独死に遭遇したときに、どのような対応をするのが正しいのかをあらかじめ確認する必要があるでしょう。

【安全の確認】
孤独死の現場にはいくつも危険性があり、発見者はまず自分自身の安全を確保する必要があります。遺体の腐敗が進んでいたり排泄物などがある場合には感染症や有害物質が発生していることもあるでしょう。　

長年ゴミ屋敷になっていたような現場の場合、家具や内装が古くなっていることもありますよね。そのため大きな家具が壊れたり、内装が崩れたりなどの危険性があります。

【緊急連絡】
現場での安全を確保できたら、発見者は緊急連絡を警察におこないましょう。孤独死の現場でもっとも優先されるのは警察への連絡です。警察によって遺体の確認や重要な手続きをおこなわれます。

孤独死かと思ったけどまだ生存が確認できる場合は救急車も頼みましょう。警察に伝えれば合わせて手配してくれます。

【遺族や関係者への連絡】
遺族への連絡は警察からしてもらうのが一般的ですが、個人と付き合いがあって遺族の連絡先を知っている人はすぐに連絡をしましょう。もしあまり深く知らない間柄の場合は警察に任せてしまって大丈夫です。

【片付けと清掃】
孤独死の現場は遺体の回収後に適切な片付けと清掃が必要です。遺体が放置されていた期間にもよりますが、遺族や関係者または専門業者によって清掃作業がおこなわれます。

孤独死の現場が長い期間放置されていた場合は個人で清掃をするのは難しくなるでしょう。専門業者に依頼して特殊清掃をした上で、賃貸物件の場合は現状回復をする必要があります。

孤独死の後処理業者は孤独死の現場に対処するための専門知識と経験を持っています。遺体運び出し後の現場の清掃、衛生対策などを適切に行うためのトレーニングを受けているため安心して任せられるでしょう。

上述したように孤独死の現場には、感染症や有害物質のリスクが存在する可能性があります。専門業者は現場の危険性や衛生リスクに対して適切に対応し、必要な防護具や装備を使用して作業をおこなうでしょう。

孤独死の後処理は遺族にとっても非常に負担のかかる作業です。遺体の発見であったり孤独死の現場に直面することは、遺族にとっても精神的な負担や身体的な労力を伴います。

そういった精神的な負荷を軽減するためにも、専門業者に依頼することがおすすめです。

専門業者に依頼することである程度の費用が掛かる点はデメリットといえるでしょう。安心と安全を保証してもらえる代わりに孤独死現場の片付け費用は遺族が支払う必要があります。

特殊清掃の業者は優良業者だけでなく、ごく稀に人を騙すような業者もいるのが実情です。いきなりの状況で困って気が動転している遺族に対して、相場よりも高い金額を請求することがあるので注意しましょう。

専門業者は孤独死の現場を片付けする際に多くのプライバシーに触れることになります。通常専門業者は個人情報の取扱いについてもしっかりと訓練を受けているので過度な心配は不要です。

しかし故人のプライバシーを他人にある程度踏み込まれるということを理解した上で、専門業者に孤独死の片付けを依頼しましょう。

特殊清掃の料金相場は部屋の広さやその状況によって大きく変わります。通常ワンルームであれば10万円から30万円程度が相場になるでしょう。

一軒家であったりアクセスの困難な家の場合には費用が高くなってしまうこともあります。また特殊清掃だけでなく遺品整理を一緒にしてもらう場合、さらに費用がかさむこともあるので注意しましょう。