最後に外壁を掃除したにはいつでしょうか? もう何年も外壁掃除をしていないという方も多くいらっしゃるでしょう。もし年末の大掃除に外壁掃除を組み込んでいるご家庭があるとすれば、大変優秀なご家族がいらっしゃるのでしょう。
外壁掃除は大掛かりな作業です。場合によってはハシゴを使って外壁掃除をするため、時間も手もかかり、危険を伴う場合もあるでしょう。
また近年は汚れに強い外壁もありますが、その多くは雨で汚れが落ちやすいという意味であり、ピカピカの状態を自らキープするというわけではありません。外壁掃除をしないままでいると、外壁は傷み劣化が早まります。
そこで今回は、外壁掃除のやり方・頻度・注意点・業者の料金相場等について、詳しくご紹介します!
外壁が汚れる原因
外壁が汚れる原因は『砂埃』や『泥』、『雨』、『車の排気ガス』、『溶けたシーリング剤』、『換気扇からの出た油汚れ』等です。当然ながら外壁は家の中の水が入らないように施されているため、雨や埃等の耐久性には優れています。
どんなに優れた外壁であっても、雨風にさらされているため、時間と共に外壁は汚れていくのは仕方がありません。特に強風の日や大雨の日は、外壁に砂埃や泥が外壁に付きやすく、換気扇周りの外壁は油やススで黒くなります。
■住宅環境によって外壁の汚れ具合に差がでる
住宅環境によっては、汚れ具合等に差があるのも特徴です。日当たりが悪い外壁は湿気が多く、通気性も悪いため、カビ、コケ、藻が生えやすいです。さらに外壁に付着している水分等を栄養にして、どんどん繁殖します。また窓がある外壁はサッシの隙間に砂埃や泥が溜まりやすいため、同じくカビが繁殖しやすです。
中には車通りが激しい大通りに住んでいる方もいるでしょう。交通量が激しい場所にある住宅は、排気ガスで外壁が黒くなります。
外壁掃除を自分でする4ステップ
外壁掃除を自分で行うのは簡単で、4つのステップでできます。ただし外壁掃除をする時は、天候に注意しなければいけません。
・よく晴れている日
・できれば翌日も予報が腫れの日
・無風もしくは風の弱い日
外壁掃除は上記の条件で行うのが鉄則です。
■①ホースの水、または高圧洗浄機で外壁の汚れを掃除
外壁は泥汚れ、砂埃等の汚れが蓄積されて薄い層のようになっています。外壁をキレイにするためにホースの水、もしくは高圧洗浄機でプレ掃除をしましょう。外壁はホースの水や、高圧洗浄機の水圧だけでもかなりキレイになります。また外壁掃除は高い位置から始めましょう。
ただし高圧洗浄機で外壁掃除をすると、水圧により外壁が傷むこともあります。弱い水圧から外壁を掃除を始め、様子を見ながら水圧を強くしていくのが、外壁を傷めないコツです。また外壁掃除は水の跳ね返りがあるため、レインスーツや作業着など、濡れてもいい格好で掃除をしましょう。
■②洗剤で外壁をこする
プレ掃除で落ちなかった外壁の汚れや、高い場所は、長い柄のついたブラシやスポンジに外壁洗浄剤を付けて擦ります。外壁掃除で洗浄剤を使う時は、ゴーグルや作業用メガネ、手袋、マスクをしてから外壁掃除の作業を行います。
外壁にコケや藻が生えている場合は、ぬるま湯で10倍~20倍に薄めた中性洗剤、もしくは、専用洗浄剤で掃除をしましょう。でもコケや藻の生え具合等によって、中性洗剤では落ちにくいこともあります。中性洗剤で落ちない場合は、専用洗浄剤を使うと良いです。
またブラシやスポンジで、外壁を力強く擦ると傷めてしまうこともあるため優しく擦ります。
■③外壁についた洗剤と汚れを水洗い
洗浄剤で外壁掃除をしたら、水で洗浄剤と汚れを落としましょう。特に外壁掃除で洗浄剤を使った時は、しっかり水洗い流すことです。洗浄剤が外壁に残っていると、変色や外壁を傷める原因になります。
■④外壁を乾燥させる
水でしっかり洗浄剤を洗い流して、外壁を乾かしたら掃除完了です。最初にご紹介した通り、外壁掃除をする時は晴れていることと、強風以外の日に作業をします。
せっかく洗浄剤で外壁をキレイに掃除をしても、雨が降っていると外壁が乾きません。強風の日は濡れた外壁は早く乾きそうなものですが、強風と一緒に砂埃等も舞うため、キレイにした外壁がすぐに汚れてしまいます。そのため強風の日の外壁掃除作業は向いていません。
外壁掃除に必要な道具5つ
外壁掃除を行う時は5つの道具を用意しましょう。特に高圧洗浄機、外壁洗浄剤、ブラシやスポンジは外壁掃除の肝になるアイテムです。中でも高圧洗浄機は値段によって水圧力が違うため、よく検討してから購入しましょう。
■①外壁掃除に必要な「高圧洗浄機」
高圧洗浄機と言えばケルヒャーが有名です、名前を知っている方も多いのではないでしょうか?高圧洗浄機は水圧で汚れを落とす機械で、家庭用の商品も数多く販売されています。水圧が高いほど外壁の汚れは落ちやすいです。
価格帯はピンキリで1万円台~10万円以上等あり、値段が高くなるにつれて水圧力、延長ホース等の付属品が増える等の差があります。予算等に応じて購入しましょう。
また商品によっては音がうるさい物も多くあります。近所迷惑になることもあるため、音が気になる方は静音設計タイプを選びましょう。また静音設計出ないものを購入する際は、あらかじめレビューを確認すると良いでしょう。
■②外壁掃除に必要な「長い柄のついたブラシやスポンジ」
高い場所の外壁掃除をする時に欠かせないのが、長い柄のついたブラシやスポンジです。外壁は硬いブラシやスポンジで擦ると傷めるため、柔らかいブラシやスポンジで掃除をします。そのため外壁専用ブラシやスポンジは、柔らかい素材ででいているため安心です。
ブラシやスポンジ部分は球体タイプ、横広タイプ等があります。柄の長さは2m~4m以上等、好みの長さに調整できて、軽くて作業しやすいアルミタイプが多いです。
■③外壁掃除に必要な「外壁用の洗剤」
外壁掃除をする時は専用の外壁洗浄剤を使うのが良いでしょう。外壁洗浄剤の種類は様々で、コケや藻に特化したタイプ、外壁のカビ取り専用タイプ、黒ずみを防ぐタイプ等があります。
また外壁洗浄剤の使い方はタイプによって違い、多くは水で薄めて使うタイプですが、原液のまま使う強力なタイプもあります。
水で薄めて使うタイプは、外壁の汚れ具合によって洗浄剤を調整できるのがメリットです。でも洗浄剤を薄め過ぎると、外壁汚れがなかなか落ちない場合がありますので要注意です。原液のまま使うタイプは薄める手間がなく、かつ強力パワーで外壁汚れを落とすのがメリットです。ただし医薬用外劇物に指定されているため、十分に注意しえ使いましょう。
■④外壁掃除に必要な「ホース」
外壁掃除には延長ホースを選ぶと便利です。延長ホースならある程度高い場所の外壁も対応できます。
■⑤外壁掃除に必要な「バケツ」
外壁洗浄剤を水で薄めて使う場合や、原液を使う時もバケツを使います。最低でも1個は用意しましょう。
外壁掃除をする頻度
外壁掃除の頻度は1年に1回か2回が理想的です。年に数回、定期的に外壁掃除をすると外壁が傷みにくく、劣化のスピードを遅らせることができます。
外壁汚れの多くは『都市型汚れ』です。都市型汚れとは溶けたシーリング材の油、ホコリ等が雨で混ざった油性の汚れのことで、窓や排気口周辺の外壁に付着します。他にはコケ、藻、カビもあり、外壁汚れが蓄積されるとなかなか汚れが落ちません。
外壁汚れを怠ると劣化が進み、外壁のヒビ割れ、雨水等から壁を守る壁膜が剥がれます。外壁の劣化が進むと最悪の場合、外壁の中に雨水が浸透するため、1年に1回か2回は外壁掃除をしましょう。
外壁掃除をする時の注意点5つ
外壁掃除をする時は水を使うため、5つのことに注意しながら掃除することです。外壁掃除の注意事項の中には、ご近所トラブルに関する内容もあるため、しっかり把握しましょう。
■①外壁から部屋の中への水漏れ
外壁掃除をする際は、室内に水が入らないように、窓は全て閉めてから作業を始めましょう。注意すべき点は他にも『サッシの隙間』、『換気口』、『換気扇』などがあります。特に換気口や換気扇は水が入りやすいため注意しましょう。水が入りやすい場所は、外壁掃除をする前に養生テープで保護しましょう。
■②外壁だけでなく近所に水が飛んでしまう
外壁掃除中は事情によっては水が隣の家に飛び、迷惑をかける場合もあります。特に隣の家と密着している場合や、マンション等のベランダの外壁掃除をする時は注意しましょう。
外壁掃除の水により、ご近所トラブルへと発展したケースもあるため他人事ではありません。「外壁掃除の水が飛んできて、窓や外壁が汚れた」「隣がベランダの外壁掃除をしたため、洗濯物が汚れた」等の事例もあります。
外壁掃除によるご近所トラブルを避けるために、必ず事前告知をしましょう。事前に外壁掃除をする日にちや時間がわかっている場合は、早めに伝え、「作業当日は窓を閉めて下さい」等、一言添えると親切です。
■③外壁掃除の洗剤を吸い込まないようにする
外壁洗浄剤を使って外壁掃除をする時は、マスクを着用して洗浄剤を吸い込まないようにしましょう。外壁洗浄剤は人体に影響がないタイプから、刺激が強いタイプまであります。
安全に外壁洗浄剤を使うためにも、必ずマスクを着用してから作業を行うことです。さらに目に洗浄剤が入らないように、ゴーグルや作業用メガネ、他にも手荒れ防止にゴム手袋をすれば完全防備になるため、安心して外壁掃除ができます。
■④外壁の高所から落ちないようにする
住宅事情によっては、高い場所で外壁掃除をすることもあるでしょう。高い場所での外壁作業ではハシゴを使うこともあります。高い場所での作業に慣れていない方は、転落に気を付けて下さい。
安全に外壁掃除を行うためにも、決して無理はしないことです。万が一の時を考えると、できれば1人よりも、2人で外壁掃除をした方がいいでしょう。
■⑤外壁掃除の水圧で家を傷めないようにする
高圧洗浄機は水圧で外壁をキレイに掃除することができますが、水圧が強過ぎると、目地やシーリング材に悪影響を及ぼします。外壁汚れは落ちても、一緒にモルタル等も削り落としてしまうこともあるため、注意しましょう。
高圧洗浄機で外壁が破損すると、外壁の中に水が浸入して木材が腐ったり、カビが生えることもあります。高圧洗浄機を使う時は、水圧の加減を見ながら外壁掃除をして、外壁を傷めないようにすることです。
業者に外壁掃除を頼んだ場合の相場金額
これまで解説した通り外壁掃除は自分で実施可能ですが、専門業者に依頼するのがやはりオススメです。『外壁掃除を完璧にしたい方』、『外壁掃除がめんどうな方』、『建物が大きくて自分では外壁掃除ができない方』、『男手がない方』など様々な事情により外壁掃除が現実的でない場合は業者に依頼しましょう。
業者に依頼した場合の相場料金はいくらなのでしょうか?
■高圧・バイオ洗浄は戸建てで約5万円
外壁掃除には高圧洗浄機を使う業者がほとんどです。
外壁の高圧洗浄の料金は「1㎡=100円~300円」が相場金額です。高い場所の外壁掃除をする時は足場を組むため、「㎡=600円~800円」、さらに室内に水が入らないように養生テープ等を使う場合は、「㎡=300円~500円」の料金が発生します。
高圧洗浄機での外壁掃除は、汚れを落とすことはできますが、コケ、藻、カビを落とすことはできません。カビ等も落としたい時はバイオ高圧洗浄が向いています。相場は「㎡=200円~400円」です。
どちらも目安になりますが、一般的な2階建ての戸建てで約5万円前後かかります。
■【外壁素材別】高圧洗浄と汚れ予防コーティングセットの金額相場
高圧洗浄やバイオ洗浄のあとに、汚れ防止塗料をコーティングする方法です。素材によって金額が異なります。
サイディングボード
サイディングボード
1棟=5万円~25万円
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板
1棟=5万円~20万円
コンクリート
コンクリート
1棟=3万円~70万円
モルタル塗装
モルタル塗装
1棟=20万円~50万円
漆喰
1棟=25万円~60万円
レンガ・タイル
レンガ・タイル
1棟=10万円~40万円
まとめ
外壁掃除の劣化を防ぐためには、年に1回か2回は外壁をキレイにするのがポイントです。自分で外壁掃除をするか、業者に依頼しましょう。外壁掃除をする時は参考にして下さい。
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