カラスを撃退駆除する方法6選とゴミ場を荒らされない方法3選

カラスはとても利口なので、駆除するのも頭脳戦なので大変です。イソップ童話に、瓶の中に石を入れて中のエサを取り出す「カラスと水さし」というお話がある位、昔から頭の良い鳥として知られているのです。

何とカラスは小学生の低学年程度の知能がありますから、攻撃してきた人間のことはずっと覚えているのです。恐ろしいですよね。

カラスはそれ位頭が良い鳥なので、１つの駆除方法だけを続けていても、すぐに怖がらなくなって再び来るようになってしまいます。最初のうちは駆除グッズに驚いていても、自分が殺されない、害が無いとわかると再び悪さをしてしまうのです。

どうすれば、カラスを駆除することができるのでしょう。また、ゴミが散乱しないためには、何が必要なのでしょうか。ここでは、カラスの駆除方法と、ゴミ集積場を荒らされない方法を調べてみました。

カラスに限らず鳥は、羽が尖ったものに触れるのを大変嫌がります。そのため、長いトゲがあるスパイクのようなものを置いておくと、その場所には止まりません。

スパイクの種類によっては、スパイクの先が太く丸くなっていますが、あまり先が太いとカラスが止まってしまうので注意しましょう。カラスも都会ぐらしをしていますが、鳥なので木の枝には普段から止まっています。そのため止まれない細さのスパイクを選ぶことが大切です。

防鳥糸、防鳥テグスと呼ばれる商品があります。来なくなる仕組みとしては単純で、糸があるために羽が傷ついてしまうのが不安になって来なくなるという習性を利用しています。

この防鳥テグスは、カラスだけでなく鳩など他の鳥も来ないようにするためのものです。今回の場合は、カラスに来てほしくない場所の床や地面から5センチから10センチ程度上の場所に糸を張ります。地面に並行に1本貼るだけで、カラスがピタッと来なくなった報告例もありますよ。

もしタイルに強力両面テープがくっつかないようであれば、床から天井に突っ張り棒をつけるなどして、工夫してみましょう。

毎日の生活のリズムが狂ってしまうほどカラスに悩まされていたら、超音波を出す「動物撃退器」に頼るのも1つの方法です。スズメを威嚇するために、田んぼで「パーン！」と猟銃の音のような音源を時々耳にしますが、人間にも聞こえる音だとこちらがビックリしてしまいますよね。その点、超音波でカラスを遠ざけてくれる「動物撃退器」は、人間の耳には聞こえない周波数なので音が出るたびビックリすることもありません。

例えば「AngLink アニマルバリア 動物撃退器」は、撃退したい動物にあわせて、超音波が出るモードを変えることができます。屋根裏や壁のネズミに困っていたら、（モード１）の13.5KHzから17.5KHzの超音波がオススメです。大きな犬や、タヌキやハクビシンなどは（モード２）の15.5KHzから19.5KHzにあわせます。

カラスや野良猫は（モード３）の19.5KHzから23.5KHzですので、（モード3）に設定しておけばカラスを駆除することができます。また、（モード４）は音ではなく光による撃退で、強いLEDの光が瞬間的に光ったり、ピカピカと点滅して夜行性の動物を追い払います。（モード3）だけをずっと続けていると、ネズミなどの他の害獣が来るという場合は、（モード５）にしてください。（モード5）は、（モード１）から（モード4）を順番に繰り返すので、全ての害獣、害鳥に効果を発揮します。

防鳥テグスを張る場所が無く、家の木や畑にカラスが来て困るという場合は、光でカラスを駆除しましょう。

レーザー光が出る懐中電灯をカラスに向けて照らすと、カラスが嫌がって来なくなります。色は白色でも良いですし、緑も効果的です。赤よりは緑、白のほうがカラスが嫌がるようです。

また、キラキラして光を反射するものも置くと良いでしょう。第一ビニールの「キラキラくるりんシート」のように、風が吹くたびにゆらゆら揺れたり、くるくる回ったりするもののほうが、大きな鏡を一枚置くよりも効果的です。

設置する時のコツですが、自分や家族が居る部屋に反射した光が当たらないように工夫しましょう。カラスが来なくなるほど強烈な反射光なので、人間でも目障りで眩しく感じるからです。

「キラキラくるりんシート」は軽くてヒモもついているので、置く場所を選びません。気軽にぶら下げられるので、工具や電源も必要ないですよ。

カラスが庭に来た時に、水をかけると飛んでいきますよね。水をかける方法は何度繰り返し行なっても確実に逃げるので、かなり有効な駆除方法と言えます。しかし、ずっとカラスが来るかどうか見張っているのは現実的ではありません。

そのような悩みを解決してくれて、水をいきなりカラスにかけて撃退するのが「害獣用スプリンクラー」です。「ビーストバスター」「自動スプリンクラー」「ペストバイ」といった名前で発売されています。

どれも庭の土の部分にポールを刺して、ホースをつなげます。海外で作られた製品の場合、日本製のホース用のアダプタがついていないと取り付けが面倒です。購入する前に、買ってすぐに使えるのかチェックしてから買いましょう。

カラスは、ゴミをあさったり、人間のテリトリーまで図々しく入ってくる割には、とても警戒心が高い鳥です。そのため、カラスの死骸がある場所には近づこうとしません。カラスの死骸が本物でなくても、ダミーであっても同じ行動をとります。周囲の木などに止まって、鳴いて騒ぐことはありますが、死骸がある場所には行こうとはしないのです。なぜなのでしょうか？

カラスがカラスの死骸がある場所に近寄らないのは、死んだ原因がわからないからです。もし、その場所に行ったら自分も同じように死ぬかもしれないと思っているので、カラスは来ないのです。
大変頭の良い鳥ですよね。

アメリカのワシントン大学環境科学での調査によると、死骸を人間が手に持っていると、その人間を恐ろしく感じて近寄らなくなるそうです。カラスは人間の顔を覚えることができるので、日にちが経っても攻撃しません。

模型なんて子どもだましなのでは？と馬鹿にせずに、一度試してみる価値アリですね。

カラスは繁殖している場所にもよりますが、2月から4月が巣作りをする時期になります。温かい場所では2月から、通常は3月あたりから巣を作る材料を探し出します。木の上にハンガーや洗濯物を持っていって巣材にすることもあります。

巣が作り終わると、4月から5月は産卵期で、5月から6月は卵からかえったヒナを育てる期間になります。この時期にうっかり巣のそばを通ると、カラスに攻撃されてしまうので注意してください。

7月から8月は、ヒナが大きくなって巣立ちをします。秋から冬にかけての時期は繁殖期ではなくなるので、木がたくさん生えている林や森の中をねぐらにします。

人間の生活の周りにいるカラスには、日本では「ハシブトガラス」と「ハシボソガラス」の二種類がいます。自分の家に来るカラスが、どちらの種類かわかりますか？

「ハシブトガラス」はくちばしが太く丸みをおびていて、くちばしの長さは5センチから7センチほどになります。太いくちばしは、破壊力があるだけでなく非常に器用です。頭の額の部分は、ボコンと出っ張っています。鳴き声はカァカァです。歩くのが下手なので、ピョンピョンと跳ねるようにして歩きます。木が覆い茂っている場所や、都会でクラスのが好きです。

とても神経質なカラスなので、人間に対して積極的に威嚇してきます。雑食で、他の生きている鳥を攻撃して食べたり、肉や木の実が好物です。油ものが大好きなので、ゴミ集積場に来るカラスの大半は、「ハシブトガラス」なのです。食べ方は、すぐにその場では食べずに、落ち着いて食べられる場所まで飛んでいってから食べます。

「ハシボソガラス」はくちばしが細くまっすぐで、ハシブトガラスと比べると額からくちばしにかけてが平らです。鳴き声はガァガァです。ハシブトガラスよりも歩くのは上手で、ペタペタと左右の足を交互に出して歩きます。都会よりも、畑や田んぼがあるような場所のほうを好みます。
人間には、ほとんど威嚇はしません。昆虫や農作物を食べますが、食べ方は見つけたその場ですぐに食べます。

平均して、ハシボソガラスよりもハシブトガラスのほうが、一回り大きな体を持っています。

カラスは小学生低学年くらいの知能があると言われているので、子供だましのような脅しではすぐに見破られてしまいます。最初は驚いても、パターンを覚えてしまったり、危害が無いことがわかると、逃げなくなってしまいます。また、カラスをいじめると相手の顔を覚えると言われており、仕返しに威嚇してくることがあるので要注意です。

カラスは、巣作りの時期や、卵を温めている時期、まだ小さいヒナが巣にいる時は神経がとても高ぶっています。自分はカラスの巣に近づいているとは知らなくても、知らず知らずのうちにカラスが気に触る場所を歩いていると攻撃されてしまうのです。

カラスが人間や他の動物を威嚇する時期は、3月から7月になります。この時期に、卵を産んで子育てをするので、上を見て木や電柱にカラスの巣があったら近寄らないようにしましょう。

カラスは人間が後ろを向いている時に、後ろ頭めがけて飛んできます。そして、クチバシではなく足で攻撃します。

どうしても自分が通らなくてはいけない道にカラスの巣があったら、帽子をかぶるなどして頭を保護しましょう。傘やステッキなど、細長いものを肩にかついだり、頭の上のほうに先を持っていくようにしたりするのも有効な方法です。

もし小さい子供が襲われそうに鳴って危なかったら、巣がある木や電柱の持ち主に巣の撤去を相談してみましょう。国道に生えている木であれば「国土交通省・道の相談室」に、県道であれば自治体、行政の「建設事務所」に連絡します。区や市の場合は「道路管理担当部署」、電柱であれば東京電力や関西電力といった電力会社に連絡してうださい。

ゴミの日のたびにカラスがゴミ袋を引きちぎって、中のゴミを荒らしているという報告は全国各地から寄せられます。朝になると、どこからともなくカラスが集団でやってくるというのは、恐ろしいですし生ゴミが散乱しているとニオイも臭いですし不潔です。

まずは、カラスがクチバシで開けることができない程度の蓋のあるゴミ箱を用意しましょう。ゴミを入れる丈夫な箱があれば、カラスもイタズラをすることができません。

しかし、ゴミの上にカラス避けのネットをかけるだけの、簡単な作りのゴミ収集所もありますよね。そのような場合はどのようにすれば、カラスにゴミを荒らされないのでしょうか？

鳥類は、人間よりも遥かに良い視力を持っています。ワシやタカになると、人よりも10倍程度の視力があって、ズーム機能もついています。カラスもそこまでではありませんが、人間よりもかなり視力は良いのです。

そのため、生ゴミをそのまま捨てると中身が透けてしまうので、カラスに食べてくださいと言っているようなものです。ゴミを入れたビニール袋の外側から、生ゴミが見えないようにゴミを入れる時に工夫をしましょう。生ゴミは新聞紙などに一度包んでからビニールに入れると、汁も垂れないので良いですよ。

また、カラスは黄色が苦手なので、黄色いものの中にゴミを入れると袋の中に何が入っているのかわかりません。市販のカラスよけネットには、黄色い網のものもあります。

ゴミ捨ては「黄色」がポイントになるので、覚えておきましょう。

家の外に犬の餌などを置きっぱなしにしていると、自分ではカラスに餌付けなんてしていないと思っていても、結果的にエサをあげていることになてしまいます。ずっと食べ物が置いていある状態は、カラスだけでなく害虫まで誘ってしまうことにもなります。家の外に、ずっとドッグフードなどペットのエサを置いておくのは止めましょう。

自分の家の菜園で、熟しすぎてしまった果物や野菜を、そのまま捨てずに土の上に置いたままにしていないでしょうか。熟れ過ぎた果物や、出来残った野菜を外においておくことは、カラスにエサをやっているようなものです。食べない野菜や果物、熟しすぎたり腐ったりした野菜や果物は、そのまま放置しないで生ゴミとして捨てるようにしてください。

また、庭の木の手入れをすることも大切です。あまり世話をしていないと、カラスが巣を作ってしまうからです。

いつも畑や木の世話をしていれば、カラスも「ここは人が触る場所だから、卵は産めない」と察知します。逆に放置されている場所だと、「ここは安全だから、卵を産もう」と思ってしまいます。
畑や庭木は、いつも手入れをしておきましょう。

カラスは2月や3月といった巣作りの季節になると、あちこちから巣の材料を調達します。都会のカラスは木の枝だけで作っている巣はまれで、針金ハンガーやビニールヒモなど、人間が使っているものを器用に巣材にしています。

そのため、2月から3月、4月にかけては、カラスの巣材として持っていかれないように、庭やベランダに針金ハンガーやヒモは置かないようにしましょう。洋服を針金ハンガーにかけていたら、ハンガーだけではなく服ごと一緒に持って行かれたという話しも聞きます。かなりクチバシの力は強いので、洗濯物にも注意してください。

毎回カラスにゴミ置き場を荒らされてしまうと、カラスを生け捕りにしたり、エアガンで撃ったり。食べ物に毒を入れて殺処分したりできないかと考える人もいることでしょう。しかしカラスだけではなく、全ての鳥や生き物は、勝手につかまえたり殺したりすると「鳥獣保護管理法」によって罰せられてしまいます。うるさい、迷惑といった理由では捕獲も処分も許されないのです。

もし違反すると、1年以下の懲役もしくは、100万円以下の罰金という処罰が下ってしまいます。カラスのために自分が罰せられるのは納得できないと思いますが、「鳥獣保護法」で全ての鳥は守られているということを覚えておきましょう。

現在流行のドローンで撃退できないかと考えがちですが、逆にドローンが攻撃されて、バッテリー切れで終わってしまうので止めたほうが良いでしょう。

自分の家の庭や畑、敷地内にカラスが来て困るという場合は、カラス駆除の専門業者に駆除をお願いできます。もし、自分の家ではなく国や県が持っている公園であったり、電力会社が持っている電柱の場合は、被害を受けているからといって自分で勝手に駆除することはできませんので気をつけてください。

カラス駆除は、造園業者や害獣駆除業者が行っています。相場は1万円から4万円で、巣が作られている場所が高い場所で取りにくいと料金が高めになります。

内容としては、最初にカラスを追い出します。次に巣を撤去して、巣の周辺を掃除します。場合によっては、カラスが再び巣を作れないようにネットや防鳥テグスを張ることもあります。

東京都は平成13年から、カラスの駆除に積極的に取り組んでいます。その成果もあって、東京都内で平成13年には36,400羽生息していたカラスが、平成28年には何と8,700羽まで少なくなったのです。

カラスに対する東京都への苦情も、平成13年には3,754件だったのが、平成28年には248件に減少しています。東京都は、カラス用のワナを仕掛けて捕獲したり、集中してカラスの巣が作られている場所に行って巣を撤去したりしています。このように、駆除に取り組めば必ず数は減るので、根気強くカラスに立ち向かいましょう。

カラスの食べ物になるようなものを放置しないことと、駆除グッズを活用することで、カラスに居心地が悪いと思わせることがポイントです。