トイレ掃除は家の掃除の中でも、やりたくない場所の一つですよね。掃除機をかけるだけでは終わらないし、自分や家族の汚物の掃除と思うだけでもウンザリします。家の中の他の場所であれば、洗剤をかけてゴシゴシすれば大抵のヨゴレは落ちます。
しかし、トイレのヨゴレの場合は洗剤をかけて放置しても、力いっぱい磨いても、まったく綺麗になってくれないケースが多いですよね。そんなトイレの掃除の中でも、やっかいなのが尿石ヨゴレです。トイレのヨゴレは大きく分けると黄色いヨゴレと黒いヨゴレに分類できます。黄色いヨゴレは尿石のヨゴレ、黒いヨゴレはカビのヨゴレです。
お客様が来るからと、急いで掃除をしても尿石ヨゴレはすぐには落ちてくれません。今回は、一度ついてしまうと面倒なトイレの黄色いヨゴレの元、尿石のヨゴレの落とし方について調べてみました。
トイレの尿石を落とす6つの掃除方法
トイレの黄色い尿石ヨゴレは見た目にも汚いだけではなく、トイレのくさいニオイの元にもなっているのです。
トイレはどうしてもニオイもヨゴレも、中にこもってしまいがちです。トイレは普段からドアも閉じられていて、空間としても狭い場所になっています。そしてホコリやトイレットペーパーから出る紙の細かい粉、飛び散った排泄物など、どうしても雑菌が繁殖しがちな場所です。
普段から気づいた時に掃除をこまめにすることで、雑菌の繁殖と尿石ヨゴレを防ぎたいものです。
家族全員がトイレを清潔で落ち着いた場所として使えるよう、こびりついてしまった尿石ヨゴレを取っていきましょう。
■1 酸性の洗剤でトイレの尿石を掃除する
トイレの洗剤と言えば、ロングセラー商品のサンポールですよね。学校の掃除当番などで緑色のボトルを目にした人も多いことでしょう。アルカリ性の尿石汚れには、サンポールのような強力な酸性洗剤が効果的なのです。
洗剤は強力であれば種類は何でも良いわけではありません。アルカリ性の汚れには、酸性の洗剤を使用すると効果的です。酸性の汚れには、アルカリ性の洗剤を使用すると効果的です。汚れが何でできているのか、酸性なのかアルカリ性なのかによって、洗剤を変える必要があるのです。
サンポールを使うと、独特の酸のニオイがしますが、この酸の作用によって尿石が溶けてくれるのです。他の洗剤を使っても全く落ちなかった尿石の黄色い汚れが、サンポールをふりかけただけでスッキリ綺麗になる場合が多いのです。
何度も付け置きをし、少しずつ取るか、尿石に少し傷をつけて中まで酸性洗剤が浸透するようにします。
■2 酸性の洗剤を湿布してトイレの尿石を掃除する
掃除の方法の一つに「湿布法」があります。洗剤をトイレットペーパーなどに染み込ませて汚れが気になる場所に貼り付けることで、じんわりと汚れを分解させるのです。
尿石汚れが気になる場所に、トイレットペーパーをあてます。そして、酸性の洗剤をトイレットペーパーにスプレーしたりふりかけたりします。10分ほど放置したら、一部分をめくってスポンジなどでこすってみましょう。まだ尿石汚れが落ちないようであれば、さらに10分ほど放置します。これを繰り返すことで、尿石ヨゴレが段々と分解されて落としやすくなっていくのです。
注意してほしいのが、ティッシュペーパーでなく必ずトイレットペーパーでするようにしてください。ティッシュペーパーとトイレットペーパーは見た目は似ていますが、水に対しての性質が全く異なります。ティッシュペーパーは水に溶けにくいため、流すと排水口がつまってしまいます。
トイレットペーパーは水に溶けるように作られています。しかし、いくらトイレットペーパーが溶けるからといって、一度に大量に流してしまうと詰まってしまいますので気をつけましょう。
■3 尿石除去剤でトイレの尿石を掃除する
尿石除去剤は、男性用の小便器がある家庭では日常的によく使用する薬剤です。男性用小便器の排水管が尿石で詰まってしまうことがあるので、定期的に尿石除去剤を使用して溶かしているのです。
尿石除去剤は医薬用外劇物ですが、最近では薬品の配合を変えて通販などでも販売できるようにしてある製品もあります。家族が多い場合は、尿石除去剤を定期的に使用すると便器がつまりにくくなります。
■4 重曹とクエン酸の合わせ技でトイレの尿石を掃除する
アルカリ性の重曹と、酸性のクエン酸を一緒に合わせて使用します。尿石ヨゴレが気になっている部分に、重曹の粉をふりかけます。
もし重曹がすぐに下に落ちてしまって、尿石ヨゴレの部分にとどまらないようでしたら、重曹を少量の水で溶かして重曹ペーストを作ります。重曹ペーストであれば、傾斜がついた部分にも塗りやすくなります。そして、その上からクエン酸水をスプレーします。重曹とクエン酸の反応で、シュワシュワと泡が出てきます。この泡の力で尿石を分解させるのです。
本来であれば、アルカリ性の洗剤と酸性の洗剤は、合成させると有毒なガスが出るので一緒に使用していはいけない組み合わせです。しかし、重曹やクエン酸は身体にも環境にも優しい物質からできているので、塩素系漂白剤のように危険ではありません。しかし、一緒に使用することで具合が悪くならないように、窓を開けて換気を良くしてから使用しましょう。また、具合がわるくなったらすぐに使用を中止してください。
■5 耐水性サンドペーパーや陶器用研磨パッドで削ってトイレの尿石を掃除する
写真提供:おそうじ本舗八王子南店 様
これまで書いてきたような洗剤で落とす方法でも落とせない尿石は、削って落としましょう。耐水性サンドペーパーや陶器用研磨パッドで削るのです。
これは、洗剤で落ちなかった場合の最終手段ですので、最初から削ってしまうと便器がキズついてしまいますので注意してください。洗剤で尿石が少し分解してやわらかくなった状態で削るようにしましょう。
耐水性サンドペーパーは、ホームセンターや100円ショップなどで売られています。番号が小さいほどザラザラした目の荒いサンドペーパーで、番号が大きくなるほど目の細かいサンドペーパーになります。便器をキズつけないためにも、耐水性サンドペーパーの番号は1500番以上のものを使用するようにしてください。
普通のサンドペーパーは、水に濡れてしまうとすぐボロボロになってしまいます。必ず耐水性のものを使うようにしてください。また、使い終わったサンドペーパーはトイレに流すとつまってしまいます。必ずゴミ箱に捨てるようにしてください。
耐水性サンドペーパーよりもソフトなのが陶器用研磨パッドです。便器は陶器でできているので、入手できるのであれば耐水性サンドペーパーよりは便器に優しい素材なのでおすすめです。
■6 軽石で便器を削ってトイレの尿石掃除をする
裏技になりますが、耐水性サンドペーパーでも落ちない尿石ヨゴレは軽石で磨いてみましょう。足のかかとをこするための軽石です。
軽石は握りやすく、力も入れやすいので、掃除道具としては使いやすいのです。しかし、便器メーカーとしては、トイレの便器は陶器でできているので、耐水性サンドペーパーや軽石で磨くこともおすすめしていません。耐水性サンドペーパーの場合は微細なキズがついてしまいますし、軽石の場合はサンドペーパー以上にキズをつけやすい材質です。場合によっては、キズが元で割れてしまうこともあります。
使用する時には、くれぐれも便器を傷つけないよう、端の部分でテストしてから行いましょう。
硬いスポンジやゲキ落ちくんなどのメラミンスポンジで擦る等、
汚れを落とすために過度な傷をつけてしまうとトイレに汚れが付きやすくなってしまいます。
上記の方法でも尿石を落とすことは可能ですが、使い方を間違えると傷がつき、汚れが再付着しやすくなるため気をつけましょう。
トイレのフチ裏についた尿石汚れ(お掃除前)
写真提供:おそうじ本舗八王子南店 様
ピカピカになったトイレのフチ裏(お掃除後)
写真提供:おそうじ本舗八王子南店 様
トイレの尿石掃除のコツ2つ
■1 掃除中はトイレの水の元栓はしめておく
いざ掃除となると、すぐにでも洗剤を使ってトイレ掃除をスタートさせたいところですが、その前に便器の水たまりの水を抜いておきましょう。便器の水が、いつもたまっている部分にも、尿石ヨゴレがあるからです。
水を抜く時は、トイレの水の元栓をしめておくと良いでしょう。トイレの後方の、壁から出ている部分に水の元栓があります。古いタイプですとハンドル式になっており、比較的新しいタイプはマイナスドライバーでしめられるようになっています。もしトイレの水の元栓がわからなければ、家全体の水道の元栓をしめても良いでしょう。
■2 掃除する前に便器の水たまりの水を抜く
元栓をしめたら、灯油ポンプや紙コップなどを使って便器の水たまりの水を抜きます。バケツを横に用意しておいて、抜いた水をすぐに入れられるようにすると作業が速く済みますよ。また、灯油ポンプは、灯油などを移すのに使っているポンプとトイレ用とは別のものを使用しましょう。水と油が混ざってしまうと、灯油にとっても水にとっても使いにくくなってしまいます。
ある程度まで水が抜けたら、今度はボロ布などを使って、水たまりの水を吸わせていきます。排泄物が流れる部分なので、できれば使い捨てができる布のほうが掃除も簡単ですよね。
トイレの尿石ヨゴレを防ぐコツ2つ
■1 男性も便器に座って排尿を
トイレの壁や床の黄ばみヨゴレは、男性が排尿する時にできた尿ハネが原因となっています。尿ハネが蓄積されて、壁紙や床などに黄色い尿石ヨゴレを作ってしまうのです。尿ハネを防ぐには、男性が座って排尿するしかありません。
男性の立場からすると、ちゃんと便器の水たまりをねらってオシッコをしているから、自分は大丈夫と思っているかもしれません。そんな時は、お風呂に入る前にでも、裸になった状態でトイレで立って排尿してもらいましょう。腰やモモ、腕などに、思った以上に尿がハネているのが実感できます。
最近は、男性の友達が家に遊びに来たら、トイレでは便器に座って排尿をお願いしている学生も見られるようです。自分のオシッコの尿ハネを掃除するのも気持ち悪いものですが、他の人の尿ハネを掃除するのはもっとイヤなものですよね。
また、尿がハネた壁や床は、本人だけでなく家族全員が触っています。尿がついた靴下や足で家中を歩いていると考えるだけでも、不潔で気持ち悪いですよね。家の中をキレイに保つには、家族全員の強力が必要です。まずは汚さない工夫をしましょう。
■2 トイレの照明は明るく
トイレを落ち着いた場所にしたいために、照明を少し暗めにしている場合もあるでしょう。また、天井からのライトではなく間接照明にしている家庭もあるかもしれません。雰囲気としては良いのですが、トイレの照明が暗いとヨゴレがわかりづらくなってしまいます。
また、便や尿での健康チェックもおろそかになってしまいがちです。できればトイレの照明は明るくしたほうが、壁や床のヨゴレや、尿石ヨゴレも速く発見できますよ。
トイレブラシはスポンジタイプではなくブラシタイプのものを使用した方がいいでしょう。ラクに楽にという考えがこの記事が必要な状況にしていまいます。
トイレの尿石を落とす便利な掃除グッズ3選
■1 お酢でトイレの尿石を掃除する
アルカリ性の尿石は、食用のお酢でも落とすことができます。強い洗剤が苦手だったり、環境に良い洗剤を探していたら、お酢を使うと良いでしょう。お酢だけだとツンとしたニオイがきついので、お酢の中にハーブを入れるなどして自然な香り付けをするのもオススメです。
■2 陶器用研磨パッドでトイレの尿石を掃除する
耐水性サンドペーパーよりも、便器に優しい材質で作られている研磨パッドです。耐水性サンドペーパーも陶器用研磨パッドも、厳密に言えば尿石を削り取るのと同時に、どちらも便器に微細なキズをつけてしまいます。尿石が取れたら、それ以上使用するのは止めておきましょう。
■3 ラップでトイレの尿石を掃除する
キッチンで使用するラップです。洗剤をつけて尿石を分解させる時に、そのままでも良いのですが、より効果を高めるために上からラップをしておきましょう。
ラップであれば洗剤も蒸発しないので、尿石に染み込ませることができます。そして、数分経過したら一部ラップを取って、ゴシゴシこすってみましょう。まだ尿石が取れないようであれば、引き続きラップをして数分放置します。最後、ラップを流してしまうと排水管が詰まってしまうので、必ずゴミ箱に捨てるようにしてください。
おしゃれなトイレブラシや、掃除の後に流せる使い捨てのトイレブラシ、ポットがついて収納場所に困らないブラシや、陶器やステンレスでできた高級感のあるタイプなど、ここではいやなトイレ掃除が楽しくなるトイレブラシをご紹介します。
トイレ掃除をプロに頼んだ場合の相場料金比較表
仕事や家事が忙しくてトイレ掃除ができない場合は、トイレクリーニングのプロに仕事をお願いしてしまいましょう。トイレ掃除の相場ですが、値段は5,000円程度から50,000円程度と、業者によってだいぶ開きがあります。自分が頼む業者が何をしてくれるのか、どこまでヨゴレを落としてくれるのかなど、頼む前に一度見積もりをとることをおすすめします。
トイレクリーニングを業者に頼む時に、質問するポイントは、
・ひどい汚れの場合に追加料金があるのか?
・便座やウォシュレットを外して便器内を掃除をするのか?
・タンクの中を掃除するのか?
・尿石取りや排水口の掃除はどうやってするのか?
・換気扇の掃除はするか?
・床、壁、天井の掃除はするか?
・出張費や駐車場代は料金内か?
といったことがチェック項目になります。どこからがひどい汚れなのかは、業者にしか判断できません。料金設定があいまいな場合は、高額な追加料金が取られてしまう可能性があるので注意しましょう。
A社 | B社 | C社 | D社 | |
---|---|---|---|---|
基本料金 | 5,800円 | 13,000円 | 20,000円 | 56,000円 |
作業時間 | 1時間 | 1時間30分 | 1時間30分 | 2時間 |
業務時間外 | 対応可能 | 要相談 | 要相談 | 早朝深夜手数料10%増 |
タンク内カビ取り | 2000円追加 | 追加料金無しで対応 | 要相談 | 要相談 |
汚れ防止コート | 1,500円追加 | 3,000円 | 5,000円 | 5,000円 |
床ワックスがけ | 1,000円追加 | 2,000円 | 5,000円 | 5,000円 |
女性スタッフ | 対応不可 | 対応不可 | 可能 | 要相談 |
駐車場代 | お客様負担 | お客様負担 | お客様負担 | 業者負担 |
対応地域 |
埼玉 千葉 東京 神奈川 |
東京 神奈川 |
埼玉 千葉 東京 神奈川 |
茨木 埼玉 千葉 東京 神奈川 |
まとめ
頑張って掃除しても、なかなか消えなかったトイレの尿石による黄ばみヨゴレでしたが、正しく洗剤を選ぶことでかなり改善されることがわかりました。
洗剤には、酸性、中性、アルカリ性があって、ヨゴレの種類別に変える必要があったんですね。
強力な洗剤であれば全部何でも落としてくれるわけではありませんでした。
ヨゴレの元が尿石のようにアルカリ性であれば、酸性の洗剤で掃除することで効率よくお掃除ができます。
そして、長年のこびりついてしまった尿石は、耐水性サンドペーパーで削り落とすという技があることも今回知ることができました。
普通のサンドペーパーは水に濡れるとすぐボロボロになってしまうので、耐水性サンドペーパーを買う必要があります。
最近では100円ショップでも耐水性サンドペーパーを見かけるようになったので、気軽に試すことができますね。
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