毎日きちんと掃除しているつもりでも、床を常に清潔な状態にしておくのは難しいものです。子どもが食べものをこぼしたり、ペットが外からそのまま入ってきたりと、床にはさまざまな汚れがついてしまいます。
床は壁紙やカーテンと違って、なかなか交換できませんので、ちょっとした工夫で今よりもキレイにすることができたら良いですよね。今回は、床の素材別掃除方法をご紹介します。
1 フローリングの床掃除
フローリングの掃除は、材質によって多少異なります。家のフローリングは「無垢材」でしょうか「合板」でしょうか?
フローリングが木であることは知っているけれども、「無垢材」か「合板」かまでは知らない方も多いかもしれません。第二次世界大戦前までは、家の中の床や家具は「無垢材」でできていました。戦後は、大量生産ができる合板に主流が移るようになりました。
それぞれ、どのような素材なのでしょうか。
■無垢材とはどのような床材か?
無垢材は「まじりっ気なしの木そのもの」という意味です。伐採した木を、そのまま薄く切って加工しています。重さがあり、湿度などで反りが出やすくなっています。
また、無垢材はカンナなどで削り直すことで新品同様になるのも特徴です。年月が経つと味わいが出てくるので、長年使い続けることができます。
■合板とはどのような床材か?
合板とは、芯の部分は木材のチップを固めたものや、木材以外のもの、あるいは空洞でできていて、表面を木のシートでおおっているものを言います。軽量で、大量生産ができるのが最大の特徴です。内側と外側が違う材質でできていたり、空洞だったりするので、カンナでけずると壊れてしまいます。
耐用年数が短いものが多いこともあり、年月が経っても味わいは出てきません。接着剤にシックハウス症候群の原因とも言われている、ホルムアルデヒドが使われています。自分の家の床がどちらかチェックしてみましょう。
■フローリング床の掃除方法
フローリングに洗剤を使う場合、必ず「フローリング専用」と記載のある洗剤を選びましょう。フローリング専用の洗剤でないと、フローリングのコーティングが剥げたりシミになったりする原因になるからです。
フローリングに使える洗剤は"フローリング用洗剤おすすめ人気比較ランキング15選【汚れピカピカ】で紹介しているので、参考にしてください。
【フローリング床の掃除方法】
「無垢材」も「合板」も、ホコリや髪の毛などの細いゴミを集めるために、ペーパーが乾いたタイプのフローリング用モップ・フローリングワイパーで掃除します。フローリングの掃除は最初に掃除機を使いたくなりますが、掃除機を先にかけてしまうとゴミやホコリが舞い上がってしまいます。
そして空中に上がったホコリは2時間程度は落ちてこないので、結果的に掃除できなくなってしまうのです。そういった理由から先にフローリング用モップをかけましょう。
また、フローリングの掃除の最初に、ウエットタイプのフローリングモップを使ってしまうとホコリが床にくっついてしまいます。最初はドライタイプで掃除をしてください。
次に、掃除機をかけます。フローリングモップで大きなゴミは取れているので、フローリングモップでは届かなかった場所、例えばフローリングの溝や角を重点的に掃除します。掃除機は、フローリングの溝に沿ってかけた方がゴミがよくとれます。
溝の中につまってしまったホコリは掃除機では取れませんので、スキマ用ブラシを使ってみましょう。掃除機をかけたら中性洗剤を溶かした水で、水ぶきをします。
水が2リットルに対して、中性洗剤は小さじ1杯ほど入れれば十分です。
最初は水を多めに含んだ雑巾で拭き、次に固く絞った雑巾で拭きます。
水で薄めずに直接液体洗剤をかけてしまうと、刺激が強すぎてフローリングが傷んでしまいます。
かならず洗剤は水で薄めて使用しましょう。
「無垢材」も「合板」も、水には弱いので注意が必要です。
水を多く含んだモップで掃除してしまうと、床が傷んでしまいます。
最初に水を多く含んだ雑巾で汚れを浮き上がらせたら、あまり時間をおきすぎないようにして2回目の絞った雑巾で拭くようにしてください。
■無垢材のフローリング床の掃除注意点
「無垢材」は、木が傷まないように、コート材や塗料が表面に塗られています。水に長時間ぬれてしまうと、それらが剥がれてきてしまうので気をつけましょう。また、ワックスをかけたほうが良い木材と、かけないほうが良い木材があるので、お手入れ方法は家を建てた時の施工業者に問い合わせてみましょう。年月を重ねることで木からにじみ出てくる成分のほうが、ワックスよりも良い場合があります。
■フローリングの合板の掃除注意点
「合板」はワックスを使用すると効果的です。最近は、フローリングワイパーにワックス入りのものも出ています。乾いたフローリングワイパーで掃除をして、掃除機をかけたら、ワックス入りのウエットタイプのフローリングワイパーをかけても良いでしょう。
■フローリングの油汚れの掃除方法
それでも落ちない黒い汚れは、油汚れの可能性があります。薄いカードのようなもので、黒い汚れをこすり落としてみましょう。こする時に床を傷めないよう、最初は弱い力で試してみてください。そして、その後、中性洗剤水で拭いたり、ワックス入りのウエットタイプのフローリングワイパーをかけます。
フローリングの床に重曹やセスキ炭酸ソーダを使ってしまうと、ワックスやコート剤が剥がれてしまう場合があります。フローリングの掃除には、重曹やセスキ炭酸ソーダは使わないようにしましょう。
■フローリング床の汚れの原因
フローリングはキッチンやベッドルームなど、家中さまざまな場所で使われています。キッチンのフリーロング床の場合は、油汚れや食品汚れが主になります。ベッドルームや居間の場合は、足の裏の油や埃が汚れの原因になります。
2 絨毯・カーペットの床掃除
まずは、非常にゆっくりしたペースで絨毯に掃除機をかけていきます。テキパキと掃除を進めたいあまりに、掃除機を何回も手早く前後に移動させてしまいがちです。しかし、本当に効果的な掃除機のかけ方は、絨毯やカーペットの場合は非常にゆっくりしたペースでかけることです。1平方メートルにつき20秒以上かけるようにしてください。かなり遅く感じると思いますが、じっくり吸わせることで、奥のゴミまで出すことができるのです。
掃除機をかける方向も、前後だけでなく左右もかけます。絨毯やマットの毛を、色々な方向から掃除機をかけることで起こします。そして、中まで入ってしまったホコリやゴミを取るのです。
■絨毯やカーペット床にからまった毛の取り方・掃除方法
髪の毛やペットの毛など、絨毯に毛が入り込んでしまうと、からまってしまって取りにくいですよね。粘着力のある粘着式コロコロクリーナーでも、毛と毛の間にはさまったゴミや毛は取りづらいものです。この厄介なゴミを取ってくれるのが、薄手のゴム手袋です。
キッチン用やブカブカしているタイプのゴム手袋ではなく、手に吸いつくようにフィットして、伸びるタイプの手袋がオススメです。手袋を手にはめたら、絨毯を「の」の字を書くように、クルクルとなでていきます。すると、絨毯にからまった毛が自然と集まります。
■絨毯やカーペット床の黒ずみをキレイに掃除する方法
絨毯に足の裏の皮脂汚れや汗がつくと黒くなってしまいます。洗剤を水で薄めて、雑巾で拭いていきましょう。洗剤の種類はじゅうたんの素材によって違います。
・化学繊維:弱アルカリの家用洗剤
・ウール:中性洗剤。洋服のおしゃれ着用の洗剤でもOKです。
絨毯やカーペットを掃除した後は、窓を開けてよく乾かしましょう。生乾きのままだと、くさくなってしまうので注意が必要です。
■絨毯・カーペット床の汚れの原因
絨毯やカーペットの汚れは、埃などの他に髪の毛やペットの毛、洋服の毛といった繊維や毛が主な汚れになります。また、液体をこぼした時に絨毯やカーペットの繊維の中に染み付いてしまった汚れもあります。
3 タイルの床掃除
最近は、石畳風のものや木目調のものなど、さまざまな床用タイルが販売されています。
表面のデザインは違っても、タイルの掃除方法は同じです。
■タイル床の普段の掃除方法
タイルは汚れにくく、手入れしやすいので、毎日のお掃除は水拭きをする程度で十分にキレイな状態を保つことができます。タイルとタイルの間の目地が柔らかい素材でできている場合は、タワシやブラシでゴシゴシするのは避けましょう。
目地の掃除も、普段はタイルを水拭きする時に一緒に拭く程度で十分です。醤油やソース、唐辛子系のものやケチャップなどがこぼれた時には、目地に色がついてしまわないように早く拭き取りましょう。
■タイル床を念入りに洗いたい時の掃除方法
タイルをしっかり洗いたい時は、中性洗剤を水に薄めたもので拭きましょう。最後は水拭きをして洗剤を拭き取ります。また、メラミンスポンジも手軽でキレイになります。
■タイル床の目地に色がついてしまった場合の掃除方法
目地にうがい薬や醤油、白髪染めなどが染み込んでしまったら、漂白剤を使います。漂白剤には塩素系漂白剤と酸素系漂白剤がありますが、この場合は塩素系漂白剤を使用します。汚れがひどい場合には、雑巾やティッシュに漂白剤の原液を含ませて、色がついてしまった部分にかぶせます。
5分から10分程度そのままおいておき、汚れが浮き出てきたら雑巾で叩くようにして汚れを取ります。
■タイル床の汚れの原因
タイルの床の汚れは、皮脂汚れやほこりが主な原因です。玄関に近い部分のタイルであれば、外から入った土埃や泥なども汚れの一つの原因です。
4 クッションフロアの床掃除
クッションフロアは水にとても強い素材です。化学床材とも呼ばれていて、キッチンや洗面所、トイレの床などに使われることが多いです。また、弾力性も強く衝撃をしっかり吸収してくれるので、歩いた時にやわらかさを感じることができます。
クッションフロアはやわらかい素材でできているので、長期間にわたって同じ場所に重いものを置いていると、へこんだままになってしまうことがあるので注意してください。
またクッションフロアは、ワックスをかけても、ワックスが密着しない素材で作られているため、ワックスがけする必要はありません。
■クッションフロア床の掃除方法
クッションフロアの掃除の手順も「無垢材」や「合板」と基本は同じです。ドライタイプのフローリング用モップをかけた後に掃除機をかけ、洗剤で拭き掃除をし、最後に水拭きで終わりです。順を追って見てみましょう。
まず最初にドライタイプのフローリング用モップ・フローリングワイパーでゴミを取ります。髪の毛やホコリが取れたら、もっと細かいゴミを掃除機で吸い取ってください。
先に掃除機をかけないのは、掃除機がゴミを吸う時に空気が舞ってしまうからです。床にあったホコリが空気中に舞ってしまうと、2時間程度しないと床に落ちてきません。そのため、ドライタイプのフローリング用モップでよごれを十分に取ってから、掃除しきれなかった部屋の角や端の部分を掃除機でキレイにするのです。
次に、足の皮脂の汚れや、汗などで、黒ずんで汚れてしまった部分を洗剤で綺麗にしていきます。水2リットルに対して、小さじ1杯ほど中性洗剤を入れた「中性洗剤水」を作ります。雑巾に「中性洗剤水」を含ませて、床を拭きます。中性洗剤が無ければ、重曹を溶かした水でもかまいません。最後に水拭きすれば完了です。
■クッションフロア床の汚れの原因
クッションフロア床の汚れの原因は、キッチンに敷いてあるものであれば油汚れや食品汚れが主な原因になります。洗面所やトイレ、浴室の近くに敷いてあるものは、足の裏の汚れがついたものや、皮脂汚れ、そしてほこりが主な原因になります。
5 畳の床掃除
畳はイグサとアサでできています。イグサが横糸、アサが縦糸となって作られているのです。また、近年はイグサとアサ意外に、化学繊維でできている畳もあります。しかし素材が何であっても畳は水に弱いものです。
基本的に掃除は乾いた雑巾や、掃除機の畳モードで行います。掃除機をかける時や、雑巾で拭く時には、畳の目に沿うようにしましょう。畳と直角に掃除機をかけてしまうと、畳表が傷ついてしまいます。
イグサは、表面の皮が取れると中はスポンジのようになっています。そのためイグサの皮を傷つけてしまって、破れて中が見えるようになってしまうと、汚れを吸収しやすくなってしまいます。
■畳はお酢でキレイに掃除できる
畳が日焼けした時にもお酢がききます。表面が割れたりつぶれたりしている少し古くなった畳の掃除にも、お酢を使います。お酢には殺菌作用もあり、カビ防止にもなります。また、イグサの表面をお酢がカバーし汚れるのを防いでくれます。
畳を掃除する時のお酢は、5倍程度に薄めるのがポイントです。あまり畳に水分を多く含ませてしまうと、畳がいたんでしまうので気をつけましょう。
■畳にカビが生えてしまったら
畳は新しいほどカビが生えやすく、最初2年程度までが特にカビが生えやすいと言われています。そのため、最初の数年間の梅雨時には特に注意が必要です。
それでもカビが生えてしまった場合は、中性洗剤を水で薄めて雑巾に含ませてしぼってからカビを拭き取りましょう。カビを拭き取ったら消毒用アルコールで拭き、最後に掃除機をかけます。
■畳の汚れの原因
畳は皮脂汚れやほこりの他に、部屋によってはカビやダニの死骸なども汚れの原因になります。こどもが手をついてはいはいをする年齢であれば、手垢も汚れの原因になります。
5つの素材別床掃除の注意点
■1 フローリングの床掃除の注意点
フローリングの床は、家族の足の皮脂油や、足の裏の汚れによって、毎日床は汚れを蓄積しています。足の汚れは油汚れですので、重曹などのアルカリ性洗剤がよくききます。また、中性洗剤を水で薄めたものも汚れを落とすのにききます。
汚れを落とすのに夢中になって、フローリングの床を濡らしたままにすると、木が膨張してしまって床の形が変わってしまうことがあります。注意しましょう。
■2 絨毯・カーペットの床掃除の注意点
畳の上に絨毯やカーペットを置いてしまうと、湿度がこもってしまい、ダニが発生しやすくなります。
もしダニが発生してしまったら、畳の下に防虫シートを敷いたり、部屋に「くん蒸剤」をかけたりしてみましょう。燻蒸は成虫や幼虫にはききますが、卵にはききません。そのため、卵はだいたい2週間でかえるので、半月後に再び燻蒸をします。
■3 タイルの床掃除の注意点
表面が磨いてある光沢のあるピカピカのタイルの場合は、ワックスや保護剤を塗ってしまうと、かえって曇ってしまいます。タイルの場合はどの種類であっても全般的にワックスは必要ありませんので、そのままで綺麗な状態を保つようにしてください。
■4 クッションフロアの床掃除の注意点
クッションフロアの場合は、素材によってフロアコーティングはできません。汚れ防止のつもりでコーティングすると、かえって床材を傷める場合もありますので、素材をよく調べてからフロアコーティングしてください。
■5 畳の床掃除の注意点
掃除ロボットを使って畳の部屋を綺麗にする場合は、注意が必要です。ロボットは回転運動しながら動いていくので、畳の目に沿って移動するわけではありません。
そのため、畳が傷んでしまいます。畳の掃除では、ロボットはなるべく使わないようにしましょう。
床掃除の便利グッズ
■ワックスシート (フローリング用モップ・フローリングワイパー用
ワックスシートは手持ちのフローリング用モップにつけるだけで、ワックスがかけられる便利なものです。ボトルタイプのワックスは塗りムラができやすいのですが、フローリング用モップであればムラもできにくいです。
また乾燥に掛かる時間はボトルタイプのワックスの半分以下、およそ10分ほどで扱いも楽です。
ワックスをかけられるだけでなく、クリーニング作用もあるワックスシートも販売されています。
掃除とワックスがけを一度にしてくれるので、掃除時間も短縮されます。
ワックスを掛けると見た目も美しく気持ちもスッキリしますが、その反面滑りすくなってしまうため、ペットが誤って骨折してします恐れもあります。そのような悲しい事故が起きないように、スリップが軽減する素材で作られているものもあります。
■お酢
お酢は畳を綺麗にしたり、フローリングのベタつきを取ってくれたり、水アカを取ってくれたりと、掃除の時に大変使い勝手の良い洗剤です。
お酢100mlにつき、同量の水100mlをまぜればお酢スプレーができます。
■掃除に向いているお酢
お酢には色々な種類がありますが、穀物酢、クエン酸、ホワイトビネガーなどが掃除に向いています。
穀物酢はこの中では一番割安ですが、お酢独特のニオイがします。
ツーンとするお酢のニオイが苦手てあれば、100円ショップやドラッグストアで入手できるクエン酸や、輸入食材品店などで入手できるホワイトビネガーを使いましょう。
まとめ
床掃除で綺麗にした後は、換気して乾燥させるのも忘れないようにしましょう。湿気が床の材質に残っていると、カビたり雑菌が繁殖したりしてしまいます。また、生乾きのニオイもイヤなものです。そうならないために部屋の換気をしながら、床を乾燥させましょう。
赤ちゃんがいて、床の掃除に洗剤を使いたくない場合は、重曹やお酢、クエン酸といった天然成分由来のものを使うようにしてください。
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