最近、洗濯物を干す時に、何だか変なニオイがしたり、ゴミがつくようになったと感じていませんか?
風呂の残り湯を使ったからこんなニオイになったのかな?
汗のニオイが取れてないのかな?
ゴミが出るのは服のポケットにメモでも入れて洗濯したんだっけ?
ゴミは古くなった服の繊維か、洗剤のカスかな?
と思っていても、1回だけでなく毎回洗濯した服から変なニオイがしたり、同じようなゴミがつくのはおかしいですよね。
そんな時は、洗濯槽の裏にカビが生えているのかもしれません。
「いつも洗濯しているから、うちの洗濯槽にはカビは無いみたい」
と信じたいところですが、いつも使う洗剤で洗濯しても洗濯槽の裏のカビは除去できません。
むしろ、洗剤のカスがカビ菌の餌になっていることがあります。
ここでは、洗濯槽の裏にかくれているカビを掃除する方法について調べてみました。
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洗濯槽の掃除方法
洗濯槽の裏の汚れを取るのは、実はとても簡単なんです。
40度から50度位の少し熱めのお湯に、重曹または酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)を入れて、一晩そのままにしておけば良いのです。
ガス台まわりの掃除や、トイレの掃除のように、手間がかかることもありません。
5時間から6時間、薬品に洗濯槽をひたしておけばいいのです。
長時間、洗濯槽を薬品につけておくことでカビや汚れが分解されて浮いてきます。
なるべく長い時間つけておくことが重要なので、1、2時間程度ではあまり効果はありません。
今日の分の洗濯が終わった後からはじめて、一晩つけておき、次の日の朝に排水するように計画を立てると良いでしょう。
それでは、順を追って見てみましょう。
■1 お湯を洗濯槽に入れる
洗濯槽の一番上までお湯を入れます。
40度から50度位の、少し熱めのお風呂位の温度が最適です。
水でもかまいませんが、汚れやカビをふやかしたいので、お湯のほうがオススメです。
お風呂の残り湯でもかまいません。
もっと熱いお湯でキレイにしたいという場合は、洗濯機が何度のお湯にまで耐えられるかを、あらかじめ説明書で確認しておきましょう。
あまり高温のお湯を入れてしまうと、樹脂やゴムの部分が変形してしまう恐れがありますので気をつけてください。
それぞれ洗濯機は、最大でどこまで水を入れられるかが決まっています。
あふれてしまわないように気をつけましょう。
また、ドラムが横についていたり、ななめについていたりして、水があまり入れられないことがあります。
そのような場合は、洗濯機のドアやフタが開けられる位のお湯の量で洗浄します。
もしも洗濯機に「槽洗浄コース」があれば、説明書を読みながら「槽洗浄コース」で洗いましょう。
洗濯は一緒にしないこと
この作業は、洗濯槽の裏にあるカビを取ることが目的です。
洗濯物を一緒にいれてしまうと、服が洗濯槽の裏からゴッソリでてきたカビまみれになって、カビくさいニオイがくっついてしまいます。
■2 薬品をお湯に入れる
洗濯槽の裏にあるカビを取ってくれる薬品を投入します。
重曹または酸素系漂白剤を入れますが、どちらも手順は同じです。
重曹(炭酸水素ナトリウム、重炭酸ナトリウム)
重曹の粉を、お湯に200グラム入れます。
重曹はアルカリ性の薬品なので、酸性の汚れや洗濯槽についたカビ、においを取ってくれます。
100円ショップなどで売っているもので十分です。
溶かして使用するので、粒の大きなものでも、医薬品用のサラサラしたものでも、どちらでもかまいません。
洗濯物を白くするために、洗濯の時に、重曹を一緒に入れている方もいます。
洗濯機の種類によっては、重曹が禁止されているものもあります。
念のために自宅の洗濯機の説明書を、ひととおり読んでから重曹を使いましょう。
酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)
漂白剤というと、プールのようなツーンとしたニオイを思い出してしまいますが、それは塩素系漂白剤です。
酸素系漂白剤はそのようなニオイはありません。
汚れと酸素が反応することで、汚い黒カビを洗濯槽からゴッソリ取ってくれるのです。
粉末の酸素系漂白剤であれば500グラムから1キロ、液体であれば500mlから1000mlを入れましょう。
■3 洗濯機を回して5~6時間放置
普通に洗濯をする時のように、5分程度回します。
もし「標準コース」と「遠心力コース」があるようでしたら、「遠心力コース」のほうが汚れが落ちます。
回し終わったら30分そのままにします。
そして、30分後に、また5分程度回します。
これを2、3回繰り返しましょう。
その後は、なるべく長時間薬品を洗濯槽にひたしておきます。
5~6時間くらいは薬品につけておいたほうが良いので、一晩そのままにしておくようにしましょう。
■4 浮いてきた汚れをアミで取る
一晩経つと、黒い汚れやドロドロしたものが浮いてきます。
これをそのまま流してしまうと、排水口が詰まる原因となってしまいます。
そうならないために、アミでゴミをすくいましょう。
ゴミをすくった後に、もう一度ダメ押しで洗濯コースで5分回します。
またアミでゴミをすくったら、排水します。
■5 すすぎ洗いでフィニッシュ
水を洗濯槽にためて、すすぎ洗いをします。
汚れが出てこないようであれば、洗濯槽の掃除は完了です。
まだ、ふやけた汚れが浮いてくるようであれば、すすぎ洗いを繰り返しましょう。
そして、しばらく洗濯槽を乾燥させるために、洗濯機のフタは閉めないでおきましょう。
洗濯槽から出てくる黒い汚れの原因
洗濯物に、もし黒くてひらひらしている汚れがついていたら、まさしくそれがカビです。
茶色いカスのようなものや、白くてポロポロしているものも同じくカビや雑菌が皮脂汚れと合体したものです。
この洗濯槽から出るカビですが「ピロピロわかめ」なんて可愛いニックネームで呼ばれていることもあるくらい、どこの家でもおなじみのカビなのです。
洗濯して、清潔でキレイな状態になっている白い服に、ピロピロわかめがくっついていたら、また洗濯しなくてはいけなくなって面倒ですよね。
洗濯槽の裏には、見えなくても黒カビのピロピロわかめがびっしりとついています。
黒カビは、服から出る油や皮膚のよごれ、洗剤や石けんかす、そして水分を餌にして増えていきます。
洗濯物だけでなく、洗濯槽のニオイもかいでみましょう。
変なニオイがしてきたら、カビや雑菌が繁殖しています。
それらが洗濯物にくっついて、服から変なニオイがしたり、洗い終わった洗濯物に黒や白のよごれがついているのです。
洗濯槽を掃除しないとどうなる?
洗濯槽の掃除のしかたがわからなくて、そのまま何もしないと、洗濯槽はカビの巣になってしまいます。
最近の調査によると、アレルギー性皮膚炎の原因の1つに洗濯槽のカビが考えられるそうです。
また、カビはぜんそくやアトピーが悪化する一因にもなりかねません。
洗濯槽の掃除をしないでいると、せっかく洗濯したのに、かえってカビ菌を服につけているかもしれません。
洗濯物や洗濯機から変なニオイがしてきたり、洗濯物に黒カビがついてきたら、洗濯槽のお掃除サインです。
洗濯槽のカビ掃除で使う洗剤
重曹か、または酸素系漂白剤を使います。
重曹は環境にも人間にも優しい洗剤ですが、洗剤としては汚れ落ちは弱くなっています。
酸素系漂白剤のほうが、重曹よりも汚れが良く落ちます。
洗濯している間は扉が開かないタイプの洗濯機は、酸素系漂白剤を使用すると泡立ちすぎてしまう場合があります。
泡でお湯を押し出してしまうため、カビが取れにくくなってしまうので、そのような場合は塩素系漂白剤を使用します。
また、重曹が使用できない洗濯機もあります。
洗濯槽の掃除をする前に、必ず自宅の洗濯機の説明書を読んでおきましょう。
洗濯機にダメージを与えてしまうと、故障の原因ともなりかねません。
■漂白剤の種類
漂白剤というと、液体のものと、粉のものを思い浮かべますが、どのように違うのでしょうか。
酸素系漂白剤
「アルカリ剤」という名前で呼ばれたり、「過炭酸ナトリウム」という名前でも呼ばれています。
液体のものと、粉末のものがあります。
洗濯槽の掃除には、どちらも使用可能です。
漂白剤というと白くすると思いがちですが、酸素系漂白剤は白くするのではなく汚れを分解するのが主な効き目です。
酸素系漂白剤は、水に溶けると活性酸素が生成されます。
この活性酸素と汚れが化学反応することで、汚れの分子が崩れていく仕組みになっています。
繊維の染料を脱色することはないので、色柄物に使えます。
塩素系漂白剤
ハイターに代表されるような、漂白力が大変強い漂白剤です。
使用する時に、うっかり自分の服に塩素系漂白剤をかけてしまって、色が落ちてしまった経験があるかもしれません。
服を染めている染料の色も漂白してしまうくらい、かなり強力なので使う時は気をつけましょう。
台所の白いふきんや、白い服や肌着の洗濯には使用できますが、色柄物には使えません。
洗濯槽のカビ掃除で注意するポイント
■漂白剤は混ぜないで使う
重曹や酸素系漂白剤を使用しますが、これらと塩素系漂白剤を一緒に使用しないようにしましょう。
漂白剤のパッケージには「混ぜるな危険」と書かれていますが、塩素系の漂白剤と、酸性のものを一緒にしてしまうと、身体に害のある塩素ガスが発生してしまうのです。
酸素系漂白剤に限らず、お酢や酸性の洗剤でも同様に危険です。
以前、酸性の洗剤を入れていた入れ物に塩素系漂白剤を入れたりするのも大変危険です。
酸性と塩素系は、入れ物を別々にしましょう。
塩素系漂白剤を洗濯槽のクリーニングに使う時は、よく水洗いしないと塩素系漂白剤が残ってしまいます。
もし残っていると、服が漂白されて色が落ちてしまいますので、塩素系漂白剤を使った時は水洗をよく行うようにしてください。
■洗濯機の種類
最近は、洗濯機もさまざまな種類があります。
従来からある上から洗濯物を入れるタイプの洗濯機であれば、かなり上まで水が入れられるので、洗濯槽の掃除も楽にできます。
もし、洗濯機に「槽洗浄コース」があれば、説明書に従って洗濯槽を掃除してください。
指定されていない洗剤を使用すると、泡立ちすぎてお湯が排出されて少なくなってしまうことがあります。
ドラムがななめになっていたり、横から洗濯物を入れたりするタイプの洗濯機の場合、「槽洗浄コース」が無ければドアを開いても水がこぼれない程度の量で洗濯槽の掃除をしましょう。
洗濯槽のカビ掃除に使える便利グッズ
洗濯槽の掃除をする時には、トイレやガス台を掃除する時ほど道具は必要ありません。
それでも、あると便利なグッズをご紹介します。
■ゴミ取り用のアミ
100円ショップで買えるものでOKです。
酸素系漂白剤を入れると黒カビが取れてきますので、それを取るためのネットです。
黒カビを取らずに排水してしまうと、今度は排水管がつまってしまいます。
排水管がつまってしまうと、またお掃除をする場所が増えてしまいますから、ゴミをすくうネットで黒カビを取るのです。
袋状になっているアミでも良いですし、浴槽のゴミをすくう平らなアミでも結構です。
■古くなった歯ブラシ
さまざまな掃除で役立つ古くなった歯ブラシですが、洗濯槽の掃除でも役立ちます。
洗濯槽は、デコボコしていたり、くぼみがあったりします。
そのくぼみの部分に水がたまりやすく、カビも生えやすいので、表からでかまわないのでブラッシングして汚れを取りましょう。
洗濯槽をキレイに保つために日頃からできること
洗濯が終わった後、洗濯機の扉はしばらく開けておきましょう。
なるべく水分を洗濯機の中に残さないようにします。
そうすることで、カビが生えないようにするのです。
洗濯機のゴミ取りネットや、洗剤を投入する部分など、取り外せる部品があれば、洗濯するたびに掃除しておきましょう。
洗剤カスや、繊維のゴミがたまりやすい部分です。
また、洗濯機のごみ取りネットの部品だけでなく、部品を外したあとの本体部分もゴミがたまりやすくなっています。
こちらもキレイにしておきましょう。
まとめ
普段は見えない場所だけれども、掃除をしてビックリするのが洗濯槽の裏のカビ掃除です。
自分の手では掃除できない場所だけに、掃除方法を知らないとあきらめてしまいがちです。
洗濯槽の掃除は、普通3ヶ月に1度と言われています。
梅雨時など、家全体が湿気ている時は洗濯槽も湿りがちですし、カビも生えやすい季節になっています。
そのような時は一ヶ月に一度、洗濯槽の掃除をすると良いでしょう。
家族の数が多いほど、洗濯槽の裏の汚れもつきやすくなります。
また、服の汚れがひどいほど、カビや細菌の餌になるものも増えるので、こまめな掃除が必要です。