2016年1月からスタートしたマイナンバー制度。導入されてからは職場や官公庁など、マイナンバーの写しの提出を求められるようになりました。しかし、引っ越しとなった場合、このマイナンバーカードや通知カードの住所変更をしないままでいるご家庭も多いようです。
引っ越したら、住民票だけではなく、マイナンバーも自分で住所変更しなければいけません。今回は、マイナンバーの住所変更について、詳しくご紹介していきます。
住所変更とマイナンバーの基礎知識3つ
■①マイナンバーの基礎知識
日本国民一人ひとりに与えられている個人番号を「マイナンバー」といいます。マイナンバーと呼ばれる数字で一人ひとりを管理することにより、簡単かつミスも少なく本人確認が行えるようになりました。
これまで、
住民票は、住民登録番号
健康保険は、保険者番号
税金は、整理番号
年金は、年金番号
というように、1人がいくつも番号を持ち、それぞれの手続きで、役所や関係機関をあちこち回らなければいけませんでした。これがマイナンバー(個人番号)の導入により、役所などが国民を様々な個人情報と紐づけ、一括して管理できるようになりました。
また、マイナンバーの番号管理なので、年金記録のミスを防いだり、これまで役所関係で、手続き上必要だった添付書類などの提出がいらなくなったのです。さらには、震災などでの支援漏れやなりすまし支援の防止、また、安否確認や行方不明者の把握も正確にできるようになりました。
■②通知カードとマイナンバーカードの違いは?
「通知カード」とは、個人番号であるマイナンバーが記載されたカード。マイナンバーと呼ばれる個人番号が記載されているカードで、住民票のある住所に書留で郵送されてくるカードです。素材が紙ではありますが、セキュリティ保持のため、透かしなどの偽造防止技術もほどこされています。
「マイナンバーカード」とは、「通知カード」の情報をもとに、本人が申請し、顔写真付きで発行されるものですが、マイナンバーカードを作るかどうかは任意となっています。マイナンバーカードがあればコンビニなどでの住民票の発行も可能となります。
■③マイナンバーは何日以内に住所変更手続が必要?
ズバリ! 引っ越しの際は、個人番号であるマイナンバーの住所変更が必要です。
まだマイナンバー通知カードのままの人も、マイナンバーカードを発行した人も、どちらも住所変更が必要です。
マイナンバーとは、その人を確認できる番号ですので、住所(住民票)が変わってそのままにしていると、通知カードやマイナンバーカードに記載されている住所と異なるということになり、マイナンバーの本来の役割を果たせなくなるのです。ちなみに、マイナンバーの住所変更の手続きは、引っ越して【14日以内】に行わなければいけません。
6ステップで完了するマイナンバーの引越しと住所変更手続
■①マイナンバーの住所変更は引越先の市町村役場で
引っ越しに伴って、もともと住んでいた市町村から転出証明書を発行してもらい、引っ越し先の市町村役場で新たに転入届を行うことでしょう。マイナンバーの住所変更も、引っ越し先の市町村役場で手続きができます。住民票の転入届にあわせて、マイナンバーの変更も忘れずに行いましょう。窓口は、「戸籍住民課窓口」または、「マイナンバー専用窓口」になります。
因みに、同じ市町村内での引っ越しの場合は、転居届の手続きのみとなりますが、マイナンバーの住所変更も必要です。
■②市町村役場でのマイナンバー住所変更手続きに必要なもの
≪転入手続きと同時に行う場合≫
・住所が変わる同じ世帯全員の通知カード、または顔写真付きのマイナンバーカード
・運転免許所や健康保険証などの身分証明書
・印鑑
≪転入届を先にして、後日マイナンバーの住所変更をする場合≫
・住所が変わる同じ世帯全員の通知カード、または顔写真付きのマイナンバーカード
・表面記載事項変更届
・運転免許所や健康保険証などの身分証明書(住所変更先の市町村役場で受け取る)
・印鑑
以上となりますが、念のため、引っ越し先の市町村役場に確認してから赴けば、なお安心でしょう。
■③マイナンバーの住所変更を代理に頼める?委任状は必要?
子どもの進学や、ご主人の単身赴任など、代理の人間がマイナンバーの住所変更をしたい場合があります。
ここでは、必要なものの一例をあげましたが、市町村によって対応が異なります。
・同じ世帯の家族であっても本人の委任状が必要
・同じ世帯の家族であれば、暗証番号がわかれば委任状はいらない
・法定代理人の場合は、委任状はいらない
・法定代理人の場合は、戸籍謄本のほか、添付書類あり
代理によるマイナンバーの住所変更は、市町村役場に前もってしっかり確認してから手続きをしましょう。
【マイナンバー住所変更の委任状記入例】
(タイトル)委任状
(宛先)○○市長あて
(委任状を書いた年月日)
(委任者本人の住所、氏名、押印、生年月日、電話番号)
(代理人の住所、氏名、生年月日)
私は、上記の者を代理人と定め、マイナンバーカードの権限を委任します。
■④住所変更したら、現在のマイナンバーカードはどうする?
新しい住所は、通知カードには、裏面に記載されることになります。マイナンバーカードの場合は、表面に記載されます。
引っ越しを繰り返しているうちに、変更事項を記載する追記欄がいっぱいになる場合があります。その場合は、通知カード・マイナンバーカードともに、新しいものが無料で発行されます。新しいカードの発行には、本人確認書類が必要です。
■⑤引越で、通知カード・マイナンバーカードを紛失した時は?
基本的に通知カードやマイナンバーカードがなくても、個人番号に対する住所変更なので、市町村役場の窓口で手続きすることができます。個人番号は転出証明書や住民票に記載されているので、窓口に相談しながら手続きしましょう。
単に自宅に忘れただけの場合は、後日市町村役場に持参して、通知カード・マイナンバーカードに変更事項を記載してもらいましょう。紛失した場合は、再発行の手続きを行います。手数料は、通知カードが500円、マイナンバーカードは手数料800円+電子証明書手数料200円が必要です。
■⑥海外に引っ越す場合、マイナンバーは?
マイナンバーは、日本国内での本人識別番号です。海外に引っ越す場合は、通知カードもマイナンバーカードも、市町村役場に返却することになります。ただし、個人番号であるマイナンバーは、返却しても番号が変わることはありません。再び日本国内で暮らすことになれば、返却した番号と同じ番号を使うことになります。
マイナンバーの住所変更と併せて行うべき手続き11個
・①国民健康保険(加入している場合)の手続き
住所が変わる場合、古い住所の市町村に一旦国民健康保険証を返却し、転入先で新しい保険証を発行してもらうことになります。保険証を持っていない間の医療費は、実費となりますが、後日、健康保険の窓口で清算できますので、支払った際の領収書を失くさないようにしておきましょう。
・②転入届
古い住所先の市町村役場で転出届を行い、「転出証明書」を発行してもらいます。引っ越す2週間前から受付ているので、引っ越す日程がわかっている場合は、事前に準備しておくとよいでしょう。
引っ越し先の転入届は引っ越してから2週間以内に行う必要があります。転出先の市町村役場から発行してもらった転出証明書を持参して手続きをしましょう。代理の方が住所変更する場合は、委任状をお忘れなく。
・③運転免許証の住所変更
運転免許証は、免許証の記載事項に変更があった場合に手続きが必要となってきます。運転免許証は、手続きにタイムラグがあっても、免許証としては有効ですが、本人確認書類として使うことが多いので、早めに住所変更をしておきましょう。運転免許センターか、警察署で住所変更ができます。
・④車庫証明の住所変更
管轄の警察署で申請書を受け取り、必要事項を記入し手続きをします。車検証の住所変更に車庫証明書が必要なので、車庫証明の住所変更が完了したら、同時に入手しておきましょう。運転免許証の住所変更と同時に行うのがおススメです。
・⑤車検証の住所変更
陸運局で手続きをします。このとき、車庫証明書の提出を求められます。
・⑥郵便物の転送手続き
引っ越ししたことを知らない人から、古い住所に郵便物が届く場合があります。そんな時は郵便局で行っている転送サービスを利用しましょう。手続きは最寄りの郵便局で出来るので、運転免許所や健康保険証など、本人が確認できるものを持参して手続きをしましょう。
また、窓口に行かなくても、転居届用紙に必要事項を記入し、切手を貼らずにポストに投函する方法もあります。さらに、「e転居」という、日本郵便のインターネットからも手続きができます。
・⑦子ども手当・介護手当などの各種手当
手当関係は、転入先の役所で手続きをします。
・⑧金融機関への住所変更
引っ越し後、最寄りの窓口に行って手続きしましょう。尚、転居先に同じ系列の銀行がない場合があります。そのときは、引っ越し前に、現在の金融機関に相談してみると良いでしょう。
・⑨生命保険、自動車保険、学資保険など、各種保険の住所変更
保険会社に手続き方法を問い合わせておきましょう。
・⑩スマートフォン、携帯電話、固定電話、インターネットのプロバイダなどの住所変更
通信機器関係も、住所変更が必要です。請求書や領収書をペーパーレスにしていると、忘れがちですが、大切なお知らせなどが、古い住所に送られてしまうことを防ぐためにも、きちんと住所変更しておきましょう。
・⑪クレジットカードなどの住所変更
クレジットカードやプリペイドカードなども住所変更が必要です。また、携帯やスマホで、SuicaやWAONなど、お財布ケータイとして使用している場合も、DoCoMoやAUなどといったキャリアに対する住所変更とは別に、自分で行わなければならないので、気を付けましょう。
マイナンバー住所変更時の注意点5つ
■①諸事情でマイナンバーの住所変更ができない場合は?
・震災や災害により、避難生活をしている
・DVやストーカー被害、虐待被害を受けて元の住所を離れている
・一人暮らしで長期入院により、医療機関などに入所している
など、諸事情により住民票の住所変更ができない場合は、住民票のある市町村役場で居所登録をしておきましょう。
通知カードやマイナンバーカードに記載される住所は、あくまでも住民票の住所となりますが、転居先で、役所関係からのお知らせは、転居先で受け取ることができます。また、転居先で新生児が生まれるなど、家族構成に変更があった場合、マイナンバーの通知カードも転居先に送られてきます。
■②マイナンバーの住所変更を忘れたら。住所変更していない時は?
通知カードもマイナンバーカードも、住所変更の期限は、転居届(同じ市町村内の住所変更の場合)や転入届(他の市町村に住所変更する場合)を出す期限と同じ、14日となっています。住民基本台帳法によると、それを過ぎると「過料(かりょう)」として最高5万円の罰則がある、とあります。「過料」を徴収するかどうかは、市町村によって対応が異なるようですが、その場合も90日を過ぎると、マイナンバーが失効してしまいます。
その後の面倒な手続きを避けるためにも、引っ越ししたなら、14日以内に忘れずに通知カード・マイナンバーカードの住所変更をしておきましょう。
■③引越し前にマイナンバーカードを申請し、受け取っていない場合は?
引っ越す間際に、写真付きのマイナンバーカードを申請しすると、カード作成の時間差で、郵便で届かないまま住所変更しなければいけない場合もあるでしょう。そんな時は、新しい居住先で、通知カードの住所変更を行った上で、もう一度マイナンバーカードの申請をしなおします。
■④マイナンバーカードは、個人情報の宝庫
通地カードは、番号を通知されたカード。マイナンバーカードは、番号を通知された通知カードをもとにして、個人番号が記載された写真入りで作成されたカード、となります。本人識別には従来は、運転免許証や健康保険装の提出が必要ですが、写真入りのマイナンバーカードであれば、本人確認書類の提出は必要ないと言われます。
スマホ、携帯電話を購入する場合など、様々な契約をする際の本人確認書類として使うのは、避けたほうがよいといえます。マイナンバーカードは、個人番号が記載されているカードです。公的機関以外で、提出するのは避けましょう。
■⑤マイナンバー通地カードやマイナンバーカードを紛失した場合
通地カードやマイナンバーカードの盗難にあったり、紛失した場合は、他人による悪用を防ぐためにも、すぐに個人番号コールセンターに連絡し、一時停止申請をしましょう。
一時利用停止した後に見つかった場合は、市町村役場の窓口で利用再会の手続きが出来ます。それでもやはり見つからなかった場合は、警察に紛失届を提出する必要もあります。個人番号コールセンターの指示に従って手続きをしましょう。
まとめ
マイナンバー通知カードやマイナンバーカードと、マイナンバーには紛らわしい言葉がたくさん出てきますが、マイナンバーは、「国民一人一人に付与されている個人識別番号」です。番号で様々な部署と紐づけられる、マイナンバーですが、自分の個人情報を管理するためには、一人一人のしっかりしたマイナンバーへの理解が必要、といえるのではないでしょうか。
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