キレイにしているつもりではガスコンロのまわりは油や水、調味料が飛び散ることが多いです。こうした汚れは気づいたらすぐに拭き取ることが大事です。水拭きで取れないガスコンロの汚れは、100円ショップで販売しているグッズで簡単に落とせます。ガスコンロには天板やバーナーをはじめ付属部品がいくつかあり、掃除のコツを知るだけでグッと綺麗になりますよ。
今回は、簡単で手軽にできるガスコンロの掃除についてご紹介していきます。
ガスコンロ汚れの種類・原因3つ
①食品汚れと焦げ付き
焦げ付きはは醤油や砂糖などの調味料の他、スープや煮汁の吹きこぼれ、カレーやソースなどをつぐときに溢れた物をそのまま放っておいた結果、固まって取れにくくなってしまった汚れのことです。付着したときに塗れ雑巾などで拭くとすぐに取れるのですが、何日もそのままにしておくと器具が変色したり直火にあたって焦げてしまうなど厄介な汚れになりかねません。
②油汚れ
調理の時に大抵使う油。調理後によく見るとわかりますが、炒め物をしている時や揚げ物をしている時などは必ずと言っていいほど油は広範囲に飛び散っています。油と湯気が混じり、ガスコンロのトップや壁に飛び散った油はその都度水拭きすることが重要なのですが、放置して後まわしにしようとすると油汚れが積み重なり、こびりついた状態になってしまうと後から掃除の時間を費やしてしまうことになります。
③カビが生えることがある
コンロは、料理をした際に食べ物のカスが飛び散ったり落ちたりすることで、汚れや蓄積します。調理の際に食材を炒めたらフライパンから食べ物が飛び散ったり、鍋に食材を入れようとした際に食材が落ちたりするケースが多いです。
飛び散ったり落としたりした際に、その場で拭いたり拾ったりしていたとしても、汚れは除去しきれていないケースが多く、食材が蓄積した状態で放置されていることも少なくありません。
さらに、細かく刻まれた食材がコンロの下に蓄積している場合もあるので、上から確認しただけでは食材がこびりついていないかどうかをしっかり判断できないこともあるでしょう。コンロは食材のカスが蓄積したり油汚れを放置したりすることによって、カビが繁殖します。
食材や油の汚れはカビの餌になるので、大量に発生する可能性が高いです。カビを放置することでコンロが変色したり変色したりすると、自分では落とせないような頑固な汚れにつながります。
正しいガスコンロの掃除方法11ステップ
■1 まずは掃除グッズを揃える
ガスコンロの掃除を始めるとなったら、まずは掃除のアイテムをいくつか揃えましょう。あると便利なものは、柔らかめのスポンジや布、中性洗剤、重曹などです。特に食品の汚れ、油汚れにはアルカリ性の洗剤が向いているので、重曹は大活躍します。反対に、金属・ナイロンたわしの他、みがき粉、酸性・アルカリ性洗剤などはガラストップコンロに傷をつけてしまうので不向きです。
■2 古布や使用済み歯ブラシでコンロ掃除
古着を10センチ角程度にカットしておくと、汚れを拭い取ったり、最後の仕上げのから拭をしたりと何かと便利です。台所用の食器用スポンジも、ボロボロになって捨てる前にガスコンロの掃除に使えば、焦げ付きを取ることができます。
使い古しの歯ブラシは、バーナーのキャップ部分や節目に詰まったゴミなどを取るのに活躍します。歯ブラシで取り切れない細い穴の部分の汚れは、つまようじを出し入れすることで取ることができます。
ガラストップコンロには、メーカーが販売している専用のクリーナーで掃除すると、ガラス面に傷つけることなくガンコな汚れを落とすことができます。メラミンスポンジは、その時は綺麗になっても目に見えない細かい傷をつけてしまうので、ガラストップにはあまりおすすめしません。
■3 重曹から始めよう!環境に優しいエコ掃除
ドラッグストアに行くと、キッチンのガンコな油汚れに効果を発揮してくれる洗剤がたくさんあります。しかし、市販の洗剤は肌が弱い方ですと手荒れの原因にもなりますし、たくさん使うことは環境に良いとはいえません。
そこでガスコンロの油汚れにおすすめしたいのが「重曹」です。重曹は重炭酸ソーダ、炭酸水素ナトリウムとも言います。アルカリ性で天然のミネラル成分を粉にしたものなので、水に流しても自然の力で分解されやすいエコ洗剤です。薬局やスーパーなどではもちろん、100円ショップでも簡単に手に入れることができます。
重曹の粉と重曹スプレーが販売されていますが、重曹の粉さえあれば重曹スプレーは簡単に作れるので、粉で買ったほうが安上がりです。
重曹の粉を振りかけて掃除する方法
重曹はギトギト油には(粉のまま)ふりかけて使い、普段の掃除では水に溶かして(重曹スプレー)にして使います。水や油を含んだ湿った汚れには、重曹をクレンザーのように粉のまま振りかけ、スポンジや布などでこすることで、天板にこびりついた汚れや五徳の焦げなども時間をかけずに落とすことができます。
ガスコンロの吹きこぼれや揚げ物の後の油汚れなど、洗剤でも落ちにくい汚れには、重曹を粉のままふりかけてください。30分ほど放置するだけで、重曹が油や汚れを吸ってくれます。
重曹スプレーで綺麗にする方法
カラカラになった焦げ付き汚れには、重曹スプレーをふりかけて30分から1時間ほど放置します。重曹は水に溶かすことで重曹水になり、これを霧吹きなどで汚れに吹きかけることで油汚れを浮かせ落ちやすくします。
重曹水の作り方ですが、霧吹き容器などに重曹小さじ1杯(5g)と水100mlの割合で入れ、混ぜて溶かします。溶かすのは水でも構いませんが、40度ぐらいのお湯に混ぜると早く溶けます。水に溶かす場合は、お掃除する前日に水と重曹を混ぜておくと良いです。
【注意】天ぷらやケーキを作るときの調理用の重曹と、掃除用の重曹は同じではありません。掃除用の重曹は食用としては用いることはできませんので気を付けましょう。
■4 バーナー(本体)、キャップを掃除
バーナーや本体、バーナーキャップなどは、歯ブラシや針金など小さく細かい道具を用いると汚れが取りやすいです。まずは目詰まりした部分の汚れを取り除き、表面は柔らかい布などを水で湿らせて水で薄めた台所洗剤を軽く含ませてから表面を拭き取るようにします。
『温度センサー』は、片手を添えて水に浸し固くしぼった布で頭部と側部の汚れをふき取ります。「立ち消え安全装置・点火プラグ」は、軽い汚れはやわらかい布などで拭きとります。汚れがしつこくこびりついている場合は、歯ブラシなどで手入れするとキレイに仕上がります。
点火してもすぐ火が消える時は「立ち消え安全装置」を掃除
点火プラグからパチパチ火花が出て、点火して一瞬は火がつくけれどもすぐ消える場合は、立ち消え安全装置をサンドペーパーで磨いてみましょう。普通のサンドペーパーでも、耐水サンドペーパーでも、どちらでもかまいません。立ち消え安全装置は汚れていると、ガスを自動で遮断してしまいます。表面の汚れが落ちれば、また再び点火するようになります。
■5 ホーローの五徳の汚れを掃除
五徳(ゴトク)とは、やかんや鍋などを載せる黒い鉄の部分をさします。五徳を掃除するときはガスコンロから取り外しましょう。吹きこぼれなど、ついたばっかりで落ちやすい汚れや軽い汚れは、重曹水を直接ゴトクにスプレーし、スポンジで洗うとすぐにおちます。
ガンコな汚れは、鍋に重曹水とゴトクをつけ入れ、そのまま沸騰させましょう。沸騰したら後は火を止めて、そのまま2時間放置しておくと汚れが浮いて落ちやすくなります。つけ置きが終わったあとは水洗いして乾拭きします。まだ汚れている部分は、重曹水を吹きかけて布やスポンジで拭き取るとすぐに落ちます。
ゴトクの煮沸後は熱くなっているので手で取り出すときは火傷しないように気を付けましょう。
五徳(ゴトク)は暖かいうちに掃除
五徳(ゴトク)は余熱が残っている状態ほど汚れが落としやすく、水だけで簡単に汚れを落とすことができます。粗熱が残っているときはヤケドしやすいので、十分気を付けて取り扱いましょう。ゴトクがホーロー製の場合は、重曹などアルカリ性の成分を使って洗浄すると白っぽく変色することがあるので、洗った後に水やお湯で洗い流すようにしてください。
重曹水で掃除する場合は、バーナーの部分に直接かからないようにタオルや布巾などでガードしながらスプレーするようにしましょう。バーナーキャップや立ち消え安全装置が洗剤や水で濡れてしまうと、ガス漏れを防ぐために安全装置が働いてガスがつかなくなってしまうからです。
■6 グリル庫内を掃除
次に魚を焼くグリル庫内についてです。魚焼きグリルは、魚を焼くたびごとに掃除をするようにしましょう。焼く時には安全のために必ず水を入れますが、水を入れることで汚れも落ちやすくなります。
魚焼きグリル庫内が十分に冷えたことを確認してから掃除を始めてください。汚れがひどい場合は、水で薄めた台所用洗剤を含ませたスポンジを泡立て、グリル庫内の側面や底面などを霧吹きなどで湿らせてしばらく時間を置きます。しばらくすると汚れが浮いてきますので、やわらかい布やスポンジで拭き取るときれいになります。
グリル庫内の掃除のコツ
「こびりついて下手に削ると、傷つけそうで怖い」そんなときはキッチンペーパーを湿らせてつけ置きしておきましょう。その上から中性洗剤を吹きかけ、ラップで乾かないようにしておきます。そしてラップの上からドライヤーで熱を加えると油などが熱でやわらかくなり、徐々に浮き上がってきます。汚れが浮き上がってきたら、キッチンペーパーとラップを外し、布巾などで水拭きして完成です。
■7 魚焼きグリル網を掃除
魚焼きグリルの網は、取り外し台所用洗剤を含ませたスポンジタワシで水洗いします。グリル網は軽い汚れの場合は、中性洗剤をまんべんなくかけて5分ほど放置します。汚れが浮いてきたらスポンジや歯ブラシでこすって汚れを落としましょう。魚を焼く時に、網の上にアルミホイルを敷くと後片付けと掃除が大変楽になります。
■8 天板の汚れを掃除
天板は最近のものはガラストッププレートでできており、少し前のものはホーローでできています。どちらの天板も、スポンジやメラミンスポンジを使って掃除することができますが、金属たわしや金属ブラシなどでこすると傷がついてしまうので注意してください。メラミンスポンジも細かい傷ができて、そこに汚れがたまりやすくなってしまうのでおすすめできません。
天板の汚れを落とすときに便利なのがラップです。数センチに切ったラップを手でぐしゃっと丸めたらそこに洗剤を垂らし天板をこすってみましょう。またガンコなこびりつきには、各メーカーが出しているガラストップクリーナーを数滴垂らして、そぎ取るようにすると良く落ちます。
大抵の汚れは熱を加えて温めることで落ちやすくなることが多いです。ガスコンロ回りの汚れは油汚れなので、冬場より夏場にするのがおすすめですよ。
粉末状の重曹をふりかけても汚れを除去しきれない場合には、スポンジにクリームクレンザーをつけてこすり洗いをします。クレンザーをラップにつけて、円を描くようにしてこすり洗いをする方法が有効です。ラップは吸着力があるので、こびりついた汚れを落とす際に効果的でしょう。
■9 前面パネルを掃除
前面パネルも、天板と同じガラス素材でできていることが多いので、天板と同じようにして掃除しましょう。柔らかい布やキッチンペーパーに洗剤をつけ、グリル扉やスイッチの部分を掃除します。特に汚れがひどい部分は、湿らせた布に洗剤を含ませて、湿布のように貼ってしばらく置いておくと落ちやすくなります。
調理の際魚を取り出すときなど、食材が触れやすい部分でもあるので、洗剤が残らないようにしっかりと拭き取るようにしましょう。
■10 キッチンペーパー&ドライヤーで温めて掃除
どうしても汚れがこびりついて取れない部分は、温めることで汚れが落ちやすくなります。汚れがついた部分に洗剤を含ませたキッチンペーパーを乗せ、その上からドライヤーで熱を加えると汚れが浮き上がり落ちやすくなります。
ビニール袋やジップロックに入る部品は、洗剤と部品をいれて、その上からドライヤーで熱を加えると汚れが浮き上がり落ちやすくなります。ドライヤーを近づけすぎて、袋を熱で破ってしまわないように気をつけましょう。
■11 排気口・排気カバー
排気カバーは、重曹と水を混ぜた重曹水に1時間程度浸け置き洗いをしてから、汚れをスポンジでこすって除去しましょう。排気口そのものは、重曹水を吹きつけたり浸け置き洗いをしたりといったことが困難です。
そのため、キッチンペーパーを水で濡らしてしっかりと絞り、割り箸に巻きつけて作ったオリジナルの掃除アイテムを使います。キッチンペーパーを巻き付けた割り箸を排気口に入れ、内側にこびりついた汚れを拭き掃除します。
キッチンペーパーをきれいなものに交換しながら、汚れを除去しましょう。汚れを落としたら一定時間おいて排気口を乾燥させてから、排気カバーを戻して終了です。
ガスコンロの五徳の頑固な汚れを掃除方法3つ
焦げ付き汚れや食べ物がこびりつき、こするだけでは落とせなかった場合の対処法を3つ紹介します。
■沸騰させて落とす
こびりついた頑固な汚れは、外したコンロと重曹水を鍋に入れて、沸騰させて落とします。沸騰させた後は火を止め、2時間程度浸けたままの状態にしておくと、汚れが浮くので落としやすくなるでしょう。
浸け置き洗いをした後はしっかりと水で洗い、汚れを落としきれてない場合には重曹水を含ませたスポンジや雑巾で拭き取りましょう。コンロを沸騰させて汚れを除去する場合、コンロが熱を持っている状態であるため、鍋から取り出す際には十分注意が必要です。
■浸け置き洗いをする
1リットルのぬるま湯と大さじ1杯の重曹を容器に入れて、しっかりと混ぜ合わせ、コンロを外して重曹を入れたぬるま湯に1時間程度浸け置き洗いをします。
時間が経過するとコンロにこびりついた頑固な汚れは浮き上がり、落としやすくなることが特徴です。雑巾もしくはキッチンペーパーを使って水を拭き取ったら、コンロを戻します。
ぬるま湯と重曹を使用する方法は、油汚れや焦げ付きといった酸性の汚れに対し、アルカリ性の性質を持つ重曹が反応することによって頑固な汚れも除去しやすくなることがメリットです。
■洗剤やクリームクレンザーでこすって落とす
お湯につけて汚れをある程度浮かせた後、外したコンロをシンクに置いて、電子レンジ用の洗剤を吹き付けて3分程度放置して、掃除用のブラシもしくはスポンジを使って擦り洗いをします。
焦げ付き汚れが目立つ場合には、クリームクレンザーを使用する方法が有効です。クリームクレンザーを使用する際には、スポンジではなく古くなった歯ブラシを使うことで、細かな部分まで掃除できるのでスピーディーに作業を行えます。
クリームクレンザーは研磨力が高いので、コンロを傷つけないように優しくこすることを意識しましょう。コンロは複雑な形状であり、洗っている際にコンロで手を怪我するケースもあるので、ゴム手袋を着用することが大切です。
毎日のお手入れで綺麗を保つ!簡単ガスコンロお手入れ方法
ガスコンロをできるだけきれいに保つには、毎日のお手入れが欠かせません。浸け置き洗いをしたり放置する時間が長かったりと、コンロを洗うのには時間と手間がかかります。
コンロに付着した汚れは、時間が経過すると頑固なこびりつき汚れになるので、スピーディーに掃除を行いたい場合には汚れが付着してすぐに掃除をする方法が有効です。
調理が終わった後にコンロを冷まして、キッチンペーパーや布巾を使ってある程度汚れを拭き取るだけでも十分だといえます。水拭きをしても汚れが落とせない場合には、重曹水を利用して拭き掃除をといった簡単な掃除を毎日行うことが大切です。
日々ピカピカのコンロを保つためには調理・食後に「1分」時間を取って掃除をする習慣を身につけましょう。こうしておくと、汚れもスムースに落ちます。またゴシゴシこする手間を省きたいならば、使用後すぐに始めるのがポイントです。
日々の汚れなら重曹スプレーがあればほとんどの汚れはスムースに落とすことができます。ゴトクや魚焼き器の網など外せるものはすべて取り外し、重曹水を吹きかけたりつけ置きしたあと、しっかりと水洗いして布巾で水気をふき取って完了です。
ガスコンロの汚れが酷い場合には業者に依頼しよう
コンロ掃除を業者に依頼した場合、およそ1万円~1万5000円程度の費用がかかります。クリーニングにかかる時間は1時間半~3時間と、汚れの状況によって異なるでしょう。
プロに依頼することによって汚れの種類を見極め、最適な洗剤を利用してしっかりと汚れを除去できることがメリットです。また、専用の掃除道具や業務用の洗剤を使って掃除をするので、コンロを傷つきにくいこともメリットだといえます。
まとめ
毎日使うガスコンロは気づいたときにはべっとり油汚れがこびりついていたり、ゆで汁やスープが吹きこぼれて拭き取りにくくなっていることが少なくありません。一番ラクに掃除を終わらせる方法はマメに掃除をすることです。
調理が終わった時に気づいた汚れがあったらすぐに拭き取ったり、焦げた五徳などもその日のうちにつけ置きしておけば後日力を入れて焦げを削り落とす手間も少なくなります。 週に1回でも構いません。「1日1分」調理後にサッとひと拭きすることで、ガスコンロは見違えるほど綺麗に保てますよ。