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事故物件の定義と特殊清掃業者が必要になる理由は?業者選びのコツはなに?

事故物件の定義と特殊清掃業者が必要になる理由は?業者選びのコツはなに?

事故物件は殺人・自殺・長期間放置された孤独死を示す言葉。賃貸の場合は3年、売買の場合は無期限の告知義務があります。そして、事故物件が発生した際には、特殊清掃によって原状回復を図る必要があります。本記事では、特殊清掃の作業の流れと業者を選ぶコツを紹介しています。料金相場についても解説しているので、特殊清掃が必要になった時にお勧めできる記事になっています。


事故物件の定義と告知義務

事故物件とは殺人自殺などの突発的な死や発見の遅れた孤独死が起きた部屋を差した呼び方。以前は判断基準があいまいだったため、2021年に国土交通省によって定義されました。賃貸の場合は「概ね3年間」、売買の場合は基本的に告知することになっています。

事故物件に当てはまらない病死・老衰などについては、告知義務はありません。詳しくは「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」をご覧ください。

【告げなくてもよい場合】
①【賃貸借・売買取引】取引の対象不動産で発生した自然死・日常生活の中での不慮の死(転倒事故、誤嚥など)。 ※事案発覚からの経過期間の定めなし。
②【賃貸借取引】取引の対象不動産・日常生活において通常使用する必要がある集合住宅の共用部分で発生した①以外の死・特殊清掃等が行われた①の死が発生し、事案発生(特殊清掃等が行われた場合は発覚)から概ね3年間が経過した後
③【賃貸借・売買取引】取引の対象不動産の隣接住戸・日常生活において通常使用しない集合住宅の共用部分で発生した①以外の死・特殊清掃等が行われた①の死 ※事案発覚からの経過期間の定めなし
引用:宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン

告げる場合は発生時期、場所、死因及び特殊清掃の有無を告知することになります。この際、故人やご遺族のプライバシーを侵害しないように注意が必要です。

上記以外にも、買主・借主に求められた場合や重大な事件の場合は告知が必要です。

また、賃貸契約の場合は3年を超えた事故物件は告知しなくとも構わないということになっていますが、入居希望者から問い合わせがあった時には告知義務があります。

事故物件の告知を怠ると、損害賠償の対象になるので注意しましょう。

事故物件が発生した時の対応の流れは下記で解説していきます。

賃貸が事故物件になった時の対処法

お持ちの賃貸で殺人・自殺・子年を発見した場合、まずは警察救急車に連絡をしましょう。

住人の生死が救急車によって確認された後、警察が検視や現場検証を行います。ご家族、あるいは連帯保証人の連絡先が分かるなら、ここで連絡しておきましょう。

警察に立ち入り許可をもらったら、特殊清掃業者を呼びます。許可が出るまでは時間がかかるので、その間に業者を選んでおくのがおすすめです。

この時注意したいのは、相続人・ご遺族の許可を取る必要があるということ。住人が亡くなった時点で、その財産は相続人に引き継がれます。相続人が分からない時は、警察による調査が終わるまで待ちましょう。

遺品整理についても同様で、部屋の整理は相続人の許可をとって、話し合いながら進めていくことが大切です。

特殊清掃業者による原状回復と並列して、賃貸契約の解除など相続人とのやり取りは多くなります。詳しくはこちらの記事で解説しています。

原状回復や賃貸契約の解除が終わったら、相続人と費用の清算をします。賃貸の原状回復費用は相続人・ご遺族と話し合って負担額を決めていくことになるので、必要に応じて弁護士なおの専門家に仲介してもらいましょう。

事故物件の特殊清掃の作業内容

事故物件は特殊清掃によるクリーニング・除菌・消臭などの原状回復が必要となります。ここでは、お部屋の原状回復の流れを紹介していきます。

汚物・体液の清掃

特殊清掃は通常のクリーニングでは落としきれない汚物・血液・腐液などに対応してくれます。家具・家電・住宅の汚れを拭き取ったり、専用薬剤を散布します。それでも汚れが落ちない部分は解体し、家具ならば回収してくれます。

特に長く放置されていた孤独死の現場は、危険な最近や伝染病・感染症の温床です。入るだけでも危険なので、なるべく早く特殊清掃業者を呼ぶことで清掃費用を抑えることができます。

除菌・消臭

部屋に飛び散ったり、放置された血液や体液、糞尿などからは腐敗やカビ、悪臭が発生してしまうもの。

これらは通常の方法では落としきれないため、オゾン脱臭機などの専門の機材が必要になります。目に見える場所だけではなく、床下などの基礎部分にもしっかりと対応してくれるのが特殊清掃の強み。どうしても臭いやカビを落としきれない部分は、リフォームで対応します。

最後に、臭気測定器で悪臭が残っていないことを確認して作業は終了です。

害虫・害獣駆除

部屋に飛び散った体液・放置された食料などは害虫や害獣の温床です。人が使わなければ日当たりや風通しが悪くなるので、さらに危険が高まります。

発生する害虫・害獣の種類は事故物件が放置されていた期間・湿度・日照時間などで変化しますが、どの場合も感染症を持っているリスクが高く、部屋に入るだけでも危険です。

自分達で対処しようとはせず、警察からの立ち入り許可後に特殊清掃業者の専用薬剤で対応してもらいましょう。

原状回復作業

原状回復とは住み始めた時の状態に戻すことで、費用負担については借主・貸主のどちらにも義務があります

そのためには、清掃・解体の他リフォームも必要になります。清掃では回復できない家電・家具の回収と処分も必要です。

その際、基礎部分までしみ込んだ悪臭・雑菌の対処をする必要があるので、特殊清掃業者が向いています。

清掃作業と同じ業者に頼むことができるので、依頼の流れがスムーズになるのもメリットです。

なお、事故物件の場合は双方で話し合って負担を決めるのがセオリーです。関係者の気持ちに配慮しつつ、慎重に進めていくことになります。詳しくはこちらの記事でも解説しているので、必要に応じてご覧ください。

事故物件の特殊清掃の料金

原状回復や賃貸契約の解除が終わったら、相続人・ご遺族と費用の清算をします。

関係者全員で話し合って負担額を決めていくことになるので、必要に応じて弁護士なおの専門家に仲介してもらいましょう。

特殊清掃の料金は部屋の状況・間取りによって大きく変動します。作業人数やお住いの地域も相場に関わってくるので、相見積もりをとって調査していくことがおすすめです。

  • 汚れの清掃(1か所):30,000円~50,000円
  • 汚染物の除去(1か所):20,000円~40,000円
  • 除菌・消臭作業:10,000円~250,000円
  • 害虫駆除:10,000円~200,000円
  • リフォーム(1か所):4,000円~10,000円
特殊清掃の料金相場についてはこちらの記事でも紹介しています。

見積もりの際は、料金だけではなく、対応についても確認していくことが大切です。

事故物件の特殊清掃業者の選び方

特殊清掃は間取り・状況で相場が大きく変わるため、相見積もりでお住いの地域の相場を出すのがおすすめ。見積もりを出す際のやり取りを通じて、信用のおける業者かどうかを確認しましょう。

見積もり依頼の際にチェックできるポイントは以下の通りです。

【特殊清掃業者選びのチェックポイント】
  • 料金体系が明確で無料見積もりに対応できるか
  • サイトに実績を乗せている
  • 特殊清掃に関する専門資格はあるか
  • 解体・リフォームに関する資格はあるか

特殊清掃業者を開業する際に必須な資格はありませんが、事件現場特殊清掃士・遺品整理士などの資格がある社員がいる業者は専門知識を持っている業者です。

安すぎる業者は悪徳業者であることが多いので、料金体系がしっかりとしていて、質問に答えてくれる業者を選びましょう。

事故物件の特殊清掃についてよくある質問

事故物件は何年間告知する?

賃貸の場合は3年間、売却の場合は無期限に告知義務があります。ただし、3年をすぎても入居希望者から問い合わせがあったり、重大な殺人事件などの場合は契約前に告知する義務があります。

告知義務を怠ると損害賠償の対象になるので注意しましょう。

特殊清掃業者の費用は誰負担?

原状回復は「通常の使い方を超えた場合は借主負担」と決まっていますが、事故物件の場合は貸主・借主で話し合って費用負担を決めていくことが現実的。

賃貸の場合、一度大家が立て替えて後ほどご遺族と話し合うということもよくあります。心理的にも難しい話し合いになるので、弁護士などの専門家を挟むこともおすすめです。

相続人がいない場合はどうやって対処すればいい?

孤独死などで相続人が見つからない場合、いったん警察による調査を待ちます。見つからない場合は第三者が相続財産管理人という代理人になって遺品整理・特殊清掃を進めていきます。詳しくはこちらの記事で解説しています。

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