お惣菜の加熱や食材の調理に大変便利な電子レンジ。みなさんは電子レンジのお手入れ、ちゃんとしていますか?電子レンジは普段は扉が閉まっていてあまり中を見る機会が少ないためか、なんとなく手入れを後回しにしてしまいがちな家電のひとつです。
しかし、電子レンジはわたしたちの体内に直接入れる食品を温める場所。時にはラップをかけずに使用することだってありますよね。当然、衛生的である必要があります。
そんなついついお手入れをさぼってしまいがちな電子レンジをいつでも気持ち良く使用するために、電子レンジをピカピカにするための10つのコツについて紹介していきます。そのほか、電子レンジをお掃除するときにあると便利なグッズや、お掃除するときの注意点についてもあげていきますので、参考にしてみてくださいね。
電子レンジを掃除する10つのコツ
■1.電子レンジの汚れの正体を知る
正しい知識なくして、憎き電子レンジの汚れはやっつけられません。電子レンジの掃除に取り掛かる前に、まず電子レンジの汚れの正体を知っておくことが重要です。
まず、電子レンジの中をのぞいてみましょう。普段から特に電子レンジの手入れをしていない場合、電子レンジの内側にこびりついた黒い汚れを発見できるかと思います。この汚れの正体のほとんどが、食べ物を加熱するときに飛び散った油(酸性)やたんぱく質(アルカリ性)です。
電子レンジで食品を加熱していると、パチパチッと明らかに何か飛び散っている音がするときがありますよね。これらの飛び散った油やたんぱく質の汚れは、長期間放置すればするほどこびりつき、どんどん落ちにくい状態に。電子レンジを日頃からこまめに掃除をすべき所以はここにあります。
一方で、電子レンジの外周りの汚れの正体は、油にまみれたホコリである場合がほとんどです。電子レンジはキッチン周りに置かれていることが多く、油がとても付着しやすい環境にさらされています。こちらも長期間の放置は厳禁。ベタベタと落ちにくい油汚れに大変身してしまいますよ。
■2.軽い汚れには水蒸気を利用する
電子レンジ内をチェックして、汚れが想像していたよりも軽かった場合は、水蒸気を利用してさっと拭きとってしまいましょう。水蒸気を利用した電子レンジのお掃除方法には、特別に必要なものはありません。耐熱容器と水があればOKです。
まず、耐熱容器に200mlほどの水を入れ、電子レンジで3~4分ほど加熱し、水蒸気を発生させます。加熱が終わったらそのまま蓋を開けずにしばらく蒸らし、汚れを拭きとってお掃除完了です。電子レンジ内の汚れが軽い場合は、この方法で十分きれいになるはずです。
■3.ひどい汚れにはお酢やクエン酸を利用する
お酢やクエン酸の酸性パワーは、電子レンジのたんぱく質が原因であるアルカリ性の汚れ除去するのに最適です。また、電子レンジ内が乾いている時に水垢のすじが見えた場合、この汚れも実はアルカリ性。これらの汚れは、お酢やクエン酸を利用するとピカピカになりますよ。
さらに、お酢やクエン酸には高い消臭効果も期待できますので、電子レンジ内の嫌な臭いを除去するのにもおすすめです。お酢やクエン酸を利用して電子レンジのお掃除をする場合、用意するものは耐熱容器と、水と、お酢またはクエン酸です。
お酢を利用する場合は、耐熱容器に入れたお酢を水で4~5倍に薄め、電子レンジで2~3分加熱してしばらく蒸らします。クエン酸を利用する場合も同様の方法で、クエン酸の量は100mlの水に対して小さじ1~2杯程度となります。蒸らし終わったら、汚れを拭きとってお掃除完了です。
■4.さらにひどい汚れには重曹を利用する
お酢やクエン酸を利用してもなかなか落ちない電子レンジ内の汚れには、重曹を利用してみましょう。アルカリ性である重曹を利用するお掃除方法は、電子レンジ内のひどくこびりついた油汚れに効果的です。
重曹を使って電子レンジ内のお掃除をするときに必要なものは、耐熱容器、水、重曹です。耐熱容器に水約200mlをいれ、大さじ3~4杯の重曹を溶かし、電子レンジで3~4分加熱し、しばらく蒸らしたら汚れを拭きとっていきます。
また、重曹ペーストを作る方法もおすすめです。重曹ペーストの作り方はとても簡単で、重曹3:お湯1の割合で、ペースト状になるまで混ぜるだけです。ひどい汚れや焦げには重曹ペーストを直接塗り、上からサランラップでパックをしてからしばらく放置してみましょう。頑固な汚れもきれいに拭きとることができますよ。
■5.こびりついて落ちない汚れには歯磨き粉を利用する
単に拭きとるだけではこびりついた汚れが落ちないかもしれません。そこで頼りになるのが、歯磨き粉の研磨剤効果です。歯磨き粉には細かい粒子が含まれており、研磨剤入りの洗剤代わりとして利用することができます。
歯磨き粉を利用して電子レンジ内のお掃除をする方法はとても簡単。用意するものは、使い古した歯ブラシと、歯磨き粉です。使い古した歯ブラシに歯磨き粉をつけ、こびりついた汚れを丁寧にこすり(あまり強くこすらないように注意しましょう)、泡と一緒に浮き出た汚れを拭きとっていきます。
電子レンジは食品を加熱する場所ですので、掃除をするときに洗剤を使いたくないという人も多いと思います。歯磨き粉なら普段から口に入れているものですので、安心して使用できますね。
■6.それでも落ちないしつこい汚れにはポイントカードを利用する
歯磨き粉を使って研磨しても落ちないしつこい汚れは、お財布に眠っているいらなくなったポイントカードを使ってこそげ落としましょう。電子レンジ内はゴシゴシこするのは禁物。塗装やコーティングまで一緒に剥がれてしまう恐れがあります。
柔らかすぎず絶妙な硬さのポイントカードは、電子レンジ内のこびりついた汚れを落とすのにぴったり。ポイントカードを利用するときは、一度電子レンジ内を加熱して蒸らした後の汚れに使用するのがおすすめです。すっかりきれいにこそげ落とすことができるでしょう。
■7.嫌な臭いを除去するにはレモンやみかんを利用する
レモンやみかんの皮には、「リモネン」という消臭効果の高い成分が含まれています。そのため、電子レンジ内の気になる臭いを除去するのに効果的です。電子レンジは魚などの臭いの残りやすい食品を含め、さまざまな食品を加熱しますので、その内部に嫌な臭いが定着してしまうことがあるのです。
レモンやみかんを使って電子レンジ内の臭いを除去する方法は、レモンやみかんを皮つきのまま輪切りにし、電子レンジで蒸気が出るまで加熱をするだけといたって簡単。消臭成分は皮に含まれていますので、皮ごと加熱することがポイントです。さっぱりとした柑橘系の良い香りが電子レンジ内に充満し、電子レンジ内の嫌な臭いを除去してくれます。
■8.お手軽な電子レンジ専用クリーナーを利用する
電子レンジをお掃除する上で一番手軽な方法と言えるのが、電子レンジ専用のクリーナーを利用する方法でしょう。重曹やお酢、クエン酸などを利用したお掃除方法と比較すると費用がかかるといったデメリットはありますが、洗浄成分を含んだシートで拭きとるだけの簡単作業ですし、専用クリーナーだけあって効果も抜群です。
■9.ターンテーブルはキッチン用洗剤で洗浄する
電子レンジ内にターンテーブルがある場合は、取り外してキッチン用洗剤を使ってきれいに洗浄します。取り外したターンテーブルは水でしっかり洗い流すことができますので、洗剤を使用しても問題ありません。洗い終わったら水分を完全に乾かし、元の位置に戻しておきましょう。
■10.電子レンジの外周りのお掃除も忘れずに
電子レンジはキッチンに置いてあることが多いため、電子レンジの外周りには油汚れやホコリが大変付着しやすくなっています。これらの油汚れにはキッチン用アルコールを使用するのがおすすめです。アルコール成分がしつこい油汚れに効果を発揮し、電子レンジの外周りの汚れをきれいに除去、さらに除菌までしてくれますよ。
あると便利な掃除グッズ
電子レンジをお掃除するときにあると便利な掃除グッズを紹介していきます。状況に応じて適宜準備しをてみてくださいね。
■1.電子レンジ専用クリーナー
簡単お手軽に電子レンジをピカピカにしてくれる電子レンジ専用クリーナー。小林製薬の「チン! してふくだけ」は、電子レンジで加熱をすると温められた洗浄成分が電子レンジ内に広がり、汚れを浮き上がらせてくれます。除菌効果もありますので、定期的に使用すれば、電子レンジ内をいつでも清潔に保ってくれます。
■2.キッチンペーパー
電子レンジ内の拭きとりはキッチンペーパーがおすすめです。布巾を使用しても問題ありませんが、電子レンジの汚れを拭きとるはかなり汚れてしまうため、拭きとったらそのまま捨てられるようなものが便利です。キッチンペーパーであれば比較的強くて破れにくいですし、汚れたらそのまま捨てられますのでおすすめです。
■3.重曹
重曹は、電子レンジのお掃除だけではなく、さまざまなお掃除シーンで大活躍してくれます。気になる汚れや臭いに抜群の効果を発揮してくれますよ。重曹は酸性汚れを落とすのに最適。いつも使えるように常備しておくと大変便利なアイテムです。手荒れをしてしまうことがありますので、心配な人はゴム手袋を着用して使いましょう。
■4.クエン酸
重曹が酸性汚れに効果的である一方で、アルカリ性汚れに効果的なクエン酸。重曹と使い分けて使用すれば、家の中のほとんどの汚れに対応できちゃいます。こちらも常備しておくと便利なアイテムです。代用としてお酢を使用することもできますが、臭いが気になる場合はクエン酸がおすすめです。
■5.キッチン用アルコール
キッチン用アルコールは、キッチン周りの油汚れをアルコール成分で溶かし出し、汚れを落としながら、さらに除菌までしてくれる優れものです。洗剤を使いませんので、食品を扱うキッチン周りに使用するのにおすすめです。拭きとったあとはさっぱりとしていて気持ちが良いですよ。
キレイに維持する日々のお手入れ方法
■1.使用するたびにさっと水拭き
手入れをうっかり忘れてしまいがちな電子レンジですので、使用後にさっと水拭きをする習慣をつけるようにすると良いでしょう。油汚れやこぼれた食品は、できるだけすぐに拭きとることがとても大切です。電子レンジを使用するたびに電子レンジ内、ターンテーブル、そして電子レンジの外周りもさっと水拭きしておけば、汚れがしつこくこびりつくこともなく、お手入れが簡単になります。
■2.月に2~3回のお掃除
月に2~3回は電子レンジを本格的にお掃除しておくことをおすすめします。使用後に毎回さっと水拭きをしていれば、前述の水蒸気を利用したお掃除方法で十分でしょう。汚れとは別に臭いも気になる場合は、消臭効果のあるレモンやお酢、重曹などを使用してお掃除してくださいね。
汚れがたまればたまるほど、お掃除をすることが億劫になってしまうものです。いつでもきれいで衛生的な電子レンジを保つために、日頃から定期的にお手入れしておくことがとても重要なのです。
どれくらいのペースで掃除するべき?
『蓄積した汚れが焦げになる前』に行うのがおすすめです。可能であれば月2回は行いましょう。
電子レンジ掃除の注意点
■天井のお掃除も忘れずに
電子レンジの掃除をするときにうっかり忘れてしまいがちな箇所、それはずばり「天井」です。これを聞いてハッとした方もいらっしゃるのではないでしょうか。電子レンジ内のほかの箇所と同じように、天井にも食品を加熱する際に油やたんぱく質が飛び跳ねています。忘れずにしっかりと手入れをするようにしましょう。
■汚れを放置することによる弊害
2-1.加熱効率が下がる
電子レンジは、マイクロ波を使用して食べ物の水分を高速振動させ、熱を作り出して加熱をしていきます。電子レンジ内に油やたんぱく質汚れが大量に付着していると、これらの汚れがマイクロ波によって加熱され、本当に加熱したい食品に当たらず、加熱効率が下がってしまいます。
2-2.発煙、発火、故障の可能性
さらに恐ろしいことに、こびりついた汚れが原因で発煙、発火、そして故障の原因となることもあります。マイクロ波の照射口の付近に汚れが付着していることによって、その汚れが集中的に加熱され、発煙、発火してしまうのです。電子レンジをきれいに保つのは衛生面からみても大切なことですが、不慮の事故を防ぐためにも大変重要なことなのですね。
まとめ
冷めてしまった料理を温めておいしく蘇らせてくれる電子レンジ。調理をするときにも大活躍してくれます。食べ物をおいしくいただくためにも、普段からしっかりお手入れをして、いつも清潔な状態を保つように心がけましょう。