トイレの便器はよく掃除しても、トイレの床の掃除はおろそかになりがちです。一日に何回も利用する場所でもあるので、結構床も汚れています。
また、トイレは水場で湿り気が多く、風通しもあまり良いとは言えません。そのためカビも生えやすく、雑菌が繁殖しやすいのです。
トイレの床掃除がおっくうになってしまうのは、床を拭く時に顔が便器につきそうになるからではないでしょうか。確かに便器に顔がついてしまうのは避けたいものです。気になる場合は、マスクや、目には眼鏡やゴーグル、髪の毛には三角巾、手にはゴム手袋など、汚れや強い洗剤が自分につかないような工夫をしてトイレの床掃除をしましょう。
トイレの中では便器の次に汚れがひどい場所でもあります。お客様が急に来てもあわてずに済むように、いつも綺麗なトイレの床にしておきましょう。
トイレの床をそうじする9つのコツ
■1 トイレの掃除は上から下へ
床が気になると、真っ先に床掃除をしたくなってしまいますね。しかし、掃除の順番としては、天井、壁や窓、床です。天井や壁のホコリは、ハタキで先に落としておきましょう。天井に換気扇がある場合は、モップや掃除機で換気扇のホコリを取ります。
窓がある場合は、窓のサッシの部分やカーテンにたまたホコリを、ハタキや布で取っておきます。トイレ掃除は狭い部屋で薬品を使用するので、窓やドアは開け放して掃除をしましょう。薬品を吸って具合が悪くならないように、マスクやゴーグルなども用意しておくと良いでしょう。
■2 掃除機
汚れていないように見えて、トイレの床はホコリが積もっています。広い範囲に掃除機をかけたら、次は手が届きにくい場所用に細いノズルをつけて、床と壁の境目を掃除します。
トイレットペーパーホルダーや、小物が置いてある棚のほこりは、掃除機で吸ったり雑巾で拭き掃除をしたりしましょう。トイレットペーパーは、回転するたびに紙の繊維が粉になって周辺に舞います。
人によってはアレルギー反応を起こす場合もあります。掃除機で綺麗に吸い取っておきましょう。
■3 洗剤で拭く
トイレは他の場所と違って、一度使った掃除道具を再び使うまで保存しておくのは雑菌も繁殖しますし、気持ち的にもあまり良くありません。トイレの床掃除は、流せるタイプのシートや、捨てても良い古い布でやると汚れたらすぐ捨てられて便利です。
洗剤を布につけ、床を拭いていきます。服や身体から出るホコリや汚れが、トイレのスミにたまりがちです。床の中央だけでなく、端も服用にしましょう。
■4 メラミンスポンジ
水だけで汚れを落としてくれるメラミンスポンジは、トイレの床掃除でも役立ちます。もし汚れが落ちにくいようであれば、重曹スプレーや、セスキ炭酸ソーダを水に溶かしたものと、メラミンズポンジを同時に使用します。
セスキ炭酸ソーダは、重曹よりもアルカリ性の強いもので、トイレのように酸性の汚れが多い場所で大活躍します。
身体から出た油汚れやホコリの汚れを、重曹スプレーやセスキ炭酸ソーダスプレーで浮き上がらせます。そして、メラミンスポンジで拭き取るように磨くのです。
メラミンスポンジは綺麗になる反面、微細に磨いた面を傷つけています。目で見えない程度のキズですが、後々、その小さなキズに汚れがくっつきやすくなるので気をつけましょう。
■5 中性タイプのクレンザー
スプレータイプの洗剤よりも、より強い洗浄力があるのが、中性の研磨剤が入ったクレンザーです。
クリームクレンザーは、タイルのよごれや黄ばみも落としてくれます。
トイレの洗剤は、同じメーカーがトイレ用に販売していても、中性のもよやアルカリ性のもの、弱酸性のものなど、さまざまな種類があります。
気をつけなくてはいけないのが、酸性タイプの洗剤や、アルコール、お酢などと、アルカリ性の漂白剤のような洗剤を混ぜないことです。
「まぜるな危険」と書いてある洗剤は、くれぐれも他の洗剤と混ざらないよう注意しましょう。有毒な塩素ガスが出る場合があります。
■6 クエン酸スプレー
重曹と並んでエコな洗剤と知られているクエン酸ですが、酸性のよごれや、水アカ、尿石のようなトイレの黄ばみよごれによくききます。また、抗菌作用もあるので、トイレの床掃除をした仕上げにクエン酸を含ませた布で拭くのも効果的です。
消臭や除菌効果もあるクエン酸を、スプレーにしておくと手軽に使えます。クエン酸スプレーは、水100mlに小さじ2分の1杯のクエン酸を入れて作ります。
トイレマットだけでなく、トイレカバー、タオルやカーテンといったものも、トイレにある程度の日数置いておくと、トイレのニオイがついてしまいます。トイレグッズが何だかオシッコのニオイがするように感じたら、ぬるま湯にクエン酸をとかしたものにしばらく浸けておきましょう。
大理石の床はクエン酸は使用できませんので注意してください。
■7 重曹スプレーで消臭
重曹は万能洗剤でもあります。炭酸水素ナトリウムと呼ばれたり、重炭酸ナトリウム、重炭酸ソーダと言われることもあります。
重曹は普通は粉の状態で販売されていますが、これに水をどの位加えるかでスプレーになったり、クレンザーのようなペーストになったりします。
水100ccに対して小さじ1杯の重曹をいれると、洗剤代わりの重曹スプレーになります。重曹があまり溶けていない状態で使ってしまうと、粉がスプレーにつまってスプレーが故障してしまいます。
重曹を溶かす時は、40度から50度のお風呂のような温度の水を使うと良いでしょう。
■8 重曹パウダーで除湿と消臭
重曹は除湿効果もありますし、酸性のニオイに対する脱臭効果もあります。
トイレは湿気がこもりがちなので、好みの入れ物に重曹を入れて置いておきましょう。器を選ぶ場合は、瓶のような形ではなくグラスのように口が広いものを選びます。
重曹にアロマオイルを数滴たらして、かきまぜるとアロマ芳香剤にもなります。フタをしないと、こぼしてしまいそうで不安であれば、ガーゼや薄い布でカバーをしておきます。
使用した重曹は、2ヶ月程で交換します。中に入れておいた重曹は、掃除に使用できます。サニタリー・ボックスの底に重曹を置いておくだけでも、消臭効果を実感できます。
■9 トイレマットの洗い方
トイレマットやトイレカバーは、なるべく頻繁に洗濯しましょう。湿気とホコリと細菌で、雑菌が繁殖しやすいのです。
トイレマットは髪の毛や体毛が潜り込んでしまいがちなので、最初にカーペットクリーナーで掃除をします。掃除機でもかまいません。その後に、40度から50度のお湯をいれたバケツに、酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)を入れて数時間浸けておきます。
過炭酸ナトリウムは、カビ取り効果もあります。トイレマットの裏にカビが発生している時も、酸素系漂白剤がよくききます。これだけでも、かなり汚れは落ちていますが、より清潔にしたい場合はネットに入れて洗濯をします。
床掃除の注意点
■クッションフロアは最後にから拭きを
クッションフロアは、ビニールでできているためホコリがつきやすいのですが、大変掃除しやすい素材です。
掃除機や床用ワイパーで掃除をしても、静電気でホコリが残っている場合があります。
クッションフロアの特に汚れがひどい部分に便利なのが、古くなった歯ブラシです。
重曹スプレーや中性洗剤を歯ブラシにつけて、優しく円を描くようにみがいていきましょう。
床全体を、歯ブラシで洗っても良いのですが、範囲が広いと掃除するのが大変です。
そういう場合は古い歯ブラシではなく、スポンジなどで掃除するようにしましょう。
クッションフロアは濡れると滑りやすくなります。
掃除が終わって洗剤をぬぐうための水拭きをしたら、最後にから拭きをするようにしてください。
■フローリングは要注意
家を建てたり、リフォームしたりする時に、トイレの床をフローリングにしたいという要望をよく聞きます。
廊下や他の部屋とのバランスを取りたいので、トイレも同じようなフローリングで統一したいというわけです。
しかし、トイレは水場であり、使用する洗剤も強力なものが多いので、木材は早く傷みがちです。
水がかかりがちな床の部分が一部だけ反ってしまったり、木が腐ってしまったり、色が変わることもあります。
また、男性のいる家庭の場合、尿の飛び散り範囲は想像以上に広いものです。
トイレマットで床をカバーしたつもりでも、それ以上に広範囲にひろがっているため、数年もしないうちにあちこちに黒いシミができてしまいます。
トイレがフローリングの場合は、強力な洗剤はさけて、固く絞った布でふくようにしましょう。
最近のフローリング用素材の中には、水に強いものや、アンモニアに強いものもあります。
■ユニットバスの床は排水口も掃除を
お風呂とトイレが一体になったユニットバスの場合も、定期的な床掃除が必要です。
お風呂に入っている時はカーテンをしているので、トイレ側に水が流れないようにしている人も多いでしょう。
ユニットバスのトイレは防水性で、濡れても大丈夫な構造になっています。
床だけでなく便器や壁も洗剤で綺麗に洗って、シャワーで流してしまいましょう。
トイレットペーパーやコスメなど、濡れては困るものを掃除の前にあらかじめ外に出しておきます。
ユニットバスの床に、排水口があります。
この排水口には、ホコリや洗面台を使っている時の髪の毛がたまりがちです。
掃除をしないでいると、カビが発生してニオイがしてきたり、ひどい場合には水が流れずに汚水が溢れてしまうこともあります。
見た目は綺麗に見えても、中はよごれているかもしれません。
床を洗剤で洗うたびに、排水口の汚れもチェックしましょう。
床掃除に使える便利グッズ
■古い布
トイレ掃除に使った雑巾は、他の場所の拭き掃除に使用したくありませんよね。
いらない布や、着なくなった服は、ボロ布として拭き掃除に使いましょう。
掃除をする前に、10センチ角や15センチ角に布を切っておくと、いざという時にすぐ使えます。
■古くなった靴下
靴下の繊維のデコボコは、掃除で汚れをからめとるのに大変便利です。
床と壁の角でホコリがたまりやすい場所や、便器と床の間で掃除をしにくい場所などは、ゴム手袋の上から、靴下を手にはめて掃除しましょう。
■メラミンスポンジ
水だけで汚れを取ってくれる、トイレ掃除の心強い味方です。
トイレ掃除で使う道具は、オシッコや汚物などの汚れも拭き取るため、メラミンスポンジのような使い切りタイプのものがオススメです。
■流せるタイプのトイレシート
トイレ掃除のお役立ちグッズの中でも人気商品です。
トイレシートには、汚れを取るだけでなく、除菌もできるタイプもあります。
子どもがオシッコに失敗して床が汚れている時などは、なかなか手で掃除したくありませんよね。
そのような時はワイパーの柄に、流せるタイプのトイレシートをくっつけて掃除をすると良いでしょう。
一度シートを開けると、どこかにすき間があると乾燥してしまいがちです。
シートのフタをする部分に、養生テープやすぐ剥がせるタイプのテープを貼っておくと乾燥を防ぐことができます。
■流せるタイプのトイレブラシ
トイレブラシは使っている時は良いですが、使用した後に普段置いておく場所に困ります。
そして、トイレブラシ自体も洗わなくてはいけませんし、トイレブラシを立てておくスタンドやケースも洗う必要があります。
本来はトイレの水がたまる部分用ですが、便器と床の間など、掃除しにくい部分にも大活躍するグッズです。
日頃からできる床ケア
トイレは家族が毎日使うものなので、トイレを綺麗に保つには家族の強力が必要です。
家族全員が、毎日少しずつ綺麗にすることを心がければ、トイレの床も清潔に保つことができます。
■男性もすわってトイレ
男性や子どもが家族にいると、トイレが汚れがちです。
男性の家族には、オシッコが飛び散らないように座ってしてもらいましょう。
目には見えていませんが、1日に約2000滴のオシッコが床や壁に飛び散っています。
自分は狙いを定めてオシッコをしているつもりでも、便器に当たった尿があちこちに飛び散っていますし、自分自身にもかなり跳ね返っているのです。
すわってオシッコをすることに、あまり協力的でない男性の家族がいたら、一度裸で立ってオシッコをしてもらいましょう。
自分の腰や太ももに、かなりハネているのが体感できます。
■汚したら、すぐに拭く
大人はもちろん、子どもの場合も、汚したら自分で拭く習慣をつけさせましょう。
流せるトイレ掃除用のウエットシートなどをトイレの中に置いておくのも、一つの方法です。
■サニタリー・ボックス
サニタリー・ボックスに生理用品などがたまってしまうと、雑菌が繁殖してニオイの元にもなってしまいます。
毎日汚物はゴミに捨てて、きれいな状態を保つようにします。
血液がサニタリー・ボックスのほうに漏れないように、ビニール袋の中や外に紙を敷くなど工夫をすると良いでしょう。
■トイレマット
トイレの中のインテリアとして、トイレカバーや、トイレマット、トイレットペーパーホルダーなどを使用している家庭もあります。
確かに保温便座でない場合は、トイレカバーがあると座った時に冷たくなくて重宝します。
しかし、トイレの床は雑菌が大変たまりやすい場所です。
トイレカバーやマットなど、雑菌が付着して繁殖しそうなものは、毎日洗う必要があります。
毎日洗うのが大変であれば、かえってカバーやマットは無い方が清潔に保つことができます。
最近は、拭けるタイプのトイレマットも販売されています。
おしっこをトレーニング中の子どもがいる家庭は、大変重宝するグッズです。
■スリッパ
スリッパも実は汚れが集まりやすい場所です。
トイレマットと同じように、オシッコの飛沫をあびていますし、通気性のある構造になっていないので菌が繁殖しやすいのです。
スリッパを置く場合は、こまめに拭いて清潔にしておきましょう。
素材も、毛足の長いものよりも、ビニールクロスのようなツルツルしたもののほうがオススメです。
抗菌素材のスリッパがあれば、そちらを選びましょう。
トイレのスリッパは、あまり壊れることはありませんが、交換時期は早めにしたほうがきれいに保てます。
まとめ
トイレは清潔で、快適な空間にしておきたいものです。
トイレの照明を、ちょっと雰囲気のある間接照明にしている家庭も見られます。
落ち着いてホッとする場所にはなりますが、床の汚れを見落としてしまったり、排便による健康チェックができなくなったりします。
排泄する場所だからこそ、他の部屋よりも明るい照明をつけることが清潔に保つコツでもあります。
また、トイレは湿度が高くなるとニオイが強く感じられる場所でもあります。
トイレの場所が、南にあってよく日があたったり、西日がさしたりする場合は、湿度がこもってトイレマットがカビたりしないよう換気に気を配りましょう。